
グループディスカッションの役割・テーマ毎のコツをつかもう
2021年6月27日更新
グループディスカッション(GD)での司会、書記、タイムキーパー等、それぞれの役割毎の面接官に評価されるポイントは?ディスカッションを円滑に進めるための役割毎・テーマ毎のコツを説明します。
目次
1.グループディスカッションで人事はどこを見ている?
1-1 グループディスカッションの目的
1-2 面接の評価方法との違い
2.グループディスカッションの各役割のコツ
2-1 司会(ファシリテーター)
2-2 書記
2-3 タイムキーパー
2-4 それ以外の人
3.ディスカッションテーマ毎のコツ
3-1 課題解決型
3-2 抽象的なテーマ
3-3 ディベート型
4.まとめ
1.グループディスカッションで人事はどこを見ている?
グループディスカッション(GD)は企業の選考の序盤に行なわれる事が多いですが、あまりグループディスカッションの経験をこれまでしてこなかった人にとっては、就職活動を行なう中で非常につまづき易い課題です。
しかし、グループディスカッションはいくつかのコツを掴む事で簡単に自分をアピールすることができるようになります。まずは、人事担当者がディスカッション中にどこを見て評価しているかを理解する所から始めましょう。
1-1 グループディスカッションの目的
企業の人事担当者が選考の序盤にグループディスカッションを行なう理由は以下の3つです。
①チームで働く時のあなたの動きが見たい
あなたが置かれている立場や状況に応じてどのような対応をするのかを見て、主体性や協調性を評価します。
②コミュニケーション能力を見たい
ここで言うコミュニケーション能力とは単に誰とでもすぐに打ち解け話すことができる等という能力の事ではなく、論理的に話すことができるか、他者の意見を聞き議論することができるかというような能力の事です。
③複数人を一度に評価できる
選考の序盤に行なう理由がここにあり、裏を返せば上の2つの能力が一定の水準を満たさない人をふるいにかけるために行なっているのです。
つまり、就活生1人1人のこれまでの経験や知識・スキルを知りたいのではなく、単にチーム働き、貢献することができる人間であるかどうかを企業側は測りたいのです。
1-2 面接の評価方法との違い
グループディスカッションの評価方法がその後のグループ面接や人事・役員面接のものと異なる点は「就活生毎の”個性”と企業側が用意した”採用基準”のどちらを先に見るか」という点です。面接では就活生との会話を通して各自の長所や短所、価値観などを聞き取った上でそれが会社の求める人物像に適するかを判断するのに対し、グループディスカッションは採用基準を用意しその基準に満たない人を落とすという方法で評価しています。そのため、グループディスカッションでは自分の個性をアピールするよりも自分の役割をしっかりとこなすことが重要となります。
2.グループディスカッションの役割毎のコツ
グループディスカッションでは、役割によって評価が良くなったり悪くなったりすることはありません。しかし、その場で役割決めを行なうため、その時になるまで自分がどの役割を担うのかわかりません。そのため、自分が得意な役割だけでなく全ての役割のコツをつかんでおく必要があります。
2-1 司会(ファシリテーター)
ディスカッション中に司会に求められる役割は、議論の方向性を定めてメンバーの発言を促す事にあります。メンバー全員に話を振りながら議論を展開させ、論点がずれたりした場合には話を戻す必要もあります。
その場合のコツとしては、会話をメンバー全員で回すことに意識をおいておくことです。アイデアを提案するのは他のメンバーに任せ、それよりも発言が少ない人に話を振るのはもちろんですが、逆に自己主張が強いメンバーをうまく押さえることも時には必要になってきます。
また、グループディスカッションでは時間に制限が設けられているため、議論が間延びしないよう時間にも意識しておきましょう。
2-2 書記
ディスカッション中に書記に求められる役割は、司会の働きを支えることにあります。会話の内容を書き留めながら、論点や会話の流れを明確化して話が逸れないように監視したりなど、司会者の手助けをします。
その場合のコツとしては、俯瞰的に全体を見て議論に参加する意識を持つことです。アイデアを提案するということよりも、場に出ている意見を分類しながら問題提起や意見の総括を行なう発言を心がけましょう。
2-3 タイムキーパー
ディスカッション中のタイムキーパーの役割は文字通り議論の時間を管理することです。グループディスカッションの多くは設けられている時間制限が短いことが多いです。
そのため、議論に取りかかる前にあらかじめ大まかなタイムスケジュールを組んでおきましょう。そして、議論が間延びした時には話をまとめるように誘導する動きをするなど他のメンバーよりも特に時間を意識しておきましょう。
ただし、タイムキーパーは時間管理だけではなく、アイデア出しなど積極的に発言をすることが必要です。
2-4 それ以外の人
司会や書記、タイムキーパーなどのような役割が特に与えられていない人の働きこそグループディスカッションでは重要になります。司会などと比べて特別な動きを求められないからこそ、議論を円滑に進め発表の準備まで繋げるために、その状況に応じて意見やアイデアをたくさん出すことが必要です。
しかし、意見を出すことに意識しすぎると他のメンバーの意見を聞けなくなり協調性がないという評価を受ける恐れもあります。そのため、自分の意見を主張すると同時にメンバーの意見にも耳を傾け意見を否定するような発言は控えるように心がけましょう。
3.ディスカッションテーマ毎のコツ
グループディスカッションのテーマにはいくつかのパターンがあります。それぞれのポイントを押さえて置く事で結論の導き方がスムーズになります。どのテーマであってもディスカッションから得られた結論に正解はありませんが前提や目標を定める過程が不十分だとメンバーがそれぞれの役割をきちんと果たしたとしても良い評価を得られる議論は難しくなります。そのため、ここではテーマ毎の議論の進め方のコツを紹介します。
3-1 課題解決型
(例)「レストランの売り上げを伸ばすにはどうすれば良いか議論して下さい。」
このようなテーマの場合には、まず設問の内容を具体化して前提条件を共有します。次いで設問の漠然とした目標も具体化も具体化して解決案を出すために認識を共有することが必要です。その後、現状分析をして課題をリストアップし目標を達成するための具体的な解決策を話し合うという流れで議論を進めるといいでしょう。
<議論の流れ>
①課題:CO2排出を抑える
②前提条件を刷り合わせる
どんなレストランか?、客はどんな人か?・・・
③目標を刷り合わせる
客足を伸ばす、客単価を伸ばす、経費を減らす・・・
④現状分析を行ない問題点をリストアップする
ライバル店が多い、コロナで人通りが減った、食品ロスが多い・・・
⑤どの問題にアプローチするかを絞り、解決策を議論していく。
3-2 抽象的なテーマ
(例)「優れたリーダーシップとは何か説明して下さい。」
この場合は特に課題の定義付けが必要であり、定義づけが曖昧だとメンバー間で認識を共有できず、価値観の相違により結論が時間内にまとまらない事もあります。
そのため、まずは課題文を読んだとき何を想定したかを共有し、価値観をすり合わせ定義づけを行ないます。その後、定義に基づいて議論を進めますがここでは特に議論の途中で定義から議論がズレていないかを振り返る必要があります。
<議論の流れ>
①課題:優れたリーダーシップとは?
②優れたリーダーシップを持つ人はどんな人かをアイデア出しする。
安倍晋三、マーク・ザッカーバーグ、スティーブジョブズ・・・
③アイデア出しした結果から共通点を抽出し議論していく。
④ある程度議論が深まったところで再度議論の流れを振り返り前提からズレがないかを確認する。
3-3 ディベート型
(例)「市長選挙のネット投票に賛成か反対か?」
この場合は討論の勝ち負けを気にしてしまいがちですが、それよりも大事な事は論理的に自分の意見を述べることが大切です。そのため、議論が白熱し相手が主観的・感情的な主張をしてきたとしてもあなたは相手を否定せず意見を客観的に見て納得できる根拠を持たせるという部分を重視して議論に取り組みましょう。
<議論の流れ>
①自分達の立場の意見をまとめる
この際、主観的な見解をできるだけ排除し論理的な根拠を構成します。
若者の投票率が低いという問題があります。その問題を改善するために若者の利用率が高いインターネットを利用した投票方法を導入する事は有効な手立てであると考えるためこの案に賛成します。
②相手の主張に対して感情的に否定せず論理的な話し合いをする
その主張では中高年層の得票率を向上させる事ができず投票率にそこまで影響を与えられないのではと思うのですがその点はどう考えですか?
4.まとめ
グループディスカッションで評価されるポイントは主にあなたの協調性とコミュニケーション能力です。そのため、面接とは違いディスカッションの役割や進め方のコツを知っているだけで結果は大きく変わってきます。本番までに前もって何度か練習を行ない万全の状態で選考に臨みましょう。