【企業分析】日鉄興和不動産の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/3/28更新
はじめに
日鉄興和不動産は、東京都港区に本社を置く、不動産会社です。
ビル事業を中心にしている不動産会社で、全国展開しています。
CMも数多く打つほどの企業であり、日本最大級の総合デベロッパーとして知られる企業です。
日本の総合デベロッパーといえば、大手6社があります。
日鉄興和不動産は準大手と呼ばれており、大手6社に次ぐ規模をもっている総合デベロッパーですが、グループ企業としての規模は、大手6社と比較しても非常に大きいのが特徴です。
「こだわり抜いた」開発をしている企業で、都市と地方の双方で事業展開してきたからこそ、どこに視点を置くか、他社との違いを明確にしてきました。
今回は、日鉄興和不動産の企業研究のためになる基礎知識などの情報をご紹介していきます。
この記事では日鉄興和不動産への就職に興味がある以下のような就活生を対象に企業分析を行っています。
ぜひ最後までご覧ください。
- 日鉄興和不動産の仕事内容が気になる
- 日鉄興和不動産の就職難易度を知りたい
- 日鉄興和不動産の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、不動産業以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、日鉄興和不動産の就職難易度は、高いと考えています。
以下の参照記事で詳しく解説している就職偏差値を参考にすると、中心より高い位置にあり、採用人数も少なく、デベロッパーとして人気があることから競争率の高い企業です。
採用大学はさまざまで、有名国立大学だけでなく、日東駒専、地方大学まで広く採用しています。
ここまでで考えると、外資系と同様に大学のブランドで判断せず、能力主義を敷いている可能性が高いでしょう。
学歴フィルターというのも、形がい化してきていることが考えられます。
そうなると、日鉄興和不動産に就職したいのなら、長期間しっかりとした選考対策をして内定まで進める可能性を高めるのが有効な方法です。
選考対策として、不動産デベロッパーのなかでも、なぜ「日鉄興和不動産」を選んだのかという理由を明確化します。
日鉄興和不動産は、大手ではあるものの、準大手に位置する企業です。
エントリーシートや面接でも問われることが多いため、どうしてなのかをはっきりとさせないといけません。
もちろん、入社後のビジョンまで伝えるようにすることで、理由はもっと大きなものになるでしょう。
日鉄興和不動産を受けるにあたり、なにを工夫したのかといった具体的な質問もあります。
準大手だからこその質問も多いため、どのようにとらえ行動したのか、その道筋も明確にすることが必要です。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
日鉄興和不動産について
参考ページ
会社概要
日鉄興和不動産は、不動産デベロッパー準大手であり、非常に巨大な企業グループ傘下です。
筆頭株主は日本製鉄で、興銀グループのながれも汲みます。
日本製鉄株式会社を中核としたグループで、製鉄事業だけでなく、物流や商社、建設業、総合サービス、不動産業など多種多様な企業で構成されてきました。
日本製鉄グループのなかでも、日鉄興産とともに不動産事業を進めています。
日鉄興産は日本製鉄関連の施設運営管理を中心としているのに比べ、日鉄興和不動産はデベロッパーとして活動してきました。
興銀グループは、日本興業銀行（現在のみずほ銀行）をメインバンクとした企業集団であり、融資系列としては繋がりがあるものの、グループ企業としての結束はほとんどありません。
そのため、みずほグループの企業ではあるものの、持分法運用会社として筆頭株主の日本製鉄グループと呼ばれます。
高級マンションやオフィスビルを手掛けてきた興和不動産と、土地部再開発などを広げてきた新日鉄都市開発が2012年に経営統合してできあがったのが日本興業不動産の前身である新日鐵興和不動産です。
2018年に新日鐵グループが時代の流れを理由に日本製鉄に名称変更したことで、現在の日本興業不動産へと名称変更しました。
早期よりビル賃貸業に進出してきた日鉄興和不動産は、外国人向け高級賃貸事業なども手掛ける一方で、総合デベロッパーとしての地位をあげています。
社会の変化にも対応し、多様なニーズに答えてきた企業です。
参照ページ
各事業別の売上規模
日鉄興和不動産の2023年度の営業収益は2,280億円で、純利益は258億円でした。
不動産賃貸事業561億円、不動産販売事業1,403億円、フィー事業389億円などによって構成されています。
参照ページ
各事業セグメントの解説
日鉄興和不動産の主な事業セグメントは以下の通りです。
| 事業部門 | 活動内容 |
| ビル事業 | 都心を中心とした大規模都市開発、中規模ハイグレードオフィスビルの開発・賃貸 |
| 住宅事業 | 分譲マンション開発、市街地再開発、マンション建替え、等価交換など都市再生、分譲マンション供給 |
| 高級賃貸事業 | 外国人向け高級賃貸住宅事業 |
| 物流施設事業 | サプライチェーンやインターネット販売市場に対応する物流施設の建築運用 |
| 不動産ソリューション | 金融と融合した総合不動産サービス |
| 国際事業 | ミャンマーを中心とした日系企業駐在員をターゲットにしたサービスアパートメント事業 |
| オープンイノベーション | スタートアップ企業の成長サポート、他業種との協業など |
日鉄興和不動産はデベロッパーとしてのイメージが強いものの、みずほグループ傘下の企業としての金融の強さなども発揮しています。
物流施設事業なども展開しており、総合デベロッパーとして能力を発揮しているといえるでしょう。
以下参照ページをご紹介いたしますので、是非確認してみてください。
参照ページ:
日鉄興和不動産で働いている社員は？
平均勤続年数は？
日鉄興和不動産の平均勤続年数は、約14.1年でした。
不動産業界の平均勤続年数は約7.8年であることからも、長く働ける環境がそろっていることが考えられます。
参考ページ
【日鉄興和不動産】新卒で就職するためには？採用フローや選考対策を徹底解説！ | careerMine
平均年収は？
2022年度の日鉄興和不動産の平均年収は994万円でした。
全国平均の年収が461万円であることを考えると、全国平均よりも高い水準となっています。
また、同じ「不動産業」の平均年収は675万円でした。
平均残業時間は？
日鉄興和不動産の従業員の平均残業時間は、1ヵ月あたり24.6時間でした。
不動産業で働く従業員の平均残業時間は14.2時間となっていることからも、業界内では比較的残業が多く長いといえます。
平均ボーナス額は？
日鉄興和不動産の平均ボーナスは160万円でした。
不動産業の平均ボーナス額が108万円であることからも、かなり多いことがわかります。
日鉄興和不動産のボーナス支給は、年2回です。
どんな文化なの？
日鉄興和不動産は、「人と向き合い、街をつくる」という理念を持っています。
社員それぞれが新しい挑戦やモノづくりへこだわりを持って取り組んできたのは、企業文化といえるでしょう。
ベンチャー企業との商談なども積極的であり、新たなサービスも生み出してきたからです。
特に他社では見かけないサービスを作り出す傾向が強く、アパレルブランドとタイアップした学生向けのマンションなども生み出してきており、若手でも積極的に意見をくみ上げてくれます。
参考ページ
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
競争が激しい不動産業界の中での日鉄興和不動産の立ち位置をご紹介します。
不動産デベロッパー準大手4社のひとつである日鉄興和不動産は、競合相手が
ヒューリック・東京建物・NTT都市開発になるでしょう。
準大手として総合デベロッパーではあるものの、どちらかといえば各領域に特化した事業展開を進めてきました。
社員数に対する業務領域の限界の問題がありますが、その分個人の裁量権が広い傾向も持っています。
営業利益で比較すると、日鉄興和不動産はヒューリック、東京建物に次ぐ位置です。
ヒューリックが圧倒的に大きく、大手6社の野村不動産や森ビルよりも営業利益は大きいことも分かっています。
- オフィスビルに特化：日鉄興和不動産は、オフィスビルの空室率が市場の4.49％に比べ、1.5%と極端に低い数字を出しています。
2020年末のデータですが、ほかのデベロッパーよりもオフィスビルを得意とし、特化した経営をおこなっていることは間違いありません。 - 将来の日本の住宅を予測：日鉄興和不動産は、外国人富裕層向けの住宅を手がけてきました。
これまでは日本人向けが中心だった住宅をシフトしてきたのは、グローバル化を予測した行動であり、非常に高い成績を生み出しています。 - こだわりのある開発：日鉄興和不動産は、都市開発に関して、地方開発で培った知識や経験も活かしながら、こだわりぬいた事業展開をしてきました。
赤坂エリアという土地に5,000平方メートル以上もの緑地を作り出すなど、これまでのデベロッパーの常識ではない開発もしています。
以上の要素により日鉄興和不動産は、不動産業の中でも差別化をはかった高い競争力を持つ企業です。
参考までに競合3社との情報もまとめました。
| 会社名 | 営業利益 | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
| 日鉄興和不動産 | 414億円 | 994万円 | 62 | 堅実な社風 |
| ヒューリック | 1,261億円 | 1,761万円 | 56 | どんどんと任せていく社風 |
| 東京建物 | 645億円 | 1,008万円 | 63 | 保守的な社風 |
| NTT都市開発 | 356億円 | 924万円 | 61 | チャレンジャーでありながらも不動産未経験者でも働ける社風 |
参考ページ
ヒューリックの平均年収は1000万円超え？平均年収や企業概要、向いている人の特徴について詳しく解説 | リアルエステートWORKS
日鉄興和不動産の新卒募集要項について
以下に日鉄興和不動産の新卒募集要項についてまとめました。
エントリー数は公表されていませんが、2021年の採用数は16人で、男性12人女性4人と3：1の割合です。
採用大学は多岐にわたり、学歴フィルターはあまり考えられません。
研修制度もそろっており、新入社員研修、ヒューマンスキル研修、ビジネススキル研修など各種さまざまです。
転勤については、少ないですが、海外も含め出てくる可能性があります。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 | 【正社員】総合職 |
| 給与（2023年4月入社初任給実績） | 【正社員】総合職 大学卒業見込みの方 月給：266,800円 大学院卒業見込みの方 月給：287,800円 |
| 賞与 | 年2回 |
| 研修制度 | 新入社員研修、ヒューマンスキル研修、ビジネススキル研修、次世代リーダー研修 |
| 福利厚生 | 社会保険完備（健康保険、厚生年金、雇用保険、労働災害補償保険（労災）） 福利厚生：＜諸制度＞ みずほ健康保険組合・財形貯蓄・住宅購入補助・慶弔見舞金・産前産後休暇制度・育児休業制度・介護休業制度 |
求める人材
日鉄興和不動産では求める人材として下記のような内容があります。
募集サイトに明確に記されている内容を細かく分析しましょう。
- 高い志を持ち、自主的・主体的に付加価値を創出し、自己成長を追求し続ける人材
高い志を持って自主的に行動しながら、自己成長のポイントをしっかり見つけている人。
- 自ら課題を設定し、困難にひるむことなく、成果達成に向けてやり抜く人材
自己成長にもつながりますが、常にマイルストーンを設定して達成していく人。
- 現状に満足せず、中長期的な目標で課題認識を持ち、新たな価値創造に挑戦し続ける人材
固執した考え方を持たず新たな価値の創造に挑戦できる人。
以上の3つは、日鉄興和不動産の募集要項に明確にされている部分です。
ただし、今現在すべての資質を持っている必要はなく、自己研鑽しながらチャレンジして、成長する意思があるかにかかっています。
新卒採用のフロー
日鉄興和不動産の選考は、下記の通りの選考フローとなっています。
採用ページにも記載がありますが、採用までの流れとしての一例として参考にしてみてください。
①マイページ登録
日鉄興和不動産の新卒募集公式サイトのエントリーボタンより、必要事項を入力し登録します。
②会社説明動画の視聴
日鉄興和不動産を具体的に知るための会社説明会です。
WEBセミナー方式で実施される会社説明会は、ここ最近の企業のトレンドになっています。
③エントリーシートの提出
エントリーシートも期限までに提出します。
よくある質問事項として
- ガクチカ
- 不動産業界に対する志望動機
- 強み・弱みを含んだ自己PR
この3つは、エントリーシートや面接で基本的な質問です。
日鉄興和不動産でも常に問われる質問ということで対策をしなければいけません。
どこの企業も同じですが、エントリーシートや面接でされる質問は、完全に公表されることはありませんが、ガクチカなどは、どんな学生生活を送ってきたか、考え方なども浮き彫りにしやすいためよく使われます。
日鉄興和不動産は、総合デベロッパーの中でも準大手であり、なぜ他の企業を選ばず選択したのか必ず問われると思わなければいけません。
規模の大きな大手6社ではなく、準大手4社の中でも3番目に位置する日鉄興和不動産になるため、明確な意思を持って目指したことを伝える必要があるでしょう。
そのためには企業の理念や取り組みもはっきりと意識し、答えられる準備が必要です。
中途半端な志望動機は裏目に出ると思わなければいけないでしょう。
④適性検査
日鉄興和不動産の適性検査はWEBテストを採用しています。
WEBテストは複雑な部分が多く、正確な理解が欠かせません。
特に効率的に答えていくことが求められますが、なにせ問題が多岐にわたるため、うまく対策できない人も多いでしょう。
大事なことは、効率化させることです。
ツールなども出ていることから、複数のツールをうまく組み合わせ、複雑な問題に対応できる力をつけておくことが求められます。
⑤グループワーク選考・デザイン思考テスト
適性検査の次は、グループワーク選考とデザイン思考テストです。
グループワーク選考は、グループディスカッションとは違います。
議論することは求められるというより、傾聴の姿勢が問われていることを忘れてはいけません。
どうしても目立とうと思う気持ちが先行するのは致し方ない部分があるものの、実際の仕事と同様に共同作業の過程が重要になるからです。
グループワーク選考と近いデザイン思考テストは、制限時間の間に複数個のアイデアを作成しなければいけません。
WEB受講が基本となりますが、グループワーク選考同様に想像力や組み立てが重要です。
⑥面接
日鉄興和不動産では、面接の回数は公開されていません。
最終面接まで行ったデータから推測すると、1次面接の後最終面接が行われるなど2回から3回程度の面接があると思わなければいけないでしょう。
複数回行われる面接の場合、初めのうちはエントリーシートの内容など基本的なところを浅く広く問われます。
面接の回数が進むごとに落とし込んだ質問をされるため、齟齬がないような論理性を持った回答を構築しなければいけません。
それも自分の言葉として説明できるほどの落とし込みが必要となるため、自分の中で明確な形を作るといいでしょう。
特に重要な点として、エントリーシートの場合と同様、日鉄興和不動産をなぜ選んだのか、他の質問とリンクするよう構築する必要が出てきます。
- 自己紹介
- 志望動機
- 組織のなかでやってきた役割
- 日鉄興和不動産でやりたい仕事
- ガクチカ
- 入社後にどんな風に貢献できるか
- 逆質問
日鉄興和不動産に入社後どのような形で貢献できるか、質問されたらどうでしょうか。
日鉄興和不動産を理解していなければ、明確な答えは返せません。
一般的なデベロッパーとは違い、みずほグループと日本製鉄グループの2つの流れを持っています。
さらに地方都市再開発を手がけてきた日鉄興和不動産ですので、現在の開発状況と合わせ、どんなこだわりを持っているか理解することが求められるでしょう。
日鉄興和不動産のイメージだけではなく、細かな部分まで落とし込まなければいけません。
以下のコンテンツも面接対策に役立ててみてください。
⑦内々定
最終面接までクリアすれば内々定がもらえます。
採用大学
日鉄興和不動産の採用大学の実績を以下に掲載しますが、最難関大学から標準的なレベルの大学まで幅広く採用されているのが分かります。
かなり幅が広いことからも、学歴フィルターはないといえるでしょう。
| ＜大学＞ 青山学院大学、大分大学大学院、大阪市立大学大学院、関西大学、関西学院大学、学習院大学、北九州市立大学、九州大学、九州大学大学院、京都大学、京都大学大学院、慶應義塾大学、慶應義塾大学大学院、神戸大学、神戸大学大学院、芝浦工業大学、上智大学、千葉大学、千葉大学大学院、中央大学、筑波大学、筑波大学大学院、東京工業大学、東京工業大学大学院、東京大学など |
日鉄興和不動産は、さまざまな大学から採用していることから、学歴を理由に不採用になる可能性はあまりありません。
そもそも採用数が多くないことからも、学歴よりも能力や結果を重視していることが分かります。
エントリーシートや面接対策を含め、長い期間しっかりと取り組んでいかなければ内定までは進めないでしょう。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、日鉄興和不動産の就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は総合デベロッパーの中でもかなり高い位置になります。
その理由として以下の3点が挙げられます。
- さまざまな大学を採用した実績があるが、そもそもの採用数が少なく競争率が高い。
- 学歴フィルターはないが、能力重視になり競争が激しい
- 給料水準は他のデベロッパーよりも高くはないが、離職率も低い。
基本的な対策は必須ですが、日鉄興和不動産独自の考え方も理解しなければいけません。
準大手として、他の企業と比較し差別化している部分があるからです。
対策を怠らず内定を獲得するためには、しっかりと対策してください！
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
参照ページ
まとめ
日鉄興和不動産は、不動産業のなかでも、準大手総合デベロッパーとして活躍してきました。
企業としての背景を考えると、みずほグループと日本製鉄グループという巨大なバッグを抱えた企業であり、どちらの特色も持っています。
都市開発を見ても、人と付き合い街を作る企業理念を掲げており、人々が暮らす空間に対する捉え方の違いがあるでしょう。
特に新卒採用サイトのトップページにあるように「こだわり抜く」という言葉が総合デベロッパーの中でも重要です。
自分自身がどのようなことに「こだわり抜いてきた」のか、日鉄興和不動産の理念と比べどこが繋がりを持てるのかを考えなければいけません。
準大手という立場を考えても、差別化されている内容を明確にし対策していく必要があるでしょう。
ぜひこの記事を参考にして励んでくださいね。
