【企業分析】象印マホービンの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025/1/31更新
はじめに
象印マホービン株式会社は、1918年10月に創業した調理器具の製造・販売を中心に展開する大手電機メーカーです。
ガラス製の魔法瓶は「真空断熱」と称され、当時としてはハイテク技術を駆使して誕生した家庭用品でした。
今ではごく普通に一般家庭でもお馴染みな製品です。
他にも、炊飯ジャー、電気ポットといった 調理家電製品をはじめ、ガラス・ステンレスマホービンなどのリビング製品、空気清浄機や加湿器などの生活家電製品にも着手しています。
本記事は、象印マホービンへの就職を検討している就活生向けに紹介する企業分析です。
主な事業内容、新卒選考フロー、就職難易度・偏差値などを中心にしながら、象印マホービンでの選考対策のポイントを解説していきます。
電気メーカーへの就職を考えている就活生は、参考のためにもご覧いただくとよいでしょう。
ほかの業界について知りたい方は、ぜひ下記もご参考にしてください。
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この記事の結論
象印マホービン株式会社は、Aランクに位置する就職難易度の高い企業です。
採用大学は、国公立、六大学、MARCH、標準大学や地方の大学など、幅広く採用実績があります。
そのため、学歴フィルターは一切ありません。
創業は100年以上前に遡ることから旧態然とした気質も残り、また、ロゴマークなどでも全国に浸透しているので、ブランドイメージを大切にした企業です。
基本的にホワイト企業として自覚のある目標やビジョンを持っています。
選考対策としては、自己分析をしながら、なぜ象印マホービンへ就職したいのかを明確に示す必要があるでしょう。
応募者へは、商品への愛着度などが試される可能性があるからです。
新卒の応募枠は総合職、設計開発職の2種類あり、採用後に各事業分野への配属が決まります。
応募については公式ホームページの新卒採用欄、マイナビなどを閲覧してチェックしながら、エントリー・説明会などに参加するとよいでしょう。
象印マホービンについて
出典元：象印マホービンHP
会社概要
象印マホービン株式会社は、1918年創業の大手電気メーカーです。
創業当時からマホービンの製品化を目指し、製造販売を開始しています。
また、お馴染みとなった象のモチーフも、当時から変わらぬトレードマークです。
株式上場の時期は意外と遅く、1986年の大阪証券取引所市場二部に上場します。
そして2018年、創業100周年の際に、東京証券取引所へ一部上場している企業です。
ステンレス製真空二重構造による保温・保冷に効果的な魔法瓶の開発を中心に、
電子ジャー、炊飯器などの画期的な開発もし続け、家庭の台所用品や調理用品の
利便化に貢献し続けています。
近年では、調理家電やリビング家電に限らず、空気清浄機や加湿器、ふとん乾燥機、食器乾燥器などの開発にも積極的です。
他にも、象印食堂・象印銀白弁当・象印銀白おにぎりといった飲食事業も展開しています。
参照元
各事業別の売上規模
| 事業セグメント | 売上高（2022年現在） |
| 調理家電 | 586億3,100万円（前年より-3億760万円） |
| リビング | 176億9,600万円（前年より+6億3,100万円） |
| 生活家電 | 50億900万円（前年より+4億7600万円) |
| その他 | 21億5,600万円（前年より+2億3800万円) |
象印マホービンの2023年度の総売上は、834億9,400万円で前期比の＋9億6,000万円となりました。
セグメントは大きく4つの事業に区分されていて、それらのうち4事業が前年比を上回っています。
しかし、事業中で最大シェアを占めている調理家電部門が、前年比よりマイナス計上となってしまいました。
象印マホービンの中核となり歴史のある事業部門であるため、挽回が期待されるところです。
その一方で、生活家電とその他の分野が好調です。
空気清浄機、加湿器や象印食堂といった、過去になかった新しいフィールドが注目され始めています。
各事業セグメントの解説
象印マホービンの主な事業セグメントは以下のような内容です。
| 事業名 | 活動内容 |
| 調理家電 | 炊飯ジャー、ホットプレート、コーヒーメーカー、オーブントースター、オーブンレンジ、電気ポット、ホームベーカリーなどの調理関連器具の製造・開発および販売 |
| リビング | ガラスマホービン、ステンレスボトル、ステンレスランチジャー、ステンレスフードジャーなどの保温・保冷製品の製造・開発および販売 |
| 生活家電 | 空気清浄機、加湿器、ふとん乾燥機、食器乾燥器などの生活関連家電の製造・開発および販売 |
象印マホービンでは、大きく3つのセグメントによって事業展開をしています。
炊飯ジャーを中心とした、テクノロジーによる省時間・省手間・省エネなどのニーズに応えた調理器具家電の商品開発をおこなうのが調理家電部門です。
リビング部門では、創業時以来のシンボリックな製品である魔法瓶を中心に、ランチジャー、フードジャーなどの製品化に努めています。
生活家電部門では、空気清浄機や加湿器を中心とした、キッチンやお部屋での生活関連に密接した家電を製造販売する部門です。
また、象印マホービンの場合、その他の部門として近年着手し始めている、象印のおいしいごはんのキャンペーンとして期間限定の食堂、みまもりほっとライン、象印食堂・象印銀白弁当・象印銀白おにぎりといった新事業などがあります。
象印マホービンで働いている社員は？
ここでは、象印マホービンにて働いている社員の待遇、特徴について詳細を紹介しましょう。
平均年収、勤続年数、賞与、社風などの、就活生がチェックしておくべき点を解説していきます。
平均勤続年数
象印マホービンの平均勤続年数は10.9 年くらいです。
電気機器業界の平均金属年数が15.7 年なので、 象印マホービンに就職した人は、やや短い勤続年数であるのが特徴といえます。
参照：
平均年収
象印マホービンの平均年収は803万円とされています。
これは、電気機器関連の上場企業の平均年収667万円と比較しても、136万円高いことになるでしょう。
平均残業時間
象印マホービンの平均残業時間は月34時間です。
電機メーカーの平均残業時間は28.6時間とされているので、比較的多めな傾向になりつつあります。
ただし、業界全体がここ数年間で残業時間が多くなっている中で、象印マホービンの場合は部署によっても状況は異なり、さほど激しい変動はない様子です。
参照：しごと発見ラボ
平均ボーナス額は？
象印マホービンのボーナス平均金額は129万円とされています。
電機メーカー業界平均が107万円とされているため、22万円程高い金額です。
基本給の約4ヶ月分の目安になっています。
収入面では、象印マホービンはかなり充実していると見なせるでしょう。
どんな文化なの？
象印マホービンは、多くの人々に浸透する象のマークで有名な企業です。
創業100年以上の歴史を誇るリーディングカンパニーの一つに数えられるでしょう。
そのため、組織の方針は原則として年功序列型に近いスタイルが残っています。
縦方向、横方向のどちらからでも、柔軟性がある企業として新しく目指している傾向です。
まだ副業などは禁止されていますし、古い気質があるのも事実ですが、女性の働きやすい職場作りなどに積極的な企業になりつつあります。
参照：enライトハウス
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
象印マホービンの就職偏差値・難易度および業界での立ち位置は、以下のようになります。
| 会社名 | 売上高 | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
| 象印マホービン株式会社 | 834億9,400万円 | 約803万円 | 62 Aランク | 老舗の旧態然とした社風はありつつ、アットホームで働きやすいと評判が高い |
| オムロン株式会社 | 8100億円 | 約899万円 | 62 Aランク | 目上の人物に相談しやすいフランクな社風、開発体制が整っている |
| 株式会社日立製作所 | 1兆6313億3800万円 | 約915万円 | 62 Aランク | 組織の風通しが良く、ダイバーシティに配慮している |
参照元
象印マホービンの就職偏差値および難易度に関しては、電機メーカー業界全体の偏差値で62、Aクラスの判定とされています。
同業他社の中では、平均よりやや上くらいです。
ほぼ同位置に該当するのは、オムロンと日立製作所の2社でしょう。
ただし、製造する商品などの規模の違いもあって、売上高や組織は大幅に違っています。
偏差値では3社とも60以上でAクラスなので、新卒採用はハードルが高いです。
就活生から人気企業と見なされ競争倍率が常に高い
比較する同業2社の大手企業よりも、象印マホービンはややレベルが低いように思われます。
ところが、採用倍率がかなり高いことが特徴です。
東洋経済オンライン『「内定の競争倍率が高い会社」ランキングTOP100』によると、全体の52位で約109.2倍という結果が出ています。
この倍率の高さからしても、就職難易度はそうとう高いといえるでしょう。
昔から親しまれている魔法瓶の会社というプラスなイメージが、現在でも通用していることが理由です。
出典元：東洋ONLINE
象印マホービンの新卒募集要項について
象印マホービンの新卒応募は、ホームページにて採用専用ページを設けています。
また、マイナビ2025などの就職サイトからもプレエントリーが可能です。
新卒採用の志望をする場合は、必ず事前にチェックしてください。
象印マホービン株式会社での新卒募集要項は以下のとおりです。
総合職
| 職種 | 国内営業、商品企画、営業企画、広報、人事、経理、調達、海外営業、社内システム管理などの業務
主に、国内の家電量販店や総合スーパーの店舗フォロー／取引先の本部バイヤーと商品導入や価格案件などについて商談を行う国内営業 |
| 給与 | 修士了 255,650円
大学卒 225,100円 |
| 賞与 | 年2回（6月・12月） |
| 勤務形態・福利厚生 | 年間休日127日（2024年度）/一斉有休3日含む
完全週休2日制、祝日、夏期休暇、年末年始休暇 ・その他休暇 年次有給休暇（半日・一時間単位での取得可） 慶弔休暇、特別休暇、産前産後休暇、育児休業、ゆとり休暇、リフレッシュ休暇 教育制度： 社員の能力開発に力を入れており、各々のキャリアに応じた各種の研修教育制度あり 新入社員研修・階層別研修・語学研修・通信教育・自己啓発支援など 諸手当： 住宅手当・扶養手当・通勤手当・時間外勤務手当・休日勤務手当など 福利厚生： 企業年金基金、健康保険組合、従業員持株会、各種慶弔見舞制度 保険： 雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険 |
設計開発職
| 職種 | 国内外すべての象印製品を設計開発 |
| 給与 | 修士了 255,650円
大学卒 225,100円 |
| 賞与 | 年2回（6月・12月） |
| 勤務形態・福利厚生 | 年間休日127日（2024年度）/一斉有休3日含む
完全週休2日制、祝日、夏期休暇、年末年始休暇 ・その他休暇 年次有給休暇（半日・一時間単位での取得可） 慶弔休暇、特別休暇、産前産後休暇、育児休業、ゆとり休暇、リフレッシュ休暇 教育制度： 社員の能力開発に力を入れており、各々のキャリアに応じた各種の研修教育制度あり 新入社員研修・階層別研修・語学研修・通信教育・自己啓発支援など 諸手当： 住宅手当・扶養手当・通勤手当・時間外勤務手当・休日勤務手当など 福利厚生： 企業年金基金、健康保険組合、従業員持株会、各種慶弔見舞制度 保険： 雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険 |
参照：象印マホービンHP
求める人材
象印マホービンが求める人材像としては、「想像力を働かせ、新しい創造へ。」というスローガンを掲げています。
まずは、ブランドへの愛着心を持った人材を求めているのが基本です。
100年に渡る長い歴史があり、国内では象のマークが浸透しています。
魔法瓶といえばこのメーカーをまっさきに思い浮かべる日本人は、かなり多いはずです。
根強いブランド力に、自分がどのような思いの丈をを語れるでしょうか。
600名近い従業員数を抱える大きなブランドにて、「一人ひとりが想いを持ち、自主的に取り組む必要がある」と述べています。
国内で浸透したブランドの信頼を裏切ることはできません。
顧客は常に厳しい目で見ているとも述べています。
その上で、技術や研究を軸におき、積極的な営業力も備えている企業であり、業界のリーダー的存在として成立していることを知るべきでしょう。
競争倍率はかなり高いので、内定獲得は難しいかもしれませんが、文系学部、理系学部などの偏見は一切なく、公平に採用を考えている企業です。
新卒採用のフロー
象印マホービンの新卒採用フローは、公式ホームページにて公開されています。
以下のような流れで進行していきます。
- 説明会・エントリー
- 適性検査
- 複数回面接
- 内定
①説明会・エントリー
象印マホービンへの応募は、まずエントリーから始まり説明会への参加、書類選考へと移ります。
プレエントリーをする場合は、公式ページのエントリーフォームよりマイページ登録をするか、またはマイナビ、リクナビなど各サイトをこまめにチェックしておくとよいでしょう。
エントリーシートにて聞かれる質問は一般的内容が中心で、志望動機、学生時代のエピソードなど基本的なものです。
自分が象印マホービンを志望した理由を明確に回答できるよう準備しておく必要があります。
そのためには、企業研究や自己分析を十分におこない、自分らしい考え方を取りまとめてからエントリーするのがポイントです。
注意点としては、設計開発職、総合職の両方への応募はできません。
必ずどちらかへ希望を出すようにしましょう。
②適性検査
筆記試験もしくはSPIなどのWeb試験が実施される予定です。
➂複数回面接
詳細については公開されていませんが、一般的な一次面接を実施するものと考えてよいでしょう。
二次選考についても、一般的な二次面接の慣習に従っておこなわれるはずです。
基本的な面接対策を事前におこなっておくようにしましょう。
採用に関しては、個別面接を重視する傾向があり、その点も他の一般企業と変わりがないと考えられます。
④内定
複数回の面接を通過した人物が内定します。
新卒採用の内訳については、2022年度で男子14名、女子7名と公開しています。
属性としては、全学部・全学科の学生を対象として、適性に見合った配属となる予定です。
設計開発職を志望する場合は、技術力を要するため、理数系学部出身者を優先的に採用することになるでしょう。
参照：
採用大学
象印マホービンの採用大学実績校の情報は公式には公開されていません。
ただし、マイナビ2025によると、以下のように公開されています。
| 青山学院大学、麻布大学、愛媛大学、大阪大学、大阪学院大学、大阪芸術大学、大阪工業大学、金沢美術工芸大学、関西大学、学習院大学、近畿大学、岐阜大学、高知工科大学、甲南大学、神戸大学、国際基督教大学、滋賀県立大学、上智大学、成蹊大学、成城大学、専修大学、多摩美術大学、千葉大学、千葉工業大学、中央大学、中京大学、帝京大学、東京海洋大学、東京経済大学、東洋大学、同志社大学、獨協大学、新潟大学、日本大学、福岡大学、法政大学、武蔵野美術大学、明治大学、明治学院大学、立教大学、立命館大学、立命館アジア太平洋大学、龍谷大学、和歌山大学、早稲田大学 |
国公立・早慶上智・MARCH・日東駒専レベルの大学から、幅広い採用実績を持っているのが特徴です。
よって、学歴フィルターは存在しないと考えられます。
また、文系・理系も問わない姿勢で応募者を募っている傾向です。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
【徹底解説】学歴フィルターはどこから？実態（エピソード）と突破方法
参照元
就職偏差値・難易度
象印マホービンは、学歴フィルターもなく、全国のあらゆる大学からの採用実績を誇っています。
しかし就職偏差値や難易度は、かなり高いのが特徴です。
競争倍率が相当高い企業としても知られています。
常に100倍以上はあるため、難関企業の一つとして考えておく必要があるでしょう。
採用の特徴としては以下の3点が考えられます。
- 学部不問
- 自社製品への愛着度が高い人は有利
- 創造性やアイデアを出せる人を求めている
日本国内ではステンレス製魔法瓶の製造販売においてトップクラスであり、その他の家電製品も一般的に浸透しているので、ほぼ安定した事業展開をしています。
そのため、古い気質と新しいチャレンジを推奨する方向性とが、混在している印象を受けます。
象印マホービンへの就職を志望するにあたっては、企業が目指す方針と実際の社風を理解し、うまく馴染める人材であることをアピールしましょう。
まずは、エントリーシートにて、自分の強みとチャレンジ精神を自己PRにしてみることが望ましいといえます。
参照：マイナビ2025
まとめ
象印マホービンは、炊飯ジャーや電気ポットなどの調理家電分野でも、「ZOJIRUSHI」ブランドとして親しまれている家庭用品メーカーです。
新卒採用の選考基準は、特殊な条件、学歴フィルターなどは一切ないと考えられます。
傾向としては、文系学部出身者は営業や企画などの業務への配属、理数系学部出身者は研究職や技術職への採用となるでしょう。
部署間のコミュニケーションも良好なイメージが有り、営業職と技術職がお互いに協力しあって市場に製品を送り込んでいる印象があります。
強いブランドイメージを誇示しつつも、新しいチャレンジへ積極的な新卒者を受け入れる体制です。
象印マホービンの採用を志す就活生は、企業分析・自己分析をしっかりおこなった上でエントリーしてみてはいかがでしょうか。
