
エンジニアは未経験でもなれる?需要はどのくらい?
2020年3月14日更新
はじめに
「これからエンジニアを目指してみたいけど、実際はどうなのだろうか」
「未経験でもエンジニアになれるのだろうか」
「AIの台頭により、仕事は失われないのだろうか」
と不安な方もいるかもしれません。
ですが、
IT関連の新しいサービスが続々誕生している現在において、
エンジニアの需要がなくなることはあり得ません。
AIが現場で利用されるようになったとしても、
おそらく簡単なコードぐらいで、
専門的なコードや設計は人間の担当であり、上手く棲み分けがなされるという見方が大半。
本記事では、そんな気になる
・エンジニアの需要
・エンジニアの年収事情
・エンジニアの種類
・未経験で目指す方法
・オススメのスクール
について、ご紹介します。
1.エンジニアの需要は依然として高い
まず、市場における需要についてですが、
慢性的な人材不足が常に叫ばれているエンジニアは、全体的に需要が高いと言えます。
近年社会が大きく変化し、それに対し様々なサービスが次々と誕生しています。
そして、そのようなサービスの担い手となる人を、どの企業でも必要としているのですが、
「実際問題として、人材の供給が追いつかない」
というのが現状のようです。
一口にエンジニアといっても様々な種類がありますが(その種類については、のちほど触れることにします)、
特に人材不足が深刻なIT業界で、需要が高くなっています。
◎経済産業省の調査より…
2020年には、IT人材(エンジニアを含める)が約29万人不足
2030年には、IT人材(エンジニアを含める)が約59万人不足
(引用:経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」)
このような予想が立てられています。
さらに、2019年をピークに
・IT人材の供給は減少
・IT人材の退職者が、入社者を上回る
ということも示されています。
今後伸びていくことは間違いないIT業界において
中枢人材となるエンジニアの確保は、
まさに国を挙げての急務であるということが伺えます。
そのため、政府指導の元、
・2020年より小学校プログラミング教育の必須化
・「Reスキル講座」と呼ばれ30~40代エンジニア向けの技術学習を、経済産業省と厚生労働省が後押しする制度
というような対策が講じられています。
そしてその影響を受け、巷では初心者でも学習が可能な
・3ヶ月のプログラミング短期集中講座
・Webのオンラインスクール
などのサービスを請け負う企業が増えてきました。
このような対策が行われるくらい、
慢性的に人材が不足しているということがいえます。
2.エンジニアの気になる年収事情
未経験の方にも、
広く門戸を開け放しているエンジニアという職種。
未経験からでもエンジニアになれることは確かですが、
採用側である企業からすれば、
少しでも実務経験があるに越したことはありません。
そのため、
特段高いスキルを保持した経験豊富なエンジニアは、
「採用のオファーが絶えない、非常に市場価値の高いIT人材」
となるため、
比例して年収も高額になります。
こちらは、Tech総研の年収調査(30~35歳のエンジニア2180人に調査)をグラフ化したものになりますが、
最高年収と最低年収の差が大きく開いていますね。
やはり、それだけスキルを身につければ、
高報酬は狙える業界であるといえます。
(出典:リクナビNEXT Tech総研 『30代前半の平均年収・最高年収・最低年収の分布』)
また、年齢別のデータを見ると、
20代前半は339.7万円、20代後半は441.1万円と、
若い年次のエンジニアはまだそこまでのスキルも無いため、比例して報酬も低めです。
(出典:CREATIVE VILLAGE『年齢ごとのシステムエンジニア(SE)平均年収』)
このように、即戦力となるエンジニアの採用は、非常に難しいのが現状です。
そのため、未経験の人材でも雇用し、育成するという方向性の企業も増えてきているようです。
あるいは、経験のあるエンジニアを探しながら、未経験の人材を育成するといった形かもしれません。
エンジニアの裾野が広がっていることは間違いないですが、
それだけ将来性のある職種ですので、企業側も未経験者の採用にあたっては慎重にならざるを得ません。
「実務やプログラミング未経験OK、ただし20代前半まで」
というように、条件を設けている企業も増えているようですので、
やはりスタートは早いに越したことが無いでしょう。
3.エンジニアの種類
最初にも少し触れた通り、
エンジニアと一口に言っても、分野によって様々な種類があります。
当たり前ですが、
分野によって担当業務や目指せる業界、年収などが大きく異なってきます。
自分の興味ある分野がどこにあたるのか、照らし合わせて考えるようにしましょう。
分野としては、大きく次の3つ
・ITエンジニア
・機械・工学のエンジニア
・その他エンジニア
に分類して紹介します。
3-1.ITエンジニア
エンジニアと聞いて、まず思い浮かぶのがITエンジニアなのではないでしょうか。
ここまでの記事も、ITエンジニアを想定して書いています。
IT系のエンジニアの中にも細かな分類があり、それぞれが異なる業務を担っています。
エンジニアによっては、必要になる能力やスキルが違ったり、扱う領域が違ったりします。名称は企業により異なることもあるようです。
例えば…
・システムエンジニア:顧客からシステムの要件をヒアリングし、プログラマーに渡す設計書を作成。
・プログラマー:プログラミング言語を用い、仕様書に沿ってプログラミングをする。
・セールスエンジニア:エンジニアとしての専門知識を持ちながら、営業をメインで行う。
・テストエンジニア:完成した製品のテストを専門に行う。未経験でエンジニアに採用された場合、この職につくことが多い。
3-2.機械・工学のエンジニア
エンジニアは、何もITに限った話ではありません。
動力となるモーターエンジニアや、
船の設計をおこなう船舶エンジニア、
飛行機の設計を行う航空エンジニア、
ロケットを飛ばすことを考える宇宙工学エンジニアなど、
様々な種類のエンジニアが存在します。
3-3.その他エンジニア
その他にも、
化学や農業・環境、医療に関するエンジニアなど、
IT・機械工学に留まらず、領域をまたいで活躍するエンジニアもたくさんいます。
4.今後需要が高まっていくエンジニアとは?
これまで、
エンジニアの種類や人材不足について触れてきました。
これからITがますます進むにつれ、
「AIに仕事を取られてしまうかもしれない」
と思っている方もいるかもしれませんが、
決してそんなことはありません。
AIが台頭するからこそ、簡単な仕事はAIにお願いし、
難易度の高い仕事や設計は人間が行う、という風に上手く棲み分けられるとされています。
では、これから特に伸びが期待されている業界・言語は、どのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、今後需要がさらに高まっていくと予想されるエンジニアについて説明します。
先ほど紹介した経済産業省の調査には、
「ITの領域における<今後「質」・「量」ともに「特に大幅に不足する」と見込まれる人材>
との項目があります。
そこに挙げられているのが、
・「ビッグデータ」
・「人工知能」
・「IoT」
・「ロボット」
に関する人材です。
これらの分野の市場は、これから特に大幅な拡大が予想されるため、人材不足が顕著に生じるのだそうです。
関係して挙げられるのが、次の3つのエンジニア、
・ビッグデータエンジニア
・セキュリティエンジニア
・機械学習エンジニア
これらは、今後さらに需要が増加していくと言われます。
4-1.ビックデータエンジニア
おおまかにいうと、ビックデータを分析しビジネスにおける問題を解決する業務を担当します。
未経験での採用は、中小企業なら可能性があるかもしれませんが、大企業は難しいと言われます。
4-2.セキュリティエンジニア
セキュリティに関連するエンジニア。
セキュリティに関しては、新技術や新種のマルウェアなど、常に情報が更新され続けるので、エンジニアの需要も高いです。
法律など、ITの知識以外も豊富に必要なため、
大学などの専門的な大学で学ぶのが一般的です。
4-3.機械学習エンジニア
AI開発に特化したエンジニア。
日本では、この言葉に馴染みがない方が多く、非常に希少価値が高い職種です。
未経験からなるには、難易度が高いです。
以上、需要の高いエンジニアを挙げてきました。
いずれも、未経験から始めるには、少し難易度が高く感じられるかもしれません。
これからエンジニアを目指す方であれば、
初めはこれらの職種ではなくとも、実務をこなしていく中でスキルを身につけられるような環境でも良いかもしれませんね。
転職を前提とし、その後希望の職種に入社できるよう日々勉強していけば、
これらの職種に就き、市場価値の高い人材にキャリアアップすることも可能となります。
初めは無理せず、
まずは着実に基礎から固めていくことが大切です。
5.未経験でエンジニアになるためには
さて、実務やプログラミング未経験でエンジニアになるためには、どのようなことが必要なのでしょうか。
5-1.未経験の人に求められること
エンジニアの需要が高いからといって、
誰でも簡単にエンジニアとして採用されるというわけではありません。
経験者と違い、
企業に見せてアピールできる成果物も無い中、企業が採用判断において重視しているのは、
応募者のポテンシャルです。
前述の通り、
「未経験でも育成したら、将来活躍できるエンジニアになるだろう」
という期待のもと、採用されるのです。
また、先ほども説明したように、
エンジニアに求められる素養は技術面だけではありません。
顧客の要望を汲み取り形にする力であったり、
チームのメンバーとコミュニケーションを取る力、
こだわりや探究心、柔軟さなど、様々です。
さらに、エンジニアは非常に多くの知識が必要で、専門性の高い職種です。
そのため、常に学び続け、成長し続ける気持ちがないと、他のエンジニアにすぐ追い抜かれてしまいます。
したがって、好奇心を持って、常に学び続ける力というようなものも必要です。
5-2.具体的な方法
では、未経験でもエンジニアとして採用されるためには、
具体的にどのような行動を取るのが良いのでしょうか。
たとえ未経験でも、エンジニアとして採用して育成するという流れがあるので、入社後に研修を用意している企業もあります。
しかし未経験といっても、ITの知識やプログラミングについてまったく知らないままで入社、というわけにもいかないでしょう。
研修があったとしても。その前提となる知識まで教えてもらえるとは限りません。
基本的な知識は押さえておく必要があるかと思います。
エンジニアとしての職を探す前に、どのような方法でも良いので、勉強なり事前準備をしたほうが良いでしょう。
例えば、次のような方法があります。
◯独学
インターネットでプログラミングを学習できるサイトや書籍などを使用して、独学で勉強する。
◯プログラミングスクールに通う
月に何万か費用がかかりますが、不明点はすぐに質問できますし、仲間ができるため、モチベーションを維持しやすいです。
◯エンジニア専門のエージェントに相談する
エンジニア専門のエージェントがいくつか存在します。
非公開求人を紹介してもらえることもあるので、困った時は、相談するのが良いでしょう。
◯未経験から応募できる求人に応募してみる
とりあえず、未経験から応募できる求人に応募して、雰囲気や状況を探ってみるのも、ありかもしれません。
未経験だと、右も左も分からないことも多いので、まずは情報収集のために応募してみるのも手です。
6.初心者向けおすすめプログラミングスクール2選
実務は未経験でも、成果物を持っていれば大きなアピールポイントになります。
独学だとなかなか継続しづらい側面がありますが、
今はエンジニアに必要なスキルを基礎から教えてくれるスクールが、多数存在します。
本記事では、代表的な2つのスクール
・TECHCAMP
・GEEK JOB
をご紹介します。
これらのスクールで基礎知識を身につけ、
簡単なものでも、自力で成果物を作って見ましょう。
6-1.TECHCAMP
(出典:TECHCAMP)
技術試験に合格した専任アドバイザーがつき、
しっかりときめ細やかなフォローの元、目標達成を後押ししてくれる「TECHCAMP(テックキャンプ)」。
スクールとしての教育体制が整っており、
「学習」にとことん専念しやすい環境です。
費用はかかりますが
・3ヶ月で業界に通用する結果を出したい方
・今まで独学でやってきたけど、分からないところがあってつまずいた方
・専任のアドバイザー指導の元、最短でスキルを身につけたい
という方にオススメです。
名称 | TECHCAMP |
公式サイト | https://tech-camp.in |
学習スタイル | 通学 or オンライン |
学習期間 | 3ヶ月〜 |
費用 | 約24万〜 |
6-2.GEEK JOB
(出典:GEEK JOB)
授業料が無料という驚きのプログラミングスクール、GEEK JOB。
基本的には通学スタイルとなりますが、
個別指導なので分からないところを気軽に質問できますし、
その分1人で黙々と取り組むよりも理解のスピードが早まり、
最短1ヶ月で学習を終了することも可能です。
また、個人のスケジュールに合わせて通学頻度を選べるので、
例えば平日夜間のみや、土日のみといった通い方も出来ます。
経済的にあまり余裕のない学生にとって、非常にありがたいサービスですね。
名称 | GEEK JOB |
公式サイト | https://camp.geekjob.jp |
学習スタイル | 基本は通学 |
学習期間 | 最短1ヶ月〜 |
費用 | 無料 |
まとめ
以上説明してきたように、エンジニアは、今非常に需要が高く、供給が追いついていない職です。今後さらに、需要が高まる分野のエンジニアもあります。
だから、プログラミングや実務が未経験であっても、エンジニアとしての需要はありますし、なれる可能性も高いです。
時代の変化とともに、エンジニアに対するニーズも変化し続けていきます。それに合わせて、自分も学習や成長を続け、変化していける人に、エンジニアとしての未来があるようです。