【ボランティアはアリ?】ガクチカでボランティアを最大限アピールする方法
2022年8月19日更新
はじめに
ガクチカで「ボランティア」はアリ?
就活の定番質問「学生時代に最も力を入れたこと」、いわゆるガクチカでどんなテーマを選べばいいのか、悩みどころですよね。
特に部活もアルバイトもやってない、学業もそんなに力を入れていない学生にとっては、仕方なしにボランティアをテーマにする人もいるはずです。
もちろん、ガクチカをボランティアでアピールするのはアリです。
ただ、ボランティアをテーマにアピールする学生はたくさんいて、活動自体だけでは決して評価されません。
よって、何をきっかけに始め、何を学び、そこで培ったスキルが企業にどう活かせるのかまで丁寧に説明することがカギになります。
にわかボランティアを安易に選択してガクチカアピールをすると、面接官の執拗な質問にタジタジになって見事に撃沈といった事態も考えられます。
本記事ではガクチカのボランティア経験を通じて人事は何を考えているのか、どのようにボランティアをアピールすれば刺さるのかをステップ・バイ・ステップで解説していきます。
ボランティア・アピールを的確にヒットして、面接官を落とす具体的な方法も入手できますので、最後までジックリとお読みくださいね。
1.ボランティア経験で人事が知りたい3つのこと
人事がボランティア経験を聞く時に意識していることは3つです。
逆に、3つのことを押さえてアピールできれば、ガクチカのボランティアは高評価につながります。
まずはボランティアを通じて人事が知りたがっていることを3つ確認していきましょう。
①企業活動もボランティアと勘違いしてないか?
まず人事が最初に確認しておきたいことは、
「企業活動とボランティア活動を混同してないか?」
ということです。
なぜなら、企業活動とボランティア活動の形態が対極的だからです。
企業が生き残るためには利潤を永続的に追及していかなければなりません。
一方、ボランティアは原則「無償」で行われていて、そこには活動による金銭的報酬の見返りや稼ぐといった概念が存在しません。
ボランティアには企業活動のような他社のパイを奪うといったマス取りゲームのような要素はありませんし、新たなものを生み出す技術革新のような感覚が薄いのも確かです。
したがって、ボランティア感覚で仕事をしてもらうと企業目的から逸脱するため、最初の踏み絵としてボランティア活動と一緒くたにしてないかを確かめたいのです。
➁優しすぎる性格でないか?
次に優しすぎる性格でないかをチェックしています。
ボランティアというと、自分の時間と労力を「無償」で差し出し、「他人のために」といった「利他の精神」が強い面があります。
これはこれで崇高なことだと思いますが、企業活動ではこのマインドが足かせになる場合があります。
一般的に企業活動はあるターゲットを狙って、貪欲に獲得に行く「狩猟民族」が適していて、みんなでワイガヤで稲作を行う「農耕民族」的な人材は不必要ではないですが、狩猟民族を確保してからのクッション役として採用するような位置づけになります。
ボランティアを行う人は基本的に優しく、協調性があり、高度経済成長下では重宝される人材でしたが、成長が鈍化している今の日本では二番手、三番手に追いやられます。
介護福祉や接客を扱う業界ではこのような人柄が活かせるのかもしれませんが、一般的な企業は今、狩猟民族を欲しがっています。「優しすぎる人」は弱弱しかったり、頼もしくない印象に映り、敬遠される傾向があるので、そのような面を見せないことも必要かもしれません。
③嫌な人や場面に対する耐性があるか?
ボランティア活動といえば、基本的に優しい人が多く、フラットで緩やかな関係のため、集団内での軋轢や摩擦が起こりにくいですね。
一方、企業活動は上下関係で動いていて、上司から高圧的に指示されたり、檄が飛んできたり、同僚から嫌なことを言われたり、傷つけられる場面も多々あります。
したがって、ボランティアのような土壌とは異なり、ストレスフルな環境で心がポキっと折れないか、心的な耐性も人事はチェックしています。
以上、3点を中心に人事はチェックしていますが、なかにはボランティアのアピールがマイナス評価になってしまった学生もいましたので、その特徴を次の章で紹介していきます。
2.ボランティアをアピールして失敗する人の特徴3つ
ボランティアのアピールが返ってアダになる人の特徴を3つ紹介します。
それは、
①ボランティアを就活ネタにしている人
➁ただの自己満足に陥っている人
➂競争心が見受けられない人
です。
少し解説を加えます。
①ボランティアを就活ネタにしている人
まず1つ目は、就活直前になって
「やばい、ガクチカに書けることが1つもない。単発のボランティアでもするか」
と苦し紛れにボランティアをガクチカにあてているような学生です。
このような人は、その浅はかさを人事から一発で見抜かれます。
人事も面接のプロです。
何個か質問するだけで、答える内容や声のトーン、表情などからボランティアに対してそこまで熱心でないことを嗅ぎ分けられます。
薄っぺらい受け答えでは面接を凌げませんので、ガクチカで「なんちゃってボランティア」をあげつらうのは無しにしましょう。
➁ただの自己満足に陥っている人
ボランティアをやる人に結構多い特徴ですが、ボランティアをやることで満足しきっちゃってる人がいます。
こういう人は、なぜボランティアを始めたのか、何を学んで、何が企業で活かせるのかといった質問に対する答えの中身が空っぽです。
自己肯定感の低い人がよく陥りがちな落とし穴で、「自分は他人のためにこれだけやっている」という利他で自己肯定感の低さを穴埋めしようとする似非ボランティアでは「自己満足」としか捉えられないのでツライですね。
➂競争心が見受けられない人
やはり、競争心がない人はビジネスでは敬遠されがちですね。
「企業=ゴーイングコンサーン」で事業を継続していかなければならないので、業界にもよりますが、ほとんどの企業で「競合他社」や「社内競争」で出し抜ける人材が重宝されます。
そこは「利己心」が原動力であり、「優しい」「利他の精神が強い」だけでは適格要件を欠く場合があります。
NPOや公務員など競争がない世界であれば逆に活きるのですが、ことビジネスとなると、その特徴が活かせないということですね。
3.ボランティア・アピールのポイント5つ
では、ボランティアをガクチカとしてアピールするには、どうすればいいのでしょうか?
ポイントは5つあって、
①始めた目的と目標を述べる
➁学びとベネフィットを明確に述べる
➂企業が求める人物像に寄せる
➃活動自体をアピールし過ぎない
➄単発のボランティアは避ける
です。
少し解説を加えます。
①始めた目的と目標を述べる
まず企業側が知りたいことは、「なぜボランティアを始めようと思ったのか?」です。
なぜなら、そこに学生の価値観や志向性が現れるからです。
ボランティアをやる学生のなかにも「何とはなしに」「友達に誘われたから」「周りがやっているから」といった本人の意志と関係なく流れで始めたような学生がいることを人事は知っています。
なので、ボランティアをアピールしてくる学生はそんな学生の1人ではないかと猜疑心の目で見ています。
そこで明確な目的や動機、始めてから形成された目標を上手くアピールできれば、主体性や行動力で始めたボランティアだと認識され、初めてあなたの話に耳を貸すわけです。
この辺りは、後ほどガクチカの「型と例文」でジックリ解説していきますので、安心してください。
➁活動自体をアピールし過ぎない
次にボランティアの活動内容を熱弁してくる学生がいます。
でも、単にボランティアの内容をアレコレ伝えられても、「で?そこから何を学んだの?その体験が会社の何に貢献できるの?」といったリアクションになり、想像以上に人事には響きません。
なので、部活やアルバイトなどもそうですが、そこから何を学び、その経験が企業側の何に有益なのか(=ベネフィット)を伝えていく必要があります。
③学びとベネフィットを明確に述べる
そういう意味で、ガクチカでは「学びとベネフィット」をセットで伝えてください。
「学び」はイメージできると思いますが、「ベネフィット」が分かりにくいと思いますので、少し解説を加えます。
たとえば、あなたが新しいスマホを買ったとします。
なぜ、あなたは数あるスマホの中から、そのスマホを手にしたのですか?
・みんなが持っているから仲間に入りたかった(=所属欲求)
・処理速度の早いスマホが欲しかったから(=時短欲求)
・最新機種を持つことで周りの関心を集めたかったから(=承認欲求)
など、色々な理由があると思います。
そこで覚えておいて欲しいことは、その欲求さえ満たせれば、別にどのスマホでもいいということです。
何が言いたいかというと、人間は商品そのものではなくて、それを手にすることで得られる「未来」や「結果」=「ベネフィット」が欲しいということです。
採用も同じで、人事はあなたを雇うことによって、どんな「未来」や「結果」が得られるのかを知りたがっているのです。
ボランティア内容だけを説明する行為は、自社の商品をくどくど説明してくる押し売りのセールスマンと似ています。
ボランティアの内容を伝えることも大切ですが、その体験を通じて得た学びやベネフィットをアピールすることのほうがもっと重要だということを覚えておいてください。
この辺りのテクニックは「型と例文」の章で詳しく解説していきますね。
➃企業が求める人物像に寄せる
部活やアルバイトなどのガクチカもそうですが、その企業が求める人物像に寄せてアピールすることが肝要です。
求める人物像とかけ離れていると、いくら熱く語っても人事の心は逆に離れていくだけです。
たとえば、「チャレンジ精神旺盛な人」を求める人物像の企業に対して、「慎重で何事も石橋を叩いて渡るようなタイプです」とアピールした場合、どうでしょう?
かなりの確率で企業側は「引く」と思います。
なので、先回りして企業側の求める人物像をリサーチしておいて、その像に寄せながらアピールしていくことが大切です。
➄単発のボランティアは避ける
短期や単発のボランティアならアピールしないほうがマシです。
なぜなら、「ガクチカ=学生時代に最も力を入れたこと」だからです。
その学生時代に最も力を入れたことが1日だけのボランティアだとしたら、逆の立場になった場合、どう思いますか?
「よほど学生時代に打ち込んだことがなかったのだろうね」
「これはガクチカじゃないよね」
「ハイ、アウトです」
みたいなリアクションになりますよね。
なので、単発のボランティアをアピールするぐらいだったら、別のテーマを選んだほうが身のためです。
4.【効果倍増!!】ボランティアのガクチカの「型」と「例文」
それではボランティアをガクチカでアピールする場合の「型」と「例文」を解説していきます。
武道でもそうですが、型を1度身に付ければ、大コケすることがなくなりますので、ぜひ基本の型を習得しておきましょう。
型
ボランティアをアピールする場合、あなたの主体性や意志を前面に押し出す必要があるために、まずは「始めたきっかけ」を説明していきます。
そのうえで、ボランティア前後の「心の動き」や「学び」、そしてベネフィットを伝えていくことが大切です。
具体的には下記の5つのブロックで文章を構成してみてください。
①結論:「私が学生時代に最も力を入れたことは〇〇です」
↓
➁始めたきっかけ:「ボランティアを始めったきっかけは××だからです」
↓
③内容:「△△というボランティアを行いました」
↓
➃学び:「そこで××を学びました」
↓
➄ベネフィット:「御社ではそこで得た□□を活かして業績に貢献します」
これだけではイメージしにくいと思いますので、実際に例文を見て確認していきましょう。
例文
学生時代に最も力を入れたことは、「地元の復興支援」です。【結論】 私が大学2年生の時に地元の〇〇県〇〇市は地震で被災しました。 テレビで地元の悲惨な状況を目の当たりにし、最初はショックで立ちすくみましたが、「これは自分が行って何とかしないといけない」と思い、夏休みを使って地元の復興支援に向かいました。【始めたきっかけ】 現地に入ると、テレビで見る以上に目も当てられない状況で、住宅が破壊されていたり、車が横転しているなど、もはやそこには以前の地元はありませんでした。 しかしながら、「絶対に元の美しい地元を取り戻すんだ」という強い気持ちで、現地のボランティアリーダーの指示を仰ぎながら、復興支援に従事しました。 最初はいくら瓦礫を撤去しても、泥かきを行っても、なかなか原状回復できず、気の遠くなるような作業の連続でした。 途中で心が折れそうになりましたが、町の人の「ありがとね」の一言でやる気のエネルギーが充填され、「また明日も来ます」と言っているうちに21日が過ぎました。 22日目にすべての撤去が完了し、改めて全体を見渡してみると、元あった町が更地になり、心がポッカリと空いた状態になりましたが、同時にまたゼロから町を作り直すといった気概も生まれました。【内容】 今回の復興支援を通じて、人の優しさで人が頑張れることを学びましたし、1日1日少しでも前を向きながら地道な努力を積み上げることで大きな仕事を完遂できることを学びました。【学び】 御社ではこの経験で培った協働で何かを達成する「組織力」と、1ミリの前進を積み上げて大きな仕事をやり遂げる「継続力」で業容拡大に貢献します。【ベネフィット】 (662字) |
いかがだったでしょうか?
この型を使うと、論理がスムーズに流れていくと同時に、人事が知りたいことも網羅されていますので、ボランティアを最大限にアピールすることが可能になります。
早速、この型を使って、あなたのボランティアのガクチカを作ってみてくださいね。