ゲーム会社への就職は難しい?未経験から目指す方法とホワイト企業の選び方を解説
2025/9/3更新

この記事の監修者
杉崎 聖輝(キャリアアドバイザー リーダー)
東京学芸大学卒業後、6年間中学教員として勤務。2000人以上の生徒との関わりで人の良さを見出す力を磨く。ソフトテニス部顧問として部活指導も経験。現在は株式会社ナイモノに転職し、キャリアアドバイザーとして活躍。教育現場での経験を活かし、自己分析から選考対策まで、1人1人の価値観を大切にした就活サポートを提供。適性のある業界・業種の発見や差別化されたガクチカ作りが得意。就活初心者や不安を抱える学生・チャレンジ精神旺盛な20代向けのサポートに力を入れている。
有料職業紹介事業許可番号13-ユ-306414
プライバシーマーク認定番号:17001872(02)
東京学芸大学卒業後、6年間中学教員として勤務。2000人以上の生徒との関わりで人の良さを見出す力を磨く。ソフトテニス部顧問として部活指導も経験。現在は株式会社ナイモノに転職し、キャリアアドバイザーとして活躍。教育現場での経験を活かし、自己分析から選考対策まで、1人1人の価値観を大切にした就活サポートを提供。適性のある業界・業種の発見や差別化されたガクチカ作りが得意。就活初心者や不安を抱える学生・チャレンジ精神旺盛な20代向けのサポートに力を入れている。
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はじめに
「将来はゲーム会社で働きたい。でも就職は難しいのでは?」ゲーム業界への憧れを抱きながらも、その壁の高さに不安を感じる学生や未経験者は少なくありません。
実際、大手企業は競争倍率が非常に高く、プログラミングやデザインなどの専門スキルが求められる場面も多く見られます。
一方で、ゲーム制作に対する強い意欲や適切な準備があれば、文系やスキル未習得の段階からでも、ゲーム業界への就職は十分に可能です。
この記事では、ゲーム会社で働くために必要なスキルや職種の選び方、平均年収、ホワイト企業の最新情報、さらには就職に強い大学まで、業界研究に役立つ情報を網羅的に解説します。
なお、以下の記事では、需要が拡大しているモバイルゲーム業界について解説しています。
【業界研究】モバイルゲーム業界とは?|志望動機・職種を徹底解説
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ゲーム会社に就職するのは難しい?現状と全体像
ゲーム会社で働きたいと考える学生は年々増えていますが、「倍率が高そう」「理系じゃないと無理かも」と不安を抱く人も多いのが現実です。たしかに、人気企業への就職は簡単ではありません。ただし、採用の仕組みや職種ごとの特徴を理解し、必要な準備をすれば、道は開けます。
ここでは、ゲーム業界全体の就職市場の動き、大手と中小の難易度の違い、文系や未経験者でも挑戦可能なのかどうかを、順を追って見ていきましょう。
ゲーム業界の採用市場と就活スケジュール
ゲーム業界の新卒採用は、一般的に3月ごろからエントリーが始まります。大手企業では、早ければ6月中に内定が出ることもあり、スピード感のある動きが求められるでしょう。一方、中小企業や新興スタジオは秋以降も採用を行うケースが多く、年間を通じて募集をかけている会社も存在します。
職種によって選考の基準は大きく異なります。プログラマーやエンジニアなどの技術職では、プログラミングスキルや成果物の質が評価される一方で、企画職やマーケティング職では、発想力や業界への理解度が問われます。デザイナー志望であれば、自作のイラストやUI設計の実績がアピール材料になります。
また、近年はインターンシップの選考直結型プログラムも増えており、3年生の夏〜秋に実施されるケースが目立ちます。早い段階から業界に触れておくことが、就職成功の鍵を握ります。
大手と中小の就職難易度の違い
任天堂やソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)など、知名度の高いゲーム会社は、非常に多くの応募が集まります。そのため、倍率も自然と高くなり、選考を通過するには高いスキルやポートフォリオの完成度が求められます。
一方、中小規模の企業やベンチャー系スタジオでは、比較的採用人数が少ない分、応募者一人ひとりに目が届きやすいという利点があります。とはいえ、実務レベルの即戦力を求めるケースも多く、準備不足では突破は難しいでしょう。
両者を比較したとき、大手は安定性や待遇面が魅力ですが、採用難易度は非常に高い傾向があります。中小は成長環境やスピード感が特徴で、若手にも大きな裁量が与えられることがあります。自分の志向や得意分野と企業の事業内容がマッチしているかを重視して、志望先を選ぶことが大切です。
文系・未経験でも挑戦できるのか
「理系出身じゃないと無理」「プログラミングができないと採用されない」といった声をよく耳にします。しかし、実際には文系出身者でも活躍している人は多く存在し、未経験からのチャレンジも決して不可能ではありません。
たとえば、営業や広報、シナリオライター、ローカライザー、マーケティングといった職種では、必ずしも技術的なスキルは求められません。さらに、プランナー職では論理的思考力や企画力、コミュニケーションスキルが重視されるため、学部や専攻にかかわらず挑戦しやすいポジションといえるでしょう。
未経験の学生でも、ゲーム制作の経験を持つ人や、自主的に学習を進めている人は採用で評価されやすい傾向にあります。特にポートフォリオを通じて「どれだけゲーム開発に真剣に向き合ってきたか」を可視化できれば、経歴に関係なくチャンスをつかむことは十分に可能です。
なお、さまざまな業界に属する企業の就職偏差値については下記記事にて解説しています。
ゲーム会社で働ける主な職種と期待される素質
ゲーム開発は、多くの専門職が協力して進める“チーム戦”です。ひとつのゲームを世に出すまでには、アイデアを出す人、システムを作る人、グラフィックを描く人、音をつける人、広める人など、さまざまな役割が関わります。
ここでは、ゲーム会社で代表的な職種と、それぞれに求められる素質や準備の方向性を紹介します。自分の興味や得意分野に合った職種を見つけるヒントにしてください。
プランナー(企画職)
プランナーは、ゲームの中身を考える“設計士”のような役割です。たとえば、どんな操作で何が起きるのか、ゲームバランスはどうするか、登場キャラクターの設定やストーリー展開まで、さまざまな要素を組み立てていきます。
学生のうちにできる準備としては、以下のような経験が役立ちます。
- ゲームの仕様書を真似して書いてみる
- 自分なりの「面白いゲームの仕組み」を考えて言語化する
- 多ジャンルのゲームをプレイし、分析する習慣をつける
チームで動く仕事なので、企画力だけでなく、周囲と円滑にやり取りする力も大切です。
プログラマー(エンジニア)
プログラマーは、ゲームの“動き”を作る役割です。たとえば、キャラクターがジャンプする、アイテムを拾う、敵が動く、ボタンを押したら画面が切り替わる――そうした仕組みを、コードを使って実装していきます。
文系・理系を問わず、基礎から学んでスキルを身につけた学生の採用実績も多くあります。
学生のうちから始めやすい準備としては次のようなものがあります。
- C#やC++、Pythonなどで簡単なアプリを作ってみる
- UnityやUnreal Engineを使って簡単なゲームを構築してみる
- プログラミングに関する講座や参考書で学習を継続する
「動かしてみる」ことが最大の学びにつながる職種です。
デザイナー(グラフィック・UI/UX)
デザイナーは、ゲームの“見た目”を作るポジションです。キャラクターのイラスト、背景、アイコン、メニュー画面など、プレイヤーが触れるすべてのビジュアルを担当します。最近では「見やすさ」や「操作しやすさ」も重要視されており、UI/UXの視点が求められる場面が増えています。
学生時代の準備としておすすめなのは次の通りです。
- 自作イラスト・UIレイアウトの制作とまとめ
- Photoshop、Illustratorなどのツールの操作練習
- 他人の作品に触れて「なぜ見やすいか」を考えるクセをつける
作品は、ポートフォリオとして企業に提出することが多いため、「どんな意図でデザインしたか」を言葉で説明できるようにしておくと強みになります。
サウンド・シナリオ・マーケティング職
ゲームは、音や物語、届け方ひとつで印象が大きく変わるメディアです。以下の職種も、ゲームづくりに欠かせない重要な役割を担っています。
サウンドクリエイター
ゲームに合ったBGMや効果音を制作し、世界観を引き立てます。DAWソフト(Cubaseなど)を使って音楽制作にチャレンジするところから始めると良いでしょう。
シナリオライター
キャラクターの会話やストーリー展開を考える役割です。短編小説やゲームの台本を書く練習が、将来的な強みになります。
マーケティング職
SNSの活用、キャンペーン企画、ユーザー分析などを通じて、ゲームの魅力を届ける仕事です。情報発信や企画を考えるのが好きな人に向いています。
多くの職種には専門スキルが必要ですが、学生のうちは「少しずつ試す」ことが何よりの第一歩です。得意なこと、やってみて楽しかったことを軸に、少しずつ適性を見つけていきましょう。
ゲーム会社に就職するために必要なスキル
ゲーム会社に入りたいと思っても、「どんなスキルを身につければいいのか分からない」という声は多く聞かれます。たしかに、職種によって求められる能力は異なりますが、どの職種にも共通して見られる評価ポイントがあります。
ここでは、ゲーム会社を目指すうえで、学生のうちから意識しておきたいスキルや準備方法を紹介します。
プログラミングやデザインの基礎に触れておこう
プログラマーやデザイナー志望であれば、専門的なツールや言語を少しでも早く触ってみるのが効果的です。知識ゼロからでも始められる入門書や学習サイトが多数あり、大学の授業や独学でも基礎を習得できます。
たとえばこんな準備から始められます。
- UnityやUnreal Engineで簡単なゲームを作ってみる
- C++やC#などの基本文法を学ぶ
- PhotoshopやIllustratorでキャラクターやUIのデザインを練習する
「高度なことができるかどうか」よりも、「自分で作ってみた経験があるかどうか」が重視される傾向があります。
ゲーム制作の経験とポートフォリオが強力な武器になる
就職活動では、「どんなものを作ったか」を見せられると一気に説得力が増します。そのため、企画職や技術職では、ポートフォリオの提出を求められることが多くあります。
ポートフォリオには、以下のようなものをまとめておくと良いでしょう。
- ゲームの仕様書(企画職向け)
- 自作ゲームやプログラムのデモ動画(プログラマー向け)
- キャラクターやUIのデザイン画像(デザイナー向け)
まだ完成度の高い作品がなくても、「自分が何を考え、どう表現したか」を言葉にできれば評価の対象になります。内容だけでなく、構成や見せ方も意識してまとめておきましょう。
チームでの制作経験があると印象アップ
ゲームは複数の職種が連携して作るものです。そのため、他の人と協力しながら進めた経験があると、企業からの評価が高まりやすくなります。たとえば、大学のサークルでゲーム制作に参加したり、友人と合同で小さなゲームを作った経験があると強みになります。
また、報連相(報告・連絡・相談)を意識したやり取りができる人は、現場でも信頼されやすいです。
トレンドへのアンテナと柔軟な発想力
ゲーム業界では、流行の移り変わりが非常に早く、新しい技術や遊び方が次々と登場しています。普段からさまざまなジャンルやプラットフォームのゲームに触れておくと、発想の幅が広がります。
また、「どんな点が面白いと感じたか」「どこが改善点だと感じたか」といった視点を持ちながら遊ぶことで、アイデア力や分析力も自然と鍛えられます。
特別なスキルがなくても、「ゲームに対する深い興味」と「柔軟な発想」は十分なアピール材料になります。
ゲーム会社は、完成されたスキルよりも、成長への意欲や制作への情熱を見てくれます。自分の得意を伸ばす意識を持ちながら、できることから少しずつ準備を進めていきましょう。
ゲーム会社に有利な資格と学歴
ゲーム業界に興味を持つ学生の中には、「どんな資格を取れば評価されるのか」「学歴がないと無理なのか」と不安を感じる方もいるかもしれません。たしかに、一定の知識や学習意欲を示す材料として、資格や学校歴が評価される場面はあります。
ただし、最も重視されるのは「何ができるか」「どう成長してきたか」です。ここでは、就職活動でプラスに働きやすい資格や、実際に採用実績のある大学・専門学校について紹介します。
技術職に役立つ資格
プログラマーやエンジニア系の職種を志望する場合、基本的なIT知識を証明する資格を取得しておくと、スキルへの理解度をアピールできます。
取得しておくと有利な資格は次の通りです。
- 基本情報技術者試験(FE)
- 応用情報技術者試験(AP)
- C言語プログラミング能力認定試験
- Unity認定資格(Unity Certified Associate など)
とはいえ、資格だけで選考が有利になるわけではありません。実際にコードを書き、何かを動かした経験が最も評価されます。
クリエイティブ職におすすめのスキル・検定
デザイン職や映像制作などを目指す場合も、ツール操作スキルや美術的な知識を証明する資格がいくつか存在します。特にAdobe製品や3DCGツールの使用経験はポートフォリオと併せて評価されやすい傾向があります。
注目される資格例
- Illustrator®クリエイター能力認定試験
- Photoshop®クリエイター能力認定試験
- CGクリエイター検定
- 色彩検定
資格取得の目的は「即戦力」を示すというより、「道具としてのツールを扱える土台があるか」を伝える意味合いが強くなります。
ゲーム会社に強い大学・専門学校はあるのか?
大手ゲーム会社の採用実績を見ると、やはり東大・京大・早慶・東工大などの上位大学が目立ちます。特に任天堂やソニーグループなどは、理系学部出身者を多く採用している傾向があります。
しかし、ゲーム業界では「学歴=実力」とは限りません。たとえば以下のようなルートから内定を勝ち取った例も数多くあります。
- 専門学校や美大出身で、作品の完成度が高かった学生
- 大学では文系だったが、自主制作でポートフォリオを提出した学生
- スクールや独学でスキルを身につけた例
実際、学生時代に何をやってきたか、どんな視点でゲームを作ってきたかが重視されるため、「学歴に自信がない」と感じていても諦める必要はありません。
ゲーム会社就職における大学と専門学校、それぞれの特徴
| 比較項目 | 大学 | 専門学校 |
| 学びの幅 | 幅広く学問的 | 実務特化型で即戦力を目指す |
| ポートフォリオ作成 | 自主制作ベースが多い | カリキュラム内で制作機会が豊富 |
| 企業説明会 | 一部大手では指定校制あり | 業界特化でコネクションが強い学校もあり |
| 学位・資格 | 学士取得、総合的評価 | 実務評価や技術証明が中心 |
あなたの目的やスタイルに合った進路を選び、在学中の努力をどれだけアピールできるかがカギになります。ただし、資格や学歴はあくまで「補足情報」です。
ゲーム会社の採用では、「実際に手を動かした経験」や「作品を通じた熱意」が何よりも大きな評価ポイントになります。限られた時間の中で、自分にとって必要な知識やスキルをどう積み重ねていくかを考えていきましょう。
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ゲーム会社では、プランナー・デザイナー・エンジニア・サウンドクリエイターなど、職種ごとに求められるスキルや適性が大きく異なります。
たとえば、企画力・論理的思考力・表現力・技術力など、自分が応募する職種に合った強みをどう伝えるかがES突破のカギ。
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ゲーム会社の就職に成功するための準備ステップ
「ゲーム会社に入りたい」と思ったときに、何から始めれば良いか分からず手が止まってしまう学生も少なくありません。ですが、いきなり難しい技術に取り組むよりも、まずはできることからコツコツ積み重ねていくことが大切です。
ここでは、ゲーム会社への就職を成功に近づけるために、学生が今から取り組める準備をステップ形式で解説します。
(h3) STEP1:制作経験を積んで「形にする力」を養う
企業が最も重視しているのは、「この人は、ちゃんと作れる人かどうか」です。そのためには、実際に作品を作ってみる経験が不可欠です。
- UnityやUnreal Engineで簡単なゲームを作ってみる
- 仕様書や企画書をまとめてみる
- イラストやUIをデザインして、ポートフォリオにまとめる
最初は小さな作品でも構いません。「完成させた経験」が自信になり、面接でも説得力を生み出します。
(h3) STEP2:インターンシップを活用して現場を知る
近年、ゲーム会社では学生向けインターンの受け入れが活発になっており、本選考に直結するケースも増えています。就活前に現場の空気感を知るチャンスとして、ぜひ活用しましょう。
インターンに参加するメリットは次の通りです。
- 実際の開発フローに触れられる
- 社員との交流を通じて企業理解が深まる
- 参加経験が選考で評価されやすくなる
短期・長期、選考あり・なしのプログラムがあるので、1年生や2年生から参加を検討するのもおすすめです。
(h3) STEP3:エージェントや就活サイトを上手に使う
就職活動を効率的に進めるためには、就活サイトやエージェントの活用も視野に入れましょう。特にゲーム業界に強いエージェントを選ぶと、非公開求人や企業ごとの選考傾向など、ネット検索だけでは得られない情報が手に入ります。
主な活用方法は次の通りです。
- 自己分析やポートフォリオの添削を受ける
- 希望に合った企業を紹介してもらう
- 模擬面接やES添削のサポートを受ける
初めての就活でも、相談できる相手がいると安心です。
(h3) STEP4:面接対策は「自分の言葉で話せるか」が鍵
面接では、スキル以上に「その人らしさ」や「ゲームへの向き合い方」が見られます。話す内容を丸暗記するよりも、自分の経験や思いをきちんと伝えられるように準備しましょう。
- ポートフォリオの作品を説明できるようにしておく
- なぜゲーム会社で働きたいのかを言葉にする
- 失敗談や工夫した点を交えて話すとリアリティが伝わる
また、「最近プレイしたゲームで面白かったものと、その理由」を聞かれるケースも多いため、日頃から自分の感じたことを整理する習慣をつけておくと役立ちます。
ゲーム業界は、決して“特別な人だけの世界”ではありません。時間をかけて少しずつ経験を積み、作品という“証拠”を積み上げていけば、誰でも本気で目指すことができます。焦らず、でも確実に、一歩ずつ準備を進めていきましょう。
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受かるポートフォリオの作り方【職種別チェックリスト付き】
ゲーム会社の選考では、履歴書や面接と並んでポートフォリオの内容が重視されます。とくに新卒や未経験者の場合、実務経験の代わりに自分のスキルや思考を伝える重要な材料となります。ここでは、職種別に評価されやすい構成やポイントを紹介します。
共通の基本構成
ポートフォリオを作る際は、「表紙」「役割」「目的」「成果」「学び」の5つのパートで構成するのが基本です。まず表紙には、氏名や連絡先、応募職種を明記します。制作物ごとに、自分が担当した部分を具体的に記載することで、スキルや役割への理解度が伝わります。
そのうえで、作品を作った目的や課題意識、完成したものがどんな成果を生んだか(ユーザー評価、テスト結果など)を説明し、最後に得た気づきや学んだ点を記載しましょう。作品そのものだけでなく、「なぜそう作ったのか」「何を考えていたのか」が伝わることが大切です。
ポートフォリオチェックリスト(共通)
| 項目 | 内容 |
| 表紙 | 氏名・連絡先・志望職種を明記 |
| 役割 | 制作物での自分の担当範囲を記載 |
| 目的 | 課題意識や狙いを整理 |
| 成果 | 完成品や数値的な効果を説明 |
| 学び | 制作を通じて得た気づきをまとめる |
プランナー志望の場合
企画職を目指す場合は、企画書の構成とロジックが評価対象になります。内容は、1枚で要点をまとめたサマリーを冒頭に置き、その後に機能要件、UIワイヤーフレーム、KPI仮説へとつなげるのが効果的です。
ユーザー体験をどう設計し、どんな目的を達成しようとしているのかを明確に示しましょう。また、デザインや数値目標にどんな意図があるのかを言語化することで、説得力のある資料になります。
ポートフォリオチェックリスト(プランナー)
| 項目 | 内容 |
| 要約ページ | 仕様のポイントを1枚にまとめる |
| 機能要件 | 必要な機能を具体的に記載 |
| UIワイヤー | 画面構成を示すワイヤーフレームを追加 |
| KPI仮説 | 数値目標や指標を提示 |
| 企画意図 | ユーザー体験や狙いを言語化 |
プログラマー志望の場合
プログラマーとして応募する際は、作品を「動く形」で提示することが前提となります。GitHubやitch.ioなどに実行ファイルを掲載し、READMEファイルや30〜90秒程度のプレイ動画を併せて公開することで、採用側がすぐに内容を確認しやすくなります。
また、コードの書き方には注意が必要です。命名規則やコードの整形、簡単なテスト観点なども添えておくと、実務を意識した姿勢が評価されます。
ポートフォリオチェックリスト(プログラマー)
| 項目 | 内容 |
| 公開方法 | GitHubやitch.ioに作品をアップロード |
| 実行ファイル | 実行可能データとREADMEをセットで用意 |
| 動画 | 30〜90秒のプレイ動画を添付 |
| コード | 命名規則やコーディングルールを守る |
| テスト | テスト観点や検証方法を記載 |
デザイナー志望の場合
デザイナーの場合は、作品のビジュアル的な完成度だけでなく、「なぜそのデザインにしたのか」というプロセスが問われます。ArtStationやBehanceといったポートフォリオサイトにシリーズで投稿し、作品の幅や統一感を伝えると効果的です。
UIデザインでは、改善前と改善後のビジュアルを並べ、その変更理由を説明すると説得力が増します。配色やレイアウト、フォント選びの意図も簡潔に言葉で補足すると、デザインに対する論理性が伝わります。
ポートフォリオチェックリスト(デザイナー)
| 項目 | 内容 |
| 投稿先 | ArtStationやBehanceに作品を掲載 |
| UI改善 | Before/Afterを並べ、改善理由を記載 |
| 意図説明 | 配色やフォント選びの根拠を補足 |
| 幅広さ | 複数ジャンルの作品を提示 |
| プロセス | 制作過程や工夫を明示 |
NG例と注意点
注意点としては、二次創作作品の使用に細心の注意を払うことが挙げられます。著作権に関わる素材を無断で使用した作品は選考対象外になる場合もあるため、使用条件やライセンスに配慮した形での掲載が基本です。
また、学内での共同制作など、チームで開発した作品を紹介する場合には、自分が担当した範囲を明確に示す必要があります。「自分に何ができるのか」が伝わらないポートフォリオは、かえって評価を下げてしまう可能性もあるため、情報設計には十分に配慮しましょう。
ゲーム会社の年収・働き方・ホワイト企業ランキング
「好きな仕事に就きたい」という思いと同時に、「生活や働き方の面でも安心できる会社に入りたい」と感じている学生は多いはずです。ゲーム会社と聞くと、「激務」「不安定」といったイメージを持たれることもありますが、実際には労働環境が整った企業も多く存在します。
ここでは、気になる年収の相場や働き方の実態、そして最新の“ホワイト企業”ランキングを紹介します。
ゲーム会社の平均年収と職種ごとの相場
ゲーム会社の年収は、企業の規模や職種によって大きく異なります。たとえば、大手企業では30代で年収600万円〜800万円台に達するケースもありますが、中小規模の企業では300万〜500万円前後が一般的です。
新卒でよく見られる初任給の目安(2025年卒向けデータ)
- プログラマー・エンジニア:月給22〜26万円程度
- デザイナー:月給21〜25万円程度
- プランナー・企画職:月給20〜24万円程度
働き方の実態:やりがいと大変さ
ゲーム業界の仕事は、自由な発想と高い専門性が求められる反面、開発スケジュールがタイトになることも少なくありません。特に発売前や大型アップデート前には、残業や休日対応が発生する場面もあります。
ただし、近年は働き方改革やリモート勤務の導入が進み、労働環境は以前より改善されつつあります。各企業も、離職率の低下や生産性向上を意識して職場改善に取り組んでいます。
働きやすい職場に見られる特徴
- 残業時間が月20時間未満
- 有給取得率が高い(平均で年12日以上)
- 定期的な1on1面談やメンタルケア体制がある
- 評価制度が透明で納得感がある
「やりがい」と「働きやすさ」のバランスがとれた職場を見つけることが、長く働くうえで重要なポイントです。
【2025年最新】年収が高いゲーム会社
やりがいや働きやすさを確認する指標は色々ありますが、ここでは給与が高い企業に注目してみましょう。上場企業は必ず有価証券報告書で「従業員の状況」を公表しているのですが、そのなかに「全従業員の平均年間給与」つまり年収の項目があります。年収が高い企業をいくつか紹介しますので参考にしてください。
| 企業名 | 全従業員の平均年間給与 |
| スクウェア・エニックス | 約1,436万円 |
| バンダイナムコ | 約1,216万円 |
| ソニーグループ | 約1,118万円 |
| 任天堂 | 約967万円 |
| DeNA(ゲーム事業部) | 約883万円 |
なお、ここで紹介する年収は、連結対象の会社に所属する全ての従業員の平均年収であり、ゲーム開発に携わる社員だけのものではないことに注意してください。
ここでは、離職率・平均年収・残業時間・有給取得率などを基準に、学生にも人気の“ホワイト企業”として評価されているゲーム会社を紹介します。
| ランキング | 企業名 | 特徴 |
| 1位 | 任天堂 | 離職率1.2%、平均年収約988万円、有給取得日数約14日 |
| 2位 | ソニーグループ | 離職率3.5%、年収・福利厚生ともに業界屈指 |
| 3位 | バンダイナムコ | 平均年収約1,205万円、若手でも裁量が大きい文化 |
| 4位 | スクウェア・エニックス | 年収水準が非常に高く、クリエイター重視の社風 |
| 5位 | DeNA(ゲーム事業部) | 働きやすさと多様なキャリアパスが魅力 |
参考:
SES初心者ナビ「ゲーム会社のホワイトランキング!おすすめ企業の離職率・年収・売上を紹介」
スクウェア・エニックスホールディングス「2025年3月期 有価証券報告書」
バンダイナムコホールディングス「有価証券報告書(第20期)」
ソニーグループ「有価証券報告書(2024年度)」
任天堂「第85期 有価証券報告書」
\“働きやすさ”で選ぶなら、ホワイト企業の選考対策も万全に!/
ゲーム業界の中でも、労働環境や福利厚生の整った“ホワイト企業”に入りたいという方は多いはず。
しかし、人気の高い企業ほどESや面接の難易度も上がる傾向にあります。
だからこそ、まずは選考突破の第一歩として、評価されたエントリーシートの型を知ることが重要です。
「どんな表現なら好印象?」「何をアピールすべき?」と迷っている方に向けて、選考通過した先輩のES20社分をまとめた《通過ES集》を無料公開中!
ホワイト企業を本気で狙うなら、エントリーシートから一歩先へ踏み出しましょう。
ゲーム会社就職に関するよくある質問
ゲーム会社を目指す学生からは、毎年のように似た悩みや疑問が寄せられます。このセクションでは、とくに多い質問を3つ取り上げ、実際の採用傾向や業界事情をもとに解説します。
Q1.「ゲーム業界はやめとけ」って本当ですか?
A.インターネット上では「ゲーム業界は激務」「長く働けない」といったネガティブな声が目につくことがあります。たしかに、リリース前の繁忙期やスケジュール遅延時は業務がハードになる傾向がありますが、それは一部のケースに過ぎません。
現実には、離職率が極めて低く、残業時間も短い企業も数多く存在しています。とくに任天堂、ソニーグループ、バンダイナムコなどの大手は、近年の働き方改革を通じて労働環境が大きく改善されており、ホワイト企業として高く評価されています。
また、同じ会社でも部署によって働き方の差があります。新規開発チームはスピード感を求められやすく、運営チームは安定的に稼働するため残業が少ない傾向があります。つまり「一律に激務」とは言えず、どのポジションに配属されるかによって働き方は大きく異なるのが現実です。
さらに近年は、スクラム開発を導入してタスクを細分化したり、残業時間の平準化を図る仕組みを整えたりと、繁忙対策も進んでいます。リモート勤務やフレックスタイムを活用し、柔軟に働ける環境を整えている企業も増えています。
つまり、企業や部署によって差があるのは事実ですが、「業界全体がブラック」というのは誤解です。
Q2. ゲーム会社に入りたい場合、どんな大学に進むのが有利ですか?
A.大手企業の採用実績を見ると、東京大学・京都大学・早稲田大学・東京工業大学・同志社大学など、上位校からの内定者が多く見られます。特に理系学部からのエンジニア採用が目立つ傾向にあります。
一方で、専門学校や美術系大学、私立の文系学部から就職を決める学生も少なくありません。たとえば、自主制作の完成度が高いポートフォリオを評価され、実力ベースで採用される例も多数存在します。
実際に、専門学校で3DCGを学び自作映像を発表して内定を得た学生や、美大での卒業制作が評価されて採用に至ったケース、さらには独学でUnityを使ったゲームを公開し、大手企業から内定を得た例もあります。近年はスクールや専門学校のカリキュラムを通じてポートフォリオを充実させ、その成果で評価される学生も増えています。
つまり、「偏差値」よりも「何を学び、何を作ってきたか」が重要であり、学歴より実力と熱意が評価されやすい業界なのです。
Q3. 文系でもゲーム会社に就職できますか?
A.結論からいえば、文系出身でも十分にチャンスはあります。プログラマーや一部の技術職は理系出身者が多いものの、以下のような職種は文系学生の活躍が目立ちます。
- プランナー(企画)
- マーケティング・広報
- 人事・営業・経営管理部門
- シナリオライター・ローカライザー
また、技術職であっても、独学やスクールでスキルを習得してポートフォリオを提出することで文系からの内定獲得も可能です。
実際に、文系からゲーム会社に入社した学生には段階的なステップを踏んで採用につながった例があります。たとえば、企画職で応募しながら基礎的なプログラミングを独学で習得し、プログラマー見習いとして内定を得たケースがあります。また、マーケティング職のインターンを経験した学生が、そこで培った調整力や数値管理の経験を評価され、最終的にプロジェクトマネージャー補助として採用された事例もあります。
理系だから有利、文系だから不利という単純な構図ではなく、「どの職種を目指すか」と「どんな準備をしてきたか」が問われると考えた方が良いでしょう。



まとめ
ゲーム会社への就職は決して簡単ではありませんが、的確な準備と実力があれば、文系や未経験からでも十分に目指せます。
本記事では、採用の現状や職種ごとの特徴、選考突破のポイントを学生向けに整理しました。
重要なのは、「何を学び、どう行動してきたか」という実績と熱意です。
もし、今「何から始めればいいかわからない」と感じているなら、今日から一歩ずつ行動を始めてください。
ポートフォリオ制作や企業研究、OB・OG訪問など、できることはたくさんあります。
未来の自分のキャリアを切り拓くのは、今のあなた自身です。頑張ってください。








