【企業分析】講談社の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
株式会社講談社は、小学館、集英社と並び称される日本の三大総合出版社の一つです。『週刊少年マガジン』『ViVi』といった雑誌から、『進撃の巨人』『カードキャプターさくら』などの世界的な人気を誇るまんが、そして数々の文学賞を主催する文芸部門まで、多岐にわたるコンテンツを創出し続けています。
今回は、そんな講談社の企業研究に役立つ基礎知識や社風、選考対策について詳しくご紹介します。この記事では、講談社への就職に興味がある、以下のような就活生を対象に企業分析を進めます。ぜひ最後までご覧ください。
- 講談社の仕事内容が気になる
- 講談社の就職難易度を知りたい
- 講談社の選考対策として何をすれば良いかわからない
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、講談社の就職難易度は「最難関レベル」です。出版業界を志す学生にとって憧れの企業であり、採用人数が例年20〜30名程度と極めて少ないため、競争倍率は数百倍にも達すると言われています。
採用大学は東京大学や早稲田大学といった難関大学が中心ですが、選考では学歴以上に個人の持つ「物語」やコンテンツへの深い愛情が問われます。
特に、出版社独自の筆記試験や、ユニークな設問が並ぶエントリーシートでは、付け焼き刃の対策は通用しません。「おもしろくて、ためになる」という理念を自分なりにどう体現したいのか、熱意を持って語れるかが内定獲得の重要なポイントです。
講談社について
出典：講談社採用サイト
講談社は1909年に創業し、1世紀以上にわたって日本の出版文化をリードしてきました。「おもしろくて、ためになる」という理念のもと、まんが、小説、雑誌、ジャーナリズム、絵本、アニメ、ゲームなど、あらゆるジャンルで質の高いコンテンツを世に送り出しています。
近年では、紙媒体にとどまらず、デジタルコンテンツやライツビジネス（版権事業）にも力を入れ、グローバルな総合エンターテインメント企業として進化を続けています。
各事業別の売上規模
講談社は公式サイトにて決算情報を公開しています。2024年2月期決算では、総売上高が1,710億3,800万円に達しました。
詳細な内訳は非公表のため不明ですが、ライツやデジタル関連を含む「事業収入」が全体の半分以上を占めており、従来の出版社のイメージから大きくビジネスモデルが変化していることがわかります。
各事業セグメントの解説
講談社の事業は、多岐にわたるコンテンツを核として展開されています。
| 事業部門 | 活動内容 |
| コンテンツ事業 | コミックや小説などの作品を、映像（アニメ・映画・TVドラマ）、商品（グッズ・ゲーム）、舞台・イベント・VRといった違うコンテンツの形にして届ける仕事です。 |
| グローバルビジネス | コミック、書籍、映像などの海外版権を、効果的に管理・運用して収益を最大化する仕事です。 |
| マーケティング・プロモーション | コミック、文芸、ノンフィクション、児童書などのジャンル別に分かれて、紙・電子ともに出版物の販売戦略の立案、マーケティング、宣伝・販促活動などを行い、売り伸ばしを目指します。 |
| メディア・コミュニケーション | 自社の媒体を利用しながら、クライアントの課題を解決していく仕事です。純広告やタイアップなどの広告収入の確保だけでなく、イベントや物販、SNSコミュニケーションなど、主に雑誌のブランドイメージを活用した事業を幅広く行います。 |
出典：お仕事紹介WORK
講談社で働いている社員は？
平均勤続年数は？
講談社は勤続年数を公開していません。100年にわたり事業を続けてきた企業なので、働きやすい環境が整っていることが予想されます。
平均年収は？
講談社は非上場のため、公式な平均年収は公表されていません。しかし、後述する初任給の水準や業界情報から推定すると、国内でもトップクラスの給与水準であると考えられます。参考として、国税庁の調査による日本の平均給与は458万円です。
平均残業時間は？
講談社は、平均残業時間に関する公式なデータを公表していません。口コミサイトなどを参考にすると、部署や時期によって変動があるようですが、編集部門では裁量労働制が適用され、締め切り前などは多忙になる傾向があるようです。
平均ボーナス額は？
平均ボーナス額に関する公式なデータはありません。しかし、講談社の公式採用サイトには、賞与が年2回（6月、12月）支給されると明記されています。 業界最高水準の待遇から、業績に応じた賞与が期待できると考えられます。
どんな文化なの？
講談社の社風は「個の集合体」と表現されることが多く、社員一人ひとりの個性と「好き」という情熱を尊重する文化が根付いています。「おもしろくて、ためになる」という理念を実現するためであれば、年次に関係なく自由に企画を提案し、挑戦できる風土があります。
多様な才能が集まり、互いに刺激し合いながら新しいコンテンツを生み出していく、自由闊達な環境です。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
講談社は、三大出版社の中でも特に総合力と国際展開に強みを持ち、業界をリードする存在です。
電子書籍・デジタル事業の成長
講談社は、電子書籍の売上が紙の売上を上回るなど、デジタルシフトに成功しています。特にコミックアプリ「マガポケ」は、オリジナル作品のヒットもあり、講談社のデジタル戦略の中核を担うプラットフォームへと成長を遂げています。
ライツ（版権）・映像化収入の拡大
『進撃の巨人』をはじめとする強力なIPを軸に、アニメ化や実写映画化、ゲーム化といったメディアミックスを積極的に展開しています。
また、米国のKODANSHA USA Publishingなどを通じて、海外での出版やライセンス事業にも力を入れており、グローバルな収益拡大を実現しています。
文芸書・新規コンテンツのヒット
伝統ある文学賞を通じて新人作家を発掘・育成し、質の高い文芸作品を世に送り出し続けています。
また、まんがや小説だけでなく、新しい才能や企画を発掘するための取り組みも積極的に実施しており、常に次のヒット作を生み出す土壌が整っています。
競合他社との比較
出版業界のトップを走る三大出版社は、それぞれが強力なIPと独自の強みを持っています。
| 会社名 | 売上高 | 平均年収 (推定) | 就職偏差値 | 社風・強み |
| 講談社 | 1,710億円 | 約1,000万円 | 71 | 総合力と国際展開に強み。『進撃の巨人』など青年誌が強力。 |
| 集英社 | 2,043億円 | 1,300〜1,500万円 | 72 | 『ONE PIECE』など少年ジャンプIPが圧倒的。まんが・ファッション誌が柱。 |
| 小学館 | 987億円 | 約1,000万円 | 70 | 児童書・女性誌・学年誌に強み。自由闊達な社風。 |
講談社の新卒募集要項について
講談社の新卒採用は、全社一括の総合職採用です。入社後、本人の希望と適性に応じて各部署へ配属されます。給与や賞与の情報は公式採用サイトで明確に示されています。
| 各項目 | 詳細 |
| 職種 | 総合職（編集、ライツ、販売、広告、校閲、国際、人事、経理など） |
| 業務内容 | まんが、書籍、雑誌などの企画・編集、電子書籍事業、アニメ・映画などのライツ事業、販売戦略立案、広告営業、国際事業など、出版社のあらゆる業務。 |
| 給与 | 月給 26万8,260円 |
| 賞与 | 年2回（6月、12月） |
| 研修制度 | 新入社員研修、年次別研修、選択型スキルアップ研修、海外研修など |
| 福利厚生 | 各種社会保険完備、退職金制度、住宅資金融資、財形貯蓄、社員食堂、診療所、契約保養所、育児・介護休業制度など |
求める人材
講談社の採用メッセージ「まだ、ここにない物語を。」には、同社が求める人材像が凝縮されています。
- 物語（コンテンツ）を愛する人：あらゆるジャンルのコンテンツに触れ、その面白さや可能性を語れる熱意がある。
- 好奇心と行動力がある人：未知の分野にも臆せず飛び込み、自ら情報を集め、人を巻き込んで形にできる。
- 自分だけの「好き」を持つ人：誰にも負けないと自負できるような、熱中できる何かを持っている。
- 常識を疑い、創造できる人：既存の枠組みにとらわれず、新しい価値や「物語」を生み出すためのアイデアと情熱がある。
「おもしろくて、ためになる」コンテンツを創り出すための、強い意志と個性を持った人材が求められています。
新卒採用のフロー
講談社の選考は、書類選考から始まり、独自の筆記試験、複数回の面接を経て内定に至ります。講談社の選考試験に臨む就活生は、事前に選考の流れを押さえておきましょう。
書類選考
Web上でエントリーシートを提出します。「あなたの“ものがたり”を教えてください」といった自己PRのほか、講談社のコンテンツに関する設問など、独自性の高い質問が特徴です。ここでいかに自分らしさを表現できるかが最初の鍵となります。
ESは、WEB入力２枚、手書きの自由記入１枚、手書きの作文（800字）２枚の合計５枚のボリュームがあるため、余裕を持って準備しましょう。
筆記試験（オンライン・テストセンター）
2025年度の筆記試験は、オンラインでの適性検査受検に加え、テストセンターでのWEBテスト受験（英語、言語、計数）が実施されました。市販の問題集などを活用し、しっかりと対策しておきましょう。
複数回面接
一次面接から始まり、最終面接まで3〜4回の面接が実施されるのが一般的です。エントリーシートの内容を深く掘り下げられるとともに、コンテンツへの熱意、コミュニケーション能力、人間性などが総合的に評価されます。以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
内々定
全ての選考プロセスを通過すると、内々定となります。
採用大学
講談社の採用大学に関する公式な発表はありませんが、例年の採用実績を見ると、東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学といった最難関大学が圧倒的多数を占めているのが実情です。採用人数が極めて少ないため、結果的に高学歴な学生が集中する傾向にあります。
しかし、学歴だけですべてが決まるわけではなく、過去には様々な大学からの採用実績もあります。選考では、学歴以上に光る個性や熱意を示しましょう。
就職偏差値・難易度
これまでの情報を総合すると、講談社の就職偏差値・難易度は「最難関レベル」と結論付けられます。その理由は以下の3点です。
- 業界トップクラスのブランド力と人気：出版業界のリーディングカンパニーとして、毎年極めて多くの優秀な学生が応募します。
- 採用人数の少なさによる超高倍率：例年20〜30名程度の採用枠に対して応募が殺到するため、内定獲得は至難の業です。
- 独自の選考プロセス：エントリーシートや筆記試験、面接の全てにおいて、出版業界や講談社への深い理解と、自分自身の「物語」を語る力が求められます。
小手先のテクニックではなく、日頃からどれだけ多くのコンテンツに触れ、自分なりに思考を深めているかが問われる、真の実力が試される選考と言えるでしょう。就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
講談社は、100年以上の歴史の中で、常に時代の「おもしろくて、ためになる」を創り出し、人々の心に「物語」を届けてきた企業です。
その仕事は、文化を創造するという大きな使命感とやりがいに満ちています。就職への道は非常に険しいですが、コンテンツへの尽きない愛情と「まだ、ここにない物語を創りたい」という強い意志を持つ人にとって、これ以上ない挑戦の舞台です。
この記事が、講談社を目指す皆さんの企業研究の羅針盤となれば幸いです。
