【企業分析】シティーグループの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024年8月15日更新
はじめに
シティーグループは、アメリカのマンハッタンに本社を置く、金融・事業法人を対象にサービスを提供する持株会社のことです。
アメリカの四大銀行のひとつに数えられる巨大銀行で、現在の形は1998年10月にシティコープとトラベラーズ・グループが合併して誕生しています。
その後も大型M&Aを繰り返し巨大化していく一方で、さまざまな金融問題も生み出しました。
非常に巨大であり、日本でもさまざまな形で市場展開してきたものの、現在は以前より大きく形を変えています。
日本での中核事業はシティグループ証券株式会社で、東京都千代田区丸の内が本社です。
選考対策を考えるうえでは、現在の日本での事業展開や、これまで抱えてきた問題、今後の展望などを理解しなければいけません。
エントリーシートでの回答や面接でも大きなつながりが出てきますし、事業規模に対する理解も必要になるでしょう。
今回は、シティーグループの企業研究のためになる基礎知識などの情報をご紹介していきます。
この記事ではシティーグループへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に企業分析を行っています。ぜひ最後までご覧ください。
- シティーグループの仕事内容が気になる
- シティーグループの就職難易度を知りたい
- シティーグループの選考対策として何をすれば良いかわからない
また、外資系金融業界以外については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論とは?
先にこの記事の結論からお伝えすると、シティーグループの就職難易度は、トップクラスの高難易度だと考えています。
以下の参照記事で詳しく解説している就職偏差値を参考にすると、上限に近い高難易度で、競争率の高い企業です。
採用大学は上位大学が名を連ねています。
正確に公表されていませんが、沖縄オペレーション部門などでは、琉球大学、沖縄キリスト教学院大学、沖縄国際大学など地元の大学を優先的に採用していたりするのも特徴です。
選考対策としては、国際的な企業としての環境の理解とチームワークに対する強い風土の理解があげられます。
現在「シティーグループ」が置かれている状況を理解し、シンプルな中に自分がどのようなことができるか伝えるなど、どの場面でも難易度の高さが目立ちます。
自己分析を進め、常にスムーズに答えが出るような準備が必要になるでしょう。
これは志望動機だけではなく、自分の考えを明確にして持つことも含まれます。
なんとなくというおぼろげなものではなく、明確なビジョンになるまで煮詰めておくことも対策です。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
シティーグループについて
出典元
会社概要
シティーグループは、1812年設立のシティバンク・オブ・ニューヨークと1863年設立のファースト・ナショナル・バンク・オブ・ザ・シティ・オブ・ニューヨークがシティコープの母体となりました。
合併したのは1955年で、徐々にM&Aを進め巨大銀行に発展していきます。
1970年代半ばには、名称をシティバンク・エヌ・エイと持ち株会社のシティ・コープに変更しました。
世界初の24時間営業ATMを運用開始したのも、この時期です。
資金洗浄などの事件が起こりますが、1998年トラベラーズ・グループを買収し合併しようとします。
ただこれは法律の隙間をついたものであり、結果として規模が小さいトラベラーズ・グループがシティコープを買収する形で落ち着きました。
さらにM&Aを繰り返しますが、さまざまな事情から2002年11月にトラベラーズをスピンオフします。
2007年にはサブプライムローン問題が起き、世界規模の金融機関のなかでも最大の損害額を記録しました。
なんとか危機を脱するものの、さまざまな金融問題も起こしながら、事業を整理しなければならず、日本でも多くの事業売却をしています。
日本での展開は古く1902年に最初の視点が横浜にできました。
日本市場に根付いた事業展開を進めていき、サブプライムローン問題まえには、消費者金融の有人店舗が500店舗まで拡大するなど順調に成長していったのです。
しかし、アメリカ本社の経営悪化から影響を受け大幅削減し、2008年11月には全面撤退しています。
この不祥事や事業縮小の流れはアメリカ本社の経営悪化とリンクしているといわれ、2015年までには銀行、クレジットカード、トラベラーズチェック、証券などを譲渡・売却しました。
現在の日本での事業展開はかなり整理されています。
法人顧客を中心としたコーポレートバンク、M&Aのアドバイザリーでもあるインベストメント・バンク、資金調達に関してサービスを提供するキャピタル・マーケットが中心事業です。
さらに企業や政府、行政や投資家に対する金融商品提供といった形にシフトしています。
参照ページ
各事業別の売上規模
シティーグループの2023年度の12月期の売上高は157,147百万ドルで、当期利益は9,229百万ドルでした。
シティグループ証券株式会社は2022年の決算報告で営業収益939億円、当期純利益174億円。
シティバンク・エヌ・エイが2023年第6期決算で経常収益650億円、当期純利益140億円。
シティグループ・サービス・ジャパンが平成30年第30期決算で、営業収益153億円、当期純利益100億円となっています。
参照ページ
各事業セグメントの解説
シティーグループの主な事業セグメントは以下の通りです。
事業部門 | 活動内容 |
バンキング・キャピタルマーケッツ&アドバイザリー | 法人顧客に対するファイナンシャル・パートナー |
コーポレート・バンキング | 一般法人や金融法人に対する金融サービス |
インベストメント・バンキング | M&Aアドバイザリー、資金調達 |
キャピタル・マーケット | 株式の新規上場、債券の発行などの資金調達 |
シティーグループのイメージとしては銀行業務といったイメージがあるかもしれません。
かつては消費者金融のイメージもありましたが、現在では個人向けの銀行、クレジットカードなども全面撤退しており、法人向けサービスが基本となっています。
以下参照ページをご紹介いたしますので、是非確認してみてください。
参照ページ:
シティーグループで働いている社員は?
平均勤続年数は?
シティーグループのなかでもシティグループ証券株式会社の男性平均勤続年数は9.99年、女性は9.65年でした。
日本の銀行業の平均勤続件数は、12.4年前後と考えられるため、シティグループ証券株式会社は、かなり短いことがわかります。
平均年収は?
2022年度のシティーグループの平均年収は、2,214万円でした。
全国平均の年収が677万円であることを考えると、 全国平均よりも高い水準となっています。
平均残業時間は?
シティーグループは2年目あたりまでは残業時間が記録されますが、昇格した段階で年俸制となり上限がなくなります。
そのため、平均残業時間などはカウントされていません。
平均ボーナス額は?
シティーグループは基本年俸性のためボーナスはありません。
どんな文化なの?
シティーグループは、日本での展開が長いことから、外資系でありながらも日系企業のような文化を持っています。
国内外の人材交流ができる環境があるのも特徴で、チームワークを重視している文化が定着してきました。
自由な気風もありながら、一定の規律もあるというのがシティーグループの培ってきた文化です。
ダイバーシティ対策などにも、シティーグループの文化が表れているといっていいでしょう。
シティグループ証券株式会社 日本におけるシティ、ダイバーシティ行動計画
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
競争が激しい人材業界の中でのシティーグループの立ち位置をご紹介します。
日本での事業展開は大幅に削減・縮小してきましたが、グローバルな巨大企業であることは変わりません。
特に法人に対する展開規模は、日本でも屈指のレベルです。
- 世界中に広がるネットワーク:シティーグループは、世界中に広がるネットワークを持っており、グローバル企業がメインバンクにしやすい環境を持っています。
- オールラウンドな展開:シティーグループは、企業にとって必要な要素をほぼ兼ね備えているオールラウンドプレイヤーです。
投資ビジネスとすると専門特化してきた部分で劣る可能性はあっても、企業にとって必要な総合力の面では非常に優れています。 - 法人に特化したことで強みを発揮:シティーグループは、アメリカ本社の流れを受け、経営がスマートな形になりました。
ほぼ法人に特化したことにより、方向性を集約してゆるぎない経営に変化しています。
以上の要素によりシティーグループは外資系金融業界の中でも、高い競争力を持つ企業です。
参考までに比較できるよう2020年での競合3社との情報もまとめました。
会社名 | 売上高(2023年12月) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
シティーグループ | 157,147百万ドル | 2,214万円 | 73 | チームワークを重視しながらも個々を大切にする社風 |
バンク・オブ・アメリカ | 175,003百万ドル | 2,104万円 | 70 | フラットな社風 |
J.P.モルガン | 239,319百万ドル | 3,059万円 | 74 | スマートで気品高い社風 |
シティーグループの新卒募集要項について
以下にシティーグループの新卒募集要項についてまとめました。
シティーグループの場合には、国内採用と海外採用の2つに分かれます。
国内採用は、日本のほかの企業に近くなっている方法です。
海外採用は、サマーインターンシップから始まるのが特徴で、海外大生および交換留学中の国内大生に限定されています。
採用倍率は公表されていませんが、募集人数はほかの外資系金融機関と同様に少なめである可能性が高いでしょう。
採用大学は多岐にわたり、地域色も出てくるなど、ほかの企業と違いがあります。
学歴フィルターはないと言われますが、高難易度の大学が中心になるのは間違いありません。
研修制度も入社前内定者研修から始まり、さまざまな制度を持ち、ニーズに合った手法がそろっています。
所属部署によって違いますが、海外への出張や転勤の可能性は否定されていません。
各項目 | 詳細 |
---|---|
職種 | 投資銀行、マーケッツ、証券サービス、オペレーション、テクノロジー |
給与 | 非公開 |
賞与 | 年俸制 |
研修制度 | 内定者研修、新入社員研修、リーダーシップ研修、キャリア・リーダーシップ研修、メンターシッププログラム等、社員のニーズに沿った研修など |
福利厚生 | 社会保険(健康保険* 、厚生年金)シティグループ健康保険組合労働保険(雇用保険、労災保険)長期障害所得補償保険定期保険、総合福祉団体定期保険、ビジネストラベル保険、生命保険団体割引、年間休日(土日祝日、年末年始)、年次有給休暇、各種慶弔休暇 他多数あり |
求める人材
シティーグループでは求める人材として下記のような内容があります。
意識的レベルのことになりますが、タレント&カルチャーとして掲げられている内容です。
刺激とともに高い水準に挑める
好奇心とともに柔軟に変化を受け入れられる。
経験から学び適応し改善できること。
- サービスを提供することに対する業務オペレーションの磨き上げ
簡素化、標準化、明確化など、適切な状態にできる能力。
リスク管理とともにある責任感。
ステークホルダーに対して期待を上回る行動力
ベストを遂行し、ステークホルダーの立場でパフォーマンスを図りながらもコミュニティに対して共感できること。
どのようなバックグラウンドでも社員に投資できる。
以上の3つは、シティーグループのリーダーシップ・プリンシプルに記載されている内容です。
求められる人材像として見えてくるのは、高いレベルの業務遂行とサービス、ステークホルダーに対する期待に対して、それ以上の結果を残せる人材です。
これだけ見るとすべて完成された人材ということになりますが、新卒の場合には、この期待に対し答えられる下地を持っているかとなるでしょう。
金融機関としてのコンプライアンス意識を持つのは当然ですが、非常に高い能力がなければ対応できないことも分かります。
エントリーシートや面接中でも、この内容に触れられる場面が多数出てきますので、意識を持って行動しなければいけません。
参照ページ
新卒採用のフロー
シティーグループの選考は、国内採用と海外採用に分かれています。
国内の新卒採用フローを元に分析していきましょう。
①新卒エントリー
シティーグループ公式サイトからマイページに登録します。
必要事項を入力し、エントリーシートの提出とウェブテストを受けなければいけません。
ここがシティーグループの特徴で、展開はかなり早いといっていいでしょう。
エントリーシートは、シンプルな問題が多いといわれてきました。
ですが、回答文字数が1,000文字などかなり多いのが特徴です。
つまり、シンプルかつ内容が濃い回答を求められるということです。
特に自由に表現してくださいといった設問に対しては、内容が厳選されにくく、分散する可能性が出てきます。
主軸をはっきりとさせ、論理性をもって展開を練りこまなければいけない難易度の高いエントリーシートです。
Webテストは、玉手箱を採用しているといわれています。
問題数が多いため、対策を絞りにくい可能性が高い手法です。
それも持ち時間は数秒となるため、シティーグループに対する理解度も高めておかないといけないでしょう。
慣れが欠かせないテストです。
②書類選考
シティーグループ側が書類選考を進めます。
各部門で検討を進める段階で、次のステップに進めるか判断される大事な場面です。
③録画面接
面接は複数回おこなわれますが、部署によって対応が異なります。
考えられるのは録画面接から1時面接といった流れで、ここから複数回になるかはその時の判断になるでしょう。
シティーグループの録画面接は、3問というのが恒例になっています。
オーソドックスなものですが、30秒という時間がネックです。
- ガクチカ
- 志望理由(IBD)
- 投資銀行でどのような強みを発揮できるか
- 就活の軸と投資銀行の関係性
設問を見るだけではそこまで難しいものではありませんが、それだけにうまく耐えられないとネガティブな印象を与えます。
30秒という短い時間ですので、結論を先に持ってくる工夫が必要です。
そうなると、答えを論理的に整理できなければいけないため、事前対策をしっかりとする必要があります。
④一次面接
一次面接でも、基本は同じです。
違いはさらに落とし込み具体性を持つところでしょう。
自分の将来的ビジョンやシティーグループが得意とする法人分野での出来事など、専門性が高まります。
理解度を深めておかなければ対策できないため、研究が生きてくる場面です。
特にM&Aなどシティーグループが得意としている分野は、かなり落とし込んでいかないと対策になりません。
もうひとつのポイントが、なぜシティーグループを選んだのかです。
ほかの面接でも大事なポイントですが、自問自答を繰り返し、対策するといいでしょう。
そもそも動機として明確でなければいけないため、整理しておくことが求められます。
以下のコンテンツも面接対策に役立ててみてください。
⑥内々定
複数回の面接をクリアできれば、内々定に進みます。
採用大学
シティーグループの採用大学の実績を以下に掲載しますが、最難関大学が中心です。
中途採用などもありますが、基本的にハイレベルで高い能力を求められます。
<大学院> 上位大学大学院など <大学> 東京大学 慶應義塾大学 早稲田大学 一橋大学 京都大学 上智大学など |
シティーグループは、沖縄オペレーション部門での採用など、特定地域のケースがあります。
この場合では、沖縄の琉球大学、沖縄キリスト教学院大学、沖縄国際大学などからの採用もありました。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、シティーグループの就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は非常にハイレベルで、競争率の高い企業です。
その理由として以下の3点が挙げられます。
- 世界的巨大企業である
- 学歴フィルターはないとしても高いレベルの人材しか受け付けない
- 勤続年数が短いことからも競争が激しいため常にフレッシュで強力な人材が求められる
基本的事項の対策はもちろんのこと、シティーグループに対する理解度の高さが求められます。
なぜシティーグループだったのかという根幹的な部分も問われることが多いでしょう。
さまざまな過去を持ち、整理されてシンプルな構造改革を進めたシティーグループであることも理解し、対策しなければいけません。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
参照ページ
【選考通過したエントリーシートを大公開】先輩就活生のエントリーシートを見れば選考通過のヒントが得られるかも?!
「エントリーシートに正解はあるのか」「書き方が良く分からない…」こんなことを考えたことはありませんか?
就活生にとって、エントリーシートは第一関門ともいえるものです。
今回は、選考を通過したエントリーシートを20社分用意しました。
各エントリーシートにはポイント付きで解説しています。
まとめ
シティーグループは、世界的な巨大金融会社であり、多くの人材が在籍しています。
過去のシティーグループとは違い、日本での展開は法人に限定されてきており、業務内容もさらにハイレベルにシフトしてきました。
法人に特化したことで、M&Aなどにも積極的に関与していくため、新卒でもこれまで以上に高いレベルの人材が求められると考えなければいけません。
外資系として独自性を発揮することはもちろんですが、チームワークも求められるのがシティーグループの特徴です。
ダイバーシティ対策なども積極的活動をしていることを踏まえて、行動できるようにするのも対策になるでしょう。
このような考え方は、一朝一夕では身につかないため時間を掛けた対策が必要です。
ぜひこの記事を参考にして励んでくださいね。