【企業分析】大正製薬の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/3/21更新
はじめに
大正製薬ホールディングス(以下、大正製薬)は、創業1912年(大正元年)、創立1928年(昭和3年)で東京に本社を置く歴史ある製薬会社です。主に医薬品、健康関連商品等の研究・開発・製造・販売を行う企業です。
関西や九州等に支店を構え、研究所や物流センターもあり、全国の薬局・薬店で買える医薬品をはじめ、医療用医薬品も取り扱っています。また国内だけでなく、海外にも事業展開しており医薬品等の開発や製造・販売を行っています。
今回はそんな大正製薬の企業研究を行うための基本知識や社風、選考対策などを紹介していきます。
この記事では大正製薬への就職に興味がある以下のような就活生を対象に企業分析を行っています。ぜひ最後までご覧ください。
- 大正製薬の仕事内容が気になる
- 大正製薬の就職難易度が知りたい
- 大正製薬の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、製薬会社以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
参照ページ:【企業研究ガイド】業界一覧
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、大正製薬の就職難易度は、かなり高いと考えています。
非常に人気の高い企業であり、採用人数も少なく(毎年50人程度)採用倍率が高いです。
また、採用大学は国公立大学からの採用が目立ち、学歴フィルターがあると言えます。
しかし、一部私立大学からの採用もあり自分の能力を上手くアピールできれば採用を勝ち取る可能性はあります。
選考方法は一般的でエントリーシートを提出し書類選考後に一次、二次、最終面接という流れになります。
また職種としては、研究職、開発職、生産技術職、ビジネス総合職となっており仕事内容は様々です。
次の章から各内容や、その他就活生に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
参照ページ:
大正製薬について
会社概要
大正製薬は、一般用衣料品、食品、雑貨等の製造、販売および医療用医薬品の製造、販売等を行っている企業です。
主にセルフメディケーション事業、医療事業を展開しており、海外にも事業を広げています。
国内におけるセルフメディケーション事業は50を超えるブランドを展開し、それらの中には90年以上生活者から支持されているものもあります。
また、時代によって生活者のニーズも変化するため、健康関連商品にも領域を広げるなど対応に積極的に取り組んでいます。
さらにオンラインでの商品販売にも力を入れており、時代に合わせた商品購入の利便性の向上にも取り組んでいます。
海外におけるセルフメディケーション事業は、欧米地域とアジア地域で行っています。
海外でも国内同様のブランドを展開していますが、現地の生活者のニーズを捉え、その地域に合わせた製品の開発にも取り組んでいます。
医療事業では「整形外科疾患」「代謝性疾患」「感染症」「精神疾患」に重点を置いて研究開発をしており、独自性のある開発に取り組んでいます。
経営方針に「本業に徹する」ことを掲げており、生活者のことを第一に考えることを創業当時から大切にしている企業です。
参照ページ:
各事業別の売り上げ規模
大正製薬の2023年12月の四半期財務情報によると収益は835,76億円で前年比0.51%増、純利益は28,73億円で前年比71.33%減となっています。
開発した医薬品の特許切れなどで医薬事業は伸び悩んでいるようですが、セルフメディケーション事業は好調で高水準の売り上げを保っています。
それぞれの事業の売り上げは以下の通りです。
- 医薬事業
377億円(構成比12.5%)
- セルフメディケーション事業
2,637億円(構成比87.5%)
国内:1,345億円 海外:1,267億円
各事業についての詳細は以下を参照してください。
参照ページ:大正製薬ホールディングス 3分でわかる大正製薬
各事業セグメントの解説
大正製薬の主な事業セグメントは以下の通りです。
事業部門 | 活動内容 |
セルフメディケーション事業(国内) | OTC医薬品とその周辺領域で事業展開している。 パブロンなど国内のOTC医薬品市場でトップ。 |
セルフメディケーション事業(海外) | OTC医薬品の現地ブランドを獲得し、東南アジアや欧州市場を基盤として事業を拡大している。 |
医薬事業 | 医薬事業では「整形外科疾患」「代謝性疾患」「感染症」「精神疾患」を重点領域としている。研究開発型企業として「クラリス」「ルセフィ」などを自社開発し上市した。 |
海外にも事業を展開しており、その活動領域は幅広いです。
大正製薬で働いている社員は?
平均勤続年数は?
大正製薬の勤続年数は男性18.2年、女性18.0年です。
例えば、同じ製薬会社大手のロート製薬株式会社の勤続年数は男性15.3年、女性13.1年であり、大正製薬HDの方が比較的長く働くことができる環境であると言えます。
実際に大正製薬が発表している数字がありますのでご覧ください。
またロート製薬が発表している数字も比較の参考にご覧ください。
参照ページ:
平均年収は?
インターネットで調査したところ、平均年収は667万円で、職種によって年収にばらつきがあります。製薬会社の年収が1,000万円となっており低いように感じますが、全業種の平均年収と比べると高い傾向にあります。
製薬会社の平均年収についてまとめたページがありますので参照してみてください。
参照ページ:マイナビAGENT 製薬会社の平均年収は高い?職種ごとの年収や高い理由について解説
平均残業時間は?
大正製薬の平均残業時間は29.6時間でした。
残業はあるようですが、近年働き方改革が実施されており、社員の労働環境を改善する努力がなされています。
平均ボーナス額は?
詳しい数字は公開されていませんが、大正製薬の賞与は8月、12月、3月の3回支給で各期給与の2ヵ月分です。
初任給で考えると、学部卒では235,000円となっているので単純計算で1回のボーナスはこれの2ヵ月分となります。
どんな文化なの?
大正製薬は「生活者の健康でより豊かな暮らしの実現に貢献する」ことを理念としています。時代の変化に合わせて生活者のニーズを捉えて企業も成長してきました。
職種も研究職だけでなく総合職もあり、様々なスキルを持った人々が集まる企業と言えます。
また多様性を重視した労働環境を目指しており、外国籍の従業員の採用や性別に関わらず、優秀な人材が活躍できる環境を整える取り組みをしています。
また独自の教育制度を設けており、次世代を担う人材の育成に力を入れており、主体的に行動し、学習意欲のある人には向いている企業と言えます。
大正製薬の働く環境などについては下記を参考にしてみてください。
引用ページ:
参照ページ:
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
多くの製薬会社がある中での大正製薬の立ち位置を見ていきたいと思います。
2023年3月期の売上高(5月11日発表)は3,013億8,100万円(前年比12.4%増)でした。
大手製薬会社の武田薬品工業は4兆275億円(前年比12.8%増)で、売り上げは他社と比べて少ないように見えますが、長年愛される商品を販売し続けており、すぐに業績が悪化することはないでしょう。
またOTCに関しては国内トップの売り上げでセルフメディケーション事業が好調のようです。
以下のページを参照してください。
参照ページ:Answers 大正製薬ホールディングス
参考までに他製薬会社の情報もまとめました。
会社名 | 売上高(2023) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
大正製薬 | 3,013億8,100万円 | 667万円 | 51 | 生活者・社会への貢献を目指す |
武田医薬品 | 4兆275億円 | 1013万円 | 64 | 患者に寄り添う |
大塚ホールディングス | 1兆7,380億円 | 800万円 | 62 | 世界の人々の健康に貢献する |
アステラス製薬 | 1兆5,186億円 | 954万円 | 72 | 先端・信頼の医療 |
引用ページ:
大正製薬の新卒募集要項について
大正製薬の新卒募集要項についてまとめました。
近年、働き方改革に力をいれており福利厚生は充実している印象です。
また休みを取りやすくする働きかけも行っており、従業員の働きやすい環境を作ろうと努力しています。
また支店が全国各地にあるため、職種によっては転勤もあると考えられます。
海外にも事業を展開していますが、海外担当のスタッフは本社勤務のようです。
研修の機会も設けてあり、従業員の育成環境も充実しています。
職種 | 研究職→医薬品の研究 開発職→臨床計画立案、臨床試験推進、データ解析、承認申請 生産技術職→技術開発、エンジニアリング、生産管理、品質管理、製 造業務など ビジネス総合職→SR、MR、マーケティング、商品開発、海外事業ス タッフ、システム企画など |
給与 | 初任給 学部卒 235,000円 修士・6年制学部卒 259,000円 博士卒 296,000円 |
諸手当 | 外務手当(営業職のみ)、住居手当、通勤手当、その他家族手当などあり |
賞与 | 年3回 |
昇給 | 年1回 |
休暇 | 週休2日制(土日)※但し、年3回程度土曜出社あり 祝日、夏季・年末年始休暇など(年間122日) 年次有給休暇(10~20日)、リフレッシュ休暇、特別休暇など |
求める人材
大正製薬が求める人材は下記のように公表されています。自己分析の参考にもなりますのでご覧ください。
- 自ら考え、行動する
常に「なぜ」という問題意識を持ち、論理的な思考に基づいて、自ら考え積極的に行動すること。
- 高い専門性を身につける
自分の得意な分野を持ち、その分野においては誰にも負けないという専門性を持つこと。
また、その専門性を高めるための努力を惜しまず、自己啓発に努めること。
- コミュニケーション能力
相手のニーズを的確に捉え論理的に説明し、相手を納得させることができること。
- 正直・勤勉・熱心に行動する
自分が不利になろうとも正直かつ誠実に語り振る舞い、一心に物事に打ち込み、情熱を持って行動できること。
- チャレンジ精神
従来の概念にとらわれず、失敗を恐れることなく、新しいことにチャレンジする。
- 判断基準
常に、長期的視点、全体最適、生活者視点を重視した判断を心がける。
- 自己実現
自分の価値観・夢・使命感にこだわりを持ち、その実現に向け努力を続けるとともに仕事を通じて、会社と社会に貢献する。
企業のテーマとして「健康と美」を掲げており、事業の原点を大切にしている企業です。
原点を大切にする中でも新しい事業にも挑戦しています。
生活者目線に立って、主体的に挑戦し続けることのできる人材を求めています。
エントリーシートや面接時には、これらの意識を持っている人材かどうか見られています。
これらをぜひ参考にして自己分析し、選考に臨みましょう。
引用ページ:大正製薬 メッセージ
新卒採用のフロー
大正製薬の新卒採用フローを以下にまとめました。
特別な選考方法はなく、比較的スタンダードであると言えます。
選考では志望動機などの基本的な質問はもちろんですが自分が学生時代に研究したことについても詳しく聞かれるようです。
「自分が入社してから何をしたいのか」と将来の展望に関しても重要視されています。
やはり、企業の求めるチャレンジ精神のある人材であるかどうかや物事に対してどれだけ熱心に取り組んできたかなどが見られています。
しっかり、自分がこの企業にマッチしている人材であるかどうかを分析し、どのようなことをこの企業で実現したいのか考えておく必要があります。
1. Webエントリー
企業ホームページにてWebエントリーできるようです。
2. 会社説明会
選考とは関係なく、全国一斉に行われるようです。
東京以外ではビデオ中継で、会社説明や職種説明が行われます。
実際に働く社員の話を聞く時間もあり、企業研究するにはぴったりの機会です。
3. 書類選考
エントリーシートはダウンロードして自分で手に入れ、記入します。
志望動機、研究課題、所持している資格、自己PR(A4用紙1~2枚)などを記入する必要があります。
4. 一次面接、適正試験など
性格テストがWebで行われるようです。
一次面接は営業マネージャークラスの社員2~4人に対して個人面接が行われます。
エントリーシートに記入した内容の詳細に回答することに加えて、過去には以下のことも質問されています。
- 研究内容について
- 研究室での役割
- 入社後にどんなことがしたいか
- 大正製薬の商品を1つ売り込んでみてください
面接時間は20分程度です。
5. 二次面接
二次面接は人事3~5人に対して個人面接が行われます。
聞かれることは一次面接とあまり変わりはないようですが、研究の内容を詳しく聞かれるようです。
例えば、自分の研究が入社後にどう生かせるかなどが過去には質問されています。
面接時間は15~20分程度です。
6. 最終面接
最終面接は役員相手の面接になります。
役員4~6人に対しての個人面接かグループ面接が行われます。
ここでもエントリーシートの内容はもちろん聞かれますし、自分の性格や強みなど人柄に触れる質問が多いようです。
どの面接も終始穏やかな雰囲気で行われ、緊張はすると思いますが比較的リラックスして取り組めそうですね。
過去には以下のようなことが質問されています。
- 趣味について
- 大正製薬で生かせるあなたの強みは?
- 研究で困難に直面したときに何をよりどころにする?
などです。
7. 内定
最終面接を突破したら内定が決定します。
大正製薬の面接や選考について、過去のデータがありますので参考にご覧ください。
また、製薬会社のエントリーシートの書き方についても詳しくはこちらを参考にご覧ください。
参照ページ:
採用大学
《研究職、開発職、生産技術職》 麻布大学、石川県立大学、愛媛大学、大阪大学、大阪医科薬科大学 大阪市立大学、大阪府立大学、岡山大学、金沢大学、岐阜大学、岐阜薬科大学 九州大学、京都大学、京都薬科大学、慶應義塾大学など 《ビジネス総合職》 九州大学、慶應義塾大学、神戸大学、埼玉大学、静岡大学、順天堂大学 上智大学、昭和薬科大学、専修大学、中央大学、東京外国語大学など |
大正製薬の採用大学の実績を上記にまとめました。
ご覧になってわかるように国公立大学の採用が目立ちます。また私立大学の採用もありますが、レベルの高い私立大学が多いです。
大正製薬にはレベルの高い国公立大学の名前もあるため、学歴フィルターは無いとは言えないと考えます。
しかし、必ず国公立大学でなくてはいけないというわけではなく、様々な大学から採用実績があるようです。
また、他製薬会社に比べて偏差値は低めですので、しっかり採用試験に向けて準備、対策をすれば採用を勝ち取ることができるのではないでしょうか。
学歴フィルターについては下記を参照してみてください。
就職偏差値・難易度
ここまで、大正製薬の行っている事業、取り組みなどを見てきました。
採用試験で対策する点も少し見えてきたのではないでしょうか。
それでは、ここまでの内容を踏まえて大正製薬の就職偏差値・難易度を見ていきましょう。
結論として、偏差値・難易度は高いと言えます。理由として2つ挙げます。
- 採用人数が少なく競争率が高い
- 国公立大学からの就活生が多く、人気の高い企業
論理的かつ端的に受け答えをできることが求められますので、しっかり対策をしてライバルとの差をつければ内定をもらえるチャンスはあるでしょう。
製薬会社の就職難易度をまとめたページがありますので、参考にご覧ください。
まとめ
大正製薬は製薬会社業界の中でも特にセルフメディケーション事業に力をいれており、海外にも事業を展開しています。
長年愛される商品を多く取り扱っており、生活者の目線に立つことを創業当時から大切にしている企業です。
就職難易度は高いですが、この企業で何をしたいのかという将来の展望を明確にし、しっかり対策をして臨めば内定をもらえるチャンスはあるでしょう。
ぜひ、この記事を参考にして選考に挑んでみてください。