商社のエントリーシートの対策法を徹底解説
2024/3/20更新
はじめに
本記事では、商社への就職を目指しているものの、エントリーシートの書き方やアピール方法に不安を感じている学生に向けて、エントリーシートの書き方のポイントを徹底解説しています。
特に商社ならではのアピール方法から実際の記載例まで、明確かつ分かりやすく紹介します。
さらに、商社が求める人物像の特徴や、選考のポイントについても詳しくアドバイスしているため、商社への内定を目指す就活生はぜひご一読ください。
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商社の概要
まずは、商社の概要について紹介します。
商社とは
商社の概要
商社とは、商品の売り手と買い手の間で行われる取引を仲介する企業のことです。
商社には幅広い商品やサービスを取り扱っている「総合商社」と、特定の分野に特化した「専門商社」の2種類が存在します。
自社製品を売りたい企業と、その製品を買いたい企業の取引を円滑に進めるべく、安定した販売と調達の基盤があるのが特徴です。
国内外問わず原材料や商品を調達して販売する商社は、顧客のニーズにぴったりな商品を紹介したり、顧客の代わりに仕入れ先や販売先を探したりします。
商社の業務内容
- トレーディング
商品を仕入れて販売する業務です。
ただ単純に、取引間で製品やサービスを右から左に流すのがトレーディングではありません。
顧客のニーズを満たした製品・サービスを販売すること、その商品に関するアイデアや企画、情報といった付加価値も一緒に提供しています。
また、通常なら仕入れるのが困難な商品を商社が取り扱うことで、仕入を可能にすることもできるのです。
このように、入手困難な製品を確保し、流通のサポートをするのもトレーディングの役割です。
- 海外との取引・情報提供
海外の商品を日本に流通させるための取引や、情報提供も商社の大切な役割です。
多くの商社は海外に複数の拠点を持っており、その地の企業と直接交渉できるという利点を活かして、スピーディーな取引ができます。
日々変化していく世界情勢や災害、事故などの環境変化に備え、常に最新の情報を入手し、必要に応じてトレーディングの内容を変えていくことも求められるでしょう。
- 投資
商品のトレーディングとは別に、投資を事業として行うのも業務の一つです。
商社のグループ企業である小売企業やメーカーは、企業自体に資金力のある商社が投資をすることで事業を拡大できます。
投資によって力をつけた小売やメーカーとの取引で、商社自体もトレーディングなどの事業が活性化するのです。
投資とは少し違いますが、外国為替取引などの金融業を扱う商社もあります。
参照ページ
商社の採用難易度
商社の採用難易度はかなり高いと考えられるでしょう。
東洋経済オンラインが発表した「入社が難しい有名企業ランキング」トップ200社で上位のほとんどが商社であることからも、明らかです。
特に商社は難関大学出身の学生から圧倒的な人気があり、倍率が高いだけでなく、学生一人ひとりのレベルも桁違いです。
もし商社への入社を希望しているなら、ほかのライバルと差をつけるための徹底したエントリーシート対策が必要でしょう。
参照ページ
商社の採用大学
企業によっても異なりますが、商社には学歴フィルターがあると考えられます。
5大商社といわれる三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅の就職者の出身大学は、東大、京大、一橋大、早稲田大、慶應義塾大の5大学が6割を占めています。
このことからも、学歴フィルターはあると言えるでしょう。
ここからは、5大商社の難関大学採用率について解説します。
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上記のデータを見ても、大手の商社は難関大学出身の学生を積極的に採用していることがわかるでしょう。
地方の大学や産近甲龍・日東駒専のような、比較的偏差値が低い大学からの採用はほとんどありません。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
参照ページ
商社が求める人材とは?
商社に就職したい学生は、商社がどのような人物を求めているかについても理解する必要があります。
以下では、商社が求める人物像について解説していきます。
実際にエントリーシートを作成する際は、希望の商社にあった人物像をアピールできるように、自分の特徴を分析しておきましょう。
まずは、5大商社の求める人物像を簡単におさらいしてみます。
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これら5つの商社の求める人物像から共通して言えるのは、「商社全体が求める人材です。
決めたことを最後までやり遂げられる実行力
一度決めたら最後までやり遂げられる人物は、商社において活躍できる人材となるでしょう。
商社の業務でさまざまな事業に関わるため、それぞれの仕事をしっかり管理し、最後までやり抜けるかどうかが重要です。
商社では顧客との契約も業務の一つであり、根気もいります。
そのため、目標達成までやり遂げる実行力は非常に重要なスキルと言えるでしょう。
自発的に仕事をこなす行動力
商社では、未経験の事業に携わる機会が増える傾向にあります。
状況を判断しながら自発的に動けるスキルが求められるでしょう。
さまざまな業務に関わることになるため、商社に就職する人材は行動力が求められます。
自発的に仕事に取り組める人はエントリーシートでもエピソードを添えてアピールしましょう。
チャレンジ精神がある
商社は一般的な企業と比較すると、海外での業務が増える可能性が高いです。
慣れない場所で未経験の業務に携わる可能性があるため、どんな環境でも活躍できる「チャレンジ精神」をアピールしておくと効果的です。
たとえ国内での仕事がメインだとしても、新規事業に関わることになればチャレンジ精神は必須です。
これまでしたことのないことを、楽しみながらどんどん挑戦していける資質がある人は商社に向いているでしょう。
参照ページ
商社各社の採用方向性の違いは?
総合商社は多種多様なビジネスを展開しているため、採用基準も多岐にわたります。
たとえば、ある商社ではグローバルな感覚を持ち、さまざまな文化や価値観のある人材を求めています。
別の商社では、デジタル化が進む現代に対応できるITスキルに精通した人材が重視されています。
サステナビリティな社会を目指すためにSDGsに力を入れている企業では、社会問題に取り組む姿勢や思考を持つ学生を求めています。
まずは企業の採用の方向性をしっかりチェックし、自分の強みを活かせる商社を探しましょう。
参照ページ
エントリーシートで企業がチェックしているポイント
ポイントの概要
採用担当者はエントリーシートで以下の内容をチェックしています。
- スキル・能力
- 性格
- 経験
- 入社への意欲
企業は「就活生がどのような人物であるか」「入社後どのように活躍してくれるか」を把握するために、エントリーシートを利用します。
これは学生一人ひとりのスキルや性格が、企業の風土や事業にマッチするかどうか見極めるためです。
また、就活生がその企業で働くモチベーションが十分かどうかも重要なポイントです。
最も大切なのが、「なぜ他の企業ではなくその企業を志望したのか」という入社への意欲・熱意です。
企業研究や競合比較を徹底し、商社にしかない魅力を見つけてアピールしましょう。
選考を通過しやすいエントリーシートの書き方
エントリーシートは結論から書き始めると説得力が増します。
以下の順番を意識すると良いでしょう。
- 結論ファーストを心がける
- 結論に至った理由を述べる
- 理由に説得力を持たせるために具体例を用いる
- 最後に再び結論を強調する
この方法で書くと結論が相手に伝わりやすく、かつ論理的な構成になります。
以下の例文を参考にしてください。
結論:私が貴社を志望する理由は、私の強みを発揮できると考えたからです。 理由:周囲を巻き込みながら問題解決できる私の強みは、貴社で最大限に発揮されると考えるからです。 具体例:私はバイトリーダーとして塾の運営をしています。 運営では問題共有する場を設けたり、生徒との個人面談を担当することで諸問題を解決してきました。 結論:この強みを発揮できると考え、貴社を志望します。 |
商社業界の価値観やカルチャーを文章に取り入れる
エントリーシートで大事なポイントの一つでもある「なぜこの会社を選んだのか」を明確にすると、通過率が上昇するでしょう。
たとえば、三菱商事のようなエネルギー業界の大手企業なら、「三綱領」といった価値観やビジョンを文章の中で取り上げると効果的です。
もちろん、上記のような基本理念が必ずなければいけないわけではありません。
たとえば、三菱商事は三菱グループを基盤とした総合力で、さまざまな事業機会にアプローチできるという強みがあります。
その企業の強みを活かして自分のやりたいことや、将来像にマッチする形で文章を作成することもできます。
大事なのは、数あるエネルギー業界の企業がある中で、なぜその企業を選んだのかを論理的に説明することです。
参照ページ:三菱商事|企業理念
エントリーシートの位置付け、及び対策方法
商社全体としてのエントリーシートの書き方の注意点は、以下の4点です。
- なぜ商社を志望するのか
- その中でもなぜ希望の商社に入社したいのか
- 志望する職種は何か
- 自分は貢献できるか
商社はグローバルネットワークや豊富な資金力、商品ラインナップを兼ね備えています。
そのため安定した基盤があり、堅実に成長を続けている商社がほとんどです。
商社への入社を希望する就活生の多くは、複数の企業と併願していることが多いでしょう。
ですから、数ある商社の中でもなぜ志望する企業に入社したいのかを説明することで、入社意欲をアピールしましょう。
また、商社には営業をはじめ、総務人事やマーケティングなどさまざまな職種があります。
これらの中でどの職種を希望しているのかも明確にしましょう。
その職種で自分がどのように貢献できるかを具体的に説明することで、面接官も「入社後にどのように活躍してくれるのか」想像しやすくなります。
商社のエントリーシートは、特に以下の2点について気をつけながら作成しましょう。
熱意と圧倒的な志望度の高さを示す
一般的に商社業界は同業他社が多く、複数の企業と併願してする学生が多いです。
そのため、同社は志望度がより高い学生を採用したいと考えていることが予想されます。
他の商社ではなく、その企業でなければならない理由を明確に伝えましょう。
論理的思考力を示す
商社は多種多様な業務に携わることが多いので、論理的思考力が当然求められます。
論理的思考とは、因果関係がはっきりとしていて物事の筋が通っている思考のことです。
論理的思考があれば、課題や解決策が明らかになるため、顧客の課題を解決しやすくなるのです。
エントリーシートに記載する際は常に結論ファーストを心がけ、端的かつ分かりやすい言葉で相手に説明するように心がけましょう。
参照ページ
過去のエントリーシートの質問内容と記載例
商社の選考において、エントリーシートで問われたことのある質問と記載例を紹介します。
総合職のエントリーシート
業界への志望理由
・「当社において実現したいこと、成し遂げたいことを記載してください(200字以内)」(丸紅のエントリーシート)
【記載例】
私は社会貢献性の高い新規事業を立ち上げて、世界の人々により良い暮らしを提供したいと考えています。 幼少期を海外で過ごすなかで、同年代の子供が自分と異なる生活水準のもとで生活する姿を目の当たりにしました。 この経験から、継続的に収益を上げるビジネスモデルの設計に携わり、豊かな暮らしを提供したいという思いが強くなったのです。 貴社であればさまざまな商材や人をつなぎ、新事業を生み出すことで、多角的に社会課題の解決に挑めると考えています。 |
ポイント:「結論ファーストの後に理由付けをする」という論理的思考を示せる書き方ができています。
「数ある商社の中でもなぜこの商社を選んだのか」について差別化するポイントがあると、より説得力が増すでしょう。
キャリアプラン
「あなたが三菱商事で手掛けてみたいビジネスや、三菱商事で働く中で獲得したい経験・スキルについて、教えてください。」(三菱商事のエントリーシート)
【記載例】
自分の行動やアイデアを武器として、国内外の人々を巻き込んで世界中の人々の生活を支えたいと考えています。 部活動を通し「多様な視点を持つ人々と協働すること」と「主体的に物事を推進すること」に大きなやりがいを感じました。 さらに海外生活を経て、日本の技術や製品を世界に発信したいという気持ちが強くなりました。 入社後は上記の経験で培われた探究心と向上心を活かして、持続的なビジネスを生み出すための知見やスキルを獲得したいです。 営業とコーポレートどちらでも実現できると考えており、ビジネスや部署に関係なく直面する課題に、日々全力で取り組みたいと考えています。 |
ポイント:将来どのような仕事に携わりたいのか、そこでどんなスキルを身につけたいかが明確になっており、自己分析がしっかりできています。
ガクチカ
「これまでに挙げた実績や経験を教えてください。大学時代に限らず記載いただいて構いません。また、学業、部活動、サークル、趣味、ボランティア、インターンなど何でも結構です。(最大4項目)」(三菱商事のエントリーシート)
【記載例】
①大学のラグビー部でキャプテンを務め、チームレベルの向上に尽力しました。 ②大学のラグビー部で、唯一の1年生として大会に参加しました。 ③大学で成績優秀者として3回表彰された経験があります。 ④留学のための奨学金をいただき、そこでボランティア活動に参加しました。 |
ポイント:短文で簡潔に今までの実績を書くことがポイントです。
商社では、「ガクチカ」に関する質問はほぼ必ずといっていいほど出てきます。
エントリーシートではガクチカの概要を簡潔に紹介しましょう。
面接では深掘りされることが多いため、深掘りされてもいいように、今までの経験から何を得たのかについて考えておきましょう。
企業分析
・「あなたが考える住友商事の特徴(20字以内)」
・「そう考える理由(100字以内)」
(住友商事のエントリーシート)
【記載例】
特徴:商社の新機能を生み出すことに積極的です。 理由:組織間連携などの制度としての取り組みに加え、鉱山の操業に関わり、技術的ノウハウを蓄積する必要があることや、物流と組んで石炭の輸入ターミナルを作るなど、既に新しい機能を描いている社員の方が多かったからです。 |
ポイント:厳しい字数制限の中で、企業の特徴を的確に捉えて記載できています。既存の事業内容に加えて今後の事業展開についても触れており、企業への深い理解があることが伝わるでしょう。
自己分析
自分史(2500字以内 小学校以前10%、中学校20%、高校30%、大学40%)(三井物産のエントリーシート)
【記載例】
【小学校卒業まで】 (小1)アニメを見て仲間と切磋琢磨して勝つ楽しさなど、◯◯の持つ魅力に魅了され、◯◯を始めました。 (省略) 【20◯◯年4月 ◯◯中学入学】 (中1)小学校から続けている◯◯部に入りました。 また、◯◯に出会い◯◯に憧れを持つようになりました。 (省略) 【20◯◯年4月 ◯◯高校入学】 (高1)◯◯部に入部しました。 そこでレベルの高さに大きなショックを受けました。 当時の野球部監督の口癖は「—-」「—-」であり、これらの言葉は現在まで自分の生き方の指針となっています。 (省略) 【20◯◯年4月 東京大学入学】 (大1) (4月―8月)入学後すぐに◯◯部に入部するも、新型コロナウイルスの影響で練習に参加できませんでした。 幼少期より興味のあった◯◯に関する授業を履修しましたが、実は◯◯の授業でした。 知識0の状態から始めましたが、履修したからには結果を残すべく努力し、最終的に上位1割の成績を取りました。 (省略) |
ポイント:三井物産では「自分史」と呼ばれる質問があります。
今の自分があるのは何故か、これまでの人生で起こった大きな出来事を中心に書く必要があるでしょう。
この例のように、「生き方の指針」や「憧れをもつ」といった言葉を使い、今の自分があるのはこの出来事のおかげだとわかるエピソードを盛り込みましょう。
まとめ
この記事では、商社を目指す学生に向けてエントリーシートの書き方のポイントについて解説しました。
商社とは、商品の売り手と買い手の間で行われる取引を仲介する企業です。
商社の採用難易度はかなり高いため、ほかのライバルと差をつけるための徹底したエントリーシート対策が必要でしょう。
エントリーシートを書く際は、ガクチカなどこれまでの経験を踏まえて、これらの価値観に沿った人物像であることをアピールしましょう。
本記事の内容を参考にして、商社の内定を獲得できることを願っています。