
志望動機ってどうやって書いたらいいの?書き方の4つのポイントと例文5選
2023年5月19日更新
はじめに
志望動機の意味について、考えたことはありますか?
志望動機は、企業が人を採用する際に
「この人を採用したら本当に会社で活躍してくれそうか?」
「しっかりと企業に馴染んでくれそうか?」
などを判断する材料のために、選考を進めていけばいくほど重要度は増していきます。
特に大手企業の場合などは、企業理念ややっている事業、財務などの企業の情報がサイトに掲載されている場合も多いのが事実。
そのため企業側も、学生がこのような企業情報は予め知っているものとして、ESや履歴書に目を通します。
ですので、志望動機の欄で曖昧な回答をしたり、的外れなことを書いていると、他の準備をしてきて本当に心から入社したいと思っている就活生に、数の限られている”内定”枠を簡単に奪われてしまうのです。
就活の志望動機の欄は本質的にはテクニックではありませんが、土俵に立つため、そして”本当に入りたい”と入社への意欲を伝えるには、相応のテクニックも必要になってきます。
本記事では、学生の時に就活で多くの企業に志望動機を出してきて、現在は就活生の志望動機を見ている立場の筆者が、効果的な志望動機の書き方について解説。
もとより志望動機を具体的に書いていく前に、
企業が就活の際に「志望動機の欄で何を見ているのか」を知っておくことで、どう書けばいいのかのイメージが湧いてきますので理解しておきましょう。
1.企業は志望動機を通して何を知りたいのか?
1-1.就活生と会社がマッチしているかどうか
就活で、志望動機を書こうとしている段階の就活生であれば
「自分はどんな人間」で「どんなことをやりたいと思っているか」
という自己分析を当たり前のようにしているでしょう。
そうすることで、自分はどのような存在で、何をしたいのかが明確になっていきますね。
これは、就活生に限った話ではありません。
企業も、一法人として
「〜という風土」があって「こういう方向に進んで行きたい」
というように、企業の指針が定まっているのです。
つまり、学生側と企業側の方向性がマッチしていなければ、両者にとって良いことにはならないはずですよね。
例えば、能力はあっても「美容関係のことがやりたい」という学生が「不動産業界」で活躍できるとは限りませんし、そもそも仕事は基本的にはモチベーションを持って、続けなければ成果は出ません。
そういった意味でsも、企業がまず一番に見ていることは、学生といかにマッチしているかどうかと言えるでしょう。
1-2.将来活躍できるかどうか
企業は志望動機の欄を通して
「給料を払ってでも採用する価値があるかどうか」
を見ています。
もちろん企業によって、採用条件は異なるので「これがあれば絶対にいい」とは断言できません。
ですが、学生側の事前準備の具合、例えば綿密な準備をして企業のことを知ったり、自分のことを知ったりしているかどうかで、本気度を図っているのです。
【関連記事】
2.志望動機を書く際の4つのポイント
・就活生と会社がマッチしているかどうか
・将来活躍できるか
について見てきました。
これらを頭に置いた上で、どのように就活の志望動機を書いていけば良いのか、絶対に押さえておきたい具体的な4つのポイント、
①自分の仕事選びの軸
②企業の具体的な事業内容・風土
③自分と企業との接点
④その企業でないとダメな理由
を解説していきます。
筆者も就活の際、特に大手の場合などはHPや友人などに聞いて調べていました。
準備をすることで、その後の面接でスムーズに答えられるようになります。気を抜かずにやっていきましょう。
では各ポイントごとに見ていきます。
2-1.自分の仕事選びの軸・やりたいことを伝える
就活の志望動機で伝えるべきことは、その企業がどう自分にとって魅力的なのかということです。
その第一歩として、「自分がどのような価値観を持っているのか、何をしたいのか」について書く必要があります。
自己分析によって得られた”譲れない価値観”、企業や職種を選ぶ際に大切にしていることについて明記しておくことで、企業側も就活生の軸がわかり、採用可否の判断をすることができます。
というのも、企業側は採用段階で就活生のスキルを気にしているわけではないからです。
入社後に育てていき、長く働いてもらう前提で採用をするので、そのために必要なやりたいこと・価値観のマッチングが大切なポイントとなります。
2-2.企業の具体的な事業内容・風土
冒頭でも伝えた通り、志望動機の中には、
・企業が具体的にどのような事業を行っていて
・どんな人たちが働いているのか
などと、“自分は企業のことをある程度理解して応募している”ということが伝わる内容にする必要があります。
というのも、企業側は
・就活生が事前にしっかりと自分で情報を掴み、編集加工することができるのか
・数字・文字・人から聞いた情報を自分なりに解釈できる人物であるのか
という観点からも見ているからです。
2-3.自分と企業との接点
次に書くべきことは、自分の価値観と企業の価値観がどう繋がっているか、ということについてです。
簡単な例をあげると
「自分の仕事選びの軸」が人と関わって笑顔にできることで
「企業の主な事業内容」がエンターテイメントだとすると、
話に一貫性があり、”なぜ自分がその会社に入りたいか”という正当な理由になりますよね
逆を言えば、自分の価値観と企業の価値観の繋がり(接点)が見えてこないと、企業側はなぜ自社を志望しているのかが掴みにくく、採用からは遠ざかってしまうのです。
2-4.その企業でないと絶対にダメな理由
最後には、「なぜその企業でなければいけないのか(なぜ同じ業界の他の企業ではNGなのか)」という理由で締めくくりましょう。
日本や世界にはたくさんの同じような事業を行っている、風土の企業がたくさんあります。
その中から自分が「あなたの会社でなければいけない」という明確な理由を盛り込んでおくことで、就活の際の志望動機が他にはないオンリーワンになります。
【関連記事】
3.志望動機を効果的に伝えるための技術を紹介!
企業の人事の人は毎日何百、何千の就活生の志望動機に目を通しており、目が肥えています。
なのでどんなに熱い思いがあって、入りたいと思っていて情報を持っていても、それが人事に伝わらなければ読んでももらえません。
就活の際の志望動機の書き方には一般的な型があります。
それを知っておいて書くのと、知らないので書くのでは圧倒的な差が出てくるのはいうまでもありませんね。
ここからは具体的なテクニック、“「現在」「過去」「未来」を意識して書くことで綺麗な論理的な文章にする方法”を紹介していきます。
3-1.「現在」で結論をわかりやすく伝える
まず志望動機の欄には「あなたが企業のどこに魅力を感じていて、なぜ入社したいのか」を簡潔に伝えましょう。
短ければ短いほどいいです。
というのも、何を書くにも(話すときにも)一緒ですが、先に内容の要旨、例えば「これから何について書いているのか、話すのか」を知っていると、聞く姿勢ができ、話が入って来やすくなりますよね。
「でも、入社したいと思うポイントはどうしてもたくさん盛り込みたい、、」
という方もいると思います。
気持ちはわかりますが、グッと堪えてまとめたり、削ったり、優先順位をつけたりして、短く端的に思いを伝えてみましょう。
3-2.「過去」を使ってリアリティーを出す
次に、なぜその企業に入りたいと思っているのか、その具体的な理由や根拠を自分の経験をベースに書き出していきましょう。
その際には、前のステップで考えた「自分と企業との接点」を参考にしましょう。
そうすることで、具体的に文字に落とし込んでいく際の根拠となり、説得力が増します。
3-3.「未来」を見せて採用させたいと思わせる
最後に、自分が入社した際にはどう活躍できて、どんな成果を残すことができるのかを伝えて来ましょう。
やはり先ほども述べたように、採用活動とは企業にとっては成長のための一つの戦略になります。
そこで、しっかりとあなたのやる気や本気度を伝えることで人事に「企業の成長のためにこの人を絶対に採用したい」と思わせましょう。
4.大手企業から10個以上内定をもらった先輩からのアドバイス
筆者の友人の中に、誰もが聞いたことのある大手企業から内定を10個以上もらった方がいたので、就活の志望動機の書き方のコツを教えてもらいました。
その友人曰く3つのポイントがあるそうなので、ご紹介します。
4-1.嘘は書かない
紙だけの志望動機ならいいのですが、しっかりとした企業になればなるほど、受けている就活生が多ければ多いほど、面接は必ずあります。
大抵の場合、面接は紙に書かれている志望動機をベースに面接があり、深掘りをされます。
自分よりも年齢が上の大人、ましてや何千人と就活生を見てきている人事には、上っ面の言葉で、嘘を書いていると必ずバレます。
なので事実ベースで嘘のないように書いていきましょう。後々自分を苦しめるのは嘘を書いてしまった自分です。
4-2.様々なパターンで試しに出してみる
本命の企業に志望動機を提出する前に、いくつか他のパターンでも作成し、他の企業にも出しておきましょう。
すると、選考を通りやすい志望動機と、そうでないものがある程度分かれてくるはずです。
それを元にしっかりと修正をしたり、他の人にアドバイスを求めることで説得力のある、強い志望動機になっていきます。
4-3.自分の価値観や経験で根拠を持たせる
自分の独自の価値観や経験を根拠として示しておくと、他の就活生と差別化をはかることができますし、何よりも人事に「こいつは本気なんだな」と感じさせることができます。
何度も書いている通り、就活は「自分」と「企業」の接点がいかに作れるかが大切になってきます。なのでしっかりと自己分析をして、その内容を盛り込んでいきましょう。
【関連記事】
5.志望動機例文5選
それでは、4つのポイントを使って志望動機の例文を見ていきます。
①自分の仕事選びの軸
②企業の具体的な事業内容・風土
③自分と企業との接点
④その企業でないとダメな理由
どのような観点で作成したか、ポイントはどこかも意識しながら読んでみて下さい。
5-1.会社のプロダクトに魅力を感じた場合の志望動機
私の求職活動の中心には、「自分が関わることで社会に何かしらの貢献をしたい」という思いがあります。
それは私が大学で社会学を学んだ影響から来ており、これまでの経験からも、人々の生活を直接的に豊かにするような仕事に対する強い魅力を感じています。
その中で、御社が手掛けるプロダクトである遠隔診療に、その魅力と可能性を強く感じました。
具体的には、昨年夏に私がボランティアで関わった地域振興プロジェクトで、御社のプロダクトが大いに活躍したのを目の当たりにしました。
その時、プロダクトの使いやすさや、それが地域の人々の生活にどれほどの影響を及ぼすかを実感しました。
その瞬間、私の心は確信に満ち、御社に関わりたいという思いが強く湧き上がりました。
私は、そのような素晴らしいプロダクトを創り出す御社に、自分のスキルと情熱を投じることで、社会貢献を果たしたいと考えています。
【作成観点とポイント】
この例文では、仕事選びの軸は、「社会貢献」であり、それを満たせるのが、ボランティアで出会い感銘を受けた「プロダクト(遠隔診療)」に関わることだと強調しています。
このように、自分と企業の出会いをストーリーに仕立て、感情を織り込むことで、企業も親近感を持つことができ、志望動機に納得することができます。
5-2.会社説明会で聞いた社風に魅力を感じた場合の志望動機
私が初めて御社について詳しく知ったのは、昨年の秋に開催された会社説明会でした。
その時に知った、ファーストネームで呼びあう独自の企業風土や、自治体と共創する事業内容が、私の理想とする働き方に一致し、御社で働きたいと強く感じた瞬間でした。
私自身、大学時代には地域活性化の学生団体で活動しており、チームで協力しながら地域の課題に取り組んでいた経験があることから、地域の人々の生活を直接的に改善する仕事に魅力を感じています。
そのため、御社が取り組む地域密着型のビジネスモデルは、私の求める仕事への価値観と深く共鳴しました。
また、説明会でお伺いした御社の企業風土は、まるで社員を家族のように大切にしている温かさを感じました。
このような理由から、私は御社でなければならないと強く感じています。
【作成観点とポイント】
この例文では、自治体と協業して事業を推進するビジネスモデルと、大学時代に地域の課題に取り組んでいた過去の経験を照らし合わせて、企業風土と事業内容に共感したことを主張しています。
さらに、ファーストネームで呼び合う企業文化や、個性を大切にした大家族のような環境に魅力を感じ、その企業でなくてはならない理由を伝え、帰属意識や成長性の高さをアピールすることで、企業へ好印象を与えています。
5-3.OB・OG訪問を行った際に、働いている人の人柄に魅力を感じた場合の志望動機
御社を志望する理由は、OB・OG訪問を通じて企業の内部の風土を垣間見たことで、その魅力を肌で感じられたためです。
OB・OG訪問を行った際に、働いている方々が忙しい中でも笑顔を見せながら、お互いに助け合い、成長を促す姿勢に感銘を受けました。
自分もかつて高校の文化祭で、準備期間中のクラスメイトと助け合いながら素晴らしいイベントを作り上げた経験があり、そのとき感じた達成感と団結力は私にとって大変貴重な思い出です。
御社の事業内容と風土が私のキャリア選択の軸にマッチしているため、自分が御社で働くことに意義を感じております。
このような理由から、私は御社で働きたいと強く願っております。
【作成観点とポイント】
この例文では、OB・OG訪問で実際に働く先輩たちが助け合う姿を、過去の文化祭でのチームワークによる成功体験を重ねて、助け合う姿に感銘を受けたことを訴えています。
OB・OG訪問をしたという点で、他の志望者よりもアドバンテージがあるため、訪問した経緯やその時の心境を伝えることで、企業も志望者の熱量を感じることができます。
5-4.企業理念、事業戦略に魅力を感じた場合の志望動機
御社の企業理念と事業戦略に強く共感し、その理念を共有し行動できる場所として御社を選びました。
大学生の頃、私は地元の中小企業でインターンとして働く機会がありました。
その企業では、御社の提供するビジネス管理ソフトウェアを利用していました。
そのソフトウェアが、企業の業務効率化を促進し、成長を支援しているのを目の当たりにし、御社が掲げる「顧客の成功を自身の成功とする」という理念の具現化を実感しました。
この経験が、顧客の成功が自社の成功に直接つながることを身をもって教えてくれ、これが企業の成長を支える重要な要素であるという理解を深めました。
御社の事業戦略は、この経験が私に教えてくれた価値観を具現化しています。
つまり、顧客の課題を解決し、その成功をサポートすることを目指しています。
このような価値観を体現し、一緒に成長できる企業として、私が想像できるのは御社だけです。
自分の経験と価値観を最大限に活かし、御社の一員として顧客の成功に貢献したいと考えています。
【作成観点とポイント】
企業が提供しているサービスを利用した実体験から、「顧客の成功を自分の成功とする」という企業理念の理解を深め、この企業でないとダメな理由である十分なエピソードとなっています。
また、「私が想像できるのは御社だけです」と強く言い切っていますが、サービスを利用したという接点があるため、口先だけの言葉だけではないことを企業も理解することができます。
5-5.新人の教育制度に魅力を感じた場合の志望動機
私が御社を志望する理由は、その充実した教育制度が私のキャリア形成の軸である「自己成長と能力開発の実現」に一致しているためです。
私がこの軸を大切にする理由は、高校時代のバスケットボール部での経験からきています。
私たちのチームは無名でしたが、コーチからの丁寧な指導と、個々のスキル向上に焦点を当てた練習のおかげで、県大会に出場するまでに成長しました。
その経験から、個々の能力開発がチーム全体の成果につながることを実感しました。
御社の教育制度、特に新人研修やメンター制度は、一人ひとりの成長に焦点を当て、徹底したサポートを提供しています。
新たな環境で働き始める私にとって、これほど安心できる制度は他にはないと確信しています。
また、このような教育制度があることは、御社が個々の能力開発を重視し、それが企業風土の一部となっている証でもあります。
そして、私の高校時代の経験を活かし、御社が提供するこの一貫した教育制度をさらに飛躍させ、新入社員やチームの成果向上に貢献できると信じています。
御社の教育制度や企業風土は、私が探していたキャリアの方向性と完全に一致し、御社にしかないと確信しています。
【作成観点とポイント】
部活動での経験から教育制度の重要性を説いており、企業の教育制度と、自身の価値観をリンクさせ、自身のキャリア形成における整合性を主張しています。
また、その経験を組織の教育制度で活かし、チームに貢献すると自信を見せることで、企業も志望者のことを深く理解したいという気持ちになります。
まとめ
就活の志望動機はしっかりとポイントを押さえて書こう!
いかがだったでしょうか?
「具体的にどうやって志望動機を書いたらいいのか」と頭を悩ませていた方は、イメージが少しでも湧いて来たのではないでしょうか。
特に大きな企業やたくさんの就活生が入りたいと思うような企業は、たくさんの優秀な学生がエントリーします。
その中でしっかりと自分の本気度を示し、自分がその企業でなければならない理由を示すことで、そのほかの大学生と一線を画すことができます。
就活はテクニックが先行してはいけませんが、自分のことを効果的に伝え、他の就活生の志望動機の中に埋もれないためには上記で解説したようなテクニックが非常に大切になって来ます。
ご紹介した事項をしっかりと自分なりに解釈し、今日から早速活かしてみましょう!