ベンチャー企業就職のデメリットと知っておくべき6つのリスク
2024年8月27日更新
ベンチャー企業への就職。
華々しい成功物語や急成長の可能性に、心惹かれる就活生も多いのではないでしょうか。
確かに、大きな裁量と挑戦的な環境は魅力的です。
本記事では、ベンチャー就職の陰に潜む6つの主要リスクを徹底解説します。
高給与や急速なキャリアアップの可能性の裏側にある現実をお伝えします。
この記事は、以下のような就活生に向けた内容です。
- ベンチャー企業への就職を検討しているが、リスクを把握したい方
- 大企業とベンチャー企業の違いを詳しく知りたい方
- キャリア選択において、長期的な視点を持ちたい方
ベンチャー企業に興味がある方はもちろん、就職先を検討中の全ての学生の皆さんにとって、貴重な情報源となるはずです。
あなたの人生を左右する重要な決断。
十分な情報を得た上で、最良の選択をしましょう。
また、ベンチャー企業のメリットについては以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
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ベンチャー企業とは?
まず、よくいわれているベンチャーとはどんな形態の企業でなにを目指しており、大企業との違いはどこにあるのでしょうか。
ベンチャー企業は、革新的なアイデアや先端技術を武器に、既存の大企業が手を出しにくい分野で事業を展開します。
高い成長率と柔軟な組織体制が特徴で、日本の経済活性化の担い手として期待されています。
また、事業や市場の流れによっては短期的に急拡大、成長がある場合もあります。
簡単にいうと「新しいことをやって高い成長意欲のある企業」ということですね。
ベンチャー就職のデメリットは?
では、ベンチャー就職にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
一般的にベンチャー就職には裁量がある仕事が早いうちから任されることや、企業によっては給料が大手や中小企業よりもいいことがあげられます。
しかし、デメリットも存在します。
①倒産するリスクがある
ベンチャー企業の最大の弱点は、高い倒産リスクです。
統計によると、日本のベンチャー企業の約70%が5年以内に廃業しています。
大企業の倒産率と比べて著しく高い数字といえるでしょう。
多くのベンチャー企業は、外部からの資金調達や銀行融資に依存しています。
自社で生み出した利益だけでなく、外部資金を元手にサービスや商品を提供する企業が大半です。
市場でサービスや商品が期待通りの売り上げを達成できない場合、資金繰りが悪化します。
結果として、追加融資を受けるか、最悪の場合は廃業を選択せざるを得なくなります。
ベンチャー企業の経営は常に資金ショートのリスクと隣り合わせです。
資金枯渇による倒産は、ベンチャー企業特有の大きな課題となっています。
②福利厚生が整っていない
ベンチャー企業では、福利厚生制度が充実していないことが一般的です。
大手企業で当たり前の社会保険、有給休暇、育児・介護休暇などの制度が整備されていないケースも多く、長期的なキャリアプランを立てる上で大きな障害となる可能性があります。
福利厚生とは、給与以外で従業員に提供されるさまざまな待遇や制度を指します。
具体例として、家賃補助や健康診断の会社負担などが挙げられます。
ベンチャー企業では、福利厚生制度が十分に整備されていないケースが多く見られます。
大企業や中小企業では当たり前とされる待遇が、ベンチャー企業では提供されないことがあります。
福利厚生の不足は、ベンチャー就職の大きなデメリットのひとつといえるでしょう。
ただし、企業によって状況は異なります。
一部の大手企業でも福利厚生が充実していない例もあるため、一概に判断することは難しいでしょう。
就職先を選ぶ際は、各企業の福利厚生制度を個別に確認することが重要です。
③給料が少ないことがある
ベンチャー企業の給与体系は非常に不安定です。
成功している企業では高給を得られる可能性もありますが、多くの場合、特に立ち上げ初期は最低賃金レベルの給与しか支払えないケースも少なくありません。
さらに、業績に応じて給与が大きく変動することも珍しくありません。
ベンチャー企業の給与は変動が大きい傾向があります。
例えば、ある月は20万円の給与を受け取っても、翌月には18万円に減少するケースも珍しくありません。
対照的に、大企業では毎月安定した給与が支払われ、定期的なボーナスも期待できます。
給与の低さと不安定さは、ベンチャー企業就職の重大なデメリットといえるでしょう。
安定した収入を求める就活生にとって、ベンチャー企業の給与体系は大きな懸念事項となり得ます。
④スキルや経験が身につかないことも
ベンチャー企業では、即戦力としての活躍が求められるため、基礎的なビジネススキルを学ぶ機会が限られています。
また、多忙な環境で自己啓発の時間を確保するのも困難です。
結果として、汎用的なスキルが身につかず、キャリアの選択肢が狭まる可能性があります。
ベンチャー企業では、未経験の業務に直面することが多々あります。
しかし、これらの業務をこなすための指導や研修が不十分な場合があります。
多くのベンチャー企業では、上司からの直接指導よりも、自己解決型の業務遂行が求められます。
結果として、基礎的なビジネススキルの習得が困難になる可能性があります。
大手企業や中小企業と比較すると、ベンチャー企業では体系的な研修制度が整っていないケースが多いです。
自己主導型の業務環境下では、スキルや経験の蓄積が個人の能力に大きく依存します。
そして、スキル形成の難しさは、ベンチャー就職の注目すべきデメリットのひとつです。
ただし、個人の適応力や学習能力によって、この課題への対応力は大きく異なります。
自己啓発能力の高い人材にとっては、逆に急成長の機会となる可能性もあります。
⑤社会的な信用が薄い
ベンチャー企業の社会的信用度は、一般的に低いといわざるを得ません。
社会的信用度の薄さは個人のライフプランにも影響を及ぼすでしょう。
例えば、住宅ローンの審査で不利になったり、クレジットカードの発行が困難になったりするケースもあります。
統計によると、ベンチャー企業の多くが創業から3〜10年の間に経営破綻します。高い倒産率は、ベンチャー企業に勤める個人の信用にも影響を及ぼします。
ベンチャー企業勤務者がクレジットカードを申請したり、銀行融資を受けようとしたりする際、審査が厳しくなる傾向があります。
そもそも審査機関は、申請者の収入源となる企業の安定性を重視します。
ベンチャー企業の存続リスクが高いため、個人の信用力も低く評価されがちです。
⑥同期が少ない
ベンチャー企業では、同期入社の社員が少ない傾向が見られます。
新卒採用に積極的でない企業も多く、同期ゼロや一人入社というケースも珍しくありません。
特徴的な人材構成は、さまざまな面で影響をもたらします。
精神的サポートの不足が顕著です。
悩みを共有できる同期の欠如により、職場での孤立感を感じやすい環境となります。
キャリア形成の面でも課題があります。
切磋琢磨する仲間の不在や、経験者からの適切な指導機会の減少により、成長の機会が制限される可能性が高まります。
また、他社員との比較による自己評価が難しく、多様な視点からのフィードバックも不足しがちです。
複数の要因が相まって、個人の成長に影響を与える可能性があります。
社会人生活において、同期との絆や互いを高め合える関係性は重要な要素です。
ベンチャー企業ではそうした環境が整いにくいのが現状です。
ベンチャー就職が向いていない人の特徴は?
では、いま実際にベンチャーへの就職を検討している人の中で「もしかしたら自分には向いていないのかもしれない」と思っている就活生もいると思います。
実際に入社してからでは少し遅いので、先にどんな人が向いていないのかを理解しておく必要があります。
ここからはベンチャーの就職が向いていない人の特徴を解説していきます。
安定した生活を送りたいと考えている人
まず安定した生活を送りたいと考えている人は、ベンチャー就職には向いていないでしょう。
ベンチャー企業の特徴として新しいことにどんどんと挑戦していき、確かにリスクはあるがリターンも大きいという働き方になります。
なので先でも解説したように福利厚生も薄いですし、何より毎月の給料ですら安定しないこともあります。
安定した生活を送りたいと考えている人は、ベンチャー就職には向いていないでしょう。
ワークライフバランスを重視したい人
次にベンチャー就職に向いていない人は、ワークライフバランスを重視したいと考えている人です。
ベンチャー企業では、「ワークイズライフ」という考え方が一般的です。
これは仕事と生活の境界線が曖昧になることを意味します。
長時間労働や休日出勤が常態化し、プライベートの時間が著しく制限される可能性が高いです。
ベンチャー就職のデメリットでも解説しましたが、ベンチャー企業は一般的に社会的な信用が薄くなってしまいます。
将来的に自分の家を購入するときにローンを組みたいと思っても、審査基準に通らず落とされてしまうこともあります。
もし社会的な信用を得て安定的な生活を送りたいと考えている人は、ベンチャー就職には向いていないでしょう。
社会人として基礎から学んでいきたい人
社会人として基礎から学んでいきたいと考えている人は、ベンチャー就職には向いていないでしょう。
というのも大企業や中小企業であれば、新卒の採用は将来的な利益を作ってくれると見込んで、しっかりと教育をしてくれます。
しかし、ベンチャー企業では新卒の段階から一戦力として扱われることが多いです。
もし社会人の基礎から学んでいきたいと思うならば、仕事と並行しながら自分で勉強していくしかありません。
大企業の場合であれば、お金をもらいながら基礎を作ることができると考えると、ベンチャー就職のデメリットでもありますね。
ベンチャーに就職した経験談
べンチャー企業への就職を考える際、実際に働いた人の経験談を聞くことは非常に参考になるでしょう。
ここでは、ベンチャー企業に就職した2名の体験談を紹介します。
【体験談1】
私は当初、大企業志望でした。
その理由は単純に「周りがそうだったから」です。
友人やほかの学生のほとんどが大企業や公務員を目指していたので、私もそうすべきだと思い込んでいました。
しかし、自己分析を深め、日本の企業landscape を広く調査するうちに、大企業以外にも選択肢があることに気づいたのです。
最終的に「自分で意思決定をして仕事をしていきたい」という思いから、ベンチャー企業への就職を決意しました。
入社後の最初の6カ月は、分からないことだらけで多くの仕事を任され、苦労の連続でした。
しかし、徐々に仕事に慣れていくにつれ、楽しさを感じるようになりました。
今では自ら提案し、新しいチャレンジに取り組めています。
【体験談2】
ベンチャー企業で働く中で、この環境が全ての人に適しているわけではないと実感しました。
私のように自主性を重視し、挑戦を楽しめる人にとっては理想的な環境かもしれません。
しかし、そうでない人にとっては、ストレスの多い仕事になってしまう可能性があります。
特に、仕事の優先順位が人生の中で比較的低い人にとっては、ベンチャー企業の環境は適していないかもしれません。
ワークライフバランスを重視する人や、安定性を求める人にとっては、大企業や公務員の方が向いていると痛感しました。
結局のところ、ベンチャー就職の成否は個人の価値観や働き方の希望と、企業の文化や要求とのマッチングにかかっていると感じています。
自己分析と企業研究を十分に行い、自分に合った環境を選ぶことが重要だと学びました。
まとめ
本記事では、ベンチャー企業就職に伴う主要なリスクと課題を詳細に解説しました。
倒産リスク、不安定な給与体系、福利厚生の不足、スキル形成の困難さ、社会的信用の低さ、ワークライフバランスの崩壊、同期・メンター不在など、多岐にわたる課題が存在します。
これらのデメリットは、個人のキャリア形成や生活の安定性に大きな影響を与える可能性があります。
一方で、ベンチャー企業特有の成長機会や自己実現の可能性も無視できません。
就職先としてベンチャー企業を検討する際は、これらのリスクと機会を十分に理解し、自身のキャリアプランや価値観と照らし合わせることが重要です。
個人の適性や志向性によって、ベンチャー企業が理想的な環境となる場合もあれば、大きなストレス要因となる可能性もあるでしょう。
したがって、ベンチャー企業への就職を決断する前に、本記事で解説したデメリットを慎重に吟味し、自己防衛策を講じることが不可欠です。
長期的なキャリア展望と個人の価値観に基づいた、十分な情報に基づく選択が求められます。