【就活】マスコミ業界の概要・動向・対策ポイントを解説
2024/9/24更新
はじめに
「マスコミ業界」と聞くと、テレビで見る印象から「華やか」「きらびやかな」などのイメージを抱く学生も多いです。
毎年倍率の高い業界として知られていて、就職ができるなら「私も働いてみたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
もし、マスコミ業界への就職を希望をしているなら、業界の特徴や求められている人物像などを知っておく必要があります。
競争率も高いため、事前準備が大切です。
そこで今回は、マスコミ業界について下記内容をテーマに解説していきます。
- マスコミ業界の概要
- マスコミ業界の企業から内定をもらうために必要な対策
- マスコミ業界の求める人物像
- マスコミ業界の課題と将来性 など
就職でマスコミ業界を検討している、マスコミ業界の具体的な対策が知りたい方におすすめの内容です。
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マスコミ業界の種類と仕事内容
結論から伝えますと、マスコミ業界は大きく4つの種類があります。
そのため、マスコミ業界への就職を考えている学生は「どの業界で働きたいのか」を先に決めておくのがよいです。
具体的な業界と仕事内容は以下の通り。
- テレビ業界:テレビやラジオで情報を伝える
(例:日本テレビ、フジテレビ など)
- 出版業界:雑誌などの紙媒体で情報を伝える
(例:講談社、集英社 など)
- 新聞業界:全国紙と地方紙で情報を伝える
(例:読売新聞、朝日新聞 など)
- 広告業界:広告主とメディアを繋いで情報を伝える
(例:電通、博報堂 など)
どの業界も情報を伝えることに関しては同じで「情報を伝える手段」が異なります。
また、以前まではテレビまたは紙媒体での情報伝達がメインでしたが、最近ではインターネットを活用した方法が増加。
視聴者・購読者の情報取集スタイルが変わったためです。
時代と共にマスコミ業界も移り変わっていくので、今の時代にあった情報提供を素早くおこなえるかが鍵になってくるでしょう。
マスコミ業界を受ける就活生に必要な対策
マスコミ業界とはいっても、基礎の対策がとても大切です。下記3つをご覧ください。
- 大学3年の夏までにエントリーシートや企業研究を済ませる
- インターンシップに参加しておく
- OBやOG訪問をおこなう
他業界よりも採用選考が早いところもあるため、早めの準備が必要です。
大学3年の夏までにエントリーシート・企業研究を済ませる
たとえばテレビ業界ですと、大学3年の夏にエントリーが開始。
出版社であれば、2月末にエントリーシート提出が締め切られるところもあります。
マスコミ業界の中でもどの業界を志望するかで対策スピードが変わるため、明確に業界が定まっていない学生ほど早めの対策をしておくと後が楽です。
また、就活対策を早くからおこなえば、大学の就職課でもしっかりチェックしてもらえます。
周りのみんなが一斉に始まったタイミングで自分も対策をスタートすると、就職課の先生たちに見てもらえないことも。
なおエントリーシート・企業分析については下記を参考にしてみてください。
インターンシップに参加しておく
実際の中身を知るためにインターンシップへの参加は欠かせません。
インターンシップへ参加すれば「実務はどんな感じなんだろう?」「やっぱり大変なのかな?」などの疑問点を払拭することができます。
不安な気持ちが解消できるだけではなく、仕事の面白さも実感できるため、一層業界への志望度が高まるでしょう。
企業としては、学生が「どれだけうちで働きたいか」といった熱量も見ています。インターンシップに参加をしておけば「気持ちの面」もうまく伝えられるようになるはずです。
なおインターンシップに参加するメリットを解説した記事は下記になりますので、参加を検討する学生はぜひ参考にしてみてください。
OB・OG訪問をおこなう
マスコミ業界の情報が不足している場合は、OB・OG訪問をおこなうのもおすすめです。
「内定を得るためにどんな対策をしたのか」「面接ではどんなことが聞かれたのか」などの具体的なアドバイスを知ることができます。
そうすれば対策もしやすいです。
また、SNSを活用するのもいいかもしれません。
人数が非常に多いので、マスコミ業界に勤めている方も多いです。自分が必要な情報を素早く手に入れるのにもいいでしょう。
まったく関係がない学生だとしても、質問をすれば返事をくれる親切な発信者もいるため、積極的に行動できる学生はSNSも有効活用してみてください。
OB・OG訪問については下記で解説しているため、ぜひ目を通してみてください。
マスコミ業界に求められる人物像
下記に当てはまる人物がマスコミ業界に求められています。
- 優れたアンテナ力や観察力がある
- モノをつくる・発信するのが好きな人
情報を届ける仕事である以上、周囲のアンテナに敏感であることが望ましいです。
では、それぞれ見ていきましょう。
優れたアンテナ力・観察力がある
「ニュースや雑誌を読む習慣がある」「物事を疑う癖がある」といった力が求められています。
情報を正しく届けるには、正しい情報をリサーチできなければいけません。
「この情報は本当に正しいのだろうか?」と思える思慮深さが必要です。
今日ではあらゆる情報を気軽に見ることができますが、すべての情報が正しいとは限りません。
間違った情報であるにもかかわらず、疑いもせずそのまま鵜呑みにしてしまうのは危険です。
「本当にあっているのか?」「なぜなんだ?」と常に問いを重ねていける学生が求められています。
モノをつくる・発信するのが好きな人
情報を届けるといった意味では「何かを世に出す」と言い換えることができるため、主体的に発信できる人が求められています。
「発信」と聞くと少々ハードルが高いですが「自分で考えて動ける人」と考えておくといいかもしれません。
マスコミ業界も従来のテレビ・紙媒体から、デジタルへ移行しています。
臨機応変に対応していくためには、指示待ちではなく自ら率先して行動できる人が必要です。
マスコミ業界の現状
マスコミ業界についてより深く理解するために、現状を把握していきましょう。
- 広告売上高が減少している
- 若年層を中心としたテレビ離れ
- インターネット対応が加速している
インターネットが大きく影響を及ぼしています。
広告売上高が減少している
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、2020年の広告業界の売上高は5兆3,583億円と4年連続で減少しています。
紙媒体よりデジタル広告のほうが利便性が高く、現代の流れがそのまま影響しているようです。
視聴者・購読者も家や電車で気軽に見られる媒体を好む傾向が強くなり、インターネットを主軸にしている人も増えています。
特に新型コロナウイルスの影響で在宅時間が大幅に増えたため、ユーザーの選択肢がさらに広がったのではないでしょうか。
若年層を中心としたテレビ離れ
SNSの利用者が急速に普及した背景もあり、人の可処分時間がSNSに移行しているのもテレビ離れの要因の一つです。
特に10代、20代の1日あたりのテレビ視聴時間は平成17年から2年の5年間で約3割も減少してるといったデータがあります。
「自宅にテレビがない」といった一人暮らしの学生や社会人も珍しくなく、スマートフォン一つあれば事が済んでしまうのが現状です。
インターネット対応が加速している
広告業界の売上高が減少したり、テレビ離れが進んだりしている背景を受けて、マスコミ業界もインターネットへの対応を急いでいます。
身近な例を挙げるなら、動画配信サービスや電子書籍などはスマートフォン一つあればどこでも見ることができるため、若い層から人気が高いです。
そのおかげもあり、ネット広告の売上高は着実に伸びています。
今後もインターネットを主軸としたサービスが展開されていくでしょう。
マスコミ業界の課題
従来の広告売上が減少し、インターネット広告が伸びていることから「アナログからデジタルへの対応」が今後の課題となるでしょう。
特に若者はテレビ離れが進んでいるため、デジタルコンテンツを充実させる必要があります。
ただし、現状の課題を面接時に指摘するだけではもったいないため「どうすればよくなるのか」といった企画・提案などの視点があるとよいです。
マスコミ業界の今後の将来性
インターネットを活用したサービスの普及は今後も続いていくため、将来性があると言っていいでしょう。
業界自体も従来の方法では衰退してしまうのをわかっているので、新たな行動が必要です。
また、業界に携わるスタッフの職種によっては他業界でも活かせるものがあります。
広告業界であれば、ライター・デザイナー・編集職などがありますが、あらゆる場面で必要なスキルです。
マスコミ業界だけの成長性を考えるのではなく、自分がおこなう仕事の活かし方を考えてみると、さまざまな分野で貢献できるのではないでしょうか。
マスコミ業界の売上高ランキング
ここでは本記事の冒頭で紹介したマスコミ業界の4種ごとで、売上高ランキングを掲載します。
- 「テレビ業界」売上高ランキングTOP5
- 「出版業界」売上高ランキングTOP5
- 「新聞業界」売上高ランキングTOP5
- 「広告業界」売上高ランキングTOP5
「テレビ業界」売上高ランキングTOP5
順位 | 企業名 | 売上高 |
1位 | フジ・メディア・HD | 5,356億円 |
2位 | 日本テレビHD | 4,139億円 |
3位 | TBSHD | 3,681億円 |
4位 | テレビ朝日HD | 3,045億円 |
5位 | テレビ東京HD | 1,509億円 |
「出版業界」売上高ランキングTOP5
順位 | 企業名 | 売上高 |
1位 | 集英社 | 1,529億円 |
2位 | 講談社 | 1,449億円 |
3位 | KADOKAWA | 1,281億円 |
4位 | 小学館 | 943億円 |
5位 | ゼンリン | 572億円 |
「新聞業界」売上高ランキングTOP5
順位 | 企業名 | 売上高 |
1位 | 日本経済新聞社 | 3,529億円 |
2位 | 朝日新聞社 | 2,724億円 |
3位 | 読売グループ本社 | 2,562億円 |
4位 | 毎日新聞グループHD | 1,304億円 |
5位 | 中日新聞社 | 1,076億円 |
「広告業界」売上高ランキングTOP5
順位 | 企業名 | 売上高 |
1位 | 電通グループ | 1兆855億円 |
2位 | 博報堂DYホールディングス | 8,950億円 |
3位 | サイバーエージェント | 6,664億円 |
4位 | 東急エージェンシー | 1,043億円 |
5位 | デジタルHD | 905億円 |
マスコミ業界を受ける就活生からのよくある質問
最後に、マスコミ業界を受ける就活生からのよくある質問とその答えをまとめました。
- マスコミ業界は難しいの?
- マスコミ業界に強い大学や学部ってあるの?
では、それぞれ見ていきましょう。
マスコミ業界は難しいの?
マスコミ業界への就職が難しいと言われる所以は、募集人数の少なさです。
一般企業では毎年数百人と採用するのに対して、マスコミ業界は数十人であるところも見られます。
採用人数に対して募集人数が多いため、自然と高い倍率になっているのでしょう。
加えて、情報を扱う業界であるため、さまざまな分野にアンテナを張っておく必要があります。
試験でも情報力を問われる問題が出題されるので、自分が好きなものにしか興味がないと選考を通過するのは難しいです。
マスコミ業界に強い大学や学部ってあるの?
関東の有名大学がマスコミ業界へ就職しているケースが多いです。
多くの本社が東京に置かれているため、東京にある有名大学は強いと考えてもいいかもしれません。
一般的には社会学部がマスコミに強い傾向があるそうですが、どこの学部でも大きな差はないはず。
本人次第で知識は埋められるからです。
また、大学によってはマスコミ講座をおこなっているところもあるので、そういった大学を狙うのも一つの手でしょう。
さいごに
今回は「マスコミ業界」について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
記事の内容を簡単にまとめます。
- マスコミ業界は「情報を伝える」ことを事業とする業界
- マスコミ業界はさらに4つに分類できる
- 大学3年の夏までにはエントリーシート対策・企業研究を終わらすべき
- マスコミ業界で活躍するためには、優れたアンテナ力や主体性が重要
- マスコミ業界はテレビからインターネットにシフトチェンジ
- マスコミ業界は「デジタル」への対応が急務
- マスコミ業界は採用予定人数が少ない企業が多い
- 関東の有名大学がマスコミ業界へ就職しているケースが多い
募集人数がそもそも少ないため、必然と狭き門になるマスコミ業界。
難易度は高いですが、どの業界においても言えることです。
志望業界の研究と自己分析の繰り返しをおこなう必要があります。
その分、費やした時間は必ず自分の糧となるため、焦らず着実におこなっていくのが大切です。
マスコミ業界はエントリーが早いので、志望するなら早めの行動をしていきましょう。
なお、早めの行動をした就活生が参加できる「早期選考」を紹介した記事は下記になりますので、気になる学生はぜひ目を通してみてください。