【徹底解説】就活生が気になる”年間休日”とは…?

【徹底解説】就活生が気になる”年間休日”とは…?

2022年5月14日更新

はじめに

求人情報を見て、

 

「年間休日って何を意味するの?」

「有給休暇とかも含まれるの?」

「平均ってどのぐらいなの?」

 

など、年間休日の意味や相場観って結構わからないですよね。

 

本記事では、あなたが最も気になるであろう6つの疑問にQ&A形式で明快に答えていきます。

最初から順番に読んでいくことも意味があることだし、とりあえず気になる点だけをチェックするのもアリです。

この記事を読むだけで今まで悶々としていた頭がクリアになりますので、次回求人情報を見た時に「フムフム、そういうことね」と意味と水準を見据えながら就活を進めることができますよ。

Q1:そもそも年間休日って何?

A1:年間休日とは会社が定めている年間の休日合計数です。

 

労働基準法(以下、労基法)さえ守られていれば、年間休日は会社の判断に委ねられていますので、その日数は会社や事業所によって異なります

 

そもそも年間休日は下記のとおり労基法で定められている「法定休日」と、会社が任意に定めることのできる「法定外休日」で構成されています。

 

 年間休日=法定休日+法定外休日

 

では、労基法が定める最低ラインの「法定休日」は何日なのか?

労基法の中で年間休日数に言及している条文はありませんが、労基法の休日に関する規定は第35条の中で「法定休日は毎週少なくとも1日、または4週間を通じて4日以上と明記されています。

 

ということは、1年間は52週(365日÷7日)なので、年間休日52日を付与すれば問題ないと考えがちですが、

一方で、労基法32条には「労働時間の上限が週40時間」「1日に8時間を超えて労働させてはいけないと規定されています。

 

労働時間から逆算すると会社が確保すべき年間休日の最低日数が見えてくるわけです。

 

 ①まず週40時間(上限労働時間)を使用して年間の上限労働時間を算出。

  →365日÷7日×40時間=2,085.7時間

 

 ➁年間の上限労働時間を1日の上限労働時間で割り、年間の上限労働日数を算出。

  →2,085.7時間÷8時間=260.7日

 

 ➂1年365日から年間の上限労働日数を引き、年間の最低休日数を算出。

  →365日ー260.7日=104.3日≒105日

 

このように労基法では年間休日数について明言していませんが、労働時間から逆算すると法的な最低ラインのの年間休日数(105日)が算出できるわけです。

 

 

「いやいや、求人情報を見たら年間休日が105日未満の会社がありましたが、あれは法律違反なんですか?」

 

いえ、それは違います。

 

上記の例は1日の所定労働時間8時間を想定していますが、仮に7時間だった場合は上記の計算にならって計算すると年間休日は688日となります。

 

 2085.7時間÷7時間=297.9日

 365日ー297.9日=67.1日≒68日

 

年間休日68日はずいぶん少ないように感じます聞こえますが、法定の週休1日を確保し、1日の労働時間8時間以内、土曜日をたとえば半ドン(午前中勤務)にすれば週の所定労働時間40時間以下以内を遵守していますので基準をクリアします。

つまり、1日の所定労働時間を短縮すれば、年間休日数を少なくできるというカラクリなのです。

 

一方で、年間休日の中に国民の祝日や年末年始休暇、夏季休暇など会社が独自に導入できる休日(=法定外休日)が含まれています。

あくまでも法定休日さえ確保しておけば、会社は休日を付与する義務はありませんので、このような法定外休日は法律を上回る水準の休日法定外休日は法律の水準を超えるの休日だと捉えてください。

Q2:年間休日数って平均どのぐらいなんですか?

A2:平均は「110. 5日」です。

 

以下が令和3年に厚生労働省が公表している事業規模別の平均年間休日数です。

全体平均は110. 5110. 5日ですが、表を見ると企業規模が大きくなればなるほど年間休日数が多く、事業規模が小さいと年間休日数も少なくなっている状況が見てとれますね。

企業規模平均年間休日数
1,000人以上116.8日
300~999人115.2日
100~299人112.9日
30~99人109.0日
令和33年調査計110.5日

引用:厚生労働省~令和3年就労条件総合調査

 

 

一方で業種別に年間休日数をみていくと、「情報通信業」「学術研究、専門・技術サービス業」「金融業、保険業」が118日を超えているのに対して、「宿泊業、飲食業」は97.1日と年間休日数が3桁を切っている業種もあります。

順位業 種年間休日数
情報通信業118.8日
学術研究、専門・技術サービス業118.8
3金融業、保険業118.4
4電気・ガス・熱供給・水道業116.8
5教育、学習支援業112.7
6製造業111.4
7複合サービス業110.4
8不動産業、物品賃貸業109.6
9医療、福祉109.4
10サービス業

(他に分類されないもの)

109.0
11卸売業、小売業105.7
12生活関連サービス業、娯楽業104.6
13建設業104.0
14鉱業、採石業、砂利採取業103.8
15運輸業、郵便業100.3
16宿泊業、飲食サービス業97.1

引用:厚生労働省~平成30年就労条件総合調査 ※令和元年以降の公表はなし

 

もし、あなたが志望する企業の年間休日数が多いのか少ないのか判断できない場合は、この企業規模やや業種別の年間休日を見れば、だいたいのレベル感が把握できるはずです。

Q3:休日と休暇って、どう違うの?

A3:年間休日に含まれる休暇と、そうでない休暇があります。

 

求人情報を情報みると、年末年始休暇や有給休暇、慶弔休暇などが記載されていて、これらが年間休日に含まれるかどうか疑問ですよね。

 

まず、休暇には一定の基準を満たした場合に付与しなければいけない「法定休暇」と会社が独自に設けている「特別休暇」の2つがあります

下表のとおり法定休暇は年間休日の枠外ですが、「特別休暇」の中には年間休日に含まれる休暇とそうでない休暇があります

区 分休 暇 例年間休日該当区分
法定休暇有給休暇、育児・介護休業、

看護休暇、産前産後休暇

年間休日に含まれない休暇
特別休暇国民の祝日、夏季休暇、年末年始休暇年間休日に含まれる休暇
慶弔休暇、病気休暇、リフレッシュ休暇、

誕生日休暇、結婚休暇

年間休日に含まれない休暇

 

毎週の休日に加えて、国民の祝日をはじめ、年末年始休暇や夏季休暇、ゴールデンウィーク休暇、創業記念日など国民の祝日をはじめ、年末年始休暇や夏季休暇、ゴールデンウィーク休暇、創業記念日など、会社が就業規則で規定している休日(公休日)の場合は年間休日に含まれます

 

一方で、有給休暇は年間休日に含まれるのか気になるところですよね。

有給休暇は労基法第39条で定められている法的な休暇であるものの、会社休日とは別の概念になります。

同じ会社の同僚でも勤続年数によって1年間に付与される日数は異なりますし、取得するタイミングも個人差がありますので、年間休日の枠外だと捉えてください。

 

法定休暇としては、有給休暇以外に本人の申し出があれば取得できる産前産後休暇や育児休業、介護休業、子の看護休暇等があります。

 

さらに、年間休日や法定休暇とは別に会社が独自に定めている特別休暇があります。

たとえば、慶弔休暇やリフレッシュ休暇、誕生日休暇などが特別休暇にあたります。

 

まとめると、会社で取得できるお休みは下記のように年間休日以外に法定休暇や特別休暇が上乗せされて構成されているわけですね。

 

 会社で取得できるお休み=年間休日+法定休暇+特別休暇

 

ただし、「法定休暇」と「特別休暇」は一律に付与される年間休日とは異なり、ある一定の基準を満たした場合や本人の申し出があった場合に適用になります

Q4:完全週休2日制と週休2日制って違うの?

A4:全く違う制度です。

「完全週休2日制」と「週休2日制」は言葉は似ていますが、全く違う概念です。

 

まず「完全週休2日制」とは、毎週必ず2日の休日がある制度です。

休みの2日を土日にあてる会社が多いですが、下記のとおり土日以外も2日間設定することは可能です。

 

 ・完全週休2日制(土・日)⇒ 毎週土曜と日曜が必ず休み

 ・完全週休2日制(水・日)⇒ 毎週水曜と日曜が必ず休み

 ・完全週休2日制(日・他1日)⇒ 毎週日曜と他の曜日1日が必ず休み

 

一方で、「週休2日制」は下記のように1か月の間に週2日の休みのある週が1度以上ある制度を指します。

 

 ・週休2日制(日、第2・3・4水曜)⇒毎週日曜と第2・3・4水曜が必ず休み

 ・週休2日制(日、月2回土曜日)⇒毎週日曜と月2回土曜が必ず休み

 ・週休2日制(土・日 ※年4回土曜日出社日あり)

  ⇒基本的に毎週土曜と日曜が休み(ただし、年に4回土曜出社日あり)

 

また、飲食やアパレルなどのサービス業の求人情報でよくみかける「週休2日制(月7日 シフト制)」ですが、あくまでも休日は会社のシフトによって指定され、月によって異なることを意味します。

 

ただ、毎月7日の休みがあるということ、月に1回以上2日休める週があり、他の週は1日以上の休みがあることは確定しています。

具体的な休みの曜日は月のシフトで決まるということですね。

Q5:年間休日125・120・110・105日のサイズ感は?

A5:下記でそれぞれ説明します。

 

まず「年間休日125日のイメージを出します。

 

 ・土日休み:  104日

 ・祝日休み:    13日

 ・夏季休暇:   2日

 ・年末年始休暇: 6日

   計     125日

 

もちろん上記はあくまでも例示なので、別のカレンダーの会社もあります。

完全週休2日で、祝日もフルに休めて夏季や年末年始の休暇もあり、有給休暇と組み合わせれば大型連休も可能なので年間休日の水準が高い優良企業といえますね。

 

つづいて年間休日120日のイメージです。

 

 ・土日休み:  104日

 ・祝日休み:    13日

 ・年末年始休暇: 3日

   計     120日

 

年間休日120あれば、基本的に完全週休2日制の企業が多いです。

なかには祝日を出勤にして、その代わりを夏季休暇に充てたり、ゴールデンウィーク休暇などを設ける企業もあります。

年間休日の平均から比べれば、上位の企業にあたります。

 

次に「年間休日110日」のパターンです。

 

 ・土日休み:     104日

 ・祝日休み :     3日

 ・年末年始休暇 :   3日

   計      110日

 

さすがにこのレベルの年間休日数になると、祝日をフルに休むことが物理的に不可能になります。

なかには週休2日制で月に何日か土曜日出勤があり、その振替で夏季休暇やゴールデンウィーク休暇などの休日に振り向ける企業もありますね。

平均からみると下位の企業になります。

 

最後に「年間休日105日」のパターンです。

 

 ・日曜休み:   52日

 ・土曜休み:   40日(※月1回土曜出勤)

 ・祝日休み:   13日

   計    105日

 

1日8時間の勤務で考えた場合、労基法ギリギリの年間休日数です。

週6日勤務の週と週5日勤務の週とが混在する働き方であくまでも最低ラインだと考えるようにしましょう。

 

 

世間から見ると年間休日の水準はかなり劣位なので、やり遂げる自信があるか、そこまでしてやりたい仕事かどうか、選考を受ける前に改めて考えておきましょう。

Q6:面接で休日のことを聞いたらマズいの?

A6:あまり印象はよくありません。

「面接で休日のことを聞いたらマズいですか?」とよく聞かれますが、人事の率直な意見をいうと2つの理由で心証を害します。

 

1つ目は、面接の場で聞く質問としてはふさわしくないからです。

 

「その類の質問は会社説明会で済ませとけよ」

「ネットで調べればわかるんじゃん」

「それって面接の場で聞くような質問じゃないよね」

 

と人事は感じるからです。

 

面接の場での質問は、会社説明会やネットでは調べられないマネージャーや幹部でないと答えられないような専門的な質問や、

 

「よくそこまで調べてきたね」

「よく調べてきたね」

「その角度からの質問があったか…」

 

と思わず面接官を唸らせるレベルの質問に限定してください

 

 

2つ目の理由は、権利ばかりを主張してくる就活生に映るからです。

ものごとには権利と義務がありますが、人事など面接官側からすると、義務の領域に関する質問をしてくる学生を好む性質があります。

 

たとえば、

「入社5年目の先輩方で優秀な方はどのような働き方をされていますか?」

 

「入社前に学習しておいたほうがいいことは何ですか?」

 

「私自身、英語を使った仕事に興味があり、御社の海外トレーニー制度にかなり関心があるのですが、

 具体的にどのような制度で何を学べるのか、ご教授いただけますか?」

 

といった前向きで成長意欲をうかがわせるような質問がベターです。

 

一方で、

 

「毎年どのくらい昇給してるのですか?」

「ボーナスはどのぐらいもらえますか?」

「有給休暇は取りやすいですか?」

 

など、自らの権利ばかりを確認してくるような学生を好ましく思いません。

なぜなら、入社後に自分の仕事を棚に上げて

 

「やれ、休みを取らせろ」

「評価に納得できない」

「モラハラだ、パワハラだ」

 

と自分の権利ばかりを主張する面倒くさそうな人物に映るからです。

 

福利厚生なども同じような質問の類になりますが、休みや給与面の疑問はできるだけOB/OG訪問や会社説明会など、就活初期の段階で解消しておきましょう!

さいごに

以上、年間休日の気になるポイントについてQ&Aで解説してきました。

入った後で「こんなブラックな勤務になるとは思わなかった」とならないように今回の記事を参考にしてもらえば幸いです。

 

また年間休日数が多くてもやりがいのない仕事なら苦痛に感じますし、年間休日数が少なくてもやりがいのある仕事なら満足して働くことができます。

 

年間休日数だけで自分の仕事を決めるのはリスクが高いので、本当に自分がしたい仕事か、やりがいを持って長い間働けそうかを優先して考えたうえで、年間休日数をチェックするといいですよ。

 

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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就活ハンドブック編集部

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