【必見】就職先に提出する健康診断書とは?結果次第で内定取消も?
2022年8月8日更新
はじめに
最終面接付近または内定後、就職先から健康診断書の提出を求められます。
手元に健康診断書が無くて焦る学生さんもいるかもしれませんね。
この記事では、以下のような悩みや疑問にお答えしています。
- 就職先に提出する健康診断書の入手方法は?
- 健康診断の結果が悪かったら不採用や内定取消になったりするの?
- 健康診断はどこで受けられるの?料金は?
この記事を読めば、こういった悩みや疑問はすべて解決できます!
就職先に提出する健康診断書への対応はこの記事を読めばバッチリです!
「そもそもなぜ健康診断書を提出する必要があるの?」という素朴な疑問にもお答えしていますよ。
難しい内容ではありませんので気軽にお読みくださいね。
それでは以下の「もくじ」に沿って解説していきます。
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1.就職前に必要な健康診断とは?
就職前に企業から求められる健康診断とは、労働安全衛生規則第43条で定める「雇入時健康診断」にあたります。
- 常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。(労働安全衛生規則第43条)
つまり、この健康診断は企業が独自に求めているのではなく、法令で義務付けられているので必ず実施するよう求めているものなのです。
なお条文における「常時使用する労働者」には、正社員だけでなく一定の条件を満たす契約社員やパート等も含まれます。
2.健康診断の結果が悪かったら不採用や内定取消になる?
健康診断書の提出を求められるタイミングは、基本的に内定後や最終面接付近です。
「健康診断の検査結果が悪かったら、不採用や内定取消になってしまうのでは?」と不安に思っている方もいるのではないでしょうか?
この点に関して、ここでは以下2つのポイントから解説していきます。
①原則として不採用や内定取消にはならない
②不採用や内定取消になる例外パターン
①原則として不採用や内定取消にはならない
結論から言うと、原則として健康診断の結果をもって不採用や内定取消になることはありませんのでご安心を。
労働安全衛生規則で定める健康診断は、あくまで採用後の健康管理等を目的として実施されているからです。
そもそも健康診断の結果で採用可否を判断するのは、就職差別にも繋がりかねませんからね。
仮に内定誓約書の中で「健康診断の結果が悪かった場合は内定取消(不採用)にする旨」が入っていたとしても、その規定は基本的に無効になります。
誰が見ても不採用や内定取消とするのが合理的な判断だと考えられない場合を除けば、内定取消等にはならないのが原則なのです。
②不採用や内定取消になる例外パターン
しかしながら原則があるということは、例外もあるということになります。
可能性としては低いものの、不採用や内定取消になるかもしれない例外パターンを念のため知っておきましょう。
例外パターンは大きく分けて次の2種類です。
- 企業が求める労務の提供が不可能だと考えられる場合
- 健康状態の悪化が予想される場合
【企業が求める労務の提供が不可能だと考えられる場合】
1つ目の例外パターンは、「企業が求める労務の提供が不可能だと考えられる場合」です。
健康診断の検査結果に鑑み、企業が求める労務の提供が不可能、すなわち会社で働くことはできないと客観的に判断される場合、内定取消(不採用)になる可能性があります。
誰が見てもその会社で働けないと思われる人を採用するのは非合理的だと考えられるからですね。
ただし元々想定していた部署(職種)で働くことはできなくても、他の部署(職種)なら働くことができると認められるのであれば、例外パターンには該当しません。
【健康状態の悪化が予想される場合】
2つ目の例外パターンは、「健康状態の悪化が予想される場合」です。
労働契約法に次のような条文があります。
- 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。(労働契約法第5条)
雇用主である会社は、従業員が労働する上で怪我をしたり、病気になったりしないよう努めなければならないということ。
いわゆる安全配慮義務ですね。
この安全配慮義務の観点から、その会社で働くことによって健康状態が悪化することが予想される場合は、不採用や内定取消になる可能性があります。
病気の悪化が予想できたにも関わらず相応の配慮をしなかったと判断された場合、会社が過失を問われる可能性もあるのです。
「健康状態の悪化が予想される場合」に内定取消(不採用)にするのは、会社として一定の合理性がある判断だと言えるでしょう。
なお「企業が求める労務の提供が不可能だと考えられる場合」と同じく、元々想定していた部署(職種)で働くことはできなくても、他の部署(職種)なら働くことができると認められるのであれば、例外パターンには該当しません
※2パターンともあくまで可能性の話であり、実際に不採用や内定取消となるかどうかは個々の事例に応じた判断となります。
3.健康診断書の入手方法
毎年度実施される大学の健康診断の受診有無によって入手方法は異なります。
①大学で健康診断を受けている場合
②大学で健康診断を受けていない場合
それぞれ見ていきましょう。
①大学で健康診断を受けている場合
年度内に大学で健康診断を受けている場合は、大学から受け取った健康診断書を用意すればOKです。
健康診断書を紛失してしまった際は、大学で健康診断証明書を発行してもらう必要があります。
健康診断証明書は基本的に大学の証明書発行機や窓口で入手することができ、発行費用は200円程度かかるのが一般的です。
②大学で健康診断を受けていない場合
大学で健康診断を受けていない場合、自分で医療機関等へ出向き健康診断を受ける必要があります。
4.就職前の健康診断はどこで受けられる?
就職前に求められる健康診断、いわゆる雇入時健康診断は大抵の医療機関で受けることができます。
ただし医療機関によって、予約制だったり曜日の指定があったりもします。
また小規模な医療機関だと健康診断を受け付けていないこともありますので、事前に必ず電話で確認するようにしましょう。
5.健康診断の項目
健康診断でチェックされる項目は、労働安全衛生規則第43条で以下のように定められています。
- 既往歴及び業務歴の調査
- 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
- 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
- 胸部エックス線検査
- 血圧の測定
- 貧血検査(血色素量及び赤血球数の検査)
- 肝機能検査(GOT、GPT、γ―GTPの検査)
- 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライドの量の検査)
- 血糖検査
- 尿検査(尿中の糖及び蛋たん白の有無の検査)
- 心電図検査
なお企業によっては、上記11項目以外に検査項目を追加することもあるため、企業からの通知内容を十分に確認するようにしましょう。
6.健康診断書の発行料金
健康診断書の発行料金は医療機関によって異なりますが、1万円程度かかるのが一般的です。
正確な料金は医療機関に確認するようにしてください。
「企業から依頼されたんだから、料金は企業が負担すべきでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
気持ちはよくわかりますが、あくまで入社前に提出するものであるため、料金は自分で負担することになるのが一般的です。
なお健康診断は保険の適用外となるため、3割負担にはならないことにご注意を。
保険証も不要です。
7.健康診断書は即日発行できる?
医療機関によっては、健康診断書を即日発行してくれるところもあります。
しかし血液検査などを実施している場合は、結果がわかるまでに時間を要するため、概ね1週間〜2週間程度かかってしまうのが普通です。
予約の電話の際に発行までどれくらいかかるかも聞いておくことをおすすめします。
就職先から指定された期日内に提出できるよう、早めに健康診断を受けるようにした方が良いですね。
内定直前や内定後に企業からの印象が悪くなる事態は避けなければなりません。
万が一期限に間に合わないことがわかった際は、可能な限り早く就職先の担当者に連絡するようにしましょう。
8.就職先に提出する健康診断書はコピーでもOK?
就職先に提出する健康診断書は、コピーではなく原本を提出するのが基本ですが、企業によってはコピーでも可としているところもあります。
何らかの理由で原本の提出が難しい場合は、就職先の担当者にコピーでも大丈夫かどうか確認しましょう。
なお要望があれば健康診断書を複数枚発行してくれる医療機関も少なくありません。
2枚以上必要になることがわかっているのであれば、事前に医療機関に相談するようにしてください。
2枚目以降の発行手数料は安くなるケースが多いですよ。
またこちらも手数料はかかりますが、健康診断書の再発行についても受診先の医療機関で対応してくれます。
9.健康診断書の有効期限
健康診断書の有効期限については、健康診断の受診日から3ヶ月以内のものを提出するのが一般的です。
ただし新卒で就職する場合は、年度内に発行されたものであれば有効とみなしてくれる企業もあります。
就職先からの通知内容をよく確認するようにしましょう。
特段の指定がなければ、3ヶ月以内のものを提出しておけば間違いありません。
10.よくある質問
よくある質問 |
Q.「健康診断書」、「健康診断証明書」、「健康診断結果報告書」の違いは? Q.健康診断書の発行日数は? |
Q.「健康診断書」、「健康診断証明書」、「健康診断結果報告書」の違いは?
A.以下のように考えてください。
- 健康診断書:健康診断の結果を示した書類
- 健康診断証明書:学生が受けた健康診断の結果が記載されており、その内容を大学が証明する書類
- 健康診断結果報告書:企業等が実施した健康診断の結果を労働基準監督署に報告する書類
Q.健康診断書の発行日数は?
A.医療機関によっては、健康診断書を即日発行してくれるところもあります。
しかし血液検査などを実施している場合は、結果がわかるまでに時間を要するため、概ね1週間〜2週間程度かかってしまうのが普通です。
予約の電話の際に発行までどれくらいかかるかも聞いておいた方が良いでしょう。
11.まとめ
今回は就職前に企業から求められる健康診断について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
記事の内容を簡単にまとめます。
- 就職前に企業が健康診断書の提出を求めるのは、法令でそれが義務付けられているから。
- 健康診断書は大学で受けたときのもの提出する、受けていない場合は自分で医療機関に診断を依頼する。
- 健康診断の結果が悪かったとしても、原則としてそれをもって不採用や内定取消になることはない。
- 健康診断は大抵の医療機関で受けることができる。
- 診断は法令で定められた11項目の他、企業が指定する項目を受けること。
- 発行料金は1万円程度が一般的で保険の適用外となる。
- 健康診断書の発行にかかる期間は医療機関によって異なるが、即日発行できるところもある。
- 就職先に提出する健康診断書は、コピーではなく原本が基本。
- 健康診断書の有効期限は、健康診断の受診日から3ヶ月以内のものを提出するのが一般的だが、新卒の場合は年度内のものならOKな場合もある。
就職前に必要な健康診断書についてお分かりいただけましたか?
検査結果が悪くても原則として不採用や内定取消にはならないと知って安心している方もいるかもしれませんね。
繰り返しになりますが、健康診断書の発行には数日〜数週間かかることもあります。
企業から指定された期日の直前になって焦らないよう、早めに準備するようにしましょう!
それでは最後までお読みいただきありがとうございました!
上京を志す地方学生ならジョーカツ!