建設業界のエントリーシートの対策法を徹底解説
2024/3/20更新
はじめに
本記事では、建設業界への就職を目指しているものの、エントリーシートの書き方やアピール方法に不安を感じている学生に向けて、エントリーシートの書き方のポイントを徹底解説しています。
特に建設業界ならではのアピール方法から実際の記載例まで、明確かつ分かりやすく紹介します。
さらに、建設業界が求める人物像の特徴や、選考のポイントについても詳しくアドバイスしているため、建設業界への内定を目指す就活生はぜひご一読ください。
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建設業界の概要
まずは、建設業界の概要について紹介します。
建設業界とは
建設業界の概要
建設業界は、土地や建物、道路などの建設に携わる業務を担っている業界です。
主に住宅やビル、学校、工場などの建物を建築する「建築」と、道路やトンネル、橋、ダム、水道などのインフラ整備を主軸とした「土木」に分けられます。
「建設業界」と「建築業界」は言葉が似ていますが、建築は家を建てる一連の工程です。
それに対して建設は、家など建物の建築だけでなく、土地の改良や造成をはじめ、橋や堤防、道路なども含めて建築する業界です。
建築業界は建設業界の中に含まれると覚えておきましょう。
建設業界の業務内容
- 施工管理
建設の施工に関するスケジュールの設定や管理を行う仕事です。
品質や安全性、予算といったさまざまな観点から管理を行い、施工が計画通りに進むように全体をマネジメントします。
- 設計
設計では、クライアントのニーズを形にして建設物の設計図を作っていきます。
ニーズを汲み取るだけでなく、利便性やデザイン性を高めたり、コストを下げたりして顧客満足度を上げようとすることもあります。
- 営業
建設業界における営業とは、クライアント向けて自社の技術・実績を紹介し、施工を発注してもらえるように提案する仕事です。
クライアントと現場をつなぐための大事なパイプ役と言えるでしょう。
- 技術
技術部門では、建設現場で必要な技術の開発・導入を担当しています。
建設業ではさまざまな工事を請け負うため、施工が難しい案件を請け負ったり、特殊な技術や道具が必要になったりするケースが多いです。
その際は、技術部門の新たな技術の開発・導入をすることで業務効率化につなげます。
- 事務管理
事務管理は、人事・総務・法務・経理などのデスクワークを指します。
電話・メール・来客対応、事務用品の補充、伝票や請求書作成、清掃、建設工事関連の書類作成・管理に携わります。
- 情報システム
システムの管理・運用や、社員が使用するパソコンなどIT機器の管理を行います。
AI技術やOA機器を用いて、より働きやすい環境作りを目指しています。
- 安全管理
現場での事故防止対策を担う大切な業務です。
建設業界は大きな事故が起こる可能性が高いため、安全管理のためのルールの作成や管理を担当します。
建設業界の採用難易度
建設業界の採用難易度はやや高いと考えられるでしょう。
建設業界は、国内全業種の有効求人倍率と比較すると倍率が高い業界です。
2021年8月時点で有効求人倍率は、「建設躯体工事」が8.58倍、「土木」が6.26倍、「建築・土木・測量技術者」が6.21倍と、非常に高い倍率です。
大手ではない中小規模の企業ならそこまで難易度は高くありませんが、清水建設などの大手となると、かなり採用難易度のハードルは上がってきます。
もし大手の企業へ入社を希望している場合、ほかのライバルと差をつけるための徹底したエントリーシート対策が必要です。
建設業界の採用大学
企業によっても異なりますが、大手の建設系企業には学歴フィルターがあると考えられます。
東洋経済新報社が発行している『就職四季報 2022年版』によれば、2021年度のスーパーゼネコンの採用実績校は、以下のような結果となりました。
企業名 | 採用実績(2021年度) ※清水建設のみ2020年度 |
大林組 | 慶應義塾大学(6人) 東北大学(4人) 明治大学(4人) 早稲田大学(3人) 上智大学(3人) 大阪市立大学(3人) 一橋大学(2人) 横浜市立大学(2人) 法政大学(2人) 立命館大学(2人) 学習院大学(2人) 創価大学(2人) |
鹿島建設 | 明治大学(11人) 早稲田大学(7人) 東京大学(6人) 近畿大学(5人) 東京都市大学(5人) 慶應義塾大学(5人) 芝浦工業大学(4人) 新潟大学(4人) 日本大学(4人) 大阪大学(4人) |
大成建設 | 日本大学(19人) 早稲田大学(10人) 東京都市大学(7人) 慶應義塾大学(7人) 芝浦工業大学(6人) 東洋大学(5人) 金沢工科大学(4人) 広島工科大学(4人) 法政大学(4人) 名古屋工科大学(4人) 青山学院大学(4人) 横浜国立大学(4人) 中央大学(4人) |
清水建設 | 日本大学(15人) 法政大学(8人) 東京理科大学(7人) 早稲田大学(6人) 芝浦工業大学(6人) 明治大学(6人) 横浜国立大学(4人) 岡山大学(4人) 立命館大学(4人) |
竹中工務店 | 関西大学(7人) 工学院大学(5人) 早稲田大学(4人) 日本大学(4人) 明治大学(4人) 名古屋市立大学(4人) 北海道大学(3人) 立命館大学(3人) 芝浦工業大学(3人) 和歌山大学(3人) |
上記のデータを見ても、大手の建設業界は難関大学出身の学生を積極的に採用していることが明らかです。
地方の大学や産近甲龍・日東駒専のような、比較的偏差値が低い大学からの採用は少ない傾向にあります。
採用大学のランクに関しては、以下の記事を参考にしてください。
建設業界が求める人材とは?
建設業界に就職したい学生は、建設業界がどのような人物を求めているかについても理解する必要があります。
以下では、建設業界が求める人物像について解説していきます。
エントリーシートを作成する際は、希望の建設業界にあった人物像をアピールできるように自己分析しておきましょう。
問題を発見・解決する能力
建設業界が求める理想の人物像として「問題を発見・解決する能力」がある人材が挙げられます。
ゼネコンの仕事は、ステークホルダーと協力しつつ建造物を作り上げることです。
こういった業務の中で、顧客のニーズや課題点を発見して解決する力は必要不可欠です。
提案から解決までを一貫してできる根気強さや細やかな気配りも一緒にアピールすると、採用にプラスとなるでしょう。
価値観の異なる人とも助け合えるチームワーク
建設業界では、企業内部や下請け業者との関係だけでなく、ステークホルダーや顧客など、さまざまな人と仕事をする機会が多いです。
そういった環境で仕事をしていれば、当然意見の食い違いや価値観の不一致が起こることがあるでしょう。
そのため、他人の意思を尊重し、折り合いをつけながらチームワークを発揮できる資質が必要です。
新しいものを生み出せるクリエイティブな発想
建設業界では、新しい建築物を作り出すことが主な事業内容です。
つまり、クリエイティブかつ探求心のある人材が求められているのです。
顧客のニーズを具現化し、まったく新しいものを創造する力をアピールしましょう。
参照ページ
建設業界各社の採用方向性の違いは?
建設業界は企業によって採用基準が異なります。
たとえば、ある企業ではグローバルな感性を持ったさまざまな価値観の仲間と一緒に働ける人材を求めています。
別の企業では、新たな建築物に導入できる最新の技術を取り入れるためにも、IITスキルに精通した人材が重視される傾向にあります。
サステナビリティな社会を目指すためにSDGsに力を入れている企業では、社会問題に取り組む姿勢や思考がある学生を求めています。
このように、企業の採用の方向性をしっかりチェックして、自分の強みを活かせる建設業界を探しましょう。
参照ページ
エントリーシートで企業がチェックしているポイント
ポイントの概要
採用担当者は、エントリーシートで以下の内容をチェックしています。
- スキル・能力
- 性格
- 経験
- 入社への意欲
企業は、「就活生がどのような人物であるか」「入社後どのように活躍してくれるか」を把握するためにエントリーシートを利用しています。
学生一人ひとりのスキルや性格が、企業の風土や事業にマッチするかどうか見極めたいのです。
また、就活生に働くモチベーションが十分にあるかどうかも注目するポイントです。
そして最も大切なのが「なぜ他の企業ではなくその企業を志望したのか」という入社への意欲・熱意です。
企業研究や競合比較を徹底して、建設業界にしかない魅力を見つけてアピールしましょう。
選考を通過しやすいエントリーシートの書き方
エントリーシートは結論から書き始めると説得力が増します。
以下の順番を意識すると良いでしょう。
- 結論ファーストを心がける
- 結論に至った理由を述べる
- 理由に説得力を持たせるために具体例を用いる
- 最後に再び結論を強調する
この方法で書くと結論が相手に伝わりやすく、論理的な構成になります。
以下の例文を参考にしてください。
結論:私は貴社で自分の強みを発揮できるため、志望しています。 理由:周囲を巻き込みながら問題解決できる私の強みは、貴社で最大限に発揮されると考えるからです。 具体例:私はバイトリーダーとして塾の運営をしています。 運営では問題共有する場を設けたり、生徒との個人面談を担当することで諸問題を解決してきました。 結論:この強みを発揮できると考え、貴社を志望します。 |
建設業界の価値観やカルチャーを文章に取り入れる
エントリーシートで大事なポイントの一つでもある「なぜこの会社を選んだのか」を明確にすると、通過率が上昇するでしょう。
例えばエネルギー業界の大手企業である大林組なら、「地球に優しいリーディングカンパニー」や、その他の価値観やビジョンを文章の中で取り上げると有効です。
もちろん、上記のような基本理念が必ずなければいけないわけではありません。
大林組は再生可能エネルギーや農業ビジネスの新事業開発にも力を入れているという強みがあります。
その企業の強みを活かして、自分のやりたいことや将来像にマッチする形で文章を作成することもできます。
大事なのは、数あるエネルギー業界の企業が存在する中でなぜその企業を選んだのかを論理的に説明することです。
参照ページ:
エントリーシートの位置付け、及び対策方法
建設業界に向けたエントリーシートを書く時は、以下の4点に注意しましょう。
- なぜ建設業界を志望するのか
- その中でもなぜ希望の建設業界に入社したいのか
- 志望する職種を明確にする
- 自分が貢献できる内容を説明する
建設業界の市場全体の大きさは2021年〜2022年の業界規模で約15.5兆円と言われています。
これは業界全体で196業界のうちでも23位という大きさです。
市場規模の大きさや安定性に憧れ、多くの学生が建設系企業に複数エントリーする傾向にあります。
そのため、数ある建設業界の中でなぜ志望する企業に入社したいのかを説明して入社意欲をアピールすることが不可欠です。
建設業界は、営業をはじめとして総務人事やマーケティングなど、さまざまな職種があります。
これらの中で、どの職種を希望するかも明確にしましょう。
その職種でどのように自分が貢献できるのか具体的に説明することで、面接官も「入社後にどのように活躍してくれるのか」想像しやすくなります。
建設業界のエントリーシートは、特に以下の3点について気をつけながら作成しましょう。
熱意と圧倒的な志望度の高さを示す
一般的に、建設業界は同業他社が多く、複数の企業と併願してする学生が多いです。
そのため、企業は志望度がより高い学生を採用したいと考えていると予想できます。
そのため、他の建設業界ではなくその企業でなければならない理由を明確に伝える必要があるでしょう。
論理的思考力を示す
建設業界は多種多様な業務に携わることが多いため、当然論理的思考力が求められるでしょう。
論理的思考とは、因果関係がはっきりとしていて物事の筋が通っている思考のことです。
論理的思考があれば課題とその解決策が明らかになるため、顧客の課題解決がしやすくなります。
エントリーシートに記載する際は常に結論ファーストを心がけ、端的かつ分かりやすい言葉で相手に説明するように心がけましょう。
チームワークを発揮できることをアピールする
建設業界では、自社や協力会社などさまざまな人と連携して仕事を進めることがよくあります。
そのため、意見の相違や価値観の不一致によって、仕事がうまくいかなくなることもあるでしょう。
そうした際に、いかに自分と相手との意見に折り合いをつけながらチームワークを発揮できるかがカギとなります。
エントリーシートでは、サークルやバイトの仲間たちとどのような関係性・立場だったかを明確にした上で、チームワークを発揮できたエピソードをアピールするといいでしょう。
過去のエントリーシートの質問内容と記載例
建設業界の選考において、過去にエントリーシートで問われたことがある質問と記載例を紹介します。
総合職のエントリーシート
志望理由
・当社でやりたい仕事とその理由を教えてください。(大林組のエントリーシート)
【記載例】
私は貴社に入社後、現場の中心として周りからの信頼が厚い現場所長になりたいと思います。 最初は現場関係者の信頼を獲得することを目標に頑張ります。 そのためには、先輩社員や周りの職人の方のアドバイスを聞き、実践していくことが大切だと考えています。 アドバイスを聞くことで仕事が上手く運ぶようになるだけでなく、周りの方との人間関係を構築する上でも大切なことであると考えるからです。 また、知識の向上にも取り組む必要があると考えています。 現場での施工管理の知識の吸収、資格取得によって知識を習得していくつもりです。 以上のことを実践して、貴社に入社後は周りからの信頼が厚い現場所長になりたいです。 |
ポイント:入社後にしたいことに対し、どのように成長していくか、職種に求められる能力や考え方を含めて具体的に説明できています。
キャリアプラン
「あなたが三菱商事で手掛けてみたいビジネスや、三菱商事で働く中で獲得したい経験・スキルについて、教えてください。」(三菱商事のエントリーシート)
【記載例】
自分の行動やアイデアを武器として、国内外の人々を巻き込んで世界中の人々の生活を支えたいと考えています。 部活動を通し「多様な視点を持つ人々と協働すること」と「主体的に物事を推進すること」に大きなやりがいを感じました。 さらに、海外生活を経て、日本の技術や製品を世界に発信したいという気持ちが強くなりました。 入社後は、上記の経験で培われた探究心と向上心を活かして、持続的なビジネスを生み出すための知見やスキルを獲得したいです。 営業とコーポレートどちらでも実現できると考えており、ビジネスや部署に関係なく直面する課題に日々全力で取り組みたいと考えています。 |
ポイント:将来どのような仕事に携わりたいのか、そこでどんなスキルを身につけたいのかが明確になっており、自己分析がしっかりできていることが伝わってきます。
ガクチカ
学生時代に力を入れて取り組んだことをお聞かせください。(清水建設のエントリーシート)
【記載例】
私は大学のクラブのリーダーとして、イベントの企画を成功させた経験があります。 その一つが外部との合同セミナーでした。 今まではまったく交流がなかったため、私はメールで交渉して対談することでセミナーの共催を取り付けました。 また、クラブ会員に事前アンケートをとってセミナーの希望内容のリスト化等をすることで、クラブとの情報共有を徹底しました。 結果セミナーには席数を上回る予約が入り、例年開催されるようになりました。 |
ポイント:起承転結がまとまっており、非常に分かりやすい内容となっています。この経験を活かして企業でどのように活躍していきたいかを書けば、採用担当者に働いている姿をイメージしてもらいやすいでしょう。
自己分析
・希望する職種で業務上直面すると思われる困難は何か。それを困難に感じるのはどのような性格や行動特性によるものか(清水建設のエントリーシート)
【記載例】
・完璧を求める性格 建築設計の実務では、品質やコスト、納期などの条件やクライアントの要望を整理してデザイン性と条件・要望を調整する必要があります。 建築に関しては、理想的な設計を実現する余地が常にあると考えていますが、時には条件や要望により、自分の理想を完全に形にできないこともあります。 また、上司の意見が異なって衝突することも考えられます。 その場合は自分の意見を述べて議論した後、最終的には上司やチームの方針に従うようにするつもりです。 ・優先順位をつけた計画を立て、実行する行動力 膨大な数の関係者がいるので、行動前に完璧な計画をたてることは不可能だと考えます。 そのため、計画を適宜見直し、臨機応変に対応していきたいです。 |
ポイント:自分の性格の強みが業務上でどのように役に立ち、弱みはどのように克服すべきかがしっかり分析できています。
まとめ
この記事では、建設業界を目指す学生に向けてエントリーシートの書き方のポイントについて解説しました。
建設業界は、土地や建物、道路などの建設に携わる業務を担っている業界です。
建設業界の採用難易度はかなり高いため、ほかのライバルと差をつけるための徹底したエントリーシート対策が必要でしょう。
エントリーシートを書く際は、ガクチカなどこれまでの経験を踏まえて、これらの価値観に沿った人物像であることをアピールしましょう。
本記事の内容を参考にして、建設業界の内定をぜひ獲得してください。