IT業界への志望動機・求める人物像の解説【例文あり】
2024年8月27日更新
はじめに
IT業界は新卒採用でも一定の人気がある業種です。
一言にIT業界と言っても、数千人を擁する大企業もあれば、数十名の少数精鋭の企業もあり、幅広い業界や業種に挑む企業もあれば、ある特定分野に特化する企業など、さまざま存在します。
一方で、IT業界の多くは一般消費者と接することがない会社がほとんどですので「そもそも何をやっているのか?」「自分に適性があるのだろうか?」と考える就活生もいるでしょう。
本記事は、以下のような人に向けた内容となります。
- IT業界への就職を目指して就職活動や業界研究を始めようとしている人
- まだ具体的な志望業界は決まっておらず、情報収集中の人
- 志望動機を書くにあたっての準備や注意すべき点を知りたい人
ぜひ、最後までお読みいただき、就職活動の手助けとなれば幸いです。
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この記事の結論
この記事の結論から言うと、ITは現代のビジネスや生活には不可欠な存在であり、もはや電気・水道・物流に並ぶ社会インフラであるといえます。
IT業界は、ほかの業界に比べて参入障壁も低く、毎年IT事業者が増え続けているという状況です。
また、新卒採用においては、大学時代に専門教育を受けていなくても入社後からの研修でプロになることのできる導線がしっかり確保されていることも特徴であり、就活生からも人気の業種です。
IT業界において大事な素養は「コミュニケーション能力」「好奇心」「論理的思考」であるといえますので、これらの強みがある人にはぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
次の章より、より詳しくIT業界に関しての情報を紹介していきます。
どうしてIT業界なのか?基本のポイントを解説
一口にIT業界と言っても、その中にはいくつか細分化される部分があります。
25~26年新卒向けに業界別志望度・関心度ランキングでは、IT・ソフトウェア・情報処理業界は、マスコミや商社などを差し置いて全体の30%近くに関心があるという結果が出ました。
そもそも、どうしてIT業界に注目が集まっているのか?という基本的な面を捉えておきましょう。
IT業界にそれほど興味がなかった方には、新たに興味を持ち始めるきっかけとなるかもしれませんので、ぜひそういった方にも一読していただきたい内容となります。
新卒学生の人気業界に関しては、以下の記事もあわせてご覧ください。
ITは現代のビジネスや生活から切り離せないインフラとなっている
いまはどのような業界に入ってもITに無縁ということはまずありえません。
メーカーはもちろん、商社、金融、食品、サービス業など、どの業界にも必ずITが存在します。
教育機関や政府も当然ITを積極的に取り入れていますし、農業や畜産業ですら現在はITを駆使した経営が進んでいます。
一般消費者にとっても、インターネットやスマートフォンはもはや生活の一部となっている方がほとんどでしょう。
いまでは電気・水道・物流と同じレベルで、ITがインフラとして機能しているといえます。
インフラは一度作れば放置してよいものではなく、多くの人によって維持し支えていかなければ崩壊してしまいます。
かつて、ITのなかった時代はありましたが、ITのない時代にもう戻ることはないため、世の中に必ず求められる仕事といえるでしょう。
IT業界に関するさらに詳しい情報はこちらの記事にも記載されています。
未経験からプロになる導線が確保されている
IT業界には、もちろん高い専門性や技術を求められる分野があります。
一方で、学生時代に特別な専攻をしなくても社会人になってから研修や実戦経験を経て一人前のプロになれる人たちがたくさんいるのも特徴です。
文系レベルの数学や日本語を理解できれば、数年程度で通用する知識を得ることができるといえます。
初級のシステムエンジニアであれば、国家資格である「基本情報技術者試験」レベルの知識を持っていれば十分仕事に活かせます。
「基本情報技術者試験」の合格率は概ね50%程度で、ほかの国家資格にくらべても、独学でも十分合格できる難易度です。
もちろん高みを目指せば限りもありませんが、誰でも入りやすい裾野があるという点で、IT業界は人材の獲得しやすさに優れているといえるでしょう。
事業参入しやすく、大小様々な企業が存在し選択肢が広い
ITに関して、会社側に特別な免許は必要ありません。
工場や飲食店のような大規模な設備投資も必須ではありません。
いまは自社で高度なサーバやネットワークを持たなくても、クラウド上のインフラ(AWSやAzureなど)でサーバを構築し、アプリケーション開発が出来る時代です。
そうなると大きなオフィスを持つことなく在宅での業務も可能となるため、参入による障壁はほとんどないと言ってもいいでしょう。
総務省の情報白書によれば、日本国内にあるIT企業は約2万社近くあるといわれ、事業所数もいまなお増加傾向にあります。
老舗の大企業で大きなプロジェクトを可能とするIT事業者もいれば、少人数ながら最先端の技術に取り組み商機を伺うベンチャー・スタートアップ企業も多数存在します。
これから新卒就職をするみなさんにとっては、自分の働き方、働きたい場所などに合わせたIT企業が必ずどこかにあるといっても過言ではないでしょう。
「IT業界」にはどんな仕事がある?
IT業界といっても、ほとんど未経験の人や学生アルバイトでも対応できるような仕事から、高度な研究職まで幅広く存在します。
いまの自分がどんなことができるかだけではなく、将来的にこんな仕事もしてみたいという展望も含めて、いくつか具体的な仕事・職種をご紹介していきます。
システムエンジニア(プログラマー)
IT業界といって、まず思いつく業種がシステムエンジニアです。
狭義にはプログラマーも含まれ、システムエンジニア自身がプログラミングをする場合もあります。
顧客の要求要件に基づいて、システムを設計・提案し、それを具体化し、納品することが仕事です。
数日で終わるような仕事から、数百人が数年かけて対応するような大プロジェクトになる場合もあります。
パソコンを使ったソフトウエアの開発だけではなく、スマートフォン・タブレット向けのアプリ開発、家電や工場で動くロボットなどを制御するマイクロコンピューターを開発する組込系エンジニアなど、さらに細分化されていきます。
Webエンジニア(デザイナー・ディレクター)
近年需要が高いのは、Webに特化したシステムエンジニアです。
また、Webサイトの見た目については、人間の直感に基づいた設計やデザインも必要となり、センスの良さや流行の把握といった部分も求められています。
大まかには、画面部分のデザインや使用感を設計するフロントエンド、画面上には見えない計算や処理などのプログラミング部分を構築するバックエンドの2種類のエンジニアで構成されます。
フロントエンドとバックエンドの両方をこなせる技術者もいます。
セールスエンジニア
簡単にいえば営業職ですが、物を売り込むというよりも、すでに導入済みのシステムに対する保守やサポートなどといった、技術面で顧客の窓口となる役割のほうが重要視されます。
キャリアプランとして、システムエンジニアからセールスエンジニアになる場合(営業能力を後で身につける)と、営業職からセールスエンジニアになる場合(IT技術を後で身につける)があります。
ITコンサルタント(シンクタンク)
会社の経営層など意思決定者とともに、IT戦略を専門の立場で提言する仕事です。
会社が持っている課題や問題についてITによる解決が可能な部分を明確にし、それらを解決することのできる製品やIT事業者を仲介する役割を持ちます。
ITの具体的な技術よりも、問題を具体的に把握し、顧客側に無理のない予算感で調整・調達できるかといったコンサルタント業務寄りです。
新卒採用をしているケースはあるものの、採用難易度も高く、入社後に求められるスキル水準も業界の中では極めて高いといえるでしょう。
インフラエンジニア・ネットワークエンジニア
オフィス内のパソコンやサーバ、ネットワーク機器を構築する仕事です。
物理機器の調達から機器の設定を行い、不具合発生時には原因究明や解決を行うといったIT機器に関する専門職です。
システムエンジニア事業を主とするシステムインテグレーター(SIer)では、会社の一部門で存在することがほとんどですが、専業としている会社もあります。
近年は、物理インフラだけではなく、主にAWS(Amazon Web Service)やMicrosoft Azureといったクラウド上の環境を構築する技術者の需要が高まっています。
システムエンジニアが兼任している場合もありますが、知識としてはシステムエンジニアの領域とは全くの別物です。
データサイエンティスト・研究開発
近年ビッグデータやAIによる深層学習といった大規模な情報を分析することで、ビジネスへと応用をする技術者も重要視されています。
データサイエンティストの大元は統計学を研究する技術者です。
これらの研究にはITの運用が不可欠であり、またデータサイエンティストが導き出した課題の解決にもITが必須となるので、近年はIT技術者の枠組みで紹介されるケースがあります。
データサイエンティストは統計学とITの組み合わせですが、それら含めた最先端のITを学術的・研究開発的に取り組む事業者もいます。
このジャンルは、新卒募集があったとしても特定の専攻出身の学生に限定される場合がほとんどですが、こういったキャリアプランがあることも認識しておくとよいでしょう。
その他
ほかにも、サイバー攻撃から企業のIT資産を守ることを専門とするセキュリティエンジニア、生成AIを駆使したビジネスを展開するエンジニアなどがあります。
時代や新しいITの仕組みに合わせた仕事がさまざま生み出されるのが特徴といえます。
こうした新しい分野の仕事が誕生したときは、IT業務の経験がある人だけではなく、全くの未経験や違う業界からチャレンジしてもビジネスとして成功する例があります。
IT業界で求められる人物像
ここでは、IT業界で求められている人物像、必要とされている適性について紹介します。
もし自分に強みのある部分だと感じていれば、ぜひこの部分を明確に押し出す自己PRをしてみると良いでしょう。
就活で求められる印象的な個性について、以下の記事でご紹介していますので、ぜひあわせてお読みください。
コミュニケーション能力
IT業界では、ITスキルの高さを求められるのではないかと考える人もいるかもしれませんが、どちらかといえば、コミュニケーション能力の高さのほうが必要な素養です。
IT業務の多くはチームワークとなります。
顧客が具体的にイメージできていない課題や問題を分析し、わかりやすい目標へ落とし込むという能力には、コミュニケーションが欠かせません。
コミュニケーションとは双方向のやりとりです。
相手が何を伝えたいかをしっかり聞き、提案し、認識のズレがあれば方向を立て直していく、という地道な積み重ねができるかどうかが求められます。
そういった経験を踏まえた自己PRができると、IT業界ではどのような会社でも好感度は高くなりそうです。
好奇心
IT業界で用いられる技術は、良くも悪くも流行り廃りが多いです。
何らかの技術について勉強したとしても、ビジネスに応用できない場合や、使えたとしても数年後には別の技術に置き換わっているということも良くあります。
どんな技術でも貪欲に勉強する努力家というのも重要な素養です。
しかし、どちらかといえば「新しいものに常に興味がある」という好奇心のほうが重要かもしれません。
必要に駆られて勉強しなければ…より、面白そう、自分で調べてみたいと無意識に動ける人は、IT業界では極めて強いです。
さらにいえば「知っている」だけではなく、「自分で何かやってみる」まで踏み込める好奇心まであればより良いです。
知っているだけでは自己PRになりませんが、踏み込んで何かやってみたということは立派な経験であり、その行動は自己PRにも活かしていけるでしょう。
触ってみた結果、失敗していても大事な成果です。
論理的思考(ロジカルシンキング)ができる、段取り力がある
論理的思考というとちょっと難しく聞こえるかもしれません。
簡単な例をあげれば、事前に計画できるか、計画に対して想定外のことが起こることもあらかじめ予見し準備ができるかどうかといった、一連の冷静な行動ができる人です。
システムの設計だけではなく、プロジェクトの構築、あるいは単に仕事の進め方も論理的にできているかで成功率は大きく変わってきます。
ほかにも物事の優先順位をつける、家計簿をつけてお金の管理をしている、友達やサークルの仲間とイベントを計画するといった場面、つまり、段取りする力が役に立ちます。
これも、成功すればよりよいですが、結果失敗していても、そこから何を学んだかまでセットで考えられれば、立派な自己PRになるでしょう。
IT業界の志望動機の良い例と悪い例
これから実際に就職活動するにあたり、志望動機を考えていく必要があります。
IT業界の多くは一般消費者と接することのないBtoB企業がほとんどですので、多くの企業の名前や仕事ぶりは就職活動を通じて知ることがほとんどでしょう。
いままでの生活になじみが薄い分、志望動機が思いつきにくいかもしれないので、いくつかのアイデアと、具体的な良い例・悪い例をご紹介します。
志望理由について、もっと詳しくアイディアが必要という方は、以下の記事も参考にしてみてください。
業界研究は、会社Webサイトを隅々まで見る
ちゃんとしたITの会社であれば、当然Webサイトもしっかりしたものを用意しています。
ただし、HR TechやERPなど、BtoB専門のシステムを取り扱っている場合、サービス概要ページは専門用語ばかりでわかりにくいケースもあるでしょう。
まず、採用ページを探してください。
よりわかりやすく、働き方やどのような部門があるかを説明していることがあります。
IT企業に限らず、応募したいと思った企業のWebサイトはしっかり見ることをおすすめします。
上場企業のIR情報を見る
IT業界には数多くの上場企業があります。
これはIT業界に限らず、就職したいと考えている業界にいる上場企業のIR情報はぜひ見ておきましょう。
なぜなら、IR情報には会社にとって、社員や顧客と同じくらい大事な関係者である、投資家に向けた詳しい情報が掲載されているからです。
特に注目すべきは「有価証券報告書」となります。
有価証券報告書は、上場企業であれば毎年必ず内閣総理大臣に提出しなければならない書類です。
虚偽記載に対しては法律上の罰則規定が定められているくらいに、極めて正確な一次情報となっています。
有価証券報告書にはその事業の経理報告だけではなく、現在の事業業況、事業継続上のリスクや将来の展望まで詳しく書かれており、業界研究にも非常に役立つでしょう。
志望動機の例
最後に、志望動機について、悪い例と良い例をご紹介します。
<悪い例>
私はITを使うことで新しい価値を世の中に提供していきたいと考えています。
貴社の提供するアプリケーション●●は大学の頃にゼミでも活用していて、とても良いものだと思っていました。
●●をもっと世の中に普及させるための役に立てればと考えています。
典型的な悪い例として志望動機がその会社の紹介文に沿っているだけ、その会社の製品サービスを知っていたとしても、それに対しての感想となっているだけのケースです。
顧客としてはありがたいかもしれませんが、企業研究や業界研究だけで止まっているため採用としての判断ができません。
「なぜその会社を選んだのか」「なぜ自分がこの会社に必要と考えるのか」は、企業は知りたがっているのです。
<良い例>
私の好奇心とやり遂げる力を、御社の中でも発揮できればと考えています。
御社では企業DXへの取り組みを重視しており、DXにあたっては、既存の仕組みからの改革が必要だと伺っています。
私は新しいことに興味をもち、いままでどうだったかではなく、これからどうしたいかという目線でゼミ研究を進めてきました。
うまくいったことも、いかなかったこともありましたが、常に前に進むことが大事だと学びました。
こうした私の好奇心とDXの取り組みに「いままでより、これからどうしたいか」を常に問い続けていくことで、世の中を良くしていきたいと考えています。
応募したい会社には、何かしらの社会的使命をしっかりと掲げています。
それが何であるかのヒントは、企業理念、会社代表からのメッセージ、採用ページの人事担当者のあいさつ、現役社員のインタビューなどにあるといえます。
会社がどうありたいかという展望に対し、自分のどういった特性と一致し、その会社でどう活躍できるか、その根拠が大学時代のエピソードにどう絡んでくるか。
これらの要素を、自然な流れで志望動機に組み込むことができれば、説得力を持っていきます。
もっとこの人の話を聞いてみたい、この人と働くことで組織が成長できると思える内容に結び付けていくことが大切です。
まとめ
IT業界はいまでは大事な社会インフラともいえる重要な社会的な役割を持っており、常に人材を必要としています。
ほかの事業と違い、比較的業界への参入障壁が低いことで、数千人の従業員を抱える大企業もあれば、数名の少数精鋭でニッチな分野に切り込んでいく会社も存在します。
これだけ多くの会社があるので、あなたが働きたいと思えるような魅力ある仕事や環境、あるいは地域に、必ずIT企業はあるはずです。
ぜひ探し出して、自分にあった会社を見つけてみましょう。
本内容が、皆さんの就職活動の役に立つことを願っています。