就活でゼミのことを聞かれたら?役立つ3ステップを解説!【例文あり】
2024/8/15更新
はじめに
自分の専攻している学問を追求していく場であるゼミナール(以下、ゼミ)。
ゼミは、大学生活の学びの中心なので、当然、就活でも質問されるでしょう。
いざ就活を始めるにあたり、「ゼミ活動で人事は何を知りたがってるの?」「どのように答えるのがベストなの?」「逆にゼミに入ってないとハンデを負うの?」など、疑問を持っている就活生も多いのではないでしょうか。
本記事では以下のような就活生に向けて、就活でゼミについて質問された際の対策方法について解説します。
- 採用担当はゼミ活動からどのようなことを探っているか知りたい
- ゼミ活動の内容を簡潔に伝える方法を知りたい
- ゼミに入っていない場合はどのように説明したらいいか知りたい。
ぜひ最後までご覧ください。
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就活でゼミ活動について聞かれる理由は3つ
就活でゼミ活動について聞かれる理由を集約すると、下記の3つです。
- 入社後に活躍してくれそうか?
- 入社後に頑張ってくれそうか?
- 入社後すぐに辞めないか?
この3点を探るためにガクチカを聞いたり、バイトや部活動、サークル活動などの質問を通じて手がかりをつかもうとしたりしています。
そして、学生の受け答えを未来に投影し、その会社の求める人物像にマッチしているかを確認しているのです。
特にゼミの質問では先の3点を推し量るために、以下のことを聞き出します。
- どのように学業に取り組んでいたのか
- どんなことに興味があるのか?
- ゼミで何を学んだか
- どんな姿勢で研究に取り組むのか?
- 研究内容と仕事との専門性はマッチするのか?
- 論理的に説明する力があるのか?
つまり、その会社の求める人物像から逆算したうえで、上記を満たした受け答えができれば、合格率がアップするということですね。
ゼミ活動のスマートな伝え方3ステップ
「ゼミ活動はどんなことに取り組んでいましたか?」 このように面接官から質問された場合、あなたはどう答えますか?
ここでは、ゼミ活動に関する質問へのスマートな回答方法について解説していきます。
ゼミ活動を効果的に伝えるために下記の順番で3つのステップを踏んでください。
- 【ステップ1】結論
- 【ステップ2】具体性
- 【ステップ3】ベネフィット
これだけだとイメージしにくいと思いますので、分解して解説します。
【ステップ1】結論を先に伝える
まずは結論を端的に述べましょう。
たとえば、「ゼミはマーケティングを専攻し、購買行動の研究を行っています」など、一言で相手が概要を理解できるように答えていきます。
ここで注意すべきことは、面接官はあなたのテーマについて深く知りたいわけではないということです。
冒頭から長々と話してしまうと、何を説明したいのかがわからず、伝えたいことが採用担当に伝わらない可能性があるので注意が必要です。
当然、専門的な学業ですので、一言で概要を表現することが難しい場合もあるでしょう。
そのような場合に備えて、第三者に説明する際のテンプレートを用意しておくようにしましょう。
伝えたいことを論理的に表現する方法を以下の記事で紹介していますので、あわせてチェックしてください。
【ステップ2】具体性を示す
次に【ステップ2】で具体性を織り込んでいきます。
「具体的には〜」でステップ1の結論を下支えし、面接官にあなたが取り組んだことをより鮮明にイメージしてもらいましょう。
たとえば、 「具体的には消費者が購買を決定するきっかけは何なのか、そして購買意欲を刺激するために何をすればいいのかなどを研究しています。特に現在は新型コロナの影響に伴うeコマースの拡大によりネット経由での購買需要が高まりをみせているのです。したがって、現在はSNSなどの情報が購買行動にどの程度直結しているのかを国内外の事例や老若男女100人のアンケート調査を基に分析しています」
というように、 「どんな目的で取り組んだのか」「どのように課題を解決していったのか」などを伝えることにより具体性を膨らませていくといいでしょう。
【ステップ3】ベネフィットを示す
最後に、【ステップ3】の「ベネフィット」で締めましょう。
「ベネフィット」とは何かというと、「あなたを雇う理由・メリット」です。
ステップ3の締めでは、「あなたを雇うべき理由」を面接官に訴求しましょう。
そのためには 「ゼミ研究を通じた成長ポイント」「ゼミ研究で得た知識やスキル」「入社後に上記がどう活かせるのか」 などをアピールしてください。
たとえば、「今回の研究により最近の若者は商品やサービスを買う前にSNSなどの情報や口コミを検索して、購買の意志決定を行っている傾向がつかめました。御社ではゼミの研究で培ったネットマーケティングの知見をフルに活用しながら若者向け商品の売上拡大に貢献したいと考えています」というように、最後は必ずベネフィットまで落とし込んでください。
一方で 、選考段階で具体的なゼミ研究テーマが決まっていない場合は、「〜を研究する予定です」と答えて結構です。
その際、以下のことを意識して回答するようにしてください。
- なぜその研究テーマを選んだのか
- どのようにリサーチし、分析しようとしていたのか
- 結論はイメージできているか
テーマが決まっていなくても、ゼミを選んだプロセスや将来のイメージを明確に持っていれば、しっかりとビジョンを持っている学生だという評価をしてもらえますよ。
ゼミの内容をスマートに伝える例文を紹介
それでは、ゼミ活動について質問された場合の例文を見ていきましょう。
【例文】
ゼミでは会計学を専攻しています。
ゼミの研究はグループごとに分かれて研究を行っていますが、私のグループは「簿記の歴史」について調査・分析を行っています。私はグループ長に任命されたため、グループメンバー全員の意見を取りまとめる必要があり、率先してメンバーの意見を傾聴して異質な意見を包含しつつ1つの方向に導く役割を担っています。そのためチーム内で意見が割れた場合は事実をつかむために学術論文や専門家の意見を収集するなど、チーム全員で分担して徹底的にその本質を調べあげました。
この結果、主観ではなく客観的な数値やデータによる事実や真因さえつかめれば、メンバーも納得して同調し、ベクトルを集約できることを学びました。御社ではいかなる難題も真正面から受け止め、今回の経験を活用して課題をチーム一体となって解決し、組織力で業容拡大に貢献できるように邁進します。
結論を簡潔に述べ、具体性のある説明を行ったうえで、入社後にどのように会社に貢献できるかを示しています。
このような形で回答することができれば、、面接試験も難なくクリアできるでしょう。
また、追加の質問として「研究テーマからどんな結論が導かれましたか?」という質問が予想されます。
研究の結果を端的、かつわかりやすく説明できるように準備しておきましょう。
ゼミに入っていないからといって不利にはならない?
ゼミに入っていないと不利になる?という質問を就学生からよく聞かれますが、結論からいうと、一概に不利になるとはいえません。
その代わりに 「なぜゼミに入らなかったのか?」「それに代わる何かに打ち込んだのか?」「それに代わる勉強は何をしたのか?」 を説明する必要があります。
たとえば、以下のような理由が挙げられるでしょう。
- ゼミ以外のコミュニティに参加したかったから
- 社会で必要な資格取得や語学力を習得したかったから
- 長期インターンに参加して実践スキルを身に付けたかったから
- 部活やアルバイトに専念したかったから
学業・資格試験・留学・趣味・インターンシップ・ボランティア・部活・アルバイトのような前向きな理由がある場合は、具体的に説明してください。
説明をする際は、社会に出てからも将来に役立つスキルを身に付けるための時間が必要であったことを簡潔に伝えるようにしましょう。
「やりたいことがなかったから」「ゼミに興味がなかったから」「卒論が面倒くさいので」といった本音を伝えてしまうと、面接官は 「じゃ、何のために学校に行ったの?」 と心証を害してしまいます。
なので、ゼミに入らなかった学生はその期間、自分を高めるために何を行っていたのかを説明することが必須条件となるでしょう。
ゼミに入っていない場合の答え方
ここからは、ゼミに入らなかった場合の答え方について解説します。
以下の2つのポイントを意識してみましょう。
ポイント
- ゼミに入っていない理由をポジティブに答える
- ゼミ以外で取り組んだ内容を具体的に説明する
ステップに分けて解説していきますね。
【ポイント1】理由をポジティブに答える
面接官は「なぜゼミに入らなかったのか」が気になっていますので、ステップ1でその疑問を払拭しましょう。
さきほど解説したとおり、前向きな理由を伝えてください。
理由を伝える際は、「結論ファースト」で簡潔に述べることを意識しましょう。
ゼミに入らなかった理由がクリアになると、面接官の興味は「その時間を使って何をしてたのか?」という点に移ります。
ゼミに代わる何かに力を入れたことを具体的に説明できないと「怠惰」と印象付けられますので、ステップ2としてゼミ以外で取り組んだことを具体的に説明していきます。
ここでの内容は、ガクチカの内容と重複する可能性が高いので、ガクチカでアピールしたい内容のほかにもアピールできるネタを用意しておいてください。
【ポイント②】ゼミに入っていないことを具体的に説明する
ゼミに入っていない場合は、その理由を具体的に説明しましょう。
以下に、例文を作成していますので参考にしてください。
【ゼミに入らない理由がアルバイトの場合】
私は自分の学費を稼ぐためにゼミに所属しませんでした。現在は奨学金を利用しながら大学に通っていますが、それでもまだ費用を賄えないため、その補填のために塾の講師と飲食業のアルバイトを掛け持ちしています。
特に塾の講師では集団講義の弱点により個々の学習進捗のレベル差を埋めることができないため、クラス一律で宿題を与える手法ではなく、各人のレベルに応じた宿題を個別に与え、フィードバックを行いました。結果として、1人も落ちこぼれをつくらず、全体平均で5科目20.7点の引き上げに成功しました。
このエピソードを読むと、あまり裕福でない家庭に生まれて、バイトを掛け持ちしてまで勉学に勤しむ苦労が伝わってきます。
加えて、バイト先の塾では従来のやり方に固執せず、自らのアイデアでチャレンジし、見事に成果まで出している点は加点要素になり得るのでしっかりアピールしましょう。
【ゼミに入らない理由がボランティアの場合】
大学ではボランティアの本当の意味を探りたくて、ゼミには所属せずに地域のボランティア団体で活動することを決めました。
「本当に相手の悩みに答えられるボランティアとは?」や「自己満足がないとボランティアはできないのか?」などの疑問を払拭するために、両親のいない子ども向けに勉強を教えるボランティアを3年間継続しています。
そこでわかったことは「この人を何とかしてあげたい」という気持ちは机上の空論ではなく、実際に現場で顔を突き合わせ、その空気感を感じることで初めて内発的動機として醸成されるということがわかりました。
この経験を通じて、実際に現場に足を運んで体感しないと真の解決法は見いだせないこと、および本当のモチベーションは現場感覚から生まれることを体感しました。
この文章から 、ゼミに入らなかった理由を明確に理解できたでしょうか?
その代わりに、どのような目的で何を行い、どんなことを学んだのかがきちんと表現されているでしょうか?
上記の2つが満たされていれば、面接官への回答としては合格点です。
そのほか、留学や資格・趣味・家事手伝いなども、今回のポイントを押さえておけば応用可能です。
就活面接でゼミについて質問された際に意識したいポイント
面接でゼミについて質問された際に、悪い印象を与えてしまうNG例を紹介します。
①専門用語を多用しない
ゼミの内容を伝える際に、専門用語を多用するのは避けましょう。
専門的な内容だけに、専門用語が入ってしまうのは致し方ありませんが、聞き手である面接官に知識があるわけではありません。
研究を知らない第三者が聞いてもわかりやすいように伝えましょう。
②事実を羅列しただけの説明は避け、自分の意見を述べる
研究の結果から得られたデータを基に事実だけを説明するのもNGです。
面接官は、研究の結果を聞きたいわけではありません。
その結果に至るまでのプロセスを聞きたいのです。
事実の説明が必要であれば簡潔に伝え、あとは苦労した点や工夫した点をしっかりとアピールするようにしましょう。
さいごに
本記事では、就活でゼミ活動について質問された際の対策方法について解説してきました。
ゼミ活動は大学での学びを専門的に追求する場として存在しています。
しかし、大学によっては、入るか入らないかを選択できたり、活動に濃淡が出たりしてしまいます。
専門性が高い研究職を目指している場合は、具体的な内容まで、専門用語や研究成果を交えて説明する必要があるでしょう。
しかし、多くの場合は研究内容をチェックされているのではなく、自身の学びの成果を論理的に説明できるかをチェックされているのです。
ですから、ゼミに入っていなくても、入っていない理由を論理的に説明することを意識すれば大丈夫です。
学生生活の成果を具体的、かつ論理的に説明できるように頑張ってくださいね。