【企業分析】松竹の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
松竹株式会社は、東宝、東映と並ぶ日本の大手映画会社の一つであり、特に歌舞伎の興行で他に類を見ない独自の地位を築いています。
『男はつらいよ』シリーズなどの国民的映画から、近年ではアニメ作品まで幅広く手がける一方、日本の伝統文化である歌舞伎の継承と発展に大きく貢献している伝統ある企業です。
今回は、そんな松竹の企業研究に役立つ基礎知識や社風、選考対策について詳しく紹介します。この記事では、松竹への就職に興味がある、以下のような就活生を対象に企業分析を進めますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 松竹の仕事内容が気になる
- 松竹の就職難易度を知りたい
- 松竹の選考対策として何をすれば良いかわからない
上京を志す地方学生ならジョーカツ!
あなたのキャリアを加速させるチャンス!
無料で利用できる快適な個室シェアハウス、
東京までの交通費サポート付き
首都圏の注目企業への就活ならジョーカツ
首都圏の学生ならスタキャリ!
理想のキャリアを実現へと導く第一歩!
あなたにピッタリのキャリアアドバイザーを選び、
自分にマッチする優良企業をご紹介
首都圏企業のES添削から面接対策まで、就活ならスタキャリ
この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、松竹の就職難易度は「極めて高い」と考えられます。映画・演劇業界における長い歴史と高いブランド力、そして歌舞伎という唯一無二の事業内容から、エンターテインメント業界を志望する学生から絶大な人気を集めています。採用人数が例年10名前後と非常に少ないため、競争は熾烈を極めるでしょう。
採用大学は難関大学が中心ですが、選考では学歴以上に「日本文化への深い理解」と「新しいエンターテインメントを創造する情熱」が問われます。
エントリーシートや複数回の面接を通じて、松竹が持つ伝統と革新の両面を理解し、その中で自分がどのように貢献できるかを具体的に語ることが、内定獲得の重要なポイントです。
松竹について

出典:採用情報
松竹は1895年に創業し、130年近い歴史を持つ総合エンターテインメント企業です。事業の大きな柱は、歌舞伎座などを拠点とする「演劇事業」と、映画の企画・製作・配給を行う「映像事業」です。
歌舞伎の企画・製作・興行をほぼ独占的に手がけているのが最大の特徴であり、日本の伝統文化の保護と発展という重要な役割を担っています。
近年では、歌舞伎の知見を活かした新作の創出や、アニメ事業、キャラクターライセンス事業などにも力を入れ、時代に合わせたエンターテインメントを提供し続けています。
各事業別の売上規模
松竹の2025年2月期連結決算における営業収入(売上高)は、839億7,400万円でした。事業セグメント別の売上高は以下の通りで、映像関連事業と演劇事業が二大収益基盤となっていることが分かります。
| 事業セグメント | 営業収入(売上高) |
| 映像関連事業 | 437億3,900万円 |
| 演劇事業 | 238億200万円 |
| 不動産・その他事業 | 139億5,500万円 |
出典:有価証券報告書
各事業セグメントの解説
松竹の事業は、映像、演劇、そしてそれらを支える不動産事業で構成されています。
| 事業部門 | 活動内容 |
| 映像関連事業 | 映画の企画・製作・配給・宣伝、テレビドラマやアニメの企画・製作、海外へのコンテンツ販売、キャラクターライセンス事業などを展開しています。シネマコンプレックス「MOVIX」の運営もこの事業に含まれます。 |
| 演劇事業 | 歌舞伎の企画・製作・興行を中核とし、歌舞伎座や新橋演舞場、大阪松竹座などを拠点に公演を行っています。歌舞伎以外にも、ミュージカルや現代劇など、幅広いジャンルの演劇を製作・上演しています。 |
| 不動産・ その他事業 | 東劇ビルや銀座松竹スクエアなど、保有する不動産の賃貸事業を行っています。この事業が、エンターテインメント事業の収益変動を支える安定した基盤となっています。 |
松竹で働いている社員は?
平均勤続年数は?
松竹の有価証券報告書によると、従業員の平均勤続年数は15.6年です。日本の企業の平均勤続年数である12.3年(厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」)を大きく上回っており、社員が愛着を持って長く働ける環境であることがうかがえます。
平均年収は?
有価証券報告書によると、松竹の平均年間給与は847万円です。国税庁の調査による日本の平均給与458万円と比較して、非常に高い水準にあると言えます。
平均残業時間は?
松竹は、平均残業時間に関する公式なデータを公表していません。映画の公開や演劇の初日を控えた時期など、プロジェクトや部署によって業務の繁閑の差は大きいと推測されます。
平均ボーナス額は?
平均ボーナス額に関する公式データはありません。しかし、松竹の新卒採用サイトには、賞与が年2回(7月、12月)支給されると明記されています。前述の高い平均年収から、業績に応じた賞与が期待できると考えられます。
どんな文化なの?
松竹は、130年近い歴史の中で培われた伝統を重んじる一方で、新しい挑戦を歓迎する革新的な側面も持ち合わせています。
「松竹イズム」として「観客第一主義」と「人間味」を掲げており、常にお客様の視点に立ち、真心のこもったエンターテインメントを届けることを大切にしているのが特徴です。若手にも裁量権が与えられ、情熱を持って企画を実現できる風土があると言われています。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
日本の映画業界は、東宝、東映、松竹の「大手三社」が市場を牽引しています。その中で松竹は「歌舞伎」という唯一無二の強みを核に、独自のポジションを確立しています。
伝統歌舞伎演劇興行の復調
コロナ禍で大きな影響を受けた演劇事業ですが、近年はインバウンド需要の回復もあり、歌舞伎座を中心に興行が力強く復調しています。『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』など、伝統と新しい感性を融合させた挑戦的な演目も話題を呼び、新たな観客層の開拓に成功しています。
映像関連事業(映画配給・自社作品)のヒット作
映画事業では『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が配給作品として大ヒットを記録しました。また、自社で企画・製作した『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』も観客の感動を呼び、興行的に大きな成功を収めました。映像コンテンツの目利き力と制作能力の高さは非常に高いと言えるでしょう。
コスト構造改革・子会社事業の整理
変化の激しいエンターテインメント業界に対応するため、事業の選択と集中を進めています。コスト構造の見直しや不採算事業の整理を通じて経営の効率化を図り、成長領域への投資原資を確保することで、持続的な成長を目指しています。
競合他社との比較
映画業界の競合である東宝、東映とは、それぞれ異なる強みを持っています。
| 会社名 | 営業収入 (売上高) | 平均年収 | 就職偏差値 | 社風・強み |
| 松竹 | 839億円 | 847万円 | 65 | 歌舞伎の製作・興行が事業の核。実写映画にも強み。 |
| 東宝 | 2,833億円 | 1,084万円 | 68 | アニメ(『名探偵コナン』『ハイキュー!!』等)と不動産事業が収益の柱。 |
| 東映 | 1,713億円 | 871万円 | 67 | 特撮・アニメIPが強力。IPの多角展開(版権事業)に強み。 |
松竹の新卒募集要項について
松竹の新卒採用は、総合職として一括で行われます。詳細は公式採用サイトで確認することが重要です。
| 各項目 | 詳細 |
| 職種 | 総合職 |
| 業務内容 | 演劇(企画製作、宣伝、営業、劇場運営)、映画(企画製作、宣伝、配給)、アニメ、新規事業、不動産事業、管理部門など。 |
| 給与 | 月給 25万5,640円 |
| 賞与 | 年2回(7月、12月) |
| 研修制度 | 新入社員研修、年次別研修、選択型研修、海外研修など |
| 福利厚生 | 各種社会保険完備、独身寮、財形貯蓄制度、社員持株会制度、育児・介護休業制度、各種クラブ活動など |
求める人材
松竹は、その長い歴史を未来へ繋いでいくために、以下のような資質を持つ人材を求めています。
- エンタテインメントへの情熱:映画、演劇、歌舞伎など、松竹が手がけるコンテンツへの深い愛情と探求心。
- 挑戦する意欲:伝統を尊重しつつも、新しい価値を創造するために失敗を恐れずチャレンジできる力。
- やり抜く力:困難な課題に対しても、強い責任感と粘り強さで最後までやり遂げることができる。
- 人間味:「観客第一主義」を実践するため、相手の立場に立って考え、誠実に行動できる力。
新卒採用のフロー
松竹の選考は、書類選考から始まり、複数回の面接やグループディスカッションを経て内定に至ります。
エントリーシート・WEBテスト
エントリーシートでは、志望動機や自己PRといった基本的な設問に加え「最も心揺さぶられたエンタテインメント」など、個人の感性や熱意を問う質問が特徴です。同時にWEBテスト(SPI)も受検します。
グループ面接
複数人の学生と面接官による形式です。限られた時間の中で、的確に自己PRを行う能力やコミュニケーション能力が評価されます。
グループディスカッション
与えられたテーマについて、グループで議論し結論を発表します。協調性や論理的思考力、そしてエンターテインメントに関するユニークな発想力が試されます。
複数回面接
複数回にわたる個人面接が行われます。選考が進むにつれて、志望動機の深掘りや、松竹の事業に対する理解度、入社後のビジョンなどが厳しく問われます。以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
内々定
全ての選考プロセスを通過すると、内々定となります。
採用大学
例年の採用実績を見ると、慶應義塾大学、早稲田大学をはじめとする難関私立大学や、国公立大学の出身者が多い傾向にあります。
| <大学院> 上智大学、千葉大学、東京芸術大学、京都大学、東京大学、東北大学、慶應義塾大学 <大学> 青山学院大学、関西学院大学、関東学院大学、学習院大学、慶應義塾大学、神戸大学、昭和女子大学、白百合女子大学、上智大学、成城大学、専修大学、玉川大学、中央大学、東北大学、東洋大学、同志社大学、日本大学、法政大学、武蔵野大学、明治大学、明治学院大学、横浜国立大学、立教大学、立命館大学、早稲田大学、京都橘大学、群馬大学、琉球大学、共立女子大学、関西大学、多摩美術大学、日本女子大学 ※直近5年間の新卒採用者実績 |
松竹では、エンターテインメントへの深い知見や情熱を持つ多様な人材を求めているため、学歴だけがすべてではありません。企業分析を徹底し「なぜ松竹でなければならないのか」を明確にした上で選考に臨みましょう。
就職偏差値・難易度
これまでの情報を総合すると、松竹の就職偏差値・難易度は「最難関レベル」と結論付けられます。その理由は以下の3点です。
- 歴史と伝統に裏打ちされたブランド力:映画業界の重鎮であり、特に「歌舞伎」という唯一無二の事業を持つことから、学生からの人気が極めて高いです。
- 採用人数の少なさによる超高倍率:例年の採用人数は10名程度と非常に少なく、内定獲得は極めて狭き門です。
- 独自の企業文化への深い理解が必要:映画だけでなく、歌舞伎をはじめとする日本の伝統文化への深い理解と愛情が選考で問われます。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
松竹は、130年近い歴史の中で日本のエンターテインメントを支え、特に歌舞伎という伝統文化を守り育ててきた、他に類を見ない企業です。その仕事は、人々に感動を届けるだけでなく、日本の文化を未来へ継承するという大きな使命感を伴います。就職への道は非常に険しいですが、エンターテインメントへの尽きない愛情と、日本の文化を世界に発信したいという強い意志を持つ人にとって、最高の挑戦の舞台と言えるでしょう。この記事が、松竹を目指す皆さんの参考になれば幸いです。





