セキュリティエンジニアの志望理由を面接で問われた時の答え方
2024/8/28更新
はじめに
面接やエントリーシートなどの選考の場において、セキュリティエンジニアを目指す動機——いわゆる志望動機を訊かれることは決して珍しいことではありません。
しかし中には、このような問いかけに対し、どのように答えればいいのかわからないという方もいらっしゃることでしょう。
当記事では、そのような方に向けて、望ましい志望動機の例と、セキュリティエンジニアを志望する方が、面接やエントリーシートなどの選考の場において、問われることの多い事柄について、解説を行います。
当記事では、セキュリティエンジニアを志望する就活生の中でも、とりわけ、以下のような方に向けて、知識の解説および情報の提供を行なっています。
- セキュリティエンジニアを志望しているが、面接で志望動機を問われた際、どのように答えればいいのかわからない
- セキュリティエンジニア職の選考で、どのようなことを聞かれるのか、またそれらの質問に対して、どのように回答を行えばいいのか気になる
上記にこそ当てはまらないものの、セキュリティエンジニア職を志望している方にとって、役立つ情報を多数取り上げていますので、以上にあてはまらない方においても、ぜひ、最後までご覧いただければ幸いです。
また、IT業界については、以下の記事で解説を行っています。当記事と合わせて、ぜひ、ご活用ください。
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セキュリティエンジニアとは
本題に入る前に、セキュリティエンジニアとはどのような職業なのかを、簡単に解説しようと思います。
概要
セキュリティエンジニアとは、セキュリティに配慮した上での、システム開発・保守・運用を行う、エンジニアの総称です。
情報セキュリティ関連の業務に携わることが多いことから、それに関連したスキルが求められます。
昨今はITの普及により、情報資産の価値が高まっています。
このような状況下では、サイバー攻撃などといったシステム障害に備えるセキュリティエンジニアの需要は、非常に高まっていると言えるでしょう。
というのも、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)セキュリティセンターが2021年に実施したアンケートによると、中小企業に勤務する従業員のうち、およそ10.5%が、サイバーセキュリティに関するトラブルを経験しており、そのようなトラブルを未然に防ぐセキュリティエンジニアの需要は、今後、ますます増加するものと考えられます。
セキュリティエンジニアの仕事内容
次に、セキュリティエンジニアとして就職を行なった場合、どのような業務に従事することになるのか、その業務内容を簡単にご紹介します。
企画
まず、セキュリティエンジニアの代表的な業務の一つとして挙げられるのが「企画」です。
企画業務では、既存システムのセキュリティ上の問題点や脆弱性を正確に把握し、それに基づいてどのような対策が必要か、またどのような新しいシステムや改善策を導入すべきかを検討・立案します。
この段階では、クライアントの要望を理解し、最適な提案を行うことが求められます。さらに、自身が提案するシステムやセキュリティ対策の重要性をクライアントに正確に伝え、合意を得る能力も必要となります。
クライアントとのコミュニケーションや説得力が、企画業務の成功に直結する重要な要素となります。
設計
次に、企画の内容を具体的なシステムの形に落とし込む「設計」業務があります。
設計段階では、システムの構想を具体化し、セキュリティ要件を満たすためのネットワーク構成やサーバー機器の選定、さらには必要なハードウェアやソフトウェアの選定など、システム全体の設計を行います。
ここでは、システムの性能や信頼性、そしてコストパフォーマンスなどを考慮に入れたバランスの取れた設計が求められます。
また、将来の拡張性やメンテナンスの容易さを考慮した設計も重要なポイントとなります。
セキュリティエンジニアとして、技術的な知識だけでなく、全体を見通す視点が求められる場面です。
実装・テスト
設計が完了したら、次は「実装・テスト」フェーズです。この段階では、設計したシステムを実際に構築し、プログラムを作成します。
セキュリティエンジニアは、コードの品質とセキュリティを確保するために、プログラミングを行い、作成したプログラムが設計通りに動作するかを検証します。この検証作業には、デバッグやシミュレーションが含まれ、潜在的なバグや脆弱性を事前に発見し、修正することが求められます。
テストはシステムの信頼性を高めるための非常に重要なプロセスであり、セキュリティエンジニアとしての専門知識が大いに発揮される場面です。
運用・保守
システムの納品後も、セキュリティエンジニアの業務は続きます。「運用・保守」業務は、納品したシステムが長期間にわたって安定して稼働するように、継続的なメンテナンスやサポートを提供することです。
システムは常に新たな脅威にさらされているため、定期的なセキュリティパッチの適用や、必要に応じたアップデート、システムのパフォーマンス監視などが求められます。
また、システムに問題が発生した場合には迅速に対応し、問題の解決を図ることもセキュリティエンジニアの重要な職務です。
これにより、システムが常に最高の状態で運用され、クライアントが安心してシステムを利用できるよう支援する役割を果たします。
セキュリティエンジニアに向いている人の特徴
セキュリティエンジニアには、不測の事態が発生した際に迅速な対応が求められるという特徴があります。
さらに、IT業界全体が慢性的な人手不足に悩んでおり、業務量が急増することも珍しくありません。
そのため、柔軟な発想や対応力が求められ、これらを持たない人がセキュリティエンジニアとして成功を収めるのは非常に難しいと言えます。
これに加えて、コミュニケーション能力も同様に重要です。セキュリティエンジニアの仕事は、さまざまな関係者との協力や連携が不可欠だからです。
効果的なセキュリティ対策を講じるためには、技術的な知識だけでなく、チーム内外のメンバーと円滑に情報を共有し、適切な対策を実施するためのコミュニケーションスキルが必要です。
また、IT業界は近年最も進歩の著しい業界です。
このような業界において、業界のトレンドを自ら追いかけ続けることや、新しいスキル・知識を、積極的に取り入れることは、半ば義務であると言っても差し支えないでしょう。
では、ここまでの内容をもとに、セキュリティエンジニアに向いているのはどのような人材なのかということを、簡単に総括します。
具体的には、以下のような人材が、セキュリティエンジニアに向いていると言えるでしょう。
- 不測の事態に対して、適切かつ迅速に対応できる対応力を持つ人
- 高いコミュニケーション能力を持つ人
- 自己学習意欲が高い人
セキュリティエンジニアの志望動機の例
では、ここからは面接やエントリーシートなどといった選考の場において、セキュリティエンジニアを目指す理由、いわゆる「志望動機」を聞かれた際の答え方について、解説を行います。
志望動機を答える際のポイント
志望動機を答える際には、なぜ、このような問いが設けられているのかという、目的に目を向けた上で、回答を行うことがおすすめです。
これにより、通過率を格段にあげることができるでしょう。
企業の多くは、就活生のモチベーションを図る目的で、志望動機にまつわる問いを設けています。
というのも、熱意とモチベーションを持って入社した社員の多くは、企業に利益をもたらすからです。
つまり、この点を意識した上で、回答を作成することで、内定獲得の可能性が上がることでしょう。
具体的には、以下のポイントを網羅した回答を行うのがおすすめです。
①セキュリティエンジニア職でなければならない理由を明白にする
まず最初に重要なのは、自分がなぜセキュリティエンジニア職を志望するのかを明確にすることです。
この点が曖昧だと、その後に述べるエピソードの説得力が弱まってしまいます。
例えば、自分のこれまでのスキルや実績がセキュリティエンジニア職にどのように関連しているのかを具体的に説明することが効果的です。
例えば、自分の経験や学びがどのようにセキュリティの分野に結びついているのか、過去のプロジェクトや課題に対する取り組みがどのようにセキュリティエンジニアとしての資質を培ったのかを示すことで、志望動機に説得力を持たせることができるでしょう。
②具体的なエピソードを利用する
就職活動では、説得力のあるエピソードを、論理的に展開することが求められます。
具体的には、以下のような構成を用いるのがいいでしょう。
というのも、志望動機に限らず、文章は、以下のような構成を用いることで、説得力を格段にあげることができるからです。
- まず結論を提示する
- 結論に至った理由を書く
- 理由を強調するために具体例を用いる
- 最後に再び結論を強調する
この構成を用いることで、論理的かつ具体性の高い文章を作成することが可能です。
以上のポイントを元に、セキュリティエンジニア職を志望する動機を作成すると、このようになります。
例文
私は、大学で情報工学を専攻し、プログラミングやネットワークの基礎を学びました。
特に、情報セキュリティの授業で、サイバー攻撃の巧妙さや、その対策の重要性を深く認識しました。
昨年、インターンシップで〇〇社のシステム部門で働き、実際にシステムの運用を経験しました。
その中で、セキュリティ対策の重要性を改めて実感し、より高度なセキュリティ技術を学ぶことができました。このような経験を通じて養ったスキルをもとに、社会に貢献したいと考え、セキュリティエンジニア職を志望しました。
セキュリティエンジニア職の選考で訊かれることの多い質問
次に、セキュリティエンジニア職の面接・ESにおいて、訊かれることの多い質問とその回答例について、解説を行います。
セキュリティエンジニアは、他の職種と比べても専門性が高い職業のため、選考の際には、専門性の高さや、スキルを問われることが多いと言えるでしょう。
また問いは、その内容ごとに、以下のように分類できます。
- 過去の経験系
- スキル系
- 未来目標系
- 価値観系
- その他
未来目標系
・今後の具体的なキャリアプランを聞かせてください。
【回答例】
セキュリティエンジニアとして、貴社でクラウドセキュリティの分野への、専門性を高めていきたいと考えています。
具体的には、今後3年以内にセキュリティ関連の資格を習得し、セキュリティ監査の改善に貢献したいです。
長期的な展望としては、セキュリティに関する深い知識と経験を活かし、チームを率いてより大きなプロジェクトを成功させ、最終的には貴社のセキュリティ体制を世界トップレベルに引き上げる一員になりたいと考えています。
ポイント
「キャリアプラン」などの、今後の目標を図る目的の質問は、将来性や大局観を図る目的で設けられています。
そのため、漠然とした回答ではなく、具体的な目標やそのための戦略を示すことが重要です。
価値観系
・セキュリティエンジニアの役割、必要性をどう考えますか?
【回答例】
セキュリティエンジニアは、企業のデジタル資産を保護する砦のような存在だと考えています。
日々進化するサイバー攻撃からシステムやデータを防御し、万が一の事態に備えた対策を講じることが不可欠です。
特に、近年ではクラウドサービスの利用がますます広がる中で、クラウドセキュリティの重要性も高まっており、セキュリティエンジニアの役割はますます大きくなると感じています。
具体的には、脆弱性診断、侵入検知システムの構築、インシデント対応など、多岐にわたる業務を通じて、企業のセキュリティレベル向上に貢献できます。
また、新しい技術や脅威に常にアンテナを張り、最新の知識を習得することも重要です。
ポイント
これらの質問は、セキュリティに対する理解度や、セキュリティの重要性をどのように捉えているかを図る目的で設けられています。
そのため、単に「重要です」と答えるのではなく、具体的な事例を交えながら、あなたの考えを明確に伝えましょう。
・直近のセキュリティに関する話題に対するあなたの考えを聞かせてください。
【回答例】
近年、生成AIによるディープフェイクの増加が大きな問題となっています。
ディープフェイクは、個人の名誉毀損や政治的な混乱を引き起こす可能性があり、社会全体への影響は計り知れません。
技術的な対策としては、ディープフェイク検知AIの開発や、画像・動画のメタデータ管理の強化などが考えられます。
しかし、ディープフェイク対策は、技術的な問題だけでなく、法的な側面や倫理的な側面も考慮する必要があります。
企業として、ディープフェイク対策を進めるためには、まず、従業員への教育が重要です。ディープフェイクを見分けるための知識を身につけ、不審な情報には安易に飛びつかないようにする必要があります。
また、社内の情報システムにセキュリティ対策を施し、機密情報の漏洩を防ぐことも重要です。
今後、ディープフェイク問題はますます深刻化する可能性があります。
私は、ディープフェイク検知技術の研究開発に貢献し、より安全な社会の実現に貢献したいと考えています。
ポイント
この質問は、あなたのセキュリティに関する知識の深さだけでなく、常に新しい技術や脅威に目を光らせているか、そしてそれらに対してどのように考えているかを評価するためのものです。
そのため、適切な話題を選ぶとともに、これに対する自分の見解を率直かつ明確に述べることが重要だと言えるでしょう。また、回答を行う際には技術的な側面とビジネス的な側面の両方を考慮することも同様に重要です。
まとめ
当記事では、セキュリティエンジニア職を志望する方に向けて、セキュリティエンジニアとはどのような職業なのか、また、セキュリティエンジニア職の選考で、志望動機を問われた際にはどう答えればいいのかなど、セキュリティエンジニア職を志望する方にとって欠かせない情報をご紹介しました。
セキュリティエンジニアは、ITシステムやネットワークの安全を確保するために、脅威の分析や防御策の設計・実装を行う職業です。
情報化社会が進展する中で、企業や個人のデータを保護することの重要性はますます高まっており、セキュリティエンジニアの役割は非常に重要です。
彼らは、日々進化するサイバー攻撃に対応し、システムを守るための最前線で活動しています。
この職業は、技術力と創造力を駆使して挑戦的な問題を解決することに喜びを感じる方にとって、非常にやりがいのある仕事です。
セキュリティエンジニア職を志望する際に、選考プロセスで問われる「志望動機」は、採用担当者にあなたの意欲や適性を伝える重要な機会です。
ここでは、自分がなぜセキュリティエンジニアを志望するのか、その理由を明確にし、具体的な経験や学びと結びつけることが重要です。
たとえば、「学生時代にセキュリティに関するプロジェクトに取り組んだ経験から、サイバーセキュリティの重要性を実感し、この分野で貢献したいと思いました」といった形で、志望動機を具体的に述べると良いでしょう。
当サイトでは、当記事の他にも、就職活動を行う方にとって役立つ記事を多数公開しています。
中には、セキュリティエンジニア職を志望するあなたにとって、役立つ記事もあるかと思いますので、当記事と合わせて、ぜひ、ご活用いただければ幸いです。