就活での優良中小企業の探し方10選!ブラック企業対策も紹介
2024/8/19更新
はじめに
大企業を中心に就活してきたけど内定がゲットできない。
いざ中小企業まで手を伸ばして就活しようと思っても「数が多すぎて、どこを受けていいかわからない」「ブラック企業だったらどうしよう」など、さまざまな不安がよぎりますよね。
本記事では、以下のような就活生を対象に、優良中小企業を簡単に発見する10個の方法を公開します。
- 中小企業に就職することで得られるメリットが知りたい
- 優良中小企業の探し方が知りたい
- ブラック企業の見極め方について知りたい
大企業と中小企業のどちらとも経験してきた筆者だからこそ伝えられる中小企業に就職するメリットやデメリット、ブラック企業の見極め方まで徹底的に解説していきます。
ぜひ、最後まで読んで不安を解消し、就職活動に役立ててください。
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中小企業の定義とは
そもそも何をもって中小企業や大企業というようなすみ分けをしているのでしょうか。
中小企業庁は以下のように定義づけられています。
【中小企業・小規模企業者の定義】
業種 | 法律上の定義 |
製造業その他 | 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人 |
卸売業 | 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
小売業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人 |
サービス業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
要は業種別に「資本金」と「従業員数」で区分されており、上記以外の会社は大企業と呼ばれます。
逆に有名な企業でも、ここに区分されれば「中小企業」と呼ぶわけです。
中小企業はどのくらい存在している?
中小企業は日本にどのくらいあるか知っていますか?
実に約336万社です。
雲をつかむような数値ですが、中小企業庁が公開しているデータによると、日本の全企業数のうち99.7%が中小企業であるとされています。
つまり、残りの0.3%が大企業と呼ばれており、その少ない大企業を多くの就活生が争奪するため、競争率が高くなるわけです。
逆に、大企業中心に就活を進めている人は99.7%の会社を見ずに、狭い視野で企業選びを行っているといえるでしょう。
優良中小企業を発見する10個の方法
星の数ほど存在している中小企業。
その中で、優良中小企業を見つけ出す10個の方法を紹介していきましょう。
優良中小企業を見つけ出す方法は、大きく分けると以下の3つに分類できます。
- 紹介をしてもらう
- 自分で見つけ出す
- スカウトを待つ
それぞれの方法でのやり方を解説していきますね。
紹介をしてもらう
それではまず紹介をしてもらう方法について解説します。
3つありますので、1つずつ紹介していきますね。
①就活エージェント
1つ目は就活エージェントから紹介してもらう方法です。
就活エージェントは面談に基づいて自分に合った求人の紹介から、エントリーシートの添削や面接練習、面接後のフィードバックまでサポートしてくれます。
就活エージェントはあなたに合った求人を紹介してくれるので、自分で探すよりも効率よく企業を探すことができるのでおすすめです。
②大学のキャリアセンター
次は大学のキャリアセンターに紹介してもらう方法です。
キャリアセンターに求人を出す企業は「その大学の学生に対して採用意欲が高い企業」といえます。
なので、大学のキャリアセンターで中小企業の求人がないか聞いてみましょう。
場合によっては求人を出している企業の本選考とは別に面談を設定してもらうことも可能ですので、キャリアセンターに橋渡しを依頼するのも一つの手です。
経営者や人事と直接話せるのが中小企業のメリットのひとつなので、面談の場で気に入ってもらえれば内定確度が上がります。
そのように面接などの選考をすっ飛ばして、「ウチに来てよ!」というあり得ないオファーがあるのも中小企業の醍醐味といえるでしょう。
③身内に紹介してもらう
3つ目は身内に紹介してもらう方法です。
平たくいうと「知り合いの企業で新卒を雇っているところない?」とダイレクトに聞く方法です。
意外と身近に中小企業の社長や幹部クラスと知り合いがいたり、地元の企業で採用に困っている企業とつながったりすることがあります。
この場合、入社する前に、企業の内情についてもしっかりと聞くことができるので、ミスマッチをなくして入社することが可能です。
自分で見つけ出す
ここからは、自分で優良中小企業を見つけ出す6個の方法を紹介していきます。
①職業安定所
いまや自宅にいながら職業安定所の求人を検索できる時代です。
それがハローワークインターネットサービスで「就業場所」や「雇用形態」などで求人を検索できます。
特に地場の中小企業は職業安定所経由の求人が多いので、優良中小企業にヒットするかもしれません。
登録不要で無料で検索できますので、やらない手はないですね。
②口コミサイト
次に紹介する優良中小企業の探し方は、口コミサイトを参考にする方法です。
社員や元社員の口コミを見ることで、その企業の魅力や欠点を把握することができます。
なかにはネガティブな意見を言いたいだけの人もいるので、情報を鵜呑みにするのは危険ですが、多くの書き込みで同様の指摘があれば信憑性があるといえます。
生の情報が多く存在している口コミサイトは、圧倒的に効率よく企業内部の情報にアクセスできるため有能です。
③受賞している企業
優良中小企業を探す3つ目の方法が「受賞している企業を調べる」です。
たとえば、下記のようなワードで調べると日本にもこんなに技術力の高い立派な中小企業があったのかと驚かされます。
- 経済産業省のソーシャルビジネス55選
- 産総研(産業技術総合研究所)発ベンチャーの受賞
- 革新ビジネスアワード
- グッドデザイン賞
- IT協会によるIT賞
- ハイ・サービス日本300選
業界内では有名だけど世間では知られていない中小企業やBtoBの企業もたくさんあるので、このような情報源を参考にしてみてください。
④専門の就活サイト
中小企業専門の就活サイトも存在します。
たとえば、「ツノル(TSUNORU)」や「Jobway」などは、従業員1,000人以下の求人に特化した就活サイトです。
通常、就活といえばマイナビやリクナビ経由でエントリーを受けている企業が多いので、けっこう穴場の中小企業が見つかる可能性がありますよ。
⑤「中小企業 優良企業」で検索
5つ目の方法はダイレクトに「中小企業 優良企業」と打ち込んで検索する方法です。
このキーワードで検索をかけると、有識者があらかじめいろいろな基準で絞り込んでくれている企業を一気にチェックできます。
思いもよらない優良中小企業に巡り合うきっかけになりますので、一度検索してみましょう。
⑥就職四季報で探す
最後の方法は「就職四季報を利用する」やり方です。
就職四季報の中にも「優良・中小企業版」という書籍があって、地方の有力企業や最新ベンチャー企業など総合版に掲載できなかった情報が公開されています。
中小企業なのに年収が高く、残業も少ないといったホワイト企業も掲載されていたりして、自分では発見することが難しい企業に出合えるチャンスもありますよ。
逆求人サイトでスカウトを待つ
優良な中小企業を発見する最後の方法は「スカウト型求人サイト」に登録して企業からのスカウトを待つという方法です。
スカウト型求人サイトとは企業側があなたのプロフィールを見て、あなたをスカウトする逆求人のシステムのことを指します。
あなたの適性に合う企業と自動的にマッチングしてくれるプラットフォームなので、企業側と効率的に出会えることが可能です。
ただし、企業側からのオファーがあったら即内定というわけではありません。
面接などの選考を受けて不合格になる場合もありますので理解しておきましょう。
おすすめの優良中小企業10選!
ここでは、おすすめの優良中小企業をランキング形式で紹介します。
【優良中小企業トップ10】
順位 | 企業名 | 有給消化日数 (平均) | 3年後離職率 (%) | 社員数 |
1 | フジ大理石 | 10.8 | 0,00 | 54 |
2 | ジャパンマテリアル | 12..3 | 0,00 | 193 |
3 | ジインズ | 11.6 | 0,00 | 33 |
4 | アンバランス | 10.5 | 0,00 | 15 |
5 | イー・ガーディアン | 10.4 | 0,00 | 141 |
6 | オプティコム | 11.4 | 0,00 | 152 |
7 | 北日本コンピューターサービス | 12.0 | 0,00 | 255 |
8 | 安田不動産 | 14.8 | 0,00 | 142 |
9 | グッピーズ | 17.0 | 0,00 | 20 |
10 | 豊通食料 | 10.2 | 0,00 | 157 |
数ある中小企業の中でも優良と評価されている企業を10社紹介しました。
どの企業も社員数が少ないため、採用予定数もかなり少なくなることが予想されます。
つまり、内定を獲得するのは至難の業であるということです。
採用の倍率を参考にしつつ、企業選びの参考にしてみてくださいね。
就活における倍率の考え方は以下の記事で紹介していますので、あわせてチェックしてください。
ブラック企業の見分け方
中小企業と聞くだけで、「ブラック企業なのでは?」という印象を持っている就活生は多いのではないでしょうか。
確かに、大企業に比べると、勤務時間管理が甘かったり、ワンマン経営やファミリー企業などが多い傾向にあるでしょう。
ですが、ブラック企業の特徴や見分け方をしっかりと理解しておけば、リスクを軽減できますよ。
ここからは、ブラック企業の見分け方を解説していきます。
ブラック企業の特徴
それではブラック企業の特徴を10個紹介します。
- 長時間労働・過重労働
- 休日が少ない・有給が取れない
- 給与が低い、最低賃金を下回っている
- サービス残業が横行している
- 不文律の雇用契約
- 従業員の入れ替わりが激しく離職率が高い
- 募集要項に「やる気」や「情熱」などの精神キーワードが入っている
- 上司や社長が専制君主
- パワハラやセクハラが日常茶飯事
- 仕事で精神論がよく登場する
ほかにも、利益率の低い労働集約型のビジネスモデルの会社、衰退傾向にある業界などはブラックの可能性が高くなります。
企業ホームページや企業説明会で、上記項目のような風潮が見受けられた場合は注意が必要です。
ブラック企業の見極め方3選
それではブラック企業の見極め方を3つ紹介します。
①社員の採用数と社員数から推定する
ブラック企業は採用した社員が定着しない傾向にあります。
つまり、「社員がすぐに辞めるからまた採用して、採用してはまた辞める」の繰り返しです。
このような場合、比較的入社のハードルが低く設定されていることが多いので、内定を獲得して舞い上がる気持ちをぐっと抑えて、しっかりと採用状況を分析してください。
分析の方法として、毎年の採用数を把握し、前年と翌年の労働者数を比較してみましょう。
労働者数が前年と同数あるいは下回る場合は、人の出入りが激しい会社でブラック当確だといえます。
②口コミサイトを確認する
さきほども紹介しましたが、現役社員やOBが投稿している口コミサイトがあります。
ここでは、かなり突っ込んだ内部のリアルな情報が入手できます。
あなたが気になる会社がブラックなのかどうか気になるのであれば、口コミサイトで調べてみてください。
ただし、1つの偏った意見は客観性に欠ける場合がありますので、複数の共通的な口コミを参考にしましょう。
③ブラック企業大賞を参考にする
最後に「ブラック企業大賞」を参考にしてみましょう。
ブラック企業大賞とは「ブラック企業大賞企画委員会」という団体が公表しているブラック企業の一覧です。
「ブラック企業大賞企画委員会」の責任者はNPOの方や弁護士、映画監督やジャーナリストなど「企業との利害が少ない方」で構成されているので、、信頼性が高いのが特徴です。
ブラック企業大賞にノミネートされた企業は理由まで具体的に記載されているので、参考にしてみてください。
中小企業に入社する5つのメリット
ここからは中小企業に入るメリットについてみていきましょう。
①幅広い知識とスキルを習得できる
大企業の場合は仕事が細分化されており、「狭く深く」業務を遂行するのが特徴です。
たとえば、大企業の場合、採用部という採用専門の独立した組織があるのに対して、中小企業は人事部として採用業務に加えて、社員の異動や評価、給与計算など人事に関連するすべての業務を行います。
このように1人で幅広い範囲の業務を担当するのが特徴です。
中小企業の場合は個々の裁量権が大きく責任がついてまわりますので、必要な専門知識だったり、スキルがないと対応できないのが実態です。
逆をいえば幅広い知識とスキルを早期に習得できるといえるでしょう。
②裁量権を持って仕事ができる
大企業の場合、入社して数年〜十数年経たないと重要な仕事は任せられませんが、中小企業は早期戦力化が求められますので、若いうちから責任のある仕事を任されることが多いでしょう。
よって、比較的一人立ちする時期も早く、自律的に働きたい人にとっては好ましい職場環境といえるでしょう。
③経営陣の近くで仕事ができる
大企業では、社長の顔を生で見るのは入社式くらいですね。
経営陣との距離感もありますし、よく歯車にたとえられますが、大きな枠の中のほんの一部を自分が担っている感覚に近いです。
一方で、中小企業の場合は経営陣との結びつきが強く、一体となって仕事をやっている感覚があります。
なので、将来独立を考えている人にとって経営を間近で見られる環境は、効用が高いといえますね。
④社内でのキャリアを築きやすい
大企業ではライバルとなる社員が多いことや年功序列を取り入れているところが多く、上の役職がいれば出世しにくいことがあります。
また、業績を上げても企業全体に与える影響はあまり大きくはありません。
一方、中小企業では社員数や企業規模が小さいため、自分の業績が企業に与える影響が大きくなりやすいということがいえます。
大きく業績に貢献することができれば、一気に出世や昇給の可能性があるのでその分、責任ややりがいがあるでしょう。
⑤転勤が少ない
大企業では全国に支店や営業所があり、ジョブローテーション制度を導入している企業が多いです。
つまり定期的に転勤・異動が起こる可能性が高くなります。
引っ越しを伴う転勤や異動は、私生活に大きな影響をもたらします。
一方、中小企業では経営規模が小さいことから、大企業ほど全国に支店をもつケースはあまりありません。
本社や工場周辺に集中して事業を行っていることが多いため、引っ越しを伴う異動・転勤が少ないです。
なじみのあるエリアを離れなくていいという安心感は、大きなメリットだといえるでしょう。
また、以前のように大企業に入社したら一生安定というわけではなくなっています。
大企業への就職するリスクについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてくださいね。
中小企業に入社する4つのデメリット
ここからは、中小企業に入社することのデメリットについて紹介します。
デメリットを許容できるかは非常に重要ですので、必ず押さえるようにしてくださいね。
①年収が低い
中小企業は大企業に比べて給与や賞与を合わせた年収が相対的に低いです。
大企業は利益をあげる規模が大きく、業績が向上すると、より多くの金額を社員に還元することができるのです。
また、労働組合がしっかりと機能していることが多く、春闘などで、ベースアップや賞与を勝ち取ってくれるので、年収が高くなる傾向にあります。
これは大企業の特権といえるでしょう。
②労働条件や福利厚生が見劣りする
中小企業は少ない人員、少ない資金で事業運営しているケースが多く、有給休暇がとれない、残業が多いなど、労働条件や福利厚生は大企業に比べて見劣りする場合があります。
とはいえ、なかには労働条件や福利厚生が大企業並みの中小企業もありますので、労働条件や福利厚生にこだわりたい人はそのような優良企業を探してみましょう。
③人間関係が悪くても異動が困難
転勤がないほうがいい人は中小企業に向いていますが、逆を言えば反りの悪い上司や同僚がいた場合でも逃げられないという現実に直面します。
異動希望を出したくても、そのような制度自体がないケースもあるでしょう。
なかでも上司と相性が合わないのは最悪です。
どれだけ仕事にやりがいがあっても、人間関係が悪いと不穏な空気感の中で仕事を行わなければならず、いたたまれない感覚に陥ります。
そうなった場合は、ひたすら耐える日々が続くことを覚悟しなければなりませんね。
④研修制度が整っていない場合がある
中小企業では採用・教育に十分なコストを回せないことが多く、即戦力重視の採用をする企業が多いといえます。
大企業に比べ研修・教育制度のノウハウが整っていない企業も多いというのが現状です。
中小企業の中にはOn-the-Job-Training(OJT)と呼ばれる教育体制を採用しているところも多くあります。
OJTとは、先輩社員が後輩に対し、業務に必要な知識やスキルを業務の中で伝授していく研修方法です。
OJTでは実践的に業務内容やスキルを学ぶことができる一方、指導者の能力によって効果に差が生じることや、体系的に仕事を学びにくいといった課題が挙げられます。
さいごに
本記事では、優良中小企業の見つけ方や、ブラック企業の見極め方を解説してきました。
日本に存在している多くの企業は中小企業に分類されます。
大企業を中心に就活を行っている就活生は、ぜひ裾野を広げてみてください。
自分の求める働き方やキャリアアップを実現できる企業に出合えるかもしれませんよ。
中小企業には、大企業にはないメリットがたくさんある一方で、デメリットも存在します。
また、大企業に比べると社員数が少ないことから、過酷な労働を強いられる「ブラック企業」に遭遇する可能性もあるでしょう。
中小企業をリサーチする際は、本記事を参考に、企業選びを行ってみてください。
本記事が、中小企業への就職を検討している就活生の一助となれば幸いです。