【企業分析】日鉄物産の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024年6月20日更新
はじめに
日鉄物産は2013年10月に日鐵商事と住金物産が統合して誕生した商社です。
統合によって強化された強みを駆使し、総合商社でも専門商社でもない独自「複合専業商社」として鉄鋼・産機インフラ・食糧・繊維の4つのコア事業を展開しています。
今回は、そんな日鉄物産の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
日鉄物産への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っていますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 日鉄物産の仕事内容が気になる
- 日鉄物産の就職難易度を知りたい
- 日鉄物産の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、商社業界以外の業界については以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
上京を志す地方学生ならジョーカツ!
あなたのキャリアを加速させるチャンス!
無料で利用できる快適な個室シェアハウス、
東京までの交通費サポート付き
首都圏の注目企業への就活ならジョーカツ
首都圏の学生ならスタキャリ!
理想のキャリアを実現へと導く第一歩!
あなたにピッタリのキャリアアドバイザーを選び、
自分にマッチする優良企業をご紹介
首都圏企業のES添削から面接対策まで、就活ならスタキャリ
この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、日鉄物産の就職難易度は標準~やや高いと言えます。
入社が難しい有名企業ランキングなどには掲載されていませんが、商社全般は就活生からも人気が高く競争率が高いことが予測されます。
同社は早慶などハイレベルな大学だけでなく、地方大学や日東駒専・産近甲龍レベルも少なからず採用しているようです。
このように同社はさまざまな偏差値帯の大学から採用実績もあるため、対策さえすれば平等にチャンスがあるでしょう。
入社後には新入社員のOJT指導や、新卒総合職全員による新入社員短期海外研修などスキルアップのための施策が充実しています。
次の章からは各内容やその他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。
日鉄物産について
出典元 公式サイト
会社概要
日鉄物産は2013年10月に日鐵商事と住金物産が統合して誕生した商社です。
統合によって強化された強みを駆使し、総合商社でも専門商社でもない独自「複合専業商社」として鉄鋼・産機インフラ・食糧・繊維の4つのコア事業を展開しています。
2018年4月には三井物産から鉄鋼事業の一部を譲り受け、さらにグローバルネットワークの拡大、収益基盤の強化を実現しました。
現在は国内31ヵ所、海外18ヵ国33都市の拠点を有しており、世界を舞台にしたビジネスを展開しています。
同社ではグローバル対応力の強化に力を入れており、海外語学留学と実務研修で2年間海外渡航が可能な「海外チャレンジ制度」などが用意されているのも魅力のひとつ。
どんなに規模が大きくなっても現場主義を徹底しているのが特徴で、社員1人ひとりがプロフェッショナルとなり活躍・成長を続けられる企業です。
各事業別の売上規模
日鉄物産の2023年度の第3四半期の総売上高は16兆4,150億3,000万円で、純利益は2,866億1,000万円でした。
この売上は鋼材価格が前年同期に比べ上昇したことや、事業環境のコロナ禍からの回復などによるものです。
それぞれの事業分野での売上高は以下の通りです。
- 鉄鋼事業:売上高は1.9兆円で18.9%増。経常利益は437億円で、1.2%増となりました。
- 産機・インフラ事業:売上高は1041億円で、15.8%%増。経常利益は19.9億円で、6.2%減となりました。
- 食糧事業:売上高は1224億円で、15%増。経常利益は24.4億円で、17.4%減となりました。
- 繊維事業:売上高は114億円で、84.9%減。経常利益は31億円で686.7%増となりました。
各事業セグメントの解説
日鉄物産の主な事業概要を紹介します。
事業部門 | 活動内容 |
鉄鋼事業 | 日本製鉄グループの中核商社として、鉄鋼原料の調達から製品納入までの総合的なサービスを提供 |
産機・インフラ事業 | 産業機械事業、インフラ事業、マテリアル事業など急成長中の事業分野・商品を展開 |
食糧事業 | 輸入食肉のパイオニアとしての実績をベースにした、安心・安全かつ高品質な食材・食品の開発輸入 |
繊維事業 | アパレルメーカー向けOEM生産を主軸に、素材の開発から製品の企画・生産・物流までを一貫して手掛けるメーカー型商社の機能を強化 |
日鉄物産はこの通り、「衣食住」にわたり多角的に社会貢献する複合専業商社です。
そんな同社は1人ひとりの社員にスポットライトをあててみると「その道では負けない」プロフェッショナルとして、誇りをもって働いています。
同社はさまざまな顧客のニーズに応えるべく、強みのひとつである「加工メーカー型機能」を発揮しながらも、商社業務のデジタル化による「ロジスティック機能」や「情報機能・オーガナイズ機能」の高度化を図っています。
さらに資金と人財を投入し「事業開発・経営機能」を強化し、トータルソリューションを提供しているのが大きな強みと言えるでしょう。
日鉄物産で働いている社員は?
平均勤続年数は?
日鉄物産の平均勤続年数は、2023年3月31日時点で16.3年です。
総合商社などの商社の平均勤続年数は、18.4~18.5年程度のため、業界全体としてはやや短めとなっています。
日本人の平均勤続年数は12.1年であることを考慮すると、比較的安定して働ける職場と言えるでしょう。
平均年収は?
有価証券報告書によると、2023年3月期の平均年収は737万円です。
2022年の日本の平均年収は458万円のため、業界全体よりも高い年収となっています。
平均残業時間は?
日鉄物産の平均残業時間は、月26.5時間程度です。
同社では社員が意欲的に働き続け、仕事もプライベートも充実できるようにワークライフバランス促進に取り組んでいます。
平均ボーナス額は?
日鉄物産のボーナス額は133万円です。
ボーナスは年に2回、4~5ヶ月分が支給されます。
どんな文化なの?
日鉄物産では成長に対して貪欲な体育会系の社風があります。
社員の中には「営業パーソンとして誰にも負けない力をつけていきたい」「誰にも負けない存在になりたい」など成長に貪欲な声もあります。
また、後輩に向けて先輩社員が勉強会を開いてくれたり、社員寮の仲間で頻繁に勉強会が開かれたりと、成長に向けて社員同士支え合いながら努力しているそうです。
同社は仕事の中で圧倒的に成長したい学生にぴったりの企業と言えるでしょう。
エントリーシートや面接では、同社の社風にマッチした人材であることをガクチカなどの経験からアピールできるように準備してください。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
日鉄物産の立ち位置をご紹介します。
他社との売上高を比較すると、日鉄物産は商社の中では入社難易度が低いものの、全体的には入社へのハードルが高い企業だと言えるでしょう。
日鉄物産は同業界の中でも、強みが多い企業です。
ここでは、日鉄物産ならではの大きなポイントを解説します。
- 国内31ヵ所、海外18ヶ国33都市の拠点
- 株主企業のノウハウを活かせる
以上の要素により、日鉄物産の入社難易度は高いと考えられます。
参考までに競合との比較情報もまとめてみたので、ご紹介します。
会社名 | 売上高(2023年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
日鉄物産 | 2兆1,342億円 | 737万円 | 58 | 成長に対して貪欲な体育会系の社風がある |
メタルワン | 2兆3,962億円 | 713万円 | 58 | 入社1年目からさまざまな仕事を任せてもらえる |
伊藤忠丸紅鉄鋼(MISI) | 1兆8,827億円 | 858万円 | 60 | 業界の中でもワークライフバランスが保ちやすい |
JFE商事 | 5兆1,602億円 | 712万円 | 62 | チームワークがある |
阪和興業 | 2兆7,000億円 | 884万円 | 59 | 社内外を問わないコミュニケーションが盛ん |
売上や平均年収を競合と比較してみると、商社の中では平均値であることが推測できます。
人気企業がゆえに多くの学生がエントリーすることが予想されるため、採用フローや求める人材などの情報をしっかりチェックして対策に臨みましょう。
日鉄物産の新卒募集要項について
以下に、日鉄物産の新卒募集要項についてまとめました。
同社では社員が意欲的に働き、仕事もプライベートもともに充実させられるようにワーク・ライフ・バランス促進の取り組みに積極的です。
例えば女性の産休取得率100%はもちろん、同社では男性育休100%企業宣言も行っています。
激務と言われる商社ですが、ライフワークバランスの整った環境で働けるようにさまざまな取り組みを行っているのが同社の福利厚生面での強みと言えるでしょう。
勤務地は国内および海外の各事業拠点で、初期配属地は東京本社、大阪支社、名古屋支店、九州支店のいずれかとなります。
各項目 | 詳細 |
---|---|
職種 | 総合職 |
給与 | 260,000円 |
賞与 | 年2回(6月・12月) |
研修制度 |
|
福利厚生 |
|
求める人材
日鉄物産に就職したい学生は、どのような人物を求めているかについても理解する必要があります。
以下では、日鉄物産が求める人物像を解説していきます。
日鉄物産の新卒採用ページで紹介されている日鉄物産採用チームのメッセージを見てみましょう。
日鉄物産は日本製鉄グループの真の中核商社として、新たなステージに進みました。
多種多様な商材・商流で生活基盤を根底から支え、ビジネス領域の拡大は海外のみならず、
まだまだ国内にもポテンシャルがあります。
そのような中、私たち採用担当が大事にしている考えは、
皆さんに対し真摯な姿勢で接しリアルを伝えることです。
様々な個性を受け入れ、尊重し、強みにしていく日鉄物産では、
一人一人が挑戦し成長できるステージが待っています。
皆さんにはそれぞれが持つ個性を武器に
「この道では、誰にも負けない」と言えるような道を
一歩一歩切り拓いていってほしいなと思います。
日鉄物産|採用チームメッセージ
以上のことから、日鉄物産では異なる価値観を持つ人達と円滑に仕事を進めるためのチームワークや協調性がある人材を求めていることが考えられます。
また「この道では、誰にも負けない」と胸を張って言えるようなプロとしての側面を見せられるエピソードも用意しておくと良いでしょう。
新卒採用のフロー
日鉄物産の選考は、下記の通りの選考フローとなっています。
面接では志望動機などのスタンダードな質問のほかにも、人柄をチェックする質問や少しひねくれた質問が多いのが特徴です。
選考対策として、入社意欲や将来のプランが明確であるかどうかが重視されます。
今後のキャリアを形成していく上で必須事項なので、しっかり対策をしておきましょう。
①新卒エントリー
マイナビやリクナビにアクセスし、日鉄物産の新卒エントリーボタンから必要事項を入力し、登録します。
②エントリーシート提出
エントリーが完了したら、次はエントリーシートの記入に移ります。
質問項目は以下の通りです。
- 学業(ゼミ、研究室など)で取り組んだ内容
- アルバイト経験について
- 長期インターンシップの経験について
- ガクチカ
- 趣味/特技
- あなたの強みと弱み
- これまで力を入れてきた活動から学んだこと
- 経験した挫折について
- 当社の行動指針である「挑戦・成長・信頼・ボーダレス」に即してあなたがこれまでに体現したこと、これから実現したい事について
- 商社を志望する理由と、その上でなぜ当社に興味を持ったのかについて
志望動機にはなぜ商社なのか、なぜ日鉄物産なのかを書いて志望度の高さをアピールしましょう。
ここでの内容が面接でも用いられるので、すべての質問で整合性と一貫性を保って記入する必要があります。
また、文字の見やすさや結論ファーストの論理性がある書き方ができているかも合わせてチェックしておきましょう。
一読して分かるような文章にするため、エントリーシートを友人に読んでもらったり、ゼミの先輩に添削をしてもらったりと第三者からのアドバイスをもらうのがおすすめです。
③WEBテスト
続いて自宅にてWEBテストを受検します。
形式はSPIで内容は言語・非言語・性格の分野です。
所要時間は1時間程度で、難易度は普通と言われています。
WEBテストで落とされる学生は少なく、ネガティブチェック程度の位置づけにすぎない可能性があります。
しかし制限時間が厳しく高度な時間管理スキルが必要になるため、油断は禁物です。
④録画面接
自宅で撮影する、所要時間3分の録画面接があります。
内容は「自己紹介」と「お気に入り」について時間制限なしで回答します。
具体的な選考倍率は不明ですが、この録画面接で人数の絞り込みをしていると証言した社員もいることから、選考前半の鬼門と言えるでしょう。
「挑戦・成長・信頼・ボーダレス」など行動指針と結びつけながら、ハキハキと話すことを意識してください。
⑤グループ面接
社員2名学生2名、所要時間1時間程度のグループ面接が行われます。
日鉄物産のグループ面接で実際に問われた内容を見てみましょう。
- 自己紹介
- 志望動機
- アルバイト経験について
- 自身の強み・弱み
- 逆質問
アルバイト経験について重点的に聞かれたため、エントリーシートと同様に学生の性格を把握し、日鉄物産とのマッチ度を測る選考だと考えられます。
2名のうち1名がふるいに落とされるので、コミュニケ―ション能力や臨機応変に対応できるアドリブ力をアピールするのが有効です。
⑥面接
最終面接は社員5名に対して学生1名、所要時間45分程度の個人面接が行われます。
質問内容はアルバイトで経験した困難、ゼミについて、自身の強み・弱みなどで、穏やかな雰囲気で進むようです。
1ヶ月結果を待たされることや面接官が5人もいることなどから、じっくりと内定者を選んでおり、最終選考の倍率はきわめて高いと考えられます。
特にゼミについての深掘りが難所であり「研究内容を活かして、会社にどう貢献できるか」「日本はこれからどうなると思うか」など、社会人目線の質問が多いようです。
一貫性を持たせた回答をするために、以上の質問については事前に内容を考えておくと良いでしょう。
以下のページも確認しておき、ぜひ内定を勝ち取ってください。
⑦内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
内定者数は10人程度です。
採用大学
日鉄物産の採用大学実績は以下の通りです。
青山学院大学、大阪大学、関西大学、慶應義塾大学、神戸大学、国際基督教大学、上智大学、成蹊大学、東京外国語大学、同志社大学、法政大学、北海道大学、三重大学、宮崎公立大学、明治大学、横浜国立大学、立教大学、立命館APU、早稲田大学 |
就職人気ランキングでも上位に入るほどの人気商社の新卒採用は偏差値や出身大学で決まるだろうと考える学生は多いでしょう。
しかし実際、日鉄物産では関関同立やMARCH以下の偏差値帯の大学からも採用しているため、学歴フィルターはないと考えられます。
そのため、学歴に自信がなくてもエントリーシートや面接の対策をすれば内定獲得の可能性は十分あります。
また職種によって応募可能な学部が異なるため、自分が希望する職種がエントリーできるかどうかも合わせてチェックしておきましょう。
今回の企業分析を参考にして、しっかりとエントリーシート・面接対策に役立ててください。
就職偏差値・難易度
それではここまでの内容を踏まえて、日鉄物産の就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は標準~やや高いと言えます。
その理由として以下の2点が挙げられます。
- 商社全般は就活生からも人気が高く競争率が高い
- 日鐵商事と住金物産が統合して誕生し、各企業の強みを活かせる事業形態で売上も堅実に伸びている
上記の観点から、日鉄物産への内定を狙うためには万全の対策が必要です。
頻出質問であるガクチカや志望動機などの内容をまとめて、しっかり準備しておきましょう。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
まとめ
日鉄物産は2013年10月に日鐵商事と住金物産が統合して誕生した商社です。
統合によって強化された強みを駆使し、総合商社でも専門商社でもない独自「複合専業商社」として鉄鋼・産機インフラ・食糧・繊維の4つのコア事業を展開しています。
就職難易度は標準からやや高いと予想され、企業研究や自己分析を徹底すれば内定獲得も狙えるはずです。
オリジナリティーがある面接官の記憶に残りやすい印象的な受け答えを準備しましょう。
本記事を参考にして、ぜひ企業研究の一環として役立ててください。