
グループディスカッションにおける役割とは?役割の特徴と注意点を徹底解説
2021年12月24日更新
はじめに
近年企業の選考方法として多く取り上げられるようになったグループディスカッションですが、苦手意識のある方が多いのではないでしょうか。
「就活の一次選考は突破したけど二次試験がグループディスカッションで困っている」
「グループディスカッションのどの役割を選べばいいかわからない」
という方は少なくないと思います。
そこで当記事ではグループディスカッションの役割に焦点を当て詳しく解説していきます。
役割はグループディスカッションを乗り越えるうえで非常に重要となる要素です。
当記事を参考にすることで役割を使いこなし、選考通過を目指しましょう。
目次
1.グループディスカッションにおける役割とは
1-1.司会・リーダー
1-1-1.役割に求められるスキル
1-1-2.評価のポイント
1-2.書記
1-2-1.役割に求められるスキル
1-2-2.評価のポイント
1-3.タイムキーパー
1-3-1.役割に求められるスキル
1-3-2.評価のポイント
1-4.発表者
1-4-1.役割に求められるスキル
1-4-2.評価のポイント
1-5.役割なし
1-5-1.役割に求められるスキル
1-5-2.評価のポイント
2.どの役割がふさわしいのか【得意不得意別】
2-1.人をまとめるのが得意な方
2-2.話すのが苦手な方
2-3.アドリブが利く方
3.役割に関する注意点
3-1.1つの役割の練習に絞るのは危険
3-2.目立てばいいというわけではない
3-3.自分の役割のプラスアルファ
4.まとめ
1.グループディスカッションにおける役割とは
ここではグループディスカッションを勝ち抜くために重要な役割について解説していきます。
役割はうまく活用すれば評価のアップに繋がりますが、下手をすればマイナス評価となります。
そのため、まずは以下の5つの役割の特徴を理解しておきましょう。
1-1.司会・リーダー
まずは司会もしくはリーダーと呼ばれる役割です。
この役割はイメージがつきやすいと思いますが、グループ全体をまとめる、場面に応じて議論の展開をリードしていく存在です。司会が全てではありませんが、グループの中では最も中心的な役割になるため、立候補する場合は慎重に自分の性格や能力を考慮した上で決めるようにしましょう。
1-1-1.役割に求められるスキル
司会・リーダーに求められる要素は全体を俯瞰して臨機応変に対応するスキルです。
グループディスカッションはテーマもペアも当日までわかりません。
そのため、司会にはどんなテーマでも議論を発展させていく論理的思考力、どんな人に対しても参加を促す協調性、そして議論の進み方によって臨機応変に対処する対応力が求められます。
1-1-2.評価のポイント
司会・リーダーは目立つ役割である一方、評価の基準が非常に厳しい役割でもあります。
司会はグループをまとめられているか、自らを中心に議論を効率的に展開しているかが特に評価されます。
また、忘れがちなのが他者への配慮です。
グループディスカッションは全員で十分に意見交換をしたうえでの課題解決が主旨であるため、発言が少なく貢献度が少ない者に対しては意見を求め、逆に自己中心的に意見を主張する者に対しては良い具合にそれを抑えなければなりません。
そのためやることが多い分、評価基準も厳しくなるので、それ相応の覚悟はしておきましょう。
その反面、うまく立ちまわれた場合の評価は非常に良くなるので、事前に練習することで当日臆さずに自分から司会を志願する意気込みで臨みましょう。
1-2.書記
書記は議論の内容を記録し、わかりやすいようにまとめる役割です。
地味な役割に見えるかもしれませんが、議論の現在地やまとめた内容を確認する際に役立つ非常に重要な仕事と言えます。
1-2-1.求められるスキル
書記に必要なスキルは、議論の要点を見抜く思考力と議論の内容を正確かつわかりやすくまとめる文章表現力です。
1つ目の思考力ですが、議論は時間制限がある中行われるため、時間に余裕を持って話し合うことはできません。
議論は普段の会話よりスピーディーに進んでいくので、内容を取りこぼしやすくなります。
そのため、素早く会話から内容の要点を読み取る力が必要となります。
また、議論が宙に浮いてしまった時や発表の前には議論内容の確認として書記のまとめた文章を参考にすることになります。
そのため自分だけが分かるように書くのはNGとなるため、全員が理解できるようわかりやすくまとめる文章表現力も必要となるのです。
1-2-2.評価ポイント
書記の評価ポイントは、上記で説明した思考力や文章力はもちろんですが、議論への参加も含まれています。
書記は議論の内容をまとめる役割ですが、それは議論に参加しなくてもいいというわけではありません。
つまり、内容をまとめながらも、適宜自分の意見も主張する必要があるのです。
書くことに夢中になり、グループでの貢献度が低くなれば評価も下がってしまうでしょう。
1-3.タイムキーパー
タイムキーパーは時間管理の役割であり、これもやや簡単に聞こえますが、非常に重要な役割です。
というのも、グループディスカッションは時間が命だからです。
いくら質の高い議論が展開されていても、それが時間内にまとまらなければ意味がありません。
そのため、時間を管理するタイムキーパーは他の役割と同様に大事な仕事と言えます。
1-3-1.求められるスキル
タイムキーパーに求められるのは議論を時間ごとに区切って進めていく時間管理能力と時間配分を状況によって臨機応変に変えられる対応力です。
タイムキーパーも書記と同様、自分の仕事にのみ集中していればいいわけではありません。
意見を交わしながらも時間を管理し、進行具合によっては作業時間を短くしたり、あるいは長くしたりする必要性も出てきます。
そのため、時間管理能力に加えて臨機応変な対応力も求められるやや難易度の高い仕事と言えるのです。
1-3-2.評価ポイント
タイムキーパーの評価ポイントは、
「制限時間内に議論を終わらせるために時間配分の区分けができているかどうか」
「臨機応変に時間配分を変えることができているか」
となります。
制限時間内に議論がまとまらない、議論の結果が中途半端になってしまったという場合、時間管理の甘さが露呈してしまいマイナス評価になってしまうので注意しましょう。
1-4.発表者
発表者は議論でまとまった内容を最後に発表する役割です。
発表はテーマが求めていることや議論の内容をしっかり把握したうえで行わなければなりません。
それができていなければ発表内容がちぐはぐになってしまい、グループの全体的な評価にも影響が出てしまいます。
何の対策もせずに点数稼ぎのつもりで立候補してしまうと大きなしっぺ返しを食らうことになるので、やるのであれば万全の対策を施したうえで立候補しましょう。
1-4-1.求められるスキル
発表者に求められるのは内容をしっかり理解する思考力、そして試験官を納得させられるプレゼン力です。
議論の内容を曖昧に理解していては発表内容が不明瞭なものとなってしまいます。
そのため、発表者にはテーマそして議論から導き出される結果までの過程を含む課題の全体像を把握するスキルが求められます。
また、議論の結果を理解していても発表の仕方に問題があっても内容が伝わりづらくなります。
逆にプレゼン力があれば結果を説得力を持って伝えることができるので、高評価につながるでしょう。
1-4-2.評価ポイント
発表者の評価ポイントは上記のスキルが発揮できているかどうかに加え、わかりやすく自分の表現で述べているかという点です。
書記が作成した文章を読むことで発表を済ませることもできますが、それでは発表者の役割を果たしているとは言えません。テーマについて深い知見がない人にでもわかるようにするのが発表者の仕事であり、それが評価の分かれ目ともなります。
難しい言葉や言い回しををかみ砕いて表現する、話し方に抑揚をつけて重要な点をより明確にするなど、説得力のある発表することで試験管を納得させることができれば高評価につながるでしょう。
1-5.役割なし
「役割なし」だと心もとない気持ちになるかもしれませんが、役割がない人にも重要な仕事があります。
それは議論が行き詰まった際にアイデアを出す、議論の方向性がズレないように監視するといった、他の役割のサポート業務です。
他の役割の方が自分の仕事でいっぱいいっぱいになってしまうこともあるので、そのような時に補助をすることでグループ全体を支えていくことができる役割となります。
1-5-1.求められるスキル
役割がない方は主に議論の活性化に努める必要があるため、そのためのスキルが求められます。
例えば発想力や思考力です。このスキルがあれば多角的な視点から議論に足りていない要素に関するアイデアを出すことでグループを補助することができます。
また、冷静な分析力、判断力も必要となります。議論に入っていくと話し合いの方向性がズレてしまってもなかなか気づきにくいものです。
そのような状況を冷静に判断して視点を変えるよう促すのも「役割なし」の仕事であり、求められる仕事とスキルは思いのほか多くなります。
1-5-2.評価ポイント
「役割なし」の評価ポイントは役割のある方の補助をしつつ議論に貢献できているかどうかです。
役割がない分、他のポジションよりもアイデアを出して議論を発展させていく必要があるため、アイデア出しなどが苦手な方にとっては難易度の高いポジションとなります。
そのため重要な役をしたくない、役割を他の人に任せて楽をしたいといった消極的な理由から「役割なし」を選択してしまうと議論にそれが現われてしまうので評価が低くなるでしょう。
2.どの役割がふさわしいのか【得意不得意別】
ここまでグループディスカッションにおける各役割の特徴を述べてきましたが、自分がどの役割に合っているかよく分からない方もいると思います。
そのためここではどのような得意・不得意分野を持っている人がどの役割に向いているのか例を挙げて紹介していきます。
2-1.人をまとめるのが得意な方
人をまとめるのが得意な方は司会をやってみると良いでしょう。
司会はグループ全体を俯瞰して臨機応変に対応していかなければならないため、一朝一夕ではできるようになりません。
そのため、例えば学校時代から学級委員や部長など、人をまとめる役割を担ってきて、リーダーとしての経験値が高い方は進んで司会をやってみると良いでしょう。
逆にまとめるのが苦手な方は練習をしておく必要はありますが、当日無理に司会として買って出る必要はありません。
「役割なし」など役割の補助に回ることでグループ全体のアシスタントに徹するのも良いでしょう。
2-2.話すのが不得意な方
グループディスカッションでは話し合いをしながら課題を解決していくものなので意見の主張は必要不可欠となりますが、正直話すのが得意ではないという方も中にはいると思います。
そういった方にはタイムキーパーか書記をおすすめします。
両役割とも意見を言わなくてもいいというわけではありませんが、他の役割よりはやることが分散されるので意見の数は少なくなります。
積極的な理由からも書記やタイムキーパーはおすすめできます。
例えば書記の場合、議論の内容を書く際、客観的に意見をまとめることになるので、テーマに関して不足しているポイントなども見えてきやすくなります。
そのように見えてきたポイントをアイデアとして主張すれば、誰も気づかなかった視点を加えた点で貢献度は格段に上がります。
逆に話すのが得意な人は発表者などを買って出るのも良いでしょう。
あまりやりたがる方は多くないと考えられるので、人前で話すことに慣れている方でポイントを押さえておけば発表者として良い意味で目立つことができるでしょう。
2-3.アドリブが利く方
アドリブが利く方はタイムキーパーや役割なしを選択すると良いでしょう。
タイムキーパーは状況によって議論に割く時間を効率よく変えていかなければなりません。
また、「役割なし」もアイデア出しや監視者としての役割を持っているため、双方ともアドリブが利く方にとっては臨機応変に対応できぴったりの役割となります。
3.役割に関する注意点
ここでは当日のグループディスカッションで成功するために押さえておきたい役割に関する注意点を挙げたいと思います。
3-1.1つの役割の練習に絞るのは危険
当日までにグループディスカッションの練習をするかと思いますが、練習の際に必ず全ての役割を経験しておきましょう。
というのも当日の役割分担は立候補制ですんなり決まるとは限らず、指名される、やる人がいないから自分がやらざるを得ないといった状況に陥る可能性も十分に考えられます。
そのため、自分の得意分野を伸ばすのも大切ですが、万が一に備えて苦手分野も含めて全ての役割ができるようにしておきましょう。
3-2.目立てばいいというわけではない
グループディスカッションの評価に関してよくある勘違いが目立った方が評価が上がるという考え方です。
これは誤りで、目立つのが必ず良い評価につながるとは限りません。
自分がアイデアを豊富に出したり、他者からアイデアを引き出したりすることで、グループにおける貢献度が高くなった結果として目立てばもちろん評価は上がります。
しかし一方で、自分だけ話が脱線している、自己主張が激しいといった理由でいわゆるクラッシャーとして目立ってしまうとグループの雰囲気を壊しているという点でマイナス評価を受けることもあります。
3-3.自分の役割のプラスアルファ
役割が与えられた以上それを全うするのは当然ですが、それと同時に周りの役割にも気を遣うことができれば評価はさらに上がります。
そのため、自分の役割に余裕のある場合は積極的に自分とは異なる役割のサポートをしましょう。
例えば、司会を担当している就活生がいまいちグループメイトに上手く発言を促せていない場合があります。
そういった時は雰囲気を見つつ自分で司会の役割を半分肩代わりしてあげましょう。
そうすることでグループの意見もまとまりやすくなり、他者への配慮の点でも評価されます。
ただし、その際に自分の役割が疎かになっては元も子もないので、自分の役割を果たしたうえでの行動というところに注意しましょう。
4.まとめ
グループディスカッションにおける役割と役割に関する注意点について紹介しましたが、理解していただけたでしょうか。
グループディスカッションは非常に難しい選考課題で、つい課題を解決できるかどうかに目がいってしまいますが、グループディスカッションで見られているのは課題解決能力だけではありません。
むしろ他者とのコミュニケーションや協調性、他者への配慮など、結果に行き着くまでのプロセスをよく見られています。
そのため、しっかりグループに貢献できている場合はグループの結果が悪かったとしても合格する可能性があるのです。
グループディスカッションはあくまでチーム戦です。グループメイトは合格を争う相手でもありますが、グループディスカッションではチーム全員が合格する気持ちで臨まなければ良い結果にはつながりません。
個人で目立てば良いといった考えは改め、グループに貢献することができれば、自ずと試験官の目に留まり合格が見えてくるでしょう。