【企業分析】アジレント・テクノロジーの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/5/10更新
はじめに
アジレント・テクノロジーは化学分析機器の開発・製造・販売・サポートを行う企業です。
約30ヶ国に展開し、売上高は5,000億円を超えて約5,000名の規模を誇るグローバルな成長を見せています。
今回は、そんなアジレント・テクノロジーの企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
アジレント・テクノロジーへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っていますので、ぜひ最後までご覧ください。
- アジレント・テクノロジーの仕事内容が気になる
- アジレント・テクノロジーの就職難易度を知りたい
- アジレント・テクノロジーの選考対策として何をすれば良いかわからない
また、化学メーカー以外の業界については以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、アジレント・テクノロジーの就職難易度は高いと言えます。
アジレント・テクノロジーは、各社が発表している企業入社難易度ランキングには企業名がありませんが、早慶などハイレベルな大学からの採用が多く見られます。
しかし同社はさまざまな偏差値帯の大学から採用実績もあるため、対策さえすれば平等にチャンスがあるでしょう。
新卒の場合は入社してすぐに新入社員研修を行い、社会人の一般常識やビジネスマナーを学んだ後、各配属先で職場内研修・ 実習を実施しています。
次の章からは各内容やその他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。
アジレント・テクノロジーについて
出典元 キャリアセオリー
会社概要
アジレント・テクノロジーは1999年に設立された、アメリカに本社を置く化学分析機器メーカーです。
化学分析機器とは、物質の組成や性質や状態を定性的・定量的に測定する機械または装置を意味します。
代表的なものとしてはX線分析機器や電子顕微鏡などが挙げられます。
分析機器のニーズは化学のみならず、近年では環境や医療などの分野へも拡大しているのが特徴です。
同社は2020年10月31日発表の決算にて、アジア太平洋地域の売上高が全体の35%を占めています。
そのため日本に数ある外資系化学分析機器メーカーの中でも、本国に対して強い影響力を持っている可能性が高いといえるでしょう。
各事業セグメントの解説
アジレント・テクノロジーの主な事業セグメントは以下の通りです。
事業部門 | 活動内容 |
食品 | 化学物質、ウイルス、細菌、微生物などに食品が汚染されていないことを確認できるように、食品の製造・包装・販売する企業をサポート |
環境・法医学 | 農薬や医薬品の不純物、微量金属といった生活に影響を及ぼす不純物を高速、正確、高感度に検出できる方法を提供 |
製薬 | 疾患研究、創薬、医薬品の開発・製造・品質管理などの製薬業界の各セグメントにおけるソリューションを提供 |
診断 | 病理診断・ゲノム診断、全自動免疫染色装置ダコ、細胞解析などの病理検査で使用されているソリューションの提供 |
化学・エネルギー | グローバルエネルギーと化学分析、日本向けエネルギー&石油分析、代替エネルギー、ポリマー、天然ガス、石油化学など バイオ燃料や再生可能燃料など代替エネルギーにおけるソリューションの提供 |
研究 | がん、心疾患、糖尿病、アルツハイマー、パーキンソン病、自閉症などの研究 |
アジレント・テクノロジーでは世界中のラボを対象に、装置、サービス、消耗品、アプリケーション、専門知識を提供しています。
特にこの主要となっている6つの事業分野は、同社の事業戦略と市場への適応能力が表れており、幅広い分野にわたる事業を展開できる技術力があることが分かります。
アジレント・テクノロジーで働いている社員は?
平均勤続年数は?
アジレント・テクノロジーの平均勤続年数は、2022年3月時点で13.8年です。
これは医薬機器業の平均勤続年数である18.3年よりも低く、平均より社員の出入りが多い職場であると言えます。
また日本人の平均勤続年数は12.1年なので、業界全体と比較するとやや長い勤続年数です。
平均年収は?
アジレント・テクノロジーの平均年収は内勤営業で約541万円、装置営業で約772万円です。
平均年収800万円以上の企業を対象として、東洋経済が発表した「給料が高くて新卒が辞めない会社」ランキングでは、2年連続ランクインしています。
平均残業時間は?
アジレント・テクノロジーの従業員の平均残業時間は、1ヵ月あたり14.2時間です。
医薬機器業界での平均残業時間は13.0時間のため、平均よりも多い残業時間と言えます。
平均ボーナス額は?
アジレント・テクノロジーの平均ボーナス額は100~300万円です。
会社の業績給1.5ヶ月前後が支給され、さらに個人業績により月給の半月分程度などの特別賞与もあります。
どんな文化なの?
アジレント・テクノロジーで働く社員の口コミによると、色々な物事にチャレンジできる社風があります。
マネージャーや上司とはコミュニケーションが取りやすく、ダイバーシティや多様性については積極的な取り組み・活動もあるようです。
グローバルな環境で仕事をしたい人や、若手でも裁量のある仕事がしたい人におすすめの企業と言えます。
なお、アジレント・テクノロジーのような化学メーカーでは、チーム単位で研究・開発することが多いです。
技術職の他にも部署を超えた連携をする機会も多いため、他部署の社員と円滑に話せるコミュニケーションスキルも必須と言えるでしょう。
エントリーシートや面接では、これらの特徴を持つことを、自分の経験からアピールできると良いです。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
化学メーカーの中でのアジレント・テクノロジーの立ち位置をご紹介します。
他社との売上高を比較してみても、アジレント・テクノロジーは入社難易度は高い企業だと言えるでしょう。
アジレント・テクノロジーは同業界の中でも、強みが多い企業です。
ここでは、アジレント・テクノロジーならではの大きなポイントを解説します。
- 世界100ヶ国以上で事業展開しているため、日本の経済状況に大きく左右されない
- 環境、食品、化学、医薬品、法医学など多様な業界を対象にしている
- マーケットのニーズ、顧客の課題に合わせた製品や機能をいち早く市場に投入できる開発力
以上の要素により、アジレント・テクノロジーは化学メーカーの中では中堅かその少し上のクラスだと考えられます。
参考までに競合との比較情報もまとめてみたので、ご紹介します。
会社名 | 売上高(2023年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
アジレント・テクノロジー | 1兆306億円 | 772万円 | 60 | 若手でも挑戦しやすい社風 |
オリンパス | 8,819億円 | 965万円 | 58 | 堅実な土台づくりでじっくり成長していく社風 |
テルモ | 8,202億円 | 765万円 | 59 | 多種多様な働き方を応援してくれる社風 |
売上や平均年収を競合と比較してみると、アジレント・テクノロジーの就職偏差値は中堅かやや高いことが推測できます。
アジレント・テクノロジーの新卒募集要項について
以下に、アジレント・テクノロジーの新卒募集要項についてまとめました。
中小を含めた化学メーカーの平均年収が約475万円のため、同業界の中では平均値よりかなり高い年収です。
福利厚生などは一通り整っており、オン・オフをしっかり分けて休める環境があるのもポイントです。
アジレント・テクノロジーは海外事業の拡大に伴い海外勤務している社員の割合は年々増加しているため、将来的に海外勤務となる可能性もあります。
入社後はOJTを通じて業務の流れを一つひとつレクチャーしてくれるため、徐々に担当を引き継ぐことになるでしょう。
総合職は東京都か大阪府での勤務となります。
各項目 | 詳細 |
---|---|
職種 | 総合職 |
給与 | 【営業/プリセールスアプリケーションエンジニア】 博士 月額基本給325,280円 修士 月額基本給291,100円 学士 月額基本給264,500円 【フィールドサービスエンジニア】 博士 月額基本給304,000円 修士 月額基本給272,000円 学士 月額基本給247,200円 |
賞与 | 年2回(6月、12月)固定分としてそれぞれ基本給の3ヶ月分、合計年6ヶ月分 他、年1回(12月)業績連動賞与・個人業績賞与 |
研修制度 | 制度あり 新人社員研修、一般研修(ビジネススキル、マネジメント)、技術研修(製品知識、R&D、販売スキルなど) 、OJT等 |
福利厚生 | アジレント業績ボーナス 従業員持株制度 社会保険完備(厚生年金、健康保険、雇用保険、労災保険) 企業年金(退職金制度) 休日(完全週休2日制、祝祭日、5月1日、年末年始など) 有給休暇(年次有給休暇、ライフサポート休暇など) フレックスタイム制度 各種研修 社内公募制度 |
求める人材
アジレント・テクノロジーのコーポレートサイトで紹介されている企業理念はこちらです。
Uncompromising integrity(妥協なき誠実さ)
Agilent Careers
以上のことから、アジレント・テクノロジーでは 顧客に真摯に向き合える真摯さを重要視していることが分かります。
そのため、消費者の目線に立ってどのような製品がニーズがあるのかを考えられるスキルがアピールできるとよいでしょう。
また製品開発は常に失敗と苦悩の繰り返しなので、たくさんの苦難や失敗を乗り越えていける粘り強さも必要となります。
新卒採用のフロー
アジレント・テクノロジーの選考は、下記の通りの選考フローとなっています。
面接では志望動機などのスタンダードな質問のほかにも、人柄をチェックする質問も多いのが特徴です。
選考対策として、入社意欲や将来のプランが明確であるかどうかが重視されます。
今後のキャリアを形成していく上で必須事項なので、しっかり対策をしておきましょう。
①新卒エントリー
マイナビやリクナビにアクセスし、アジレント・テクノロジーの新卒エントリーボタンから必要事項を入力し、登録します。
②エントリーシート提出
エントリーが完了したら、次はエントリーシートの記入に移ります。
アジレント・テクノロジーのエントリーシートでは、以下のような設問が問われるでしょう。
- 趣味
- クラブ活動
- 研究テーマ
- 志望理由
- 希望職種
- 化学分析装置の使用経験
- 自己PR
Uncompromising integrity(妥協なき誠実さ)を企業理念として掲げるほど真摯さを大切にしている企業のため、選考全体を通してその点を意識しましょう。
ここでの内容が面接でも用いられるので、すべての質問で整合性と一貫性を保って記入する必要があります。
また、文字の見やすさや結論ファーストの論理性がある書き方ができているかも合わせてチェックしておきましょう。
一読して分かるような文章にするため、エントリーシートを友人に読んでもらったり、ゼミの先輩に添削をしてもらったりと第三者からのアドバイスをもらうのがおすすめです。
③WEBテスト
テストセンター型のWEBテストで、形式はSPIです。
内容は言語・非言語・性格の3分野で所要時間は1時間30分程度となっています。
④面接
WEBテストの後は、社員3名による1次面接が行われます。
アジレント・テクノロジーの1次面接では以下のような内容が実際に問われました。
- 学生時代に力を入れたこと
- アルバイト経験
- 業務で運転をすることに抵抗はないか
- 志望理由
- 逆質問
内定者によると、とにかく「学生時代に力を入れたこと」を深掘りされたそうです。
厳しい雰囲気で内容を深堀りされるため、ストレス耐性も必要だと感じた学生もいました。
1次面接のほうが時間が長く深掘りが厳しいことから、ここが鬼門と考えられます。
特にガクチカに関しては何を聞かれても答えられるように徹底的に準備したほうが良いでしょう。
最終面接は社長、部長2人の合計3名で行われます。
「入社の意欲がどれくらいあるか」「チャレンジ精神が抱負で失敗を恐れずに挑戦できるか」「業務内容に関する理解度があるか」といった回答が重視されるでしょう。
以下は、アジレント・テクノロジーの最終面接で実際に問われたことのある質問事項です。
- 学生時代に力を入れたこと
- 学生時代の活動全般について
- 志望理由
- 英語に問題はないか
- マネージャーをやる気があるか
最終面接では、技術職に必要な素質である「柔軟な発想力」「何事にもチャレンジする好奇心」「マルチタスク能力」「高い集中力」などを示せるエピソードを用意しておくといいでしょう。
以下のページも確認しておき、ぜひ内定を勝ち取ってください。
⑤内定
2回の面接を突破して内定が決まります。
アジレント・テクノロジーの過去3年間の新卒採用者数は10名前後です。
採用大学
アジレント・テクノロジーの採用大学の実績は以下の通りです。
青山学院大学、茨城大学、岩手大学、大阪大学、お茶の水女子大学、関西大学、九州大学、京都大学、熊本大学、群馬大学、慶應義塾大学、埼玉大学、佐賀大学、静岡大学、静岡県立大学、信州大学、千葉大学、中央大学、中部大学、筑波大学、電気通信大学、東京大学、東京医科歯科大学、東京海洋大学、東京工業大学、東京都立大学、東京農業大学、東京農工大学、東京薬科大学、東京理科大学、同志社大学、東邦大学、東北大学、徳島大学、三重大学、明治大学、山梨大学、横浜国立大学、立命館大学、早稲田大学 |
上記の実績を見れば分かるように、アジレント・テクノロジーでは学歴に関係なくさまざまな大学から採用しています。
しかし、その多くはアジレント・テクノロジーには学歴フィルターはないと考えられます。
ただしアジレント・テクノロジーの新卒採用では、化学、物理、電気・電子、機械、情報、生命科学、生物、農学など理系専攻の方のみが対象となっています。
数多くの理系学部出身の学生が応募することが予想されるので、ライバルと差をつけられるエントリーシートを作成しましょう。
しっかりとエントリーシート・面接対策をして内定を獲得できるように準備してください。
就職偏差値・難易度
それではここまでの内容を踏まえて、アジレント・テクノロジーの就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度はやや高いと言えます。
その理由として以下の2点が挙げられます。
- 化学分析機器における業界トップクラスの外資系企業で競争率が高い
- 学歴に関係なく幅広い大学からの採用実績があるが、その多くは難関校から内定が出ている
頻出質問である「ガクチカ」や「志望動機」など基本的な事項をしっかりと対策をして、万全に備える必要があるでしょう。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
まとめ
アジレント・テクノロジーは1999年に設立された、アメリカに本社を置く化学分析機器メーカーです。
同社の世界での市場規模は2013年は5兆円でしたが、年平均4.5%で成長し、2018年には6兆3,000億円以上の規模に成長を遂げました。
なお、2018年以降の5年間は年率5%で成長しており、2023年には8兆円規模にまで拡大すると予想されています。
化学メーカーの中でも就職難易度はやや高いため、企業研究や自己分析を徹底する必要があります。
また多くの学生がエントリーすることが予想されるため、オリジナリティーがある面接官の記憶に残りやすい印象的なエントリーシートを作成しましょう。
本記事を参考にして、ぜひ企業研究の一環として役立ててください。