【就活生必見】外食産業の就活って? ブラックって本当?

【就活生必見】外食産業の就活って? ブラックって本当?

2022年4月11日更新

はじめに

外食産業の就活について知りたくないですか?

 

本記事では、外食産業に興味がある就活生から、就職をしようと思っている就活生までの幅広い層に対して、外食産業に関して徹底解説します!

 

本記事を読めば、

✔外食産業とは?

✔外食産業の課題

✔外食産業の仕事

✔外食産業の年収

✔外食産業ってブラックなの?

✔志望動機のポイントと例文

について全て理解することができます!

1. そもそも外食産業ってどんな業界?

まず外食産業と聞いて、どんなお店を思い浮かべますか?

 

ファミレスとか、ファーストフード店とか、居酒屋ですかね。

 

実は外食産業といっても幅広くて、上記以外に学校給食、社員食堂、病院、保育所給食、宿泊施設、喫茶店、料亭・バーなど、家庭外で食事を提供するすべてのサービス業を指します。

 

市場規模はというと、一般社団法人 日本フードサービス協会の令和2年外食産業市場規模推計 によると以下のとおりです。

 

(単位:億円)

2018(平成30年)2019(令和元年)2020(令和2年)
257,342262,684182,005

 

そもそもは25兆円規模の市場でしたが、新型コロナ感染拡大により消費者の行動自粛に加え、政府の緊急事態宣言発令、自治体の営業時間短縮要請、海外のインバウンド需要の減少などが相まって、2020年は前年比30.7%減の18兆円という結果になりました。

 

ちなみに規模感でいうと、業界リサーチによれば銀行が24兆円、電力が20.9兆円、スーパーが19.3兆円、ITが16.4兆円なので、なかなかの規模感です。

 

かなりの売上減少が経営を圧迫しているため、外食産業はやむを得ずテイクアウトや宅配といったいわゆる中食に手を広げたり、事業を海外展開するなど販路拡大をせざるを得ない状況に陥っています。

2. 外食産業ってどんな課題があるの?

外食産業の課題は大きく下記の3つです。

 

①市場の縮小 

②ITの活用

③食材の価格高騰

 

1つずつ見ていきましょう。

 

①市場の縮小

 

新型コロナの影響により消費行動に変化があり、中食への流動化など全体的に外食の機会が減少していることから市場規模が縮小傾向です。

 

長期的にみても、少子高齢化にともない日本の人口が減少していくことや不況により市場規模が縮小していくという見方もありますので、この環境変化にどのように適応していくかが今後の鍵となります。

 

②ITの活用

 

今後の外食産業は従業員の労働負荷を軽減させるために、あらゆる方面でITを導入する必要があります。

 

たとえば、仕入れや予約、顧客情報管理、レジの自動化、受付のロボット化など業務をサポートするITサービスが続々と登場していますが、将来的にはフロアーの無人店舗なんかも誕生しそうですね。

 

「あれ?飲食業界って人手不足という課題はないんですか?」

 

実は新型コロナの影響で現在は人手不足どころか、人手過剰の様相を呈しています。

 

下記は帝国データバンクの特別企画:人手不足に対する企業の動向調査(2020年4月)の資料ですが、飲食店は正社員・非正社員ともに人手過剰のランキング2位に入ってます。

 

(出典:帝国データバンク~特別企画:人手不足に対する企業の動向調査(2020年4月)より引用

 

とはいえ、コロナ明けに外食機会が増えれば、また人手不足に陥る可能性がありますので、今のうちにIT化を進めて少人数で店を回せる体制をとることが命題ですね。

 

③食材の価格高騰

 

食材は気候の影響を受けやすく、安定した価格での販売が難しいようです。

 

さらに石油などのエネルギー価格上昇にともない、油や野菜類など軒並みすべての食材の物価が上昇しており、原価が経営を圧迫しています。

 

外食産業の場合、店舗家賃や人件費、水道光熱費が固定費としてのしかかってきますので、変動的な食材費が高騰するとダイレクトに経営数字に響くため、やむを得ず提供しているメニューの値段を引き上げる方向に動きます。

 

価格上昇で客足が遠のき、売上が減少する可能性もあるので、どのような施策を講じていくのかが今後の課題ですね。

3. 外食産業ってどんな仕事をするの?

外食産業は大きく7つの仕事に分けられます。

 

①ホールスタッフ

②店長

③スーパーバイザー

④バイヤー

⑤店舗開発

⑥商品開発

⑦本部スタッフ

 

1つずつ説明しましょう。

 

①ホールスタッフ

 

店舗に来店するお客様の接客がメインです。

 

コミュニケーション能力が問われる仕事ですが、新人研修を兼ねて全新入社員にホールを経験させる企業もあります。接客スキルだけでなく、メニューを覚えることや現場の雰囲気を感じることができる貴重な体験を積めます。

 

②店長

 

店舗を運営する現場の責任者です。

 

ホールスタッフをまとめる統率力や人間力も問われます。パートやアルバイトを採用したり、新人教育をする場合もあります。

 

ホールスタッフよりも年収が高く、店舗経営のノウハウも身につけられます。お客様の声に耳を傾けたり、時にはクレームに対応したりしてスムーズな運営に取り組みます。

 

③スーパーバイザー

 

複数の店舗を担当し、円滑な店舗経営のためのアドバイスや指導を行います。

主に店長とのコミュニケーションが多く、指導力や提案力が要求されます。

 

④バイヤー

 

商品の原材料の買い付けを行う職種です。

 

国産野菜を生産する契約農家を訪れたり、価格交渉なども行うと同時に、企業が求める材料の仕入れ先を開拓したりします。ときには生産者と共同で原材料の開発なども行います。

 

限られたコストや期間でいかに効率的に仕入れられるか、経験と調整力が問われます。

 

⑤店舗開発・マーチャンダイザー

 

調査に基づいて出店計画などを行います。

 

新規出店では地域の特性から、どのような場所に出店すべきかを調査したり、ニーズに基づいて店舗の大きさや内装などを検討します。

 

近年はアメリカやアジアに出店する企業も増えてきましたので、海外のトレンドに詳しい人や語学力も求められます。

 

⑥商品開発

 

時代のトレンドを読んで、より売れる商品メニューの開発を行います。

 

アイディアを形にする発想力が求められる仕事で、価格なども踏まえ周囲を納得させる提案力が必要になってきます。

 

外食業界では季節やイベント等も考慮し、お客様に選ばれるメニュー作りを日頃から考えていかなければなりません。

 

⑦本部スタッフ

 

チェーン店の本部などで総務や事務、勤怠管理などを行います。

 

会社の窓口となってさまざまな対応が必要となり、お客様と対面で接するよりも取引先企業やマスコミ、株主といった社外関係者と応対する場面が多いです。

4. 外食産業の平均年収って安いの?

外食業界の平均年収はマイナビAGENTの調べでは375万円で、サービス関連業界の中で見ると中程度の金額となっています。

 

外食産業メーカー 食品消費財・アパレル・宝飾・流通・サービス
375万円439万円(▲64万円)347万円(+28万円)

 

年齢平均年収男性平均年収女性平均年収
20代349万円374万円317万円
30代434万円439万円402万円

 

ただし、大手外食企業で昇進が早ければ、高収入のチャンスも期待できます。

 

また、食事手当(まかない)や住宅手当(補助)、家族手当、エリアごとに支給されるロケーション手当などを含めると毎月数万円〜10万円以上が上乗せされますのでバカにできないフリンジですね。

 

入社前に諸手当や福利厚生をチェックしておきましょう。

5. 外食産業はブラックなの?

厚生労働省は「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として

 

①労働者に対して極端な長時間労働やノルマを課す。

②賃金不払い残業やパワハラが横行するなど、企業全体のコンプライアンス意識が低い。

③このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う。

 

と言われています。(引用元:「ブラック企業」ってどんな会社なの?|確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト|厚生労働省

 

筆者がブラックかどうかを判断する指標は「離職率」です。

 

居心地のよい職場環境であれば誰も辞めないですよね。

 

厚生労働省が発表している令和2年上半期雇用動向調査によると、宿泊業・飲食サービス業の離職率は15.3%、入職率は12.4%で、入れ替わりの激しさは全産業トップクラスです。

 

(画像引用:厚生労働省~令和2年上半期雇用動向調査

 

この数値だけを見ると、辞めるのを前提に大量採用し、予定通り大量に退職するので、また大量に採用するという悪循環がみてとれますね。

 

とはいえ、コロナ禍の数字であることや、大企業から個人店までを含んだ数値であることから、すべての会社がブラックとは言い難いですね。

 

上場している会社であれば当然株主がいますので、コンプライアンスのチェックが厳しく、法律に抵触するような仕事のさせ方は表立ってできませんよね。

 

基本的に企業は予算を決めて事業を運営しますが、法を犯してまで最低賃金以下で予算を組むことは考えにくいです。

 

それではなぜ外食産業がブラック企業のやり玉に挙げられるのか?

 

理由は大きく2つあって、1つ目は相対的に見えやすいからです。

 

基本的に店舗が少数の正社員と大多数のパートやアルバイトで構成されていて、働く人間への待遇や労働環境などが他の産業と比べて外から見えやすく、白か黒か分かりやすい側面はあるとは思います。

 

もう1つは店長の裁量権が大きいので、店長の能力によって売上から従業員のシフトまでもが変わり、店長の能力が低い場合は従業員にそのしわ寄せが来る結果、ブラックになることがあります。

 

休みが取りにくいとか、残業が多いとか、そういった差異は店長の管理能力に左右されるウエイトが高いです。

 

「それではブラックかどうかの見極め方ってあるんですか?」

 

ということなんですが、入社前に業績、特に利益を見ておいたほうがいいです。

 

業績が低いと本部から売上アップのノルマを課せられますし、人件費圧縮の要請がかかります。

 

そうなると店長は限られた予算内で店舗運営をしなければならないので、当然昇給はできませんし、人員ギリギリで店を切り盛りする結果、休みがとれなかったり、不足する人員の穴埋めの残業が発生したりします。

 

逆に業績がいい場合は売上が伸びて、利益をスタッフに還元し、モチベーションが高まり、お客様へのサービスや業務の流れが活性化します。

 

また業績だけでなく、企業情報をきちんと知ることは大切です。

 

ホワイトな会社なら、店舗数から年間の出店スピード、企業の成長段階などを公開しています。

 

その上で、1社だけでなく、複数の会社を比較検討してみるとよいですね。

6. 志望動機のポイントと書き方(例文あり)

それでは外食産業を受けると決めた人向けに志望動機のポイントについて解説していきます。

 

刺さる志望動機のポイント

 

外食産業の志望動機のポイントは他の業界と同様に以下の3つをおさえる必要があります。

 

①なぜ外食産業なのか?

②その中でもなぜその会社なのか?

③あなたを採用するメリットは?

 

この3つを上手にアピールできれば、説得力のある志望動機が完成しますし、逆にこの中のいずれか1つでも欠けると、信憑性を損ねます。

 

構成としては、以下のステップを踏んでください。

 

【ステップ1】結論(端的に)

【ステップ2】具体的には(結論を下支えするエピソードや理由)

【ステップ3】入社後の活躍イメージ

 

とはいえ、例文がないとイメージしづらいと思います。

 

次の章で例文を交え解説を加えますね。   

 

刺さる志望動機の例文 

 「日本食を東南アジアに浸透させたい」という私の夢を実現できると考え、貴社を志望しました。

 大学2年生から1年間、マレーシアの大学に留学し、現地および東南アジアを旅行するなかで、ローカルの人々が日本食のおいしさに感動している様子を目の当たりにし、日本食をもっと多くの人々に知ってもらうために自分が何か貢献できないかと考え続けてきました。

 東南アジアにおいて日本食のお店は存在するものの、そもそも店の存在を知らなかったり、少し値段が高くて東南アジアの人々にとって敷居が高い現状にあります。

 貴社には海外事業がありますし、原材料の調達から店舗販売まで独自のシステムがあり、安全でおいしい「食」をリーゾナブルな価格で提供できるノウハウがあります。

 東南アジアにマーケットを展開している貴社でなら、私の夢を実現しながら貴社の発展に寄与できると考え、貴社を志望しました。

 


いかがでしょうか?

結論で「日本食を東南アジアで浸透させたい」という夢を端的に語っています。

 

それを補足する形でマレーシア留学中の原体験を添えて説得力を高めています。

 

加えて、この会社にしかない独自性(東南アジアのマーケット展開×独自の運営ノウハウ)を挙げて、この会社じゃなきゃダメな理由を伝えています。

 

最後に「自分の夢の実現」と「会社の発展」が直結することをアピールすることで、具体的な活躍イメージが想起できますので、人事が「ぜひ会ってみたい、話を聞いてみたい」と思わせるような志望動機に仕上がっていますね。

おわりに 

本記事では「外食産業って大丈夫なの?」と不安に思っているあなたのために外食産業が抱える課題からブラックなのかどうかまで解説してきました。

 

結局は、あなた自身がその会社の将来を担う気持ちがあるかどうか?だと思います。

 

人が生きていくうえで切っても切り離せない「食」に携われる産業、それが外食産業です。

 

人間にとって食べることは生きるうえでの活力や楽しみなので、見方を変えればとても素敵な仕事だと思います。

 

確かに休みは少ないうえに自由に取りづらいですし、立ち仕事で動き回るし、厨房は暑いし体力的にキツイです。

 

一方で、事務だって圧迫した空間で長時間座り続けるのは辛いし、営業だってクレーム処理やノルマやらでストレスが溜まります。

 

要はストレスの質が違うだけだと捉えることもできます。

 

それを理解した上でお客様の喜ぶ顔が見たかったり、「おいしかったよ!」と言ってもらえる嬉しさがたまらなかったり、お客様とコミュニケーションを取りたい人が外食産業に向いていると言えます。

 

そういう仕事がしたい人や将来的に自分の店を持って独立したい人にとっては、ネガティブ要素よりも、それ以上の経験という財産が手に入ります。

 

小さな飲食店ではまだまだ余裕はないですが、大手外食産業では従業員の待遇改善や働き方の見直し、福利厚生の充実度アップなどに取り組み、従業員が働きやすい職場環境の整備に着手しています。

 

過去のブラックなイメージからの脱却を目指そうと、ITなどを活用して働き方自体が激変していく業界なので、今後どのように変わっていくのか楽しみですね。

 

本記事が参考になれば幸甚です。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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就活ハンドブック編集部

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