就活で絶対失敗しない「特技」の見つけ方・書き方

2025/2/5更新

はじめに

エントリーシートや履歴書で必ず出てくる「特技」の欄。

「特技はあるけど、どうやってアピールすればいい?」「そもそも特技がない場合は、書かなくてもいいの?」こんな疑問が頭をよぎりませんか?

まず、安心してほしいのは、「特技」だけで採用の合否が決まるわけではないということです。

特技の欄は、あなたの強みや学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)、志望動機といった重要な質問に対する加点要素となるか、減点要素となるかを決める、サブ的な位置づけです。

とはいえ、加点要素として活用できれば、合格の可能性がグッと高まるのも事実。だからこそ、「特技」は軽視できない質問でもあるのです。

本記事では、あなたにピッタリの「特技」の見つけ方から、高評価を狙うための書き方・伝え方までを徹底解説します。

特にこの記事は以下のような就活生に向けて書かれています。

対象の読者
  • 就活でどのような特技をアピールすればいいかわからない
  • 趣味に関する特技をアピールしてもいいのか知りたい
  • 自分の特技がわからない

この記事を読み終えるころには、今抱えている悩みがすっきり解消されることでしょう。

ぜひ最後までお読みください。

「特技」の質問意図

はじめに、人事の質問意図を確認しておきます。

「特技」に関する質問の狙いは大きく3つです。

  1. 就活生の緊張を和らげるため
  2. 求める人物像に近いかを推察するため
  3. プレゼンテーション能力を確認するため

 

1つずつ解説します。

就活生の緊張を和らげるため

人事担当者が本当に見たいのは、取り繕ったあなたではなく「素のあなた」です。

面接の場では、できるだけ普段のあなたを引き出すために、リラックスした雰囲気を作ろうと心がけています。

その一環として、ざっくばらんな質問を投げかけることがよくあります。

その代表例が「特技」についての質問です。

「特技」を尋ねられると、自然と自分の得意なことについて話すことになり、つい気が緩んで多弁になったり、普段のあなたの姿が垣間見えたりします。

実際、この質問は、そうした自然体のあなたを引き出すきっかけとして活用されることが多いのです。

このようにして、あなたが普段どおりの力を発揮できるように配慮していることを理解しておくと、面接への心構えも変わってくるでしょう。

求める人物像に近いかを知るため

もう一つの大きな目的は、あなたがその会社が求める人物像にどれだけ近いかを見極めるためです。

もちろん、自己PRや学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)、強みを質問する際にも同じ目的がありますが、異なる角度から多面的に確認することで、判断の精度を高めようとしています。

そのため、「特技」を考える際には、まず相手企業が求める人物像をしっかりと理解し、それに基づいて自分の特技を選び出すことが重要です。

この逆算的なアプローチこそが、理にかなった特技のアピール方法といえるでしょう。

企業のニーズに合わせた特技を伝えることで、あなたの魅力を最大限に引き出し、採用担当者に強く印象づけることができます。

プレゼンテーション能力を確認するため

「特技」欄の質問には、あなたのプレゼンテーション能力を測る目的があります。

前述の通り、エントリーシートや履歴書の設問はすべて自己アピールの場です。「特技」欄もその一環であり、あなたがどれだけ効果的に自分をアピールできるかを企業は注目しています。

営業職が自社の商品やサービスをプレゼンするだけでなく、事務職や技術職であっても、自分の企画や開発計画を幹部に提案する場面でプレゼン能力が求められます。

ビジネスの現場では、プレゼンテーション能力は欠かせないスキルの一つです。

そこで、企業はこの「特技」欄を通じて、あなたのプレゼンテーション能力を評価しようとしているのです。

特技を通じて、自分の強みや経験をいかに効果的に伝えられるかを意識し、相手にしっかりとアピールできるように工夫しましょう。

これにより、あなたの特技が単なるスキルではなく、ビジネスシーンでも通用するプレゼンテーション能力の証として評価されることになります。

以下の記事では、就活の履歴書に趣味・特技を書く理由について解説していますので、あわせて参考にしてください。

アピールできる特技の基準

 アピールできる特技の基準

就活において、履歴書やエントリーシートで求められる「特技」。

それが一体どんな基準で「特技」といえるのか、迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。

実は「特技」として認められる明確な基準は存在しません。

何をポイントにすればよいのか、詳しく解説します。

好きで一生懸命取り組んでいること

特技とは、ただ単に得意なことではなく、好きだからこそ一生懸命に取り組んでいることが含まれます。

例えば、ずっと続けている趣味や習い事があるなら、それは十分に特技としてアピールできます。

継続できていること

何かを継続して行うというのは、それだけで立派な特技です。

継続する力があるのは、就活でも評価されやすいポイントになります。

例えば、何年も続けているスポーツや習い事があれば、それを特技としてアピールしましょう。

他の人に比べて得意なこと

特技とは、ほかの人よりも少しでも上手にできることを指します。

特に自信がある分野であれば、それを特技として堂々とアピールするべきでしょう。

他人と比べて優れていると感じる部分があれば、それがあなたの特技です。

ほかの人に教えられるレベルのこと

特技は、ほかの人に教えられるくらいのスキルがあれば、さらに説得力が増します。

例えば、ピアノが得意で友人に教えた経験がある場合、それは間違いなく特技として評価されます。

ほかの人から評価されていること

周囲から「すごい」「上手だね」と言われた経験があるなら、それは特技として十分にアピールする価値があります。

特技には、他人からの評価や認識も含まれるため、他人に褒められたことがあるスキルを忘れずに特技欄に記入しましょう。

資格を取得していること

資格は、その分野での専門的な知識やスキルを証明するものです。

資格を持っているなら、それは特技として大いにアピールするべきでしょう。

資格があることで、客観的な裏付けが加わり、特技の信頼性が増します。

特技と趣味の違いを明確に

特技と趣味は似ているようで異なります。

趣味は単に楽しみやリラックスを目的とした活動であり、得意である必要はありません。

一方、特技はある程度の習熟度が求められます。

例えば、サッカーが好きでずっと続けているが、教えられるレベルでないなら趣味、一方で指導できるほどのスキルがあるなら特技となります。

就活では、こうした基準を踏まえた上で、具体的なエピソードを交えながら特技をアピールすることがポイントです。

あなたの特技が、どのようにして今の自分を形成し、これからのキャリアにどう役立つのかをしっかり伝えましょう。

以下の記事では、「すごいと思ってもらえる特技」について解説していますので、あわせて参考にしてください。

特技の見つけ方

特技の見つけ方

文章を書く際にまず必要なのは、「何を」「どのように」伝えるかを明確にすることです。

特に「何を」に該当する部分、つまりあなたの「特技」を明確にすることが大切です。

しかし、「自分の特技って何だろう?」と漠然と考えても、なかなか浮かんでこないもの。

そこで本項目では、あなたの「特技」を確実に見つけ出すための方法をお伝えします。

自己分析で発見する

自己分析を通じて、あなたの特技を見つけるためのアプローチには、2つの方法があります。

1つ目は「本質的な質問を自分に投げかけ、適切な答えを導き出すアプローチ」です。

人間の脳は、インターネットの検索エンジンのように、適切な質問をすれば適切な答えを返してくれる優秀なツールです。

しかし、正しい質問をしなければ、なかなか自分の特技に気づくことができません。

そこで、あなたの特技を発見するための本質的な質問を20個ご紹介します。

この質問に真剣に向き合うことで、特技を見つける手がかりが得られるはずです。

特技を発見する本質的な質問20選
  • 時間を忘れて没頭してしまうことは何?
  • 休日は何をして過ごすことが多い?
  • よくお金を使うものは?
  • 他人から言われて意外だったことは?
  • 人に熱く語ってしまうことは?
  • 自分の部屋で一番高額なものは?
  • 家族や友人とどんなことを話すのが好き?
  • 絶対にやりたくないことは何?
  • よく他人にほめられることは?
  • もっとやったらいいのにと勧められることは?
  • 他人から喜ばれた経験は?
  • 長時間やっても苦にならないことは?
  • 譲れない価値観やこだわりは?
  • 他人からよく頼まれることは?
  • 最近、何に嫉妬した?
  • どんなときに自分らしくないと感じる?
  • どんな分野の本や雑誌を読む?
  • 憧れる人物像は?
  • 周りが高いと感じるもので、自分には安く感じるものは?
  • 一緒にいるとどんな印象を持たれる?(例:落ち着く、癒やされるなど)

これらの質問に静かな場所でじっくり向き合い、思いついた答えはメモに残しておきましょう。

忘れないうちに書き留めることが重要です。

2つ目は「日常の行動をメモし、自分の特技を浮かび上がらせるアプローチ」です。

ときには、特技があまりにも日常的で当たり前すぎて、自分では気づけないことがあります。

そのため、自分の行動を意識化するために、日常の行動を書き出してみましょう。

少なくとも1週間、できれば1カ月ほど続けてみると、自分の特技が自然と見えてくるかもしれません。

ぜひトライして、自信を持ってアピールできる特技を見つけてください。

他己分析で発見する

「他人に自分の特技を聞くのはちょっと照れくさい…」「本音を聞くのが怖いかも…」と思って他己分析を避けてしまう就活生は少なくありません。

でも、それは非常にもったいないことです。

心理学で提唱されている「ジョハリの窓理論」には、「盲点の窓」という概念があります。

これは、他人には見えているけれど、自分では気づいていない自己の側面を指します。

例えば、友達から「●●ちゃん、こんなことができるなんてスゴイ!」と言われたときに、自分では意外だと感じたことはありませんか?

その「盲点の窓」には、あなた自身が当たり前すぎて気づいていない特技が隠れているかもしれません。

実際、「特技」とは、自分にとっては簡単にできることであり、当たり前すぎて見過ごしてしまうことが多いのです。

だからこそ、他人の視点から意見を聞くことが大切です。

自分では気づいていなかった特技に気づくチャンスになります。

ただし、他人に「私の特技って何?」と漠然と尋ねても、なかなか答えは出てきません。

そこで、先ほど紹介した本質的な質問を活用してみてください。

相手が具体的に考えやすくなるように、質問を投げかけることがポイントです。

例えば、「私が得意そうなことって何か思い浮かぶ?」とか、「いつもどんなところを褒めてくれる?」など、相手が答えやすいように配慮して質問してみましょう。

他己分析を通じて、あなたの「盲点の窓」を開き、新たな特技を見つける手助けにしてください。

以下の記事では、他己分析についてさらに詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。

特技の伝え方・書き方

 

特技を見つけたあとは、その伝え方や書き方です。

本項目では、特技を書く際に意識すべきポイントを押さえた上で、箇条書きバージョンと文章バージョンの例文を交えて、効果的な特技の伝え方や書き方を紹介します。

特技を書く前に意識するべきこと

伝え方は次の3つのポイントを意識しておくことが重要です。

面接官の記憶に残る内容にする

特技は、面接官に「おっ」と思わせるものであることが理想です。

インパクトのある特技を記述することで、面接官の記憶に残りやすくなります。

面接の場を和ませる話題にする

特技は、面接の場を和らげる要素にもなり得ます。

リラックスした雰囲気を生み出せるような、親しみやすい話題を選ぶのも一つの手です。

自己PRを強化する材料として選ぶ

特技は、自己PRの延長線上に位置づけられます。

あなたの強みや学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)と一貫性を持たせ、自己PRを強化できる特技を選ぶことが大切です。

特技欄も、エントリーシートや履歴書のほかの設問と同様に、あなたをアピールするための場です。

「どうすればインパクトを与えられるか」「どんな特技なら話題性があるか」「強みやガクチカとどう一貫性を持たせるか」などを考えながら記述することが、成功への鍵となります。

さらに、提出先の企業を事前にリサーチし、「求める人物像」を把握しておくことも重要です。

あなたがアピールしたい特技が、その企業の採用基準に合わない場合、いくら頑張って伝えてもマイナス評価になりかねません。

リサーチを怠らず、特技を選定しましょう。

そうすれば、特技がより効果的なアピール材料となり、就活の成功につながるはずです。

特技の書き方(箇条書きバージョン)

履歴書の特技欄はスペースが限られているため、ついつい「旅行」「読書」「映画鑑賞」といった単語を羅列するだけで済ませてしまう就活生も少なくありません。

しかし、これではあなたの魅力が伝わりにくく、アピールにはなりません。

単なる単語の羅列では、すべてが無機質であり、ほかの就活生と差別化できないからです。

そこで重要なのが、オリジナル要素を加えて特技をより魅力的に伝える「単語+インパクト修飾語」のテクニックです。

この方法を使えば、あなたの特技がほかの就活生とは一線を画し、面接官の記憶に強く残ること間違いありません。

例えば、以下の例を比べてみてください。

  • A:読書
  • B:毎日寝る前の1時間読書、3年間で325冊読破

どちらがインパクトがあり、記憶に残りやすいでしょうか?

間違いなくBです。

Bのほうがオリジナリティがあり、具体的な数字を示すことで、より鮮明にイメージできます。

単語の前後にインパクト修飾語や具体的な数値を加えるだけで、あなたらしさが際立つオリジナル・メッセージが完成します。

さらに、面接官が思わず質問したくなるような、ちょっとしたツッコミどころを盛り込むことで、会話が弾み、面接の場を和ませることもできます。

ただし、業界や企業によっては、表現が軽すぎると感じられる場合もありますので、業界特性に応じて表現の濃淡を調整することも重要です。

このテクニックを駆使して、インパクトのある特技をアピールしましょう。

特技の書き方(文章バージョン)

スペースが広く、文章で特技を詳しく書くことが求められる場合の書き方についてお伝えします。

特技を書く際の基本的な構成は以下の通りです。

①結論:「私の特技は●●です」
➁エピソード:「この特技により✖✖な経験がありました」
➂ベネフィット:「貴社ではこの特技で▲▲に貢献できます」

まずは、結論を簡潔に述べましょう。

例えば、「私の特技は、学生時代のコールセンターで身につけた苦情対応力です」といった具合です。

その後、エピソードを通じて具体的な経験を伝え、最後にその特技がどのように企業に貢献できるか、ベネフィットを示します。

ちなみに、ベネフィットとは「相手が得たい結果や未来像」のこと。

特技を記述する際も、相手先企業のニーズをリサーチし、適切なベネフィットで締めくくることが非常に重要です。

例文

私の特技は、学生時代にコールセンターで身につけた苦情対応力です。大学2年の4月から、通販のコールセンターでアルバイトを始めました。私の担当は苦情処理で、1日約5件のクレーム対応に追われました。

初めのうちは、右も左もわからず、お客様から厳しい言葉を浴びせられることも多く、何度も心が折れそうになりました。しかし、ここで挫折したら、この先どんな困難にも立ち向かえないと考え、どうすれば円滑に苦情処理ができるかを模索しました。

そんななか、先輩から「伺う、お詫びする、第3の提案をする」という解決のコツを教わり、その日以降、素直に実践することにしました。すると、今まで怒号で終始していたお客様の声が徐々に和らぎ、最後には「ありがとう」や「あなたのおかげで気持ちが楽になった」と感謝の言葉をいただけるようになりました。

この経験から、相手に寄り添った傾聴力と提案力が磨かれたと感じています。この特技を活かし、貴社でもお客様に寄り添ったサービスを提供し、さらなる顧客満足の向上に貢献していきたいと考えています。

このように、具体的なエピソードを交えながら特技を描写し、最後にそれが企業にどう役立つかを明確に示すことで、面接官に強く印象づけることができます。

あなたの特技がどのように企業に貢献できるかを意識しながら、しっかりとアピールしていきましょう。

特技のNG例

NG例は「空欄」や「特になし」と書くことです。

書く前に意識すべきことでお伝えしましたが、エントリーシートや履歴書の設問はすべてアピール欄だと再度捉えてください。

「空欄」や「特になし」ではアピールできませんよね。

その他、思想信条にかかわるもの、だらしなさやダークなイメージを与えるもの、違法性がありそうなもの、危険性や犯罪などを想起させるものは、特技からは除外しましょう。

特技のNG例
  •  空欄、特になし
  •  ウソ
  •  政治、宗教の思想
  •  反社会的活動、犯罪系
  •  ギャンブル
  •  ゲームやマンガ など

さいごに

本記事では、特技の見つけ方や伝え方、効果的な書き方を詳しく解説してきました。

就活で「特技」をどう扱うかに悩む方も多いかと思いますが、実は誰もが持っている特技を上手に見つけ、効果的にアピールすることが重要です。

自分では「特技なんてない」と思っていても、人それぞれに顔が違うように、必ず他人にはないあなただけの特技が存在します。

そして、その特技をどうやって相手に響く形で伝えるかが大切です。

例えば、刺身をただ切って出すのではなく、豪華な絵皿に大根や人参、大葉、食用菊、パセリなどを美しく盛りつけると、同じ刺身でもその価値がぐっと上がります。

特技も同様に、見せ方次第でその魅力が大きく変わります。

特技を見つけるプロセスでは、自己分析や他己分析を活用し、自分では気づいていない「盲点の窓」を開いてみましょう。

特技の書き方・伝え方については、単語の羅列ではなく「単語+インパクト修飾語」を使って、相手の記憶に残るように工夫することが重要です。

さらに、文章形式で特技をアピールする際には、「結論→エピソード→ベネフィット」の流れで書き、特技が企業にどう役立つかを明確に伝えることが効果的です。

今回説明したテクニックを駆使し、あなたの特技を最大限に魅力的に見せることで、就活を成功に導く武器にしてください。

どんな特技でも、見せ方次第でその価値は大きく変わるのです。

あなたの特技が企業にとって魅力的なアピールポイントとなり、就職活動で大きな強みとなることを願っています。

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