【業界研究】専門商社業界とは?志望動機・ビジネスモデル・職種を徹底解説

2023年11月25日

はじめに

「専門商社業界に興味があるけど詳しいことはよく分からない」

「総合商社とどう違うのだろう?」

 

このように感じている就活生に向けて、この記事では専門商社業界の概要や、専門商社業界に向いている人、専門商社業界の志望動機の記載例などを解説しています。

 

専門商社業界に興味がある人に役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。

専門商社業界とは?

専門商社業界とは、特定の分野や製品に特化した事業を展開している業界です。

たとえば、自動車部品、機械、金属など、一つの分野に特化しその専門性を活かした事業展開を行っています。

 

専門商社の定義としては、「特定の商材や分野において50%以上の売上を占める商社」とされています。

特化することにより、専門商社はより高度な専門性を持ち、メーカーや取引先との関係性も強化されます。

 

これにより、特定の分野において深い知識と経験を持つことができ、顧客に対してより専門的なサービスを提供することが可能になるのです。

専門商社は、その特定分野の専門家として、業界内で重要な役割を果たしています。

 

総合商社との違い

総合商社は、食料品から天然ガス、金融など、多岐にわたる事業を手がける日本独特の企業形態です。

これに対し、海外では専門性を持つ専門商社が主流を占めています。

 

総合商社の業務は、商品の売買を仲介することが中心で、その職種は営業職や貿易事務など多岐にわたることが特徴です。

主な機能としては、流通(輸出入や三国間貿易など)、金融(貿易金融や投資)、情報(海外の政治家や実業家とのコネクション構築)の三つが挙げられます。

 

これらの機能を通じて、総合商社は世界各地の市場と日本をつなぎ、幅広い分野でのビジネスを展開しています。

このように、総合商社は多角的な事業を展開することにより、国際的なビジネスの架け橋としての役割を果たしているのです。



専門商社業界のビジネスモデル

専門商社は、その強みとして情報収集能力を基にしたマーケット分析やリスク管理、充実した資金力によるビジネス支援、そしてグローバルな物流ネットワークや販売チャネルの構築などが挙げられます。

 

これらの特徴を活かし、専門商社は「トレーディング」(商品の取引)と「事業投資」という二つの主要な収益の柱を持っています。

それぞれ解説します。

トレーディング

原料や素材などを生産者とメーカーの間で仲介する上流部分と、メーカーと小売行の間で仲介する下流部分の商社機能があります。

 

専門商社業界のトレーディングは、特定分野の商品を海外の業者から輸入し、日本の業者に卸売りする輸入事業、またはその逆で日本の業者の商品を海外業者に卸売りする輸出事業として定義されます。

 

このプロセスで、専門商社は中間業者としての役割を果たし、買い手と売り手をスムーズにつなぎ、効率的な商流を作り出します。

 

収益は主に仲介手数料と、売値と買値の差から生じる取引差益です。

専門商社の機能は、原料や素材を生産者からメーカーへ、またはメーカーから小売りへと仲介するという、商取引の上流から下流にわたる幅広い範囲に及び、専門商社はトレーディングを通じて、特定分野の商流を円滑にし、業界全体の効率性と利益の向上に寄与しています。

事業投資

専門商社業界の事業投資とは、企業やプロジェクトに人材や資金を投じ、その企業やプロジェクトが行う事業を育て、対価として利益の一部や株式を取得するビジネスです。

この投資によって、投資先企業の成長が促されると、専門商社は投資比率に応じた利益を得ることができます。

 

さらに、事業のさらなる発展を目指して、自社の社員を派遣することもあります。

また、専門商社は単に資金を提供するだけでなく、企業買収における経営参画や売却など、買収された企業の全ての段階に関与することがあります。

このようにして専門商社は、事業投資を通じて新たな収益源を開拓し、自らのビジネスを拡大しているのです。



専門商社業界の職種

専門商社の主な職種について解説します。

営業

専門商社業界における営業の仕事内容は、新規開拓営業、市場調査、競合他社の動向の把握など、幅広い業務に及びます。

営業職の主な任務は、新たな取引先を見つけ出すことですが、既存顧客との関係維持や新たなビジネスチャンスを探る役割も重要です。

 

経験を積み、実力が備わると、複数地域を統括するマネージャー業務を担う機会もあります。

このように、専門商社の営業職は、企業の売上向上に直結する役割を果たし、会社の成長を支えるキーポジションであるといえます。

営業事務

専門商社業界の営業事務は、主に営業のサポート業務を行います。

この役割の中には、オフィス内での電話応対や書類作成が含まれます。

 

営業事務は、日々の業務でメールや電話対応が多くなるため、ビジネスマナーやワードなどの事務系ソフトウェアのスキルが必要です。

これらのスキルは、顧客や取引先との円滑なコミュニケーションを保ち、営業活動を効果的にサポートするために不可欠だからです。

貿易事務

海外の仕入先から商材を取り扱う際には、その輸入手続きが必要となります。これらの輸出入プロセスを管理するのが貿易事務の役割です。

 

貿易事務は、通関手続きに関する専門知識が求められ、場合によっては特定の資格が必要になることもあります。

また、英語力が必要とされる業務です。

技術

専門商社の技術職は、特定の学部出身であることや資格を持っていることなど、応募に条件が課されることが多いです。

 

採用時から専門職として選考が行われ、製品の開発や製造、顧客への技術的な説明など、営業職にはできない専門的な仕事を任されます。

 

大手企業紹介

 

会社名 売上高 平均年収 就職偏差値・難易度 社風
日鉄物産 20,732億円 1,017万円 5段階中4.2(就職難易度) 保守的な社風で、挑戦するのが難しい
伊藤忠丸紅鉄鋼 19,875億円 1,124万円 60 裁量権が自由で風通しが良い
阪和興業 17,455億円 956万円 58 社員寮が完備で福利厚生が手厚い
長瀬産業 8,302億円 1,029万円 58 風通しが良く、挑戦しやすい環境
岡谷鋼機 7,604億円 863万円 5段階中4(就職難易度) 保守的だが、風通しは良い

 

専門商社の市場規模(主要対象企業241社の売上高の合計)は50兆3,870億円で平均年収が1,000万円を超えている企業もあります

 

なお、就職偏差値や難易度については以下の記事で解説しています。

【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング

 

専門商社業界へ就職するメリットとデメリット

専門商社業界に就職するメリットを総合商社と比較して解説します。

メリット

総合商社は、高い年収と多岐にわたる事業展開のため、多くの就職希望者に人気ですが、その分、求められる総合能力が高く、内定を獲得するのは容易ではありません。

 

一方、専門商社では特定の分野に特化した商材を扱うことから、総合商社に比べて内定を得ることが比較的容易であり、その分野における専門性を深めるチャンスもあります

 

さらに、専門商社では取り扱う商材が特定の分野に限定されているため、自分の関心がある領域で仕事をする機会が得られるというメリットもあります。

デメリット

専門商社では、一般企業と比較して年収が高い傾向にありますが、総合商社と比べるとやや低めです。

 

専門商社での勤務は、特定の分野での専門知識や経験を身につけることができる一方で、業界がニッチ過ぎる場合、転職やキャリアの選択肢に影響を及ぼす可能性があります。

 

そのため、専門商社で経験を積む際には、他業界や市場全体の動向についても理解を深めることが重要だといえるでしょう。

専門商社業界に向いている人の特徴

コミュニケーション能力が高い

商社業界において、コミュニケーション能力は極めて重要であり、採用選考の際にも特に注目されるスキルの一つです。

商社の役割は、企業間や人と人との間に立ち橋渡しをすることですから、他者と協力しながら業務を進めることは不可欠です。

 

仕事を円滑に進めるためには、多くの人々との会話を通じて信頼関係を築くことが必要です。

 

また、専門商社では、取り扱う分野や業務範囲が特定されているため、人間関係が総合商社よりも限られがちです。

そのため、より密接な人間関係の中で信頼を築けるコミュニケーション能力が求められているといえます。

冷静に分析できる人

専門商社は、企業間の橋渡し役として、市場のニーズを把握し、それに合った商品やサービスを提供することが求められます。

そのため、市場を分析し、将来性を見据えた行動ができる分析力が欠かせません。

 

市場は常に変化しており、消費者のニーズや経済状況、技術革新などによって、求められるものも変わっていきます。

専門商社は、こうした変化を的確に捉え、それに応じた商品やサービスを提供することで競争力を維持し、成長を続けています。

英語力がある人

専門商社では海外との取引が頻繁に行われるため、英語力が不可欠です。

特に海外取引を主に行う商社では、海外出張や外国に駐在する可能性もあるため、留学経験がある人やTOEICで高得点を持っている人は、選考の際強力なアピール材料となるでしょう。

すぐ行動に移せる人

専門商社の営業では、顧客に対する積極的なアドバイスやサポートが成果を生む鍵となります。

顧客からの要求を待つのではなく、自ら先んじて行動を起こすことが重要です。

 

受け身の姿勢でいると、ただ目の前のタスクを処理するだけになってしまいます。

そのため、主体的に行動できる人が商社営業に適しているといえるでしょう。



専門商社業界の志望動機の記載例

専門商社業界への志望動機を書く際には、まず総合商社や他業界ではなく専門商社業界を選んだ明確な理由を示すことが重要です。

次に、志望する企業を選んだ具体的な理由を述べます。

 

そして、自身の強みやスキルがどのようにその企業で活かせるかを効果的にアピールすることが求められます。

 

以下の例文を参考にしてください。

 

【志望動機の回答例①】

 

日本の高度な技術力を世界に広め、多くの人々の生活を豊かにすることが私の目標です。大学で機械工学の講義を受けた際、スマートフォンや自動車など日常生活で使う製品に組み込まれている電子部品の重要性に気づきました。

また、これらの製品が日本の技術なしには成立しないことを知り、電子分野への関心が深まり、この分野でビジネスに携わりたいと思うようになりました。

貴社は業界トップクラスの顧客数と売上を誇り、幅広い流通を通じて人々の暮らしを支えているため、志望しました。

商社としての役割を果たし、メーカーが研究開発に専念できるようサポートすることで、技術力のさらなる向上に貢献したいと考えています。

 

【志望動機の回答例②】

 

専門商社業界への関心は、大学時代のアルバイト経験がきっかけです。

そのアルバイトで販売業務に従事し、商品提案や顧客対応のスキルを磨いたことが、ビジネスの魅力を感じるきっかけとなりました。

この経験を経て、専門商社業界でキャリアを積むことに魅力を感じるようになりました。この分野は、多様な取引やクライアントとの関係構築の機会が豊富で、そこにやりがいがあると感じています。

貴社に注目した理由は、その専門性と独自性の高さにあります。

アルバイトで培ったコミュニケーション力やチームワーク力を活かし、貴社に貢献したいと思っています。

また、現場経験を生かし、専門商社業界でより先進的なビジネス展開を目指し、成果を上げることが私の目標です。

まとめ

この記事では、専門商社業界への採用を目指す方々に向けて、業界の概要や適性、効果的な志望動機の書き方について詳しく解説しました。専門商社業界は特定の分野や製品に特化して事業を行うことが特徴で、この業界で成功するためには特定分野の専門知識が非常に重要です。

 

一方、総合商社は多岐にわたる事業を手がけるため、両者の間には大きな違いがあります。

 

専門商社に向いている人は、特にコミュニケーション能力、行動力、そして英語力が高いことが重要とされています。

 

志望動機を書く際には、「なぜ総合商社ではなく専門商社を選ぶのか」という点を明確にし、自分の強みやキャリアプランと結びつけることが大切です。

この記事が専門商社業界の理解を深め、あなたのキャリア形成の一助となれば幸いです。

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