【企業分析】原子力研究開発機構の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/5/24更新
はじめに
原子力研究開発機構(JAEA)は、2005年に日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構の統合再編により誕生した、日本の原子力研究開発を担う日本で唯一の原子力に関する総合的研究開発機関です。
同社は原子力に関する基礎的研究から応用研究はもちろん、核燃料サイクルに関する研究開発、安全規制行政への技術支援、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に関する研究開発といった幅広い分野での研究開発をしています。
今回は、そんな原子力研究開発機構の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
原子力研究開発機構への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っていますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 原子力研究開発機構の仕事内容が気になる
- 原子力研究開発機構の就職難易度を知りたい
- 原子力研究開発機構の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、化学メーカー以外の業界については以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、原子力研究開発機構の就職難易度はさほど高くないと言えます。
原子力研究開発機構は各社が発表している企業入社難易度ランキングには企業名が入っておらず、早慶などハイレベルな大学から地方大学、日東駒専・産近甲龍レベルまで幅広く使用しています。
このように同社はさまざまな偏差値帯の大学から採用実績もあるため、対策さえすれば平等にチャンスがあるでしょう。
新卒の場合は入社後に、採用後約3週間の新入職員研修を受講します。
同社では業務上必要な資格取得を支援する制度やメンター制度、個人別育成計画の作成や職務目標設定を行うキャリアコンサルティングが充実しています。
次の章からは各内容やその他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。
原子力研究開発機構について
出典元 原子力研究開発機構
会社概要
原子力研究開発機構(JAEA)は、2005年に日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構の統合再編により誕生した、日本の原子力研究開発を担う日本で唯一の原子力に関する総合的研究開発機関です。
「原子力」はしばしばその是非を議論されますが、JAEAでは「原子力」を1つの科学技術と捉え、その科学技術を通じて人類社会の福祉と繁栄に貢献することを目指しています。
原子力に関する研究は必要な設備の規模や、危機管理の観点から民間で取り組むのは難しいとされています。
JAEAは国立研究開発法人のため原子力の基礎的な研究はもちろん、国と協働で大規模なプロジェクトに取り組む機会も多くあります。
実際にJAEAの仕事について、とある社員は「国家プロジェクトに係わるという仕事の重みを感じつつ、業務に取り組むことにやりがいを感じる」と語っていたほどです。
また、別の社員によると「成果を広く国民に還元できる組織の一員として働くことができる」と話しており、国立研究開発法人だからこその社会貢献性の高さがうかがえます。
以上のことからも、JAEAは日本の原子力開発を牽引する唯一無二の機構だといえるでしょう。
各事業セグメントの解説
原子力研究開発機構の主な事業セグメントは以下の通りです。
事業部門 | 活動内容 |
安全研究・防災支援部門 | 原子力安全規制に貢献するための安全研究 |
敦賀廃止措置実証部門 | 高速増殖原型炉もんじゅ・新型転換炉原型炉ふげんの廃止措置計画の取り組み |
先述の通り、原子力研究開発機構は日本の原子力研究開発を担う日本で唯一の原子力に関する総合的研究開発機関です。
同社は原子力に関する基礎的研究から応用研究はもちろん、核燃料サイクルに関する研究開発、安全規制行政への技術支援、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に関する研究開発といった幅広い分野での研究開発をしているのが大きな強みです。
また原子力機構は、施設の供用促進や原子力人材の育成といった原子力機構の強みを生かしたさまざまな取り組みも推進しています。
原子力研究開発機構で働いている社員は?
平均勤続年数は?
原子力研究開発機構の平均勤続年数は、2023年12月13日時点で18年です。また、平均年齢は42.0歳です。
また日本人の平均勤続年数は12.1年なので、業界全体と比較するとやや長い勤続年数です。
平均年収は?
原子力研究開発機構の平均年収は30歳で600万円、35歳で700万円、課長クラスになると1000万円となっているようです。
年功序列が基本で、ほぼすべての社員が横並びで昇進すると言われています。
毎年1回人事評価が行われてその結果に応じてボーナスの支給額や昇進幅が決定されるものの、ほとんどの社員は標準的な評価をつけられます。
平均残業時間は?
原子力研究開発機構の従業員の平均残業時間は、1ヶ月あたり10時間以内です。
ただし、部署や繁忙期によっては月10時間以上になるケースもあります。
また部署によっては原則定時退社しているところや、深夜残業や休日出勤が恒常化しているところもあるようです。
平均ボーナス額は?
原子力研究開発機構の平均ボーナス額には具体的な金額は記載されていません。
しかし、基本給の4.5か月分が支給されるそうです。
賞与額全体を査定対象としており、国家公務員における期末手当相当分と勤勉手当相当分の区分は行われていません。
どんな文化なの?
原子力研究開発機構では「一人ひとりが輝ける職場環境」を目指してさまざまな取り組みがされているようです。
職員が働き続けたい職場であるために、結婚や出産、育児、介護といったライフステージに対応した制度を導入しています。
原子力研究開発機構で働く社員の口コミによると、保守的な面はあるものの基本的にやりたいと思えることはやらせてもらえる環境もあります。
マネージャーや上司とはコミュニケーションが取りやすく、ダイバーシティや多様性については積極的な取り組み・活動もあるようです。
ワークライフバランスのとれた職場で働きたい人や、若手でも裁量のある仕事がしたい人におすすめの企業と言えます。
なお、原子力研究開発機構のような機関では、チーム単位で研究・開発することが多いです。
技術職の他にも部署を超えた連携をする機会も多いため、他部署の社員と円滑に話せるコミュニケーションスキルも必須と言えるでしょう。
エントリーシートや面接では、これらの特徴を持つことを、自分の経験からアピールできると良いです。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
原子力研究開発機構の立ち位置をご紹介します。
他社との売上高を比較してみても、原子力研究開発機構は入社難易度はさほど高くない企業だと言えるでしょう。
原子力研究開発機構は同業界の中でも、強みが多い企業です。
ここでは、原子力研究開発機構ならではの大きなポイントを解説します。
- 幅広い分野での研究開発をしている
- 次世代革新炉の開発、放射性廃棄物の減容・無害化・再資源への取り組み
以上の要素により、原子力研究開発機構は中堅かやや下のクラスだと考えられます。
参考までに競合との比較情報もまとめてみたので、ご紹介します。
会社名 | 売上高(2023年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
原子力研究開発機構 | 1,613億5000万円 | 600万円 | 54 | やりたいことに挑戦できる |
国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 1,812億75万円 | 683万円 | 54 | 風通しが良い |
公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センター | 9億9500万円 | 453万円 | 50 | 真面目で堅実 |
売上や平均年収を競合と比較してみると、原子力研究開発機構の就職偏差値は中堅程度であることが推測できます。
原子力研究開発機構の新卒募集要項について
以下に、原子力研究開発機構の新卒募集要項についてまとめました。
福利厚生などは一通り整っており、オン・オフをしっかり分けて休める環境があるのもポイントです。
原子力研究開発機構は海外事業の拡大に伴い海外勤務している社員の割合は年々増加しているため、将来的に海外勤務となる可能性もあります。
入社後はOJTを通じて業務の流れを一つひとつレクチャーしてくれるため、徐々に担当を引き継ぐことになるでしょう。
勤務地は茨城県、北海道、青森県、福島県、千葉県、東京都、岐阜県、福井県、兵庫県、岡山県のいずれかです。
各項目 | 詳細 |
---|---|
職種 | 総合職 |
給与 | 【高専卒(本科)】 184,900円/月 【学部卒・高専卒(専攻科)】 206,200円/月 【修士卒】 222,000円/月 【博士卒】 261,300円/月※上記以外の場合は経験年数を考慮し、原子力機構の規定により決定します。 |
賞与 | 年2回 |
研修制度 | 【初年度研修】 採用時研修、フォローアップ研修 【階層別研修】 中堅職員研修、マネジメント基礎研修、マネジメント実践研修 【原子力技術研修】 安全教育(放射線安全教育、労働安全教育) 原子力技術教育(核燃料サイクル技術教育、FBR技術教育、国家資格取得支援、共通技術教育、安全解析コード実習) 【その他】 海外機関留学制度、国内大学院修学制度、政府機関主催研修等 |
福利厚生 | 完全週休2日制(土・日) 祝日 年末年始(12月29日から翌年1月3日まで) 創立記念休日 年次休暇(20日/年) 夏期休暇(7日) 介護休暇制度 育児休業制度 等 家族用宿舎独身・単身寮 |
求める人材
原子力研究開発機構のコーポレートサイトで紹介されている企業理念はこちらです。
原子力機構は、我が国唯一の原子力の総合的な研究開発機関として、安全確保を大前提とし、原子力により国民の生活に不可欠なエネルギー源の確保を実現すること及び原子力による新しい科学技術や産業の創出を目指して、その基礎・基盤から応用・実用化までの研究開発を行うとともに、その成果等の普及を行い、もって人類社会の福祉及び国民生活の水準向上に寄与することを目的としています。
経営理念
以上のことから、原子力研究開発機構では目的達成のために粘り強く頑張り続けられる人材
を求めていることが分かります。
また、人々の暮らしに貢献したいという強い気持ちをアピールできるとよいでしょう。
新卒採用のフロー
原子力研究開発機構の選考は、下記の通りの選考フローとなっています。
面接では志望動機などのスタンダードな質問のほかにも、人柄をチェックする質問も多いのが特徴です。
選考対策として、入社意欲や将来のプランが明確であるかどうかが重視されます。
今後のキャリアを形成していく上で必須事項なので、しっかり対策をしておきましょう。
①イベント
JAEA主催の企業説明会があります。
内容は事業内容や職種の説明やキャリアパスなどで、参加者は30人程度です。
②新卒エントリー
マイナビやリクナビにアクセスし、原子力研究開発機構の新卒エントリーボタンから必要事項を入力し、登録します。
③エントリーシート提出
エントリーが完了したら、次はエントリーシートの記入に移ります。
原子力研究開発機構のエントリーシートでは、以下のような設問が問われます。
- 長所と短所(400字)
- 学業、部活動の体験から得たもの(400字)
- 志望動機(400字)
同社では「世界一を目指す」そして「人類社会の福祉に貢献する」という大きな夢を実現すべく、高い志と強い意志のある人材を求めています。
そのため目標に向かって何かを頑張った経験をアピールし、選考全体を通してもその点を意識しましょう。
ここでの内容が面接でも用いられるので、すべての質問で整合性と一貫性を保って記入する必要があります。
また、文字の見やすさや結論ファーストの論理性がある書き方ができているかも合わせてチェックしておきましょう。
一読して分かるような文章にするため、エントリーシートを友人に読んでもらったり、ゼミの先輩に添削をしてもらったりと第三者からのアドバイスをもらうのがおすすめです。
④WEBテスト
テストセンター型のWEBテストで、形式は玉手箱(IMAGES形式)です。
内容は言語・非言語・英語の3分野で所要時間は1時間程度となっています。
⑤面接
WEBテストの後は、社員3名による1次面接が行われます。
原子力研究開発機構の1次面接では以下のような内容が実際に問われました。
- 志望動機
- 短所
- 転勤しても大丈夫かどうか
- 事務職の中でも何の仕事がしたいか
- やりたい仕事ではなくても良いか
- 興味がある事業内容は何か
- 公務員試験を受けているかどうか
- ストレスへの対処法
- 人が立てた計画に従うことはあるかどうか
- 長所を使って自己アピール
- 機構HPを見て興味を持ったこと
内定者によると「機構HPを見て興味を持ったこと」に関しては知らないと回答できない問題なので、しっかりと企業研究をしておくことが大切だそうです。
またジョブローテーションによる転勤や異動が多いので、そういったことに対するネガティブチェックが多いです。
厳しい雰囲気で内容を深堀りされるため、ストレス耐性も必要だと感じた学生もいました。
1次面接のほうが時間が長く深掘りが厳しいことから、ここが鬼門と考えられます。
特にガクチカに関しては何を聞かれても答えられるように徹底的に準備したほうが良いでしょう。
最終面接は社員3名によって行われます。
「入社の意欲がどれくらいあるか」「チャレンジ精神が抱負で失敗を恐れずに挑戦できるか」「業務内容に関する理解度があるか」といった回答が重視されるでしょう。
以下は、原子力研究開発機構の最終面接で実際に問われたことのある質問事項です。
- 志望動機
- 卒論の研究テーマとそれに対する深掘り
- 馬が合わない人がいたらどうするか
- 人間関係が変わっても対処できるか
- 1番充実していた時はいつか
- 部活と勉強どちらに力を入れていたか
- 短所をどうして短所と思うか
- ストレス発散法
- 他人からどんな性格だと言われるか
- 就活の軸は何か
- 第1志望かどうかとその理由
最終面接では「柔軟な発想力」「何事にもチャレンジする好奇心」「マルチタスク能力」「高い集中力」などを示せるエピソードを用意しておくといいでしょう。
以下のページも確認しておき、ぜひ内定を勝ち取ってください。
⑥内定
複数回の面接を突破して内定が決まります。
原子力研究開発機構の直近の採用者数は研究職11名、技術職50名、7名です。
採用大学
原子力研究開発機構の採用大学の実績は以下の通りです。
青山学院大学 茨城工業高等専門学校 茨城大学 大阪大学 学習院大学 金沢大学 九州大学 京都大学 近畿大学 慶應義塾大学 神戸大学 埼玉大学 芝浦工業大学 首都大学東京 上智大学 千葉大学 筑波大学 津田塾大学 電気通信大学 東海大学 東京工業大学 東京大学 東京都市大学 東京農工大学 東京理科大学 同志社大学 東北大学 長岡技術科学大学 名古屋大学 奈良女子大学 一橋大学 広島大学 福井工業大学 福井大学 法政大学 北海道大学 明治大学 横浜国立大学 立教大学 立命館大学 早稲田大学 |
上記の実績を見れば分かるように、原子力研究開発機構では学歴に関係なくさまざまな大学から採用しています。
そのため、原子力研究開発機構には学歴フィルターはないと考えられます。
ただし原子力研究開発機構の新卒採用では、化学、物理、電気・電子、機械、情報、生命科学、生物、農学など理系専攻の方のみが対象となっています。
数多くの理系学部出身の学生が応募することが予想されるので、ライバルと差をつけられるエントリーシートを作成しましょう。
しっかりとエントリーシート・面接対策をして内定を獲得できるように準備してください。
就職偏差値・難易度
それではここまでの内容を踏まえて、原子力研究開発機構の就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は標準的と言えます。
その理由として以下の2点が挙げられます。
- 学歴に関係なく幅広い大学からの採用実績がある
- 採用フローとして特別なステップがない
頻出質問である「ガクチカ」や「志望動機」など基本的な事項をしっかりと対策をして、万全に備える必要があるでしょう。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
まとめ
原子力研究開発機構(JAEA)は、2005年に日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構の統合再編により誕生した、日本の原子力研究開発を担う日本で唯一の原子力に関する総合的研究開発機関です。
同社は原子力に関する基礎的研究から応用研究はもちろん、核燃料サイクルに関する研究開発、安全規制行政への技術支援、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に関する研究開発といった幅広い分野での研究開発をしています。
就職難易度は標準的なので、企業研究や自己分析を徹底すれば内定を勝ち取れる可能性が高いです。
また多くの学生がエントリーすることが予想されるため、オリジナリティーがある面接官の記憶に残りやすい印象的なエントリーシートを作成しましょう。
本記事を参考にして、ぜひ企業研究の一環として役立ててください。