【例文付き】ガクチカでボランティアは弱い?メリットや書き方を解説
2024年8月19日更新
はじめに
就活で定番質問のガクチカ。
- ガクチカでボランティアは弱い?
- 1回だけのボランティアでも大丈夫?
- 例文はある?
こうした疑問をもつ就活生も多いでしょう。
ガクチカでボランティアを選ぶメリットや注意点を考慮し、学んだことをしっかりと伝えれば、ボランティアは十分にガクチカとしてアピールできます。
本記事では、ボランティアをガクチカとして選ぶメリットやボランティアで人事が見る視点、アピールポイントのほか、書き方・構成、例文を解説します。
ボランティアをガクチカにしても良い?
ボランティアは、ガクチカとして有効な活動のひとつです。
ボランティア活動の経験や学んだことをしっかりと伝えることで、主体性的で社会貢献意識の高い人物であることをアピールできます。
しかし、活動内容を単に説明するだけでは十分にアピールできません。
ボランティア活動を通じて、考え方や価値観がどのように変化し、その価値観が志望企業にどのようにマッチしているかを伝えることが重要です。
子ども支援やゴミ拾い?ガクチカにしやすいおすすめボランティア活動3選ここでは、ガクチカでおすすめのボランティア活動を紹介します。
【1】子ども支援活動のボランティア
子ども食堂や学習支援など、子ども支援に関するボランティアは、地域社会への貢献意識をアピールしやすいテーマです。
就活の軸が教育や福祉分野の場合、このボランティア活動経験をガクチカにすると効果的です。
【2】環境保護活動のボランティア
ゴミ拾いやリサイクル活動など、環境保護に関わるボランティアは、持続可能な社会の実現に貢献する姿勢をアピールできます。
また、SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」など、SDGsとの関係性を伝えることで、SDGsへの意識の高さを強調できるメリットもあります。
環境保護活動は、どのような業種でも求められるものであり、汎用性が高いガクチカのボランティアといえるでしょう。
【3】国際交流活動のボランティア
留学生支援や国際協力団体の活動など、国際交流に関わるボランティアは、グローバルな視点を訴求できます。
海外業務や国際的なプロジェクトに関わりたい場合、活動を通じて学んだ異文化の理解やコミュニケーションスキルを訴求すると効果的でしょう。
ガクチカをボランティアにするメリットとは?
ボランティア活動をガクチカに選ぶことで、次のようなメリットがあります。
主体性や行動力をアピールできる
ボランティアは、自発的に行う活動であり、行動力や主体性をアピールする材料にできます。
こうして、自ら率先して行動を起こした経験は、どの企業にとっても魅力的なマインドです。
企業は、能動的な行動ができる人材を求めています。
そのため、どのように考えて、どう行動したかを具体的に示すことで、企業に能動的な人材であることをアピールできます。
社会貢献の意識を強調できる
企業は、社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)の下、環境や従業員、消費者などのステークホルダーに対する社会貢献活動は不可欠です。
ボランティアを通じて得た経験は、この社会貢献に対する意識や行動力を持った人材であることを強調できます。
学んだ経験を基に、どのように志望企業における社会貢献活動に寄与していくかを具体的に示すことで、説得力あるアピールが可能になります。
考え方や価値観の変化のストーリーを説明しやすい
社会に対する目的が明確なボランティア活動は、考え方や価値観の変化のストーリーを説明しやすいメリットがあります。
ボランティア活動は、自分の考え方や価値観を深く見つめ直すきっかけとなるものです。
この経験を通じて、どのようなことを学び、自身がどう成長したかを伝えることで、面接官に自身の成長志向を印象付けることが可能です。
ボランティア経験で人事が知りたい3つのこと
人事がボランティア経験を聞く時に意識していることは3つです。
逆に、3つのことを押さえてアピールできれば、ガクチカのボランティアは高評価につながります。
まずはボランティアを通じて人事が知りたがっていることを3つ確認していきましょう。
【1】企業活動もボランティアと勘違いしてないか?
まず人事が最初に確認しておきたいことは、「企業活動とボランティア活動を混同してないか?」ということです。
なぜなら、企業活動とボランティア活動の形態が対極的だからです。
企業が生き残るためには利潤を永続的に追及していかなければなりません。
一方、ボランティアは原則「無償」で行われていて、そこには活動による金銭的報酬の見返りや稼ぐといった概念が存在しません。
ボランティアには企業活動のような他社のパイを奪うといったマス取りゲームのような要素はありませんし、新たなものを生み出す技術革新のような感覚が薄いのも確かです。
したがって、ボランティア感覚で仕事をしてもらうと企業目的から逸脱するため、最初の踏み絵としてボランティア活動と一緒くたにしてないかを確かめたいのです。
【2】優しすぎる性格ではないか?
次に優しすぎる性格でないかをチェックしています。
ボランティアというと、自分の時間と労力を「無償」で差し出し、「他人のために」といった「利他の精神」が強い面があります。
これはこれで崇高なことだと思いますが、企業活動ではこのマインドが足かせになる場合があります。
一般的に企業活動はあるターゲットを狙って、貪欲に獲得に行く「狩猟民族」が適していて、みんなでワイガヤで稲作を行う「農耕民族」的な人材は不必要ではないですが、狩猟民族を確保してからのクッション役として採用するような位置づけになります。
ボランティアを行う人は基本的に優しく、協調性があり、高度経済成長下では重宝される人材でしたが、成長が鈍化している今の日本では二番手、三番手に追いやられます。
介護福祉や接客を扱う業界ではこのような人柄が活かせるのかもしれませんが、一般的な企業は今、狩猟民族を欲しがっていますので、「優しすぎる人」は弱弱しかったり、頼もしくない印象に映り、敬遠される傾向があるということですね。
【3】嫌な人や場面に対する耐性があるか?
ボランティア活動といえば、基本的に優しい人が多く、フラットで緩やかな関係のため、集団内での軋轢や摩擦が起こりにくいですね。
一方、企業活動は上下関係で動いていて、上司から高圧的に指示されたり、檄が飛んできたり、同僚から嫌なことを言われたり、傷つけられる場面も多々あります。
したがって、ボランティアのような土壌とは異なり、ストレスフルな環境で心がポキっと折れないか、心的な耐性も人事はチェックしています。
以上、3点を中心に人事はチェックしていますが、なかにはボランティアのアピールがマイナス評価になってしまった学生もいましたので、その特徴を次の章で紹介していきます。
ガクチカでボランティアをアピールする際のポイント
では、ボランティアをガクチカとしてアピールするには、どうすればいいのでしょうか?
ポイントは以下の5つがあります。
- 始めた目的と目標を述べる
- 学びとベネフィットを明確に述べる
- 企業が求める人物像に寄せる
- 活動自体をアピールし過ぎない
- 1回だけのボランティアは避ける
少し解説を加えます。
【1】始めた目的と目標を述べる
まず企業側が知りたいことは、「なぜボランティアを始めようと思ったのか?」です。
なぜなら、そこに学生の価値観や志向性が現れるからです。
ボランティアをやる学生のなかにも「何とはなしに」「友達に誘われたから」「周りがやっているから」といった本人の意志と関係なく流れで始めたような学生がいることを人事は知っています。
なので、ボランティアをアピールしてくる学生はそんな学生の1人ではないかと猜疑心の目で見ています。
そこで明確な目的や動機、始めてから形成された目標を上手くアピールできれば、主体性や行動力で始めたボランティアだと認識され、初めてあなたの話に耳を貸すわけです。
この辺りは、後ほどガクチカの「型と例文」でジックリ解説していきますので、安心してください。
【2】活動自体をアピールし過ぎない
次にボランティアの活動内容を熱弁してくる学生がいます。
でも、単にボランティアの内容をアレコレ伝えられても、「で?そこから何を学んだの?その体験が会社の何に貢献できるの?」といったリアクションになり、想像以上に人事には響きません。
なので、部活やアルバイトなどもそうですが、そこから何を学び、その経験が企業側の何に有益なのか(=ベネフィット)を伝えていく必要があります。
【3】学びとベネフィットを明確に述べる
そういう意味で、ガクチカでは「学びとベネフィット」をセットで伝えてください。
「学び」はイメージできると思いますが、「ベネフィット」が分かりにくいと思いますので、少し解説を加えます。
たとえば、あなたが新しいスマホを買ったとします。
なぜ、あなたは数あるスマホの中から、そのスマホを手にしたのですか?
- みんなが持っているから仲間に入りたかった(=所属欲求)
- 処理速度の早いスマホが欲しかったから(=時短欲求)
- 最新機種を持つことで周りの関心を集めたかったから(=承認欲求)
ど、色々な理由があると思います。
そこで覚えておいて欲しいことは、その欲求さえ満たせれば、別にどのスマホでもいいということです。
何が言いたいかというと、人間は商品そのものではなくて、それを手にすることで得られる「未来」や「結果」=「ベネフィット」が欲しいということです。
採用も同じで、人事はあなたを雇うことによって、どんな「未来」や「結果」が得られるのかを知りたがっているのです。
ボランティア内容だけを説明する行為は、自社の商品をくどくど説明してくる押し売りのセールスマンと似ています。
ボランティアの内容を伝えることも大切ですが、その体験を通じて得た学びやベネフィットをアピールすることのほうがもっと重要だということを覚えておいてください。
この辺りのテクニックは「型と例文」の章で詳しく解説していきますね
【4】企業が求める人物像に寄せる
部活やアルバイトなどのガクチカもそうですが、その企業が求める人物像に寄せてアピールすることが肝要です。
求める人物像とかけ離れていると、いくら熱く語っても人事の心は逆に離れていくだけです。
たとえば、「チャレンジ精神旺盛な人」を求める人物像の企業に対して、「慎重で何事も石橋を叩いて渡るようなタイプです」とアピールした場合、どうでしょう?
かなりの確率で企業側は「引く」と思います。
なので、先回りして企業側の求める人物像をリサーチしておいて、その像に寄せながらアピールしていくことが大切です。
【5】1回だけのボランティアは避ける
短期や単発のボランティアならアピールしないほうがマシです。
なぜなら、「ガクチカ=学生時代に最も力を入れたこと」だからです。
その学生時代に最も力を入れたことが1日だけのボランティアだとしたら、逆の立場になった場合、どう思いますか?
- 「よほど学生時代に打ち込んだことがなかったのだろうね」
- 「これはガクチカじゃないよね」
- 「ハイ、アウトです」
みたいなリアクションになりますよね。
なので、単発のボランティアをアピールするぐらいだったら、別のテーマを選んだほうが身のためです。
ボランティアをアピールして失敗する人の特徴3つ
ボランティアのアピールが返ってアダになる人の特徴を3つ紹介します。
- ボランティアを就活ネタにしている人
- ただの自己満足に陥っている人
- 競争心が見受けられない人
【1】ボランティアを就活ネタにしている人
まず1つ目は、就活直前になって
「やばい、ガクチカに書けることが1つもない。単発のボランティアでもするか」
と苦し紛れにボランティアをガクチカにあてているような学生です。
このような人は、その浅はかさを人事から一発で見抜かれます。
人事も面接のプロです。
何個か質問するだけで、答える内容や声のトーン、表情などからボランティアに対してそこまで熱心でないことを嗅ぎ分けられます。
薄っぺらい受け答えでは面接を凌げませんので、ガクチカで「なんちゃってボランティア」をあげつらうのは無しにしましょう。
【2】ただの自己満足に陥っている人
ボランティアをやる人に結構多い特徴ですが、ボランティアをやることで満足しきっちゃってる人がいます。
こういう人は、なぜボランティアを始めたのか、何を学んで、何が企業で活かせるのかといった質問に対する答えの中身が空っぽです。
自己肯定感の低い人がよく陥りがちな落とし穴で、「自分は他人のためにこれだけやっている」という利他で自己肯定感の低さを穴埋めしようとする似非ボランティアでは「自己満足」としか捉えられないのでツライですね。
【3】競争心が見受けられない人
やはり、競争心がない人はビジネスでは敬遠されがちですね。
「企業=ゴーイングコンサーン」で事業を継続していかなければならないので、業界にもよりますが、ほとんどの企業で「競合他社」や「社内競争」で出し抜ける人材が重宝されます。
そこは「利己心」が原動力であり、「優しい」「利他の精神が強い」だけでは適格要件を欠く場合があります。
NPOや公務員など競争がない世界であれば逆に活きるのですが、ことビジネスとなると、その特徴が活かせないということですね。
就活生が知るべき!ボランティアのガクチカ書き方・構成
それではボランティアをガクチカでアピールする場合の構成と書き方を解説していきます。
ボランティアをアピールする場合、あなたの主体性や意志を前面に押し出す必要があるために、まずは「始めたきっかけ」を説明していきます。
そのうえで、ボランティア前後の「心の動き」や「学び」、そしてベネフィットを伝えていくことが大切です。
具体的には、ボランティア活動の内容を次のとおり5つのブロックで構成します。
このように、ブロックに分けて構成することで、説得力のあるアピールが可能になります。
- 結論:「私が学生時代に最も力を入れたことは〇〇です」
- 始めたきっかけ:「ボランティアを始めったきっかけは××だからです」
- 内容:「△△というボランティアを行いました」
- 学び:「そこで××を学びました」
- ベネフィット:「御社ではそこで得た□□を活かして業績に貢献します」
この構文を活用することで、ボランティアで得た学びを論理的に説明でき、ガクチカを効果的にアピールすることが可能になります。
ガクチカボランティアの例文3選
最後に、前章で説明した構成を用いた例文を紹介します。
子ども食堂のボランティア
【結論】
私が学生時代に最も力を入れたことは、子ども食堂でのボランティア活動です。
【始めたきっかけ】
「子どもたちが安心して食事を楽しめる場所を提供する」という取り組みに共感し、私も何か役立ちたいと思ったことが、このボランティアを始めたきっかけです。
【内容】
週末を中心に、地元の子ども食堂で食事の準備や配膳を担当し、食事を通じて子どもたちとの交流を深めました。
【学び】
子どもたちの笑顔を見て、この喜びをつくることに貢献できたことを実感し、支援する側としての責任感や達成感を学ぶことができました。
【ベネフィット】
貴社に入社した暁には、この経験を通じて培ったコミュニケーション力や責任感を発揮し、貴社の取り組みに貢献できると確信しています。
ゴミ拾いのボランティア
【結論】
学生時代に最も力を注いだ活動は、地域のゴミ拾いボランティアです。
【始めたきっかけ】
環境問題に関心があり、特に地元の美しい海岸を守りたいという思いが、この活動に取り組んだきっかけです。
【内容】
毎週末に、仲間とともに海岸や公園のゴミ拾いの活動を続け、地域の環境美化に貢献してきました。
【学び】
この活動を通じて、環境保護に対する意識の重要性や、地道な努力の積み重ねが大きな成果を生むことを学びました。
【ベネフィット】
今後、入社させていただきましたら、この経験で養った環境への意識と継続力を活かし、持続可能なビジネス活動の推進に寄与していきたいと考えています。
教育関係のボランティア
【結論】
私が学生時代に最も力を入れた活動は、子どもを対象とした地域の学習支援ボランティアです。
【始めたきっかけ】
勉強が苦手な子どもたちに、少しでも力になれればと思い、参加することにしました。
【内容】
週に一度の放課後に、子どもたちの勉強に対するアドバイスや指導を、興味を持ってもらえるように工夫しながら対応し、勉強の楽しさを教える活動を行いました。
【学び】
子どもたちが、自らの意思で少しずつ理解を深めていく姿を見て、教育の大切さとやりがいを強く感じました。
【ベネフィット】
この経験を通じて得たコミュニケーション能力や指導力を、御社での仕事においても発揮し、貴社の事業に貢献できると考えています。
ボランティアは中身で差別化せよ!
以上、ボランティアをガクチカとして最大限アピールする方法を解説してきました。
ボランティアは部活やアルバイトと同じく、ガクチカでよく使われる題材で、人事からすると「またか」といった感覚に陥ります。
そのため、中身で差別化をはかる必要があります。
本記事で紹介したポイントや構成を活用して、他の就活生と差別化をはかり、あなたのガクチカを企業に強く印象付けましょう。
次の記事でも、ボランティアをガクチカのエピソードとして活用する方法を解説していますので、参考にしてください。
また、次の記事では、ガクチカの作り方として作成ツールなども紹介していますので、ぜひご覧ください。
ボランティア以外のガクチカを検討したい場合は、次の記事も見てくださいね。