【業界研究】ホテル業界は今後どうなる?市場規模と実態について解説

【業界研究】ホテル業界は今後どうなる?市場規模と実態について解説

2020年8月15日更新

はじめに:コロナで苦戦も、少しずつ回復の兆しも

2021年に開催予定である東京オリンピックに際して、

懸念されていたホテル不足、

加えて近年右肩上がりでの増加の一途をたどっていた訪日外国人観光客の存在により、

昨今大きな盛り上がりを見せいたのがホテル業界です。

 

新型コロナウイルスに伴う外出自粛要請、入国規制により大きな影響を被ったものの、

政府主導のGo To Travelキャンペーン事業により、一部のホテルでは7月の4連休で連日満室を記録しており、

国内需要を中心に少しずつ客足は戻りつつあります。

 

観光需要の完全な回復には未だ時間はかかると見込まれていますが、

人類から旅のニーズが消えることはないことから

今後は新しい生活様式に合わせ、

これまでとは違ったやり方が必要になってくると言えるでしょう。

 

本記事では、毎年就活生に人気の業界となっているホテル業界について、

その市場規模や仕組み、

業種ややりがい、有名なホテルチェーンなどについて解説していきます。

 

ホテル業界を目指される方は、

ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

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1.ホテル業界の概況と仕組み

それではまず、

ホテル業界を取り巻く概況について、市場規模と仕組みの面から見ていきましょう。

 

1-1.ホテル業界の市場規模

 

業界動向.SEARCH.COM(平成25年~26年)の調べによると

 

市場規模:9216億円

労働者数:20970人

平均年齢:39.4歳

平均勤続年数:12.8年

平均年収:506万円

となっています。

 

 

2015年に統計されたデータによると、

労働者の平均年収は440万円と言われているため、

平均年収から50万円近く高い年収が見込まれると言えます。

 

また、市場規模の推移について言及すると、

2007年頃から業績は伸び悩み、減少傾向にありましたが、

2012年頃から業績は回復し、現在は成長傾向で推移していました。

 

これは訪日外国人観光客増加による影響が大きかったと見られており、

観光庁の調査によると、

日本人の宿泊者数以上に、外国人の伸びが著しいことが伺えます。

 

これに伴ってホテル数も増加しており、

厚生労働省の「衛生行政報告例」によると

2015年にはホテル施設数は9967(84.6万室)となっており、

2011年より施設数で104、客室数で約3.2万室増えています。

 

2011年2015年
国内ホテル業界の宿泊数4億1723万人5億408万人
日本人宿泊数3億9881万人4億3846万人
外国人宿泊数1842万人6561万人

(出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」)

 

現在は苦しい状況に立たされているホテル業界ですが、

コロナ禍では国内需要の回復後、インバウンド市場への段階的な需要回復が期待されています。

 

 

1-2.ホテル業界の仕組み

 

続いて、ホテル業界の収益モデルについて見ていきます。

 

ホテルや旅館などの宿泊施設が予約を獲得する方法としては、

自社サイトによる直接販売と、

旅行会社・旅行代理店や旅行サイトなどを通して行われる委託販売

2つに分けられます。

 

また最近ではインターネットからの予約が主流になりつつあるため、

ホテルや旅館が委託業者(旅行会社・旅行代理店や旅行サイト)に空室・価格情報の提供を行い、

消費者とのやり取りを委託するという形で委託販売が多くみられます。

 

委託販売はホテル・旅館の手間が省けることや、

ダイナミックパッケージ」と呼ばれ、鉄道や新幹線などの移動手段も旅行商品に含まれていることから消費者にとっても利便性が高く、

今日では利用が広まっています。

2.ホテルの種類

続いて、ホテルの種類について解説します。

 

一口にホテルといっても、複数の種類が存在するため、

本項ではインバウンド顧客もよく利用している次の3種類のホテル、

 

・ビジネスホテル

・シティホテル

・リゾートホテル

 

について解説します。

 

 

2-1.ビジネスホテル

 

出張などのビジネス利用を目的としたホテルであり、

駅の近くなど交通の利便性が良いところに立地しています。

 

 宿泊料金が基本的に安く、リーズナブルな価格設定となっていることが多いです。

 

ビジネス利用のため、

部屋は最低限の簡素な作りとなっている他、素泊まりが基本となっており、

ホテルによっては併設レストランなどの食事設備も付いていない箇所も存在します。

 

具体的な例でいうと、

東横INNやアパホテル、

三井ガーデンホテルや西鉄ホテルなどが代表的であると言えるでしょう。

 

 

2-2.シティホテル

 

その名の通り、

観光地ではなく街中に立地しているホテル全般を指します。

 

利用客はビジネス客の場合もあれば、

交通の利便性を重視した観光客の場合もあり、

 

1泊朝食付きなどの食事付きのパッケージや、

部屋がラグジュアリーな上質空間となっていることも多く、

価格帯は様々です。

 

有名どころでいうと、

ヒルトンやシェラトンなどの外資系が挙げられます。

 

 

2-3.リゾートホテル

 

温泉やメジャーな娯楽施設の近くなどいわゆる観光地に立地しており、

夏季休暇や冬季休暇などの余暇を楽しみに訪れる観光客を対象としたホテルです。

 

調度品にこだわった部屋の内装や、

露店風呂やジャグジー、ジムやカラオケなどの艦内設備が充実しており、

有名レストランが施設内に併設されています。

 

大きく言えば、旅館もリゾートホテルに含まれ、

料金は観光シーズンかどうかによって大きく変動します。

 

3.ホテル業界の大きな特徴

ホテル業界の概況がわかったところで、

続いてホテル業界を目指す上で、把握しておきたい業界の特徴について

 

・幅広いニーズへの対応

・外資系ホテルチェーンの参入

・外的要因に大きく左右される

 

という3つの側面から解説します。

 

 

 

3-1.幅広いニーズへの対応

 

大学の夏休みを使って一人旅や海外旅行に出る若者、

休暇に家族みんなで避暑地に旅行するファミリー、

記念日や新婚旅行などで贅沢に時間を楽しむカップル、

引退後に夫婦水入らずに温泉を楽しむ夫婦など、

「旅行」が娯楽の一つとして定着するに従い、

様々な旅のニーズも生まれるようになりました。

 

そのような中で、「宿泊」という要素を担っているホテルや旅館などは、

旅の印象を決定づける非常に重要な役割を持っているといっても過言ではありません。

 

例えば、日中の観光地やアクティビティは楽しくても、

夜に泊まる場所がボロボロだったり、サービスが良くなければ悪い思い出となってしまい、

総じて旅への総評価も下がってしまいますよね。

 

様々な旅へのニーズは、近年さらに多様化傾向にあるため、

ホテル側は柔軟な対応が求められています。

 

例えば、コロナ禍の現在では、

リモートワーク中のビジネスマンを対象とした「リモートワーク応援プラン」などが広まっていますよね。

 

このように、宿泊施設の提供価値を再定義し、

時代に合わせた対応が、今後さらに重要性を増してくると言えるでしょう。

 

 

 

3-2.外資系ホテルチェーンの参入

 

近年の訪日外国人の急激な増加を受けて、

日本のホテル業界では対応しきれない部分を狙い、

海外ホテルチェーンの参入が著しくなってきました。

 

例えば、大手外資系ホテルチェーンのヒルトングループは、

2021年以降、長崎・沖縄・広島・北海道(札幌)に開業予定となっており、

 

また同じく大手のハイアットグループは、2019年6月2020年1月までの間に

横浜・浦安(千葉)・石川(金沢)京都(京都)・北海道(ニセコ)を新しく開業した他、

再来年の2022年には、静岡県の富士周辺にも開業予定となっています。

 

国内系チェーンと外資系チェーンの攻防は、より激しさを増していくと見込まれていますが、

2018年には森トラストグループと、外資系大手のマリオット・インターナショナルが提携し、

宮古諸島に初の外資系ラグジュアリーブランドホテルを開業するなど両者で手を組むなど新しい試みも生まれており、

今後の動向には注目が集まっています。

 

 

3-3.外的要因に大きく左右される

 

ホテル業界に限らず、観光業界全体にも共通する最大の特徴でもあり、

まさにコロナによって顕在化した側面であると言えるでしょう。

 

東京オリンピックに向けて右肩上がりで訪日外国人客数は増加していましたが、

コロナによって一気にその数は減少し、日本政府観光局によると2020年4月はわずか2,900人に留まっています。

 

また、これによりインバウンド頼みであった傾向も明らかとなりましたが、

訪日外国人観光客の減少による打撃は過去にも前例があり、

日韓・日中関係の冷え込みが厳しくなった年にも同様のことが起こった他、

震災の年には訪日客だけでなく、国内客も大幅に減少しました。

 

さらに、円安になれば観光業界全体が盛り上がりますが、

円高になると旅行業界は盛り下がってしまいます。

 

要するに景気が良ければ業績は上がりやすく、

景気が悪ければ業績は下がるという不安定な業界であるともいえ、

自社とは関係ない外敵要因に大きく左右される業界であることは間違い無いでしょう。

 

 

4.ホテル業界の実態

ホテル業界は、一見すると華やかなイメージがありますが、

実際に働くと大変なこともたくさんあります。

 

どの職種でも同じですが、

仕事を続けていくのには、その業界のマイナス点も知っておかなければなりません。

 

良い面、悪い面をきちんと事前に理解しておくことが重要です。

 

 

4-1.業種によって仕事内容が大きく異なる

 

これはどの業界でも共通していますが、

ホテル業界だからといって、誰もがベルマンやレセプションなどの

宿泊客と直接接点を持つサービス業務を担当するわけではありません。

 

例えば、サービス業務といっても様々な種類があり、

宿泊客の接客や各種対応にあたるホールスタッフ

チェックインやチェックアウトなどの宿泊管理を行うフロントスタッフ

各種サービスを宿泊客に届けるウェイター

客室の掃除やメインテナンスを手掛ける客室係

ブライダルなどイベントの管理、企画を宿泊客と一緒に行うブライダルコーディネーター

そしてホテル全体の管理者である支配人などがサービス業務にあたる仕事です。

 

さらに、サービス業務だけではなく、

時には委託業者と共同で、

法人や団体に向けて旅行プランを提案する営業や、

 

開発はホテルの評価や市場調査などをもとにマーケティングし、

顧客により満足してもらえる魅力あるホテルとすべく

イベントやプラン作成を担当する開発など、

様々な職種が存在します。

 

ただし、ホテルでは現場を知っていなければ何も始まらないため、

新卒の多くの場合、まず現場から始めることになると予想されていますが、

将来のキャリアパスを考える上では、このような業種が存在することを頭に入れておくべきでしょう。

 

 

4-2.休みが不安定

 

ホテルの仕事では休みは基本的に不定期です。

土日祝日など、多くの人が休みになる期間は、

業務も多くなり、忙しくなることがほとんどです。

 

また、夏季や冬季などの長期の休暇もなかなか取ることができません。

 

ホテルの忙しさに合わせて休みとなる場合が多いので

友人や家族と休みが合わずに会えなくなることもありますし、

長期の旅行なども難しくなります。

 

ホテル業界だけではなく、他のサービス業界も同じことが言えますが、

志望する際には周囲からの同意を得られるかどうか、という観点も含めて

視野に入れるように注意しましょう。

 

また、ホテル業界の勤務はシフト制であることが多く、

朝・昼・夜の3交代となります。

 

担当する職場によって異なりますが、勤務時間も不規則であり

長時間労働になることもあるので、ある程度の体力が必要です。

 

 

4-3.クレーム対応の必要性

 

ホテル業務はお客様を相手にする接客が中心です。

人によっては、従業員の対応を不快に感じたり、

サービス内容に満足できずにクレームを言われる場合もあります。

 

そのため、残念ながらクレームへの対応をすることも、

ホテルで働く従業員の重要な仕事のひとつです。

 

すべての人が満足できるようなサービスを提供するのはとても難しく、

同じ対応でも、良いと感じる人もいれば、良くないと思う人もいます。

 

電話や対面でクレームを言われた場合には、

お客様が納得できるように、相手の立場や気持ちに寄り添った上で、

論理的かつ建設的に話をしていかなければなりません。

 

入社直後は、上司や先輩がクレーム対応をしてくれることもありますが、

働いているうちに自分自身で解決していく必要があります。

 

クレームを言う人はサービスに対して嫌な思いを持っているために、

冷静に話をすることも難しい可能性もあります。

 

相手の気分を逆立てしないように、気配りを持ちながら、

納得してもらえるようなスキルも重要です。

 

 

 

4-4.高給料というわけではない

 

ホテル業界の給料は、大手以外では、

他の業界と比較しても高いと言えません

 

勤務時間も長く、休みも不定期のため、

仕事のわりには給料が少ないと感じる場合も往往にしてあるでしょう。

 

ホテルの仕事にやりがいを感じていて、給与額にも満足している問題はありませんが、

仕事内容と給料が見合ってないと感じていると、仕事を続けていくことも難しくなります。

 

ホテルによっては、基本給は少なくても、

残業代が高い場合やボーナスが高い場合などもあります。

 

志望する職場はどのような給与形態なのか、基本給はどのくらいなのかを

事前に確認しておきましょう。

5.ホテル業界の最新動向

 

5-1.民泊へのルール作り

 

「民泊」は一時期ニュースに取り上げられるようになり、利用者が急増しました。一般的に民泊はネットなどの仲介サイトで、その地域の住民が旅行者に、自宅の一室や所有する部屋などを貸し出すというビジネスモデルの一種です。

 

当初はその自由さからトラブルが多く発生していましたが、日本政府は法整備を進めており、今後民泊の利用が増えてくることが予想されています。

 

 

5-2.外国人向けのサービス拡張

 

英語・中国語版のホームページやパンフレットの作成、外国語を話せるスタッフの拡充、日本文化を感じられるイベントの開催、などによって外国人を呼び込もうと工夫するホテルもあります。

また、インドネシアなどイスラム圏の国から日本を訪れる旅行者が増えているのに対応し、「ハラル認証」(イスラム教の戒律で摂取が禁じられている食材を使っていないなど、イスラム法に則って製造されたものであると認めるもの)を取得するホテルも登場しています。

 

 

5-3.高級ホテルの増加

 

日本には富裕層向けの高級ホテルが少ないと言われているため、富裕層顧客をターゲットにした外資系の高級ホテルが、都市部でオープンしています。

需要と供給が噛み合えば大きな利益を上げていく事でしょう。

 

 

6. 就活生のためのホテル業界の研究

最後に、

就活生は押さえておくべき、国内の大手ホテルチェーンについて簡単に紹介します。

 

    株式会社プリンスホテル

https://www.princehotels.co.jp/company/outline/

株式会社プリンスホテルは業界動向リサーチを参考にした売上高ランキング1位である西武グループが運営している企業です。国内外に49のホテルを展開しているグローバル企業でもあり、日本でも最大級のチェーンホテルです。

 

②    リゾートトラスト株式会社

https://www.resorttrust.co.jp/

リゾートホテル・シティーホテルなどを運営している企業です。国内では46ヶ所、ハワイでは1ヶ所のホテルを持ち、国内外で活躍しているグローバル企業でもあります。

 

また売上高ランキングでは

1位、西武ホールディングス

2位、リゾートトラスト

3位、東京急行電鉄

4位、京王電鉄

5位、ホテルオークラ

 

が上位にランクインしています。どこも聞いたことがある有名企業であるので、就活の差異には念入りな業界研究が必要ですね。

 

まとめ

 

今回はホテル業界の基本情報から就活に役に立つ知識や注意点を細かく見ていきました。

観光客の数というのは景気や世界情勢に左右されやすいので、観光業界全体として不安定ということは特に就活に向けておさえていくことなのでぜひ覚えていてください。

 

また英語を含め、中国語、ロシア語などの訪日観光客でよく使われる言語のほかに、近年に訪日観光客で使われ始めている言語もあると思います。

 

英語はもちろんですが、そのほかに日常会話ぐらいの言語スキルを持つ人がホテル業界を含め、観光業界で重宝されつつあります。

 

学生のうちに英語以外の言語スキルを身に着けることも、就活において圧倒的なアドバンテージになると思います。

 

東京オリンピックの流れで、日本のホテル業界はまだまだ成長するので、ホテル業界の就活を考えるときに「おもてなし」の心で観光客を向かえることができる人が成功すると信じています。

 

ホテル業界の就活の際には、本記事を参考に徹底的に業界研究をすることをおすすめします!

 

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就活偏差値はあくまで指標にすぎませんが、

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