【企業分析】キリンホールディングスの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
キリンホールディングス株式会社は「キリン一番搾り」や「午後の紅茶」などで知られる、日本を代表する総合飲料メーカーです。
100年以上の歴史を持つビール事業を基盤としながら、近年では飲料事業にとどまらず、医薬やヘルスサイエンスといった「健康」に関わる領域へ事業を多角化しています。
今回は、そんなキリンホールディングスの企業研究に役立つ基礎知識や社風、選考対策について詳しく紹介します。この記事では、キリンホールディングスへの就職に興味がある、以下のような就活生を対象に企業分析を進めていきます。ぜひ最後までご覧ください。
- キリンホールディングスの仕事内容が気になる
- キリンホールディングスの就職難易度を知りたい
- キリンホールディングスの選考対策として何をすれば良いかわからない
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、キリンホールディングスの就職難易度は「最難関レベル」です。食品・飲料業界の中でもトップクラスの知名度とブランド力を持ち、安定した経営基盤と高い給与水準から、毎年非常に多くの優秀な学生が応募するため、競争は熾烈を極めます。
採用大学は難関大学が中心ですが、選考では学歴以上に企業理念への共感や個人の価値観が重視される傾向にあります。特に「熱意・誠意・多様性」という価値観を体現できるかが問われるでしょう。
エントリーシートや複数回の面接を通じて、なぜキリンでなければならないのか、そしてキリンの未来にどう貢献したいのかを、自身の経験に基づき情熱を持って語ることが、内定獲得の重要なポイントです。
キリンホールディングスについて

キリンホールディングスは、中核となるキリンビール株式会社やキリンビバレッジ株式会社に加え、医薬品事業を手がける協和キリン株式会社などを傘下に持つ持株会社です。
グループの長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」では、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」ことを掲げています。これは、従来の飲料事業に加え、免疫研究などを通じたヘルスサイエンス事業を新たな成長の柱とする強い意志の表れと言えるでしょう。
各事業別の売上規模
キリンホールディングスの2023年12月期連結決算における総売上収益は、2兆3,383億円でした。事業セグメント別の売上収益は以下の通りで、国内の酒類・飲料事業だけでなく、海外事業や医薬事業も大きな収益の柱となっていることがわかります。
| 事業セグメント | 売上収益 |
| キリンビール | 6,575億円 |
| キリンビバレッジ | 2,658億円 |
| Lion(オセアニア事業) | 2,946億円 |
| 協和キリン(医薬事業) | 342億円 |
| その他 | 212億円 |
各事業セグメントの解説
キリングループは、4つの主要な事業領域でグローバルにビジネスを展開しています。
| 事業部門 | 活動内容 |
| キリンビール | 「キリン一番搾り」や「本麒麟」などのビール類を中心に、RTD(Ready to Drink、栓を開けてすぐ飲める飲料)やウイスキー、ワインなどを製造・販売しています。クラフトビール事業にも力を入れています。 |
| キリンビバレッジ | 「午後の紅茶」「生茶」といった主力ブランドを持つ清涼飲料事業を展開。プラズマ乳酸菌関連商品など、健康を軸にした商品開発も積極的に進めています。 |
| 海外事業(Lionなど) | オセアニア地域を統括するLion(ライオン社)を中心に、ビールや乳飲料などを展開。ブラジルやミャンマーなど、アジア・南米にも事業基盤を持っています。 |
| 医薬・バイオケミカル事業 | グループ会社である協和キリンが、抗体技術を核とした医薬品の研究・開発・販売をグローバルに展開しています。また、ヘルスサイエンス領域の中核として、健康機能性素材の開発なども進めています。 |
キリンホールディングスで働いている社員は?
平均勤続年数は?
キリンホールディングスの2023年12月31日時点での有価証券報告書によると、ホールディングス本体の従業員の平均勤続年数は14.2年です。
日本の企業の平均勤続年数である12.3年(厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」)と比較して長く、長期的なキャリア形成が可能な環境であることが示唆されます。
平均年収は?
2023年12月31日時点の有価証券報告書によると、キリンホールディングス本体の従業員の平均年間給与は1,007万円です。国税庁の調査による日本の平均給与458万円をはるかに上回る、国内トップクラスの給与水準です。
平均残業時間は?
キリンホールディングスの平均残業時間は月23時間程度です(2022年度実績)。同社は働き方改革に積極的に取り組んでおり、フレックスタイム制度やテレワーク勤務制度が充実しています。部署や時期によって変動はあるものの、ワークライフバランスを重視する文化が醸成されています。
平均ボーナス額は?
平均ボーナス額に関する公式データはありません。しかし、公式採用サイトには賞与が年2回(6月、12月)支給されると明記されています。前述の極めて高い平均年収から、業績に連動した高水準の賞与が期待できると推測されます。
どんな文化なの?
キリンホールディングスの採用サイトでは、大切にする価値観として「熱意・誠意・多様性」が掲げられています。
これは、年齢や役職に関係なく誰もが主体性を発揮し、多様な個性を尊重しながらチームで成果を出すことを重視する文化を表しています。真摯な姿勢で物事に取り組み、困難な課題にも情熱を持って挑戦する人材が評価される風土です。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
飲料業界は国内市場が成熟し、競争が激化しています。そのなかでキリンホールディングスは、独自の戦略で持続的な成長を目指しています。
事業構造の多角化
ビールや清涼飲料といった従来の「食」領域に加え、医薬事業や、免疫ケアを訴求するプラズマ乳酸菌などを核としたヘルスサイエンス事業を育成しています。
「食と健康」の領域で幅広い事業ポートフォリオを構築し、安定した収益基盤を確立している点が大きな強みです。
不採算事業の整理とコストコントロール
近年、経営資源を成長領域に集中させるため、事業の選択と集中を進めています。コスト構造改革にも継続的に取り組んでおり、これにより生み出された原資をマーケティングや研究開発に再投資し、企業価値の向上を図っています。
ヘルスサイエンス・海外事業の拡大
長期経営構想において、ヘルスサイエンス事業を将来の成長を牽引する重要な柱と位置づけています。長年の研究で培った発酵・バイオテクノロジーを活かし、人々の健康課題の解決に貢献することを目指しているのが特徴です。また、オセアニアやアジアを中心に、海外事業の収益拡大にも注力しています。
競合他社との比較
国内の総合飲料メーカーでは、アサヒグループホールディングス、サントリーホールディングス、サッポロホールディングスが主な競合となります。
| 会社名 | 売上収益 | 平均年収 (HD本体) | 就職偏差値 | 社風・強み |
| キリンHD | 2兆3,383億円 | 1,007万円 | 66 | 食・医・健康の多角化戦略。「一番搾り」「午後の紅茶」が強力。 |
| アサヒグループHD | 2兆7,682億円 | 1,229万円 | 67 | 「スーパードライ」が圧倒的。海外M&Aに積極的でグローバル展開が強み。 |
| サントリーHD | 3兆2,810億円 | 1,221万円 | 68 | 「やってみなはれ」の精神。ウイスキーなど多角的な事業で業界首位。 |
| サッポロHD | 5,749億円 | 891万円 | 62 | 「ヱビス」「黒ラベル」など歴史あるブランド。不動産事業も展開。 |
キリンホールディングスの新卒募集要項について
キリンホールディングスの新卒採用は、事務系・技術系の職種別に行われます。ここでは主要な情報をまとめました。
| 各項目 | 詳細 |
| 職種 | 事務系(営業/マーケティング/SCM/コーポレート)、技術系(研究/生産) |
| 業務内容 | 各部門における企画、管理、研究開発、生産技術、営業活動など。 |
| 給与 |
|
| 賞与 | 年2回 |
| 研修制度 | 新入社員研修、階層別研修、選択型研修(マーケティング大学、海外短期派遣など)、自己啓発支援 |
| 福利厚生 | 各種社会保険完備、独身寮・社宅、住宅支援、財形貯蓄制度、社員持株会、カフェテリアプラン(選択型福利厚生制度)、育児・介護休業制度など |
求める人材
キリンホールディングスは、グループのパーパスである「よろこびがつなぐ世界へ」を実現するために、以下のような価値観を共有できる人材を求めています。
- 熱意 (Passion):高い志と情熱を持ち、最後まであきらめずにやり遂げる力。
- 誠意 (Integrity):真摯な姿勢で、ステークホルダー(顧客、社会、仲間)と向き合う力。
- 多様性 (Diversity):自分と異なる多様な価値観や考え方を受け入れ、それらを掛け合わせることで、一人では生み出せない大きな成果を創出する力。
これらの価値観に共感し、主体的に行動できる人材が求められています。
新卒採用のフロー
キリンホールディングスの選考は、一般的なフローで進みますが、各ステップで人柄や価値観が重視されます。
エントリーシート
志望動機やガクチカ(学生時代に力を入れたこと)といった基本的な設問に加え「あなたらしさが最も表れている写真」の提出など、個性や人柄を問う設問が特徴です。なぜキリンなのか、入社して何を実現したいのかを具体的に示すことが重要です。
WEBテスト(tg-web)
キリンのWEBテストは、他の企業であまり採用されていない「TG-WEB」という形式で実施されることが多いです。従来型と新型があり、図形処理や暗号解読など、独特な問題が出題されるため、事前の対策が欠かせません。
複数回面接
キリンでは、個人面接が複数回実施されます。穏やかな雰囲気のなかで、対話を通じて学生の価値観や人柄を深く理解しようとする傾向があります。
エントリーシートの内容を深掘りされるため、一貫性のある回答を心がけることが大切です。以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
内々定
全ての選考を通過すると、内々定となります。
採用大学
キリンホールディングスは、東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應義塾大学といった最難関大学をはじめ、全国の国公立大学や私立大学から幅広く採用しています。
| <大学院> 東京大学、京都大学、東京工業大学、東北大学、筑波大学、名古屋大学、大阪大学、神戸大学、九州大学、早稲田大学 <大学> 東京大学、京都大学、大阪大学、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、関西学院大学、同志社大学、明治大学、立教大学、法政大学、東京農業大学、他 |
明確な学歴フィルターの存在は断定できませんが、人気企業であるため、結果的に高学歴層の応募者が多くなり、競争は非常に激しくなります。
就職偏差値・難易度
これまでの情報を総合すると、キリンホールディングスの就職偏差値・難易度は「最難関レベル」と結論付けられます。その理由は以下の3点です。
- 圧倒的なブランド力と安定性:大手食品メーカーとしての知名度と安定した経営基盤から、毎年多くの優秀な学生が応募します。
- 採用人数の少なさと高い倍率:事務系・技術系を合わせても採用人数は100名に満たない年が多く、極めて高い競争倍率となります。
- 人物重視の深い選考:WEBテストの対策に加え、面接では価値観や企業文化とのマッチングが深く問われるため、徹底した自己分析と企業研究が不可欠です。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
キリンホールディングスは、伝統ある飲料事業を核としながら、「健康」という新たな領域で未来を切り拓こうとしている、挑戦心あふれる企業です。
その仕事は、世界中の人々の「よろこび」を創造するという大きなやりがいに満ちています。就職への道は非常に険しいですが、キリンの価値観に共感し、自らの力で未来を創りたいという強い意志を持つ人にとっては、最高の舞台と言えるでしょう。
この記事が、キリンホールディングスを目指す皆さんの企業研究の一助となれば幸いです。





