【企業分析】丸紅の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

2025年10月30日更新

はじめに

丸紅株式会社は東京都千代田区に本社を置く総合商社業界に属する企業です。

1858年創業の歴史を持ち、世界約130拠点でグローバルに事業を展開しているほか、2025年2月に発表した中期経営計画「GC2027」では2030年度までに時価総額10兆円超を目指すなど、野心的な成長戦略を進めています。

今回はそんな丸紅の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。

この記事では丸紅株式会社への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。

対象
  • 丸紅の仕事内容が気になる
  • 丸紅の就職難易度を知りたい
  • 丸紅の選考対策として何をすれば良いかわからない

また、総合商社以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。

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この記事の結論

先にこの記事の結論からお伝えすると、丸紅の就職難易度は、極めて高い難易度と考えています。

圧倒的なブランド力と平均年収1,700万円超の高待遇から競争は熾烈で、年間採用人数130-150名という限られた枠を多数の優秀な学生が争う状況です。

また、採用大学も様々な偏差値帯や種類の学校の実績があるので、選考対策をしっかり行えば内定を獲得できる可能性は十分にあります。

選考対策として、独特なものが「中期経営計画GC2027への深い理解」と「機動的資本配分の具体例の把握」になります。

特にGC2027に関しては他の商社との差別化要因となるので、事前準備を進めたうえで説明会に参加するようにしましょう。

また職種としては、総合職となっており、業務内容としては主にグローバルな商社機能に従事することになります。

商材は配属される事業部門によって異なりますが、資源から非資源まで幅広い分野の取り扱いがメインになります。

次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。

丸紅株式会社について

丸紅株式会社

会社概要

丸紅株式会社は、川上(資源・発電・農業)から川下(食料・ライフスタイル・不動産・リテール・ファイナンス)まで多面的に事業を展開する総合商社です。

丸紅グループは、GC2027期間において時価総額10兆円超の実現を目指し、機動的な資本配分による成長投資を重視する「機動的資本配分」を採用しています。

総合商社として、自社の多様なネットワークを活用した「Global crossvalue platform」の追求により、顧客のニーズに合わせた価値創出を目指しています。

項目詳細
会社名丸紅株式会社
設立1949年(創業1858年)
本社所在地東京都千代田区大手町一丁目4番2号
代表取締役社長大本晶之(2025年4月1日就任予定)
従業員数4,412名(単体、2024年3月31日現在)
事業内容総合商社業

 

丸紅のビジネスモデルは、資源と非資源のバランスの取れたポートフォリオ構築に加え、トレーディング機能と事業投資を組み合わせた「二足のわらじ」戦略を展開しています。

これらの事業は、顧客の多様なニーズに応えるための総合力の発揮として展開されており、国内市場における競争力を高めています。

さらに、丸紅は海外市場にも積極的に進出しており、特にアジア・アフリカの新興国市場に注力しています。

各事業別の売上規模

2025年3月期の親会社の所有者に帰属する当期利益は5,030億円となり、前年同期の4,714億円から約6.7%の増加となりました。

この売上は資源事業、非資源事業の両輪による収益によって構成されています。

それぞれの事業分野での特徴は以下の通りです。

事業分野概要
資源事業エネルギー・金属等の資源開発・トレーディング
非資源事業食料・化学品・機械・インフラ・電力等
新規投資医薬品・リチウム電池リサイクル等の成長分野

機動的資本配分の具体例

丸紅の「機動的資本配分」は以下のような具体的な投資・売却戦略により実現されています:

近年の主要投資案例
  • 住友ファーマの中国・東南アジア医薬品事業を450億円で買収(2025年)
  • 米国食用スペシャリティ油脂メーカーGemsa Enterprises買収
  • 英国リチウムイオン電池リサイクル事業Altilium社への出資
  • 第一生命HDとの国内不動産事業統合

これらの投資は、成長性の高い分野への資本シフトと、既存事業との相乗効果を重視した戦略的な配分を示しており、GC2027で掲げる「質の高い成長投資の実行」を具現化しています。

丸紅で働いている社員は?

平均勤続年数は?

丸紅の平均勤続年数は18.2年です。

総合商社業界の平均勤続年数は15-20年であることから、業界平均的な水準の職場といえるでしょう。

平均年収は?

2025年3月期の丸紅の平均年収は、1,709万円でした。

全国平均の年収が458万円であることを考えると、全国平均よりも大幅に高い水準となっています。

また、同じ「総合商社業界」の5大商社平均年収と比較すると以下の通りです。

会社名平均年収
三菱商事2,090万円
三井物産1,740万円
伊藤忠商事1,730万円
丸紅1,709万円
住友商事1,610万円

平均残業時間は?

丸紅の従業員の平均残業時間に関する具体的な公開データはありませんが、総合商社業界全体として長時間労働の傾向があります。

ただし、近年は働き方改革により改善傾向にあります。

平均ボーナス額は?

丸紅の平均年収から、丸紅の平均ボーナス額は約500万円程度と推測できます。

理由は、総合商社では賞与比率が高く、年収の約30%がボーナスとして支給される傾向があるからです。

あくまで参考程度にしておいてください。

また、丸紅は年に2回ボーナスが支給されます。

どんな文化なの?

丸紅は、その独自の社風「できないことは、みんなでやろう。」を掲げています。

総合商社としての機能を主軸に据えつつも、トレーディングから事業投資、本部でのサポート業務に至るまで、多岐にわたるキャリアパスを実現できます。

丸紅は、個人の成長を会社の発展と捉え、自らの手で仕事を創造し、成長の機会を無限に広げることを奨励しています。

ここでは、年齢や性別に関わらず挑戦する人を応援するカルチャーが整っているので、主体的に仕事を進めたい人には向いています。

就職偏差値・難易度および業界での立ち位置

圧倒的なブランド力と高待遇から競争は熾烈な総合商社業界の中での丸紅の立ち位置をご紹介します。

純利益を参照し他社と比較してみても、丸紅は5大商社の一角として確固たる地位を築いていることがわかります。

理由として以下の要因があると考えています。

要因
  • 機動的な資本配分による成長投資
  • 資源・非資源のバランスの取れたポートフォリオ
  • 時価総額10兆円を目指す野心的な成長戦略

機動的な資本配分による成長投資

丸紅は総合商社の中でも特に機動的な資本配分を重視し、成長性の高い分野への投資と収益性の低い事業からの撤退を積極的に行っています。

これにより、市場の変化に柔軟に対応し、持続的な成長を実現しています。

資源・非資源のバランスの取れたポートフォリオ

丸紅は資源事業に加えて、食料・電力・化学品等の非資源事業でも安定した収益基盤を構築しています。

これにより、資源価格の変動による業績への影響を抑制し、安定的な収益を確保しています。

時価総額10兆円を目指す野心的な成長戦略

中期経営計画「GC2027」において、2030年度までに時価総額10兆円超を目指すという明確な目標を設定しています。

 

以上の要素により丸紅は総合商社業界の中でも独自のポジションを確立していると考えられます。

参考までに競合4社の情報もまとめてみたので、ご紹介します。

会社名純利益(2025年3月期)平均年収特徴・強み
三菱商事約9,500億円2,090万円資源・インフラに強み
三井物産約7,500億円1,740万円資源・エネルギーに強み
伊藤忠商事約8,000億円1,730万円非資源に強み
丸紅5,030億円1,709万円機動的資本配分・バランス型
住友商事約4,500億円1,610万円インフラ・メディアに強み

丸紅の新卒募集要項について

以下に丸紅の新卒募集要項についてまとめました。

2026年度入社新卒採用は「オープン採用」と「Career Vision採用」の2つのコースで実施されており、初任給も高水準でスタートできる点は非常に魅力的です。

また福利厚生も充実しており、特に海外赴任手当は他社と比較すると手厚いです。

研修制度も新人に対するオンボーディングは勿論のこと、年次毎や役職毎に設けられたカリキュラムがあり、かなり充実していると言えます。

海外赴任については、総合商社の特性上、入社後のキャリアにおいて海外駐在の機会があります。

ただし赴任地や時期については会社の事業戦略や個人の適性により決定されるので、気になる方は面接や説明会などの際に確認をしましょう。

項目詳細
募集職種総合職
初任給大卒:330,000円、院卒:365,000円
賞与年2回
諸手当住宅手当、時間外手当、海外赴任手当等
福利厚生各種社会保険、企業年金、財形貯蓄等
研修制度新入社員研修、海外研修、専門研修等

求める人材

丸紅株式会社の求める人材

丸紅株式会社では求める人材として下記のものを公表しています。総合商社としての特性上、他の事業会社でも共通している要素が多いです。

求める人材
  • グローバルな視点で物事を考えられる人
  • 主体性を持って行動できる人
  • 多様な価値観を受け入れられる人
  • チャレンジ精神旺盛な人
  • 高い倫理観を持つ人

グローバルな視点で物事を考えられる人

世界約130拠点でビジネスを展開する丸紅では、常にグローバルな視点で物事を捉え、多様な文化や価値観を理解しながら業務を進めることが求められます。

主体性を持って行動できる人

主体性をもち、常に正しい行動かどうか考え、行動・結果に責任をもつことが期待されています。

多様な価値観を受け入れられる人

グローバルなビジネス環境において、多様な文化・価値観を持つステークホルダーと協働するため、柔軟性と受容力が必要です。

チャレンジ精神旺盛な人

現状に満足せず、あらゆる業務における改善と、個人・組織の成長にリスクを恐れず挑戦することが求められています。

高い倫理観を持つ人

多様性を重視し、お互いに感謝と敬意の気持ちを忘れずに、働きがいのある職場環境をつくることが期待されています。

 

以上の5つは丸紅の採用メッセージの『「できないことは、みんなでやろう。」丸紅は果敢に挑むあなたと働きたい』につながっていきます。

エントリーシートや面接中にこれらの意識を持っている人材かどうかを見られるので、ぜひ意識して選考に臨むといいでしょう。

新卒採用のフロー

丸紅の選考は、下記の通りの選考フローとなっています。

面接では志望動機などのスタンダードな質問の他、GC2027への理解度をチェックする質問も多いのが特徴です。

選考対策として、機動的資本配分の具体例や時価総額10兆円という目標設定の背景が明確であるかどうかが重視されます。

今後のキャリアを形成していく上で必須事項なので、明確にしておきましょう。

①新卒エントリー

丸紅公式サイトの新卒エントリーより必要事項を入力し登録を行います。

エントリーシートでは志望動機や自己PR、学生時代に力を入れて取り組んだことなどの一般的な質問について回答し、Web上で入力し送信して終了です。

②WEBテスト

丸紅では一般的なWEBテスト(SPI等)が実施されます。

総合商社志望者は全体的に学力レベルが高いため、高得点が求められます。

十分な対策を行ったうえで臨んでください。

③一次面接

丸紅では学生一人ひとりを深く知るため、最初の面接から学生1:面接官1で実施されることがあります。

面接では自己紹介や志望理由、総合商社業界を選んだ理由などが聞かれますので、自分の答えを見つけておきましょう。

一次面接は30分程度で行われます。

和やかな雰囲気の中、キャリアプランやエントリーシートに記載した事項とその他についての回答が求められます。

以下に想定される質問事項を紹介します。

質問事項
  • なぜ総合商社なのか
  • なぜ丸紅なのか
  • 学生時代に力を入れて取り組んだこと
  • 10年後のキャリアビジョン

④複数回面接

丸紅では、新卒社員にとって「成長できる場になり得るのか」を最も重要視して面接を実施します。

個々に合わせて選考を行うため、回数はその方によって異なります。

複数回の面接では、学生1人と面接官1-2人で40分程度行われます。志望動機などの一般的な質問の他に、GC2027への理解や機動的資本配分に関する質問について深く確認がされます。

以下に想定される質問事項を紹介します。

想定される質問事項
  • GC2027について知っていることを教えてください
  • 機動的資本配分とは何か、説明してください
  • 他社の選考状況
  • 志望度はどのくらいか
  • 最近の気になるニュース

⑤最終面接

複数回の面接を通過して最終面接となります。

最終面接では役員クラスとの面接となり、会社への貢献意欲や長期的なキャリア展望について確認されます。

以下に想定される質問事項を紹介します。

想定される質問事項
  • 入社後にどのような貢献ができるか
  • 10年後、20年後のキャリアビジョン
  • 丸紅で実現したいこと
  • 最後に質問はありますか

⑥内定

複数回の面接を突破して内定が決まります。

採用大学

丸紅の採用大学の実績を以下に掲載しますが、最難関大学から標準的なレベルの大学まで幅広く採用されており、いわゆる学歴フィルターは厳格ではないと考えます。

<国立大学>

東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学、筑波大学、横浜国立大学、神戸大学等

<私立大学>

慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、国際基督教大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、明治大学、同志社大学、立命館大学、関西学院大学、関西大学等

 

上記には偏差値が高い大学も採用大学にありますが、丸紅は多様な学生層からの就活生を積極的に採用しています。

よって学歴が原因で不採用になることは考えにくいです。

しっかりとエントリーシートや面接対策をして、内定を獲得できるようにしましょう。

就職偏差値・難易度

それでは、ここまでの内容を踏まえて、丸紅の就職偏差値・難易度を見てみましょう。

結論としては、極めて高い難易度といえるでしょう。その理由として以下の3点が挙げられます。

理由
  • 圧倒的なブランド力と高待遇
  • 限られた採用人数による競争激化
  • 高度な企業理解が求められる選考内容

採用人数と競争激化の背景

年間採用人数は約130-150名と、総合商社の中では中程度の規模です。5大商社の採用人数比較は以下の通りです。

会社名年間採用人数(概算)
三菱商事約150-180名
三井物産約140-170名
伊藤忠商事約120-140名
住友商事約120-140名
丸紅約130-150名

 

この限られた採用枠に対し、圧倒的なブランド力と高待遇(平均年収1,700万円超)から応募者が殺到するため、競争は極めて熾烈となっています。

よって、頻出質問である「学生時代に力を入れて取り組んだこと」や「志望動機」に加えて、「GC2027への理解」「機動的資本配分の具体例」など丸紅特有の事項をしっかりと対策をしていれば、十分に内定獲得の可能性があります。

しっかりと対策を行い内定を獲得してください!

さいごに

丸紅は、総合商社業界に属する企業で、資源から非資源まで幅広い事業領域でのトレーディングや事業投資を主事業としており、「機動的資本配分」や「時価総額10兆円超」を目指しています。

丸紅は総合商社業界の中でも独自のポジションを確立しているので、企業研究を行っているか否かで就活での結果は変わってきます。

しかし学歴重視をする企業ではないので、全員に等しくチャンスがあります。対策をしっかり行って選考に臨んでください。

ぜひこの記事を参考にして励んでくださいね。

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