【企業分析】小林製薬の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/05/21更新
はじめに
小林製薬株式会社とは、1919年8月に創業された医薬品や医薬部外品などを製造販売する企業です。
現在では芳香剤、衛生材料などの取り扱いもおこなっています。
大阪市中央区に本社を構え、日本の製薬会社のトップクラスとしても知られている企業です。
グループ会社全体として、「“あったらいいな”をカタチにする」というブランドスローガンを掲げながら、国内だけではなく海外へも事業展開をしています。
常に「ニッチ製品」の開発にこだわり続け、特定の人々の困りごとの解決や緩和を重視した商品作りをしているのが特徴です。
より快適な生活と社会での活躍のサポートをするという考え方をしています。
本記事は、小林製薬株式会社への就職を考える就活生に向けた、企業分析を中心とした選考対策の特集です。
小林製薬の選考対策として、事業内容、新卒選考フロー、就職難易度・偏差値などを中心に、内定通過へのポイントについて紹介していきます。
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この記事の結論
小林製薬株式会社は、Bランクに位置する難易度の高い企業です。
採用大学は、関西エリアを中心に全国より幅広い採用実績があります。
学歴フィルターは一切なく、文理隔たりがない採用をしています。
毎年50名程度の採用枠となり、競争率はかなり高くなるでしょう。
2024年に、思わぬトラブルを抱え、今はそのアフターフォローをしながら継続を考えています。
選考対策は、自己分析・企業分析をしながらも、新しい発想で再起に協力できるアイデアを考えておくとよいでしょう。
新卒応募枠は研究・開発職、営業・マーケティング職、財務経理職、社内SE職の4種類です。
採用情報を公式ホームページにてチェック後、マイページ登録もしくはリクナビからプレエントリーしてみましょう。
小林製薬について
出典元
小林製薬HP
会社概要
小林製薬株式会社とは、1919年創業の老舗の製薬会社として知られています。
大阪を拠点としながら、グループ系列の会社は、富山や愛媛、兵庫、仙台、東京などに拡大し、アメリカ、イギリス、中国、台湾、マレーシア、タイ、インドネシア、オーストラリアなどの海外進出も果たしました。
医薬品開発を中心に、オーラルケア、食品、スキンケア、芳香消臭剤、衛生雑貨品、家庭雑貨品、カイロなどのカテゴリーを通じて、153ブランドもの商品を保有しています。
ところが2024年に入り、自社製品である「紅麹」を含んだ食品による健康問題が生じました。
甚大な被害により会社のイメージもややダウンしてはいますが、その後のフォローなどの対応を中心に動いているのが現状です。
各事業別の売上規模
出典元
小林製薬HP
事業セグメント | 売上高(2023年通期) |
国内事業 | 1,304億円(前年比+9.6%) |
国際事業 | 422億円(前年比+9.3%) |
2023年度での小林製薬株式会社の総売上は、過去最高の1,734億円でした。
2022年度の売上高1,662億円と比較すると、約1割ほど伸びたことになるでしょう。
それまでの数年の推移も1,500億円を常に上回る数値で、緩やかな伸び率を示し続けてきました。
各セグメントは「国内事業」「国際事業」といったシンプルな振り分けとなっています。
基盤となっている国内事業は、2024年の紅麹問題によってその後どのような結果を示すのかが注目されるところです。
各事業セグメントの解説
出典元
小林製薬HP
小林製薬株式会社の主な事業セグメントは以下のような内容です。
事業名 | 活動内容 |
国内事業 | 総売上の約8割を占める基幹事業。 医薬品・オーラルケア・食品・芳香消臭剤・衛生雑貨品・家庭雑貨品・スキンケア・カイロなどのカテゴリーにて、約150以上のブランドを製造販売。 |
国際事業 | 米国、中国、東南アジア約15拠点にて、カイロ・額用冷却シート・外用消炎鎮痛剤などを販売。 他に、額用冷却シート、外用消炎鎮痛剤などの製造販売。 |
小林株式会社の各事業セグメントは、2つの区分で展開されています。
国内事業では、この企業の主軸として約8割の規模を占め、売上の基盤としています。
医薬品を中心に医薬部外品や、芳香剤などの生活用品を販売するセグメントです。
取扱製品は150品目を越え、“あったらいいな”のスローガンに基づき、消費者が求めるであろう理想の商品を実現させ続けています。
そのため、市場を創造し新たな需要喚起をする役目を果たし、競合が追いつかないほどスピード開発にこだわっているのが特徴です。
国際授業は、米国、中国、東南アジアをメインとした展開で、主に使い捨てカイロ、額用冷却シート、外用消炎鎮痛剤といった日本特有の製品を普及させる事業です。
海外ではユニークで杞憂な商品をアピールしながら、自社ブランドを国際的にPRしています。
小林製薬で働いている社員は?
ここでは、小林製薬株式会社に勤務している社員の詳細を紹介します。
小林製薬の平均年収、平均勤続年数、平均ボーナス、社風といった側面を深堀りしつつ、小林製薬で働くための基礎情報を、就活生のために提供する内容です。
平均勤続年数
小林製薬の平均勤続年数は12. 7年とされています。
国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」にて、一般企業全体の平均勤続年数が12.4 年とされているため、小林製薬の勤続年数は比較的平均値に近いことがわかります。
平均年収
有価証券報告書によれば、2022年時点での小林製薬の平均年収は733万円とされています。
これは、日本の一般企業平均年収443万円と比較しても、290万円も高い計算です。
収入面に関していえば、小林製薬はかなり高い水準であると考えられます。
平均残業時間
小林製薬の平均残業時間は月16.8時間です。
この数値は公式に公開されています。
ここ数年の数値でも、20時間を上回った残業はおこなっていない方針です。
おそらく、これからも残業時間にはボーダーがかかり低い傾向となっていくでしょう。
平均ボーナス額は?
小林製薬のボーナス平均金額は112万円とされています。
業界平均数値は104万円とされ、比較すると8万円程高い金額です。
製薬会社自体が収入面の充実さを示す中で、小林製薬はさらに高い設定を考えています。
どんな文化なの?
小林製薬は、基本的にはホワイト企業に近い印象があります。
各部署でも有給などの休暇体制が整い、スタッフは十分に活用している様子です。ワークライフバランスとしては、ベターな動きを見せています。
福利厚生に関しても、連休取得、住宅補助など各種揃っていて、女性も働きやすい環境であるといえるでしょう。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
小林製薬の就職偏差値・難易度と業界での立ち位置は、以下のようになります。
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
小林製薬株式会社 | 1,304億円 | 約733万円 | 58 Bランク | 創業100年を越えた老舗ながらワークライフバランスに着手 |
ライオン株式会社 | 3,662億円 | 約680万円 | 59 Bランク | 長い歴史での商品開発力の高さが定評 |
ユニ・チャーム株式会社 | 7,142億円 | 約750万円 | 64 Aランク | 古い体質で体育会系ながら風通しの良さがある |
小林製薬の就職偏差値および難易度は、58でBランクと予想できます。
一般企業の中でも製薬会社やトイレタリーメーカーの就職難易度と採用倍率は、自然と高い傾向です。
MARCH・関関同立レベルの偏差値に該当するものと考えられます。
ほぼ同じ位置に属するのが、ライオン株式会社とユニ・チャーム株式会社の2社です。
偏差値の数値上では、59および64となっています。
製薬やトイレタリーメーカー自体が人気のある職種
小林製薬の新卒採用は難易度がやや高いものと考えてよいでしょう。
しかし、この企業に限ったわけではなく、医薬品や医薬部外品の全業界の傾向です。
毎年の採用人数枠は、50名〜60名程度とされています。
しかし、2024年に入り「紅麹」商品での問題が浮上したことで、今後の影響が大きいと判断できます。
採用に関する事情は不透明ですが、人気が下落する可能性は否めないでしょう。
小林製薬の新卒募集要項について
小林製薬の新卒応募は、自社ホームページにてマイページ登録をすることになります。
他にも、リクナビ2025などの専用ページにてプレエントリーも可能です。
募集している職種は研究・開発職、営業・マーケティング職、財務経理職、社内SE職の4種となっています。
各職種の採用要項の詳細はすべて同一です。
研究・開発職、営業・マーケティング職、財務経理職、社内SE職
職種 | 研究・開発職: 【研究開発】 製品開発における、中身の処方研究。「処方設計」「パフォーマンス評価」「安定性・安全性の検証」「モニター調査」など多岐に渡る。 【技術開発】 製品開発における、容器・包装設計や量産化・スケールアップ業務を担当。容器・包装の素材や形状を考え、製品設計から試作、資材や原料の調達、工場での量産と一連の流れ全般。 営業・マーケティング職: 【営業】 小林製薬の製品のセールスと、市場環境やユーザー情報を基に顧客先や売り場への提案。 【マーケティング】 商品企画とブランド育成。研究開発等の開発部門や営業部門、関係会社と連携。ブランド戦略を構築し、販売・広告プランの立案。 【マーケティングリサーチ】 製品開発やブランド戦略のためのユーザー分析など。研究や技術開発などの他の部署と協力して調査をおこなう。 財務経理職: M&Aなどの投資判断で経営に貢献。財務会計では、会社の決算作成、税金納付の業務を行う。管理会計は、商品ごとの売上や原価などを分析、今後の見通しを作成。 社内SE職: 社内システムの導入やメンテナンス。各部署と協力しながら課題を洗い出し、IT活用での提案や解決。 |
給与 | 大学卒 月給23万5,360円 修士了 月給25万4,200円 博士了 月給26万9,150円 |
賞与 | 年2回(4月・9月) ※年間標準支給:基準給与×6ヵ月 |
勤務形態・福利厚生 | 休日休暇: 完全週休2日制(土日)、祝日 年末年始休暇、夏期休暇(年間休日125日前後) 年次有給休暇、慶弔休暇、リフレッシュ/ファミリーフレンドリー休暇(5年ごとに1~2週間の休暇) 諸手当: 雇用・労災・健康・厚生年金保険 <住宅手当> [賃貸物件]共益費を含む家賃額の50%を支給(上限65,000円) [自己所有物件]22,000円~31,000円を支給 ※但し、賃貸・自己所有共に支給額は居住地および家族構成等による <家族手当> 社会保険上の扶養配偶者19,000円、その他扶養家族8,000円/1人 通勤交通費手当など 福利厚生: 借上寮制度(入社5年目まで自己負担1.5万円で物件を提供)、生命保険・所得補償保険(保険料は会社負担)、財形貯蓄、従業員持株会、退職金(確定給付・確定拠出型)、遺族育英金、健康診断(扶養配偶者含む)、先進医療等補償制度、クラブ活動、禁煙プログラム補助金など 教育制度: 階層別研修、選抜教育、語学学習支援、海外留学制度、通信教育など |
求める人材
小林製薬が求める人材像に関しては、ホームページ採用欄にて掲載されています。
小林製薬では、「ごんたの10か条」と称する求める人物像を定めているのが特徴です。
以下のような内容になっています。
- 新しいものが好き
- 負けず嫌い
- 明快な自己主張
- 本音で話す
- ねばり強い
- 行動力がある
- 仕事の虫
- 摩擦や失敗を恐れない
- 意外性がある
- 愛嬌があり、人に好かれる
ごんたとは関西弁で「やんちゃな」という意味で、中でも主体性・チャレンジ精神・関係構築力・やり遂げる力、忍耐力の4つの要件をとくに重視しています。
ユニークな考えで周囲と打ち解けられる人材でありながら、芯の強さを備えている人物との出会いを求めているといえそうです。
新卒採用のフロー
小林製薬は、採用フローに関しても公式ホームページにて掲載されています。
その内容によると、新卒採用フローは、以下のような流れです。
- 動画視聴(会社説明、職種説明)
- WEBアンケート
- エントリーシート
- 適性検査
- 複数回面接
- 内々定
①動画視聴(会社説明、職種説明)
まずは所定の動画を閲覧してもらうことから入ります。
ここでは、一般的な会社説明がなされ、小林製薬での業務内容についての知識を深めてもらうことが目的です。
②WEBアンケート
簡単なWEB上でのアンケートに回答をしてもらう内容です。
ただし、ここで回答した就活生にのみ書類選考の案内をしています。
注意点は、回答者数の状況によって締切が前倒しになる可能性があることです。
エントリーを希望するのであれば、早めに回答をするようにしましょう。
③エントリーシート
一般的な企業と同じように、エントリーシートの提出をおこないます。
聞かれる内容についても、志望動機や自己PR、自分の強みといった内容が中心となるでしょう。
すみやかに、エントリーシートのための対策を練っておくことをおすすめします。
もちろん、エントリーシート提出者にのみ適性検査の案内をする予定です。
④適性検査
筆記試験・Web試験が実施される予定です。
⑤複数回面接
詳細は公開されていませんが、毎年最初にグループワークをおこなっています。
二次選考も詳細は不明ですが、面接官と対面する一般的な内容です。
ガクチカや自己PRといった基本的な質問事項が予測できるでしょう。
最終の三次面接で役員面接をおこないます。
⑥内々定
複数回の面接を通過して内々定が決まります。
属性としては全学部・全学科の学生をほぼ対象にした募集事項です。
ただし研究・開発職は、理系大学院生および理系学部生に限定されています。
毎年の採用枠は50名前後を水準としていますが、厳しい選考倍率が予測できるでしょう。
採用大学
小林製薬の採用大学実績校について、詳細情報は公開されていません。
リクナビ2025によれば、以下のような大学から採用されています。
大阪大学、大阪府立大学、岡山大学、関西大学、関西学院大学、北九州市立大学、京都薬科大学、近畿大学、工学院大学、高知工科大学、甲南大学、神戸大学、埼玉大学、静岡大学、千葉工業大学、中央大学、東京経済大学、東京女子大学、東京農業大学、東京理科大学、同志社大学、名古屋大学、兵庫県立大学、広島大学、平安女学院大学、法政大学、星薬科大学、宮崎大学、明治大学、立教大学、立命館アジア太平洋大学、立命館大学 |
本社が大阪ということもあり、関西の大学および大学院からの採用を中心としながら、国公立・早慶上智、MARCHなどの全国各地の大学から採用実績があります。
学歴フィルターそのものは存在しないと考えられるでしょう。
学部卒での文系理系の隔たりはありませんが、大学院卒は主に理系に限定しているようです。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
就職偏差値・難易度
小林製薬の就職偏差値や難易度は、標準よりも高めだと考えられるでしょう。
就職偏差値としてはBランクに属し、58前後と見なされます。
リクナビ2025でのプレエントリー候補リスト登録人数や、内定者50~60人と仮定してみると、おおよその採用倍率が70〜95倍と考えられるでしょう。
競争倍率の高い要因は、そもそもトイレタリーメーカーや製薬関連の企業自体が人気企業であり、小林製薬はネームバリューのある有名企業だからです。
小林製薬での新卒採用は、以下のような特徴があります。
- ねばり強くものごとに取り組める人
- 主体性を持って行動できる人
- 周囲との関係性を築ける人
新卒採用の典型的な要件を満たせる人物を考えてはいますが、ニッチなニーズへの新しい市場創造戦略などにも注目している企業です。
そのため、向上心があって新しい取り組みへ挑める姿勢を持ってるかも判断されるでしょう。
小林製薬への内定を志望するのであれば、企業の社風・理念を理解しながら、新しいチャレンジができることをアピールしましょう。
まとめ
小林製薬は、100周年を越えた老舗のトイレタリーメーカーです。
世間でも名前が浸透し、多くの人々が製品を使用した経験があると考えられます。
近年では、海外への進出を図り、その国にはない新しい商品開発をし始めました。
残念なことに、2024年の紅麹での問題はしばらく尾を引くことになるでしょう。
そのため、この企業は、存続を左右する大きな時期に向かっています。
採用倍率が高い企業なので、内定を志す就活生は、企業分析・自己分析をしつつ、今後どのような社会貢献をすべきかを考えてみましょう。