【企業研究】日野自動車の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

【企業研究】日野自動車の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

2023年10月30日更新

はじめに

日野自動車(日野自動車株式会社)は、日本有数の大手商用車メーカーです。トヨタグループの系列会社でもあり、日野・トヨタ両ブランドのトラック・バスを製造販売しています。

2023年5月には同じく商用車メーカー大手の三菱ふそうトラック・バスとの経営統合も発表され、業界内外から大きな注目を集めているところです。

 

今回は、そんな日野自動車の企業研究を行います。事業や業界での立ち位置など基本的な内容のほか、ホットニュースとともに今後の企業の展望や可能性も探っていきます。また、選考対策に悩む人に向けた新卒選考フローや就職偏差値、採用大学なども見ていきましょう。

自動車業界

日野自動車が属する自動車業界とは、自動車製造メーカーや部品・素材メーカー、販売会社などで構築される業界のことです。日本が世界に誇る産業のひとつが自動車産業であり、その機能性の高さなどから海外でも高いシェアを獲得しています。日本のものづくりの技術力や魅力を世界に発信する重要な分野と言えるでしょう。

 

自動車業界についてより深く知りたい方は次の記事も参考にどうぞ。

【業界研究】自動車メーカーとは?志望動機・ビジネスモデル・職種を徹底解説

 

自動車業界以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!

【業界研究ガイド】業界一覧

事業内容

日野自動車の主な事業内容は自動車の製造販売です。製造している商品ごとに次の2つに分けて見ていきましょう。

 

商用車等の製造販売

日野自動車の主要な事業は、商用車などの製造販売です。具体的にはトラック・路線バス・観光バスなどをラインナップ、車輌サイズも大・中・小型と幅広く対応しています。小型トラック「デュトロ」は「ヒノノニトン」というリズミカルなフレーズのCMでもおなじみです。また、ハイブリッドやBEVなど環境への配慮を意識した商品も製造しています。車輌のほかには、産業用ディーゼルエンジンやトラック用アクセサリの製造販売も行っています。

 

トヨタの一部車種の受注生産

日野自動車では、トヨタのトラック・バスなどの受注生産も行っています。具体的には「ランドクルーザー プラド」「ダイナ」などです。また、トヨタが陸上自衛隊に納品する中型トラックやトヨタ向けディーゼルエンジンなどの製造も担当しています。

 

参考:商品 日野自動車日野とトヨタグループ 日野自動車について 日野自動車株式会社

新卒選考フロー

日野自動車の新卒選考の基本的なフローは次の通りです。募集職種は技術職と事務職の2種類で、技術職は学校推薦か自由応募、事務職は自由応募のみと規定されています。

 

エントリー・エントリーシートの提出

まずは日野自動車の採用サイトからWEBエントリーします。エントリーが完了したらエントリーシートの作成です。過去のエントリーシートでは、志望動機や志望職種と志望する理由、入社してから実現したいことなどを問われています。

 

適性検査の受検

エントリーシートを提出した後は適性検査の受検案内が届きます。形式はSPIのようです。

 

面接の実施

職種に関わらず、複数回の面接が実施されます。1次・2次・最終と3回程度行われるのが基本のようです。面接では、エントリーシートに記載した内容の深堀や大学の研究内容、学生時代に力を入れたことなどを問われたという体験談がありました。

 

参考:募集要項 日野自動車株式会社 採用サイト

社風

続いて、日野自動車の社風の特徴を紹介します。日系企業ならではの保守的な部分は人により向き不向きがあるかもしれません。人間関係や福利厚生制度などは良好な環境が望めるため、働きやすい職場と言えそうです。

 

保守的な風土がベースで部署により違いがある

日系企業によく見られる保守的な社風があるとの感想が多く見られます。ただし、部署ごとにその程度は異なり、新しい分野に関する部署は積極的な挑戦も可能なようです。風通しも部署ごとに状況が異なるようですが、社内で社員が上層部に提案できる仕組みがあるとの声も聞かれたため、全く意見が通らないということではないでしょう。

 

人柄が良い社員が多く大手グループの一体感も

社員は人柄が良く、真面目で朗らかなタイプが多いようです。自動車メーカーに共通する、仕事に対する堅実な姿勢もあります。また、トヨタグループとしての一体感が得られるとの感想もありました。

 

各種制度が整い快適に働ける職場環境

福利厚生を中心に各種制度が揃っていて働きやすい職場環境という声が多く見られます。休暇も気兼ねなく取得でき、ワークライフバランスを意識しやすいとの感想もありました。また、産休育休など女性のライフステージに関わる休暇のほか、事業所内託児所などもあり、育児を行う家庭へのサポートも手厚いようです。

求める人材

日野自動車採用サイトの採用担当メッセージから、求める人材を考えてみましょう。日野自動車は、お客様や社会の役に立つという精神を事業活動の原動力にしています。この精神がこれから生まれるであろう新しい価値観の提供などにも不可欠であり、目まぐるしく変化する社会においても日野自動車が目指すビジョンを叶えるため、社員皆が同じ方を向き同じ気持ちをもって働く必要があるとも言っています。

 

つまり、日野自動車が社員に求める人材は、まず自社の目指すところに深く共感し、理解できる人でしょう。そして、社会の変化に上手に対応しながら、そのとき高まっているニーズを的確にキャッチし、新しい価値に変換できる人です。また、自主的に行動をしつつ、周りの社員とも協調性をもって、企業の目指すビジョンの達成に向け貢献できる人も求められています。

 

参考:採用担当者メッセージ 日野自動車株式会社 採用サイト

就職偏差値・難易度および業界での立ち位置

ここからは、自動車業界の大手企業と日野自動車で比較を行いながら、日野自動車の業界内の立ち位置を探っていきましょう。また、就職偏差値など、選考の難易度も紹介します。

 

会社名売上高平均年収就職偏差値・難易度社風
いすゞ自動車3兆1,955億円753万円60真面目でこだわりがある
日野自動車1兆5,073億円654万円57穏やかで安定感がある
三菱ふそうトラック・バス6,993億円650万円52オープンでフレンドリー
UDトラックス3,278億円600万円自由で風通しも良好

 

財務情報の比較(売上)

今回日野自動車との比較に選んだ企業は、国内商用車メーカーの大手です。業界内ではいすゞ自動車がトップ、日野自動車は国内商用車メーカー2位の位置にいます。なお、日野自動車は2022年にエンジンの不正問題が発覚し、その影響を受け2022年度の業績が大きく落ち込みました。

 

社風の比較

こちらに挙げた大手の中でも、いすゞ自動車・日野自動車は日系企業に多い保守的な社風が見られます。三菱ふそうトラック・バスは親会社がダイムラーである影響からか、外資特有のオープンな社風があるようです。UDトラックスに関しては、ボルボグループからいすゞグループに移ったことから、日系企業と外資企業の社風の特徴がミックスされたような雰囲気で、いすゞの社風に似てきたという声も聞かれます。

 

なお、日野自動車は2024年中に三菱ふそうトラック・バスと経営統合すると発表されました。統合後に日野自動車はトヨタグループを外れ、三菱ふそうトラック・バスの親会社であるダイムラーの傘下に入ります。外資系の企業になることから、今後社風が大きく変化する可能性も高いでしょう。

 

就職偏差値

自動車業界の中でも就職偏差値は企業によりけりです。国内有数の大手企業は全体的に就職偏差値が高い傾向にありますが、商用車メーカーに関しては超難関ほどではないようです。日野自動車も簡単に選考をパスできるほど容易なわけではありません。ただし、選考対策次第で幅広い就活生が採用獲得をリアルに狙うことは可能です。新卒採用人数は例年50~100人ほどで、年度によっては100人以上の募集もあります。なお、2024年以降は経営統合と新会社設立により、就職の難易度や採用人数が大幅に変わる可能性も。最新の情報をキャッチしながら選考対策を練る必要がありそうです。

 

ほかの企業・業界についても就職偏差値をリサーチしたい場合は、次の記事も参考にしてみてください。

【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング

採用大学

日野自動車で採用実績のある大学の例は次の通りです。

 

青山学院大学、茨城大学、宇都宮大学、岩手大学、大阪公立大学、大阪産業大学、大阪大学、岡山大学、神奈川大学、金沢工業大学、関西大学、関西学院大学、学習院大学、九州大学、共栄大学、京都大学、杏林大学、近畿大学、群馬大学、工学院大学、駒澤大学、埼玉大学、作新学院大学、静岡大学、芝浦工業大学、首都大学東京、上智大学、湘南工科大学、上武大学、専修大学、拓殖大学、千葉大学、千葉工業大学、千葉商科大学、中央大学、筑波大学、電気通信大学、東海大学、東京大学、東京外国語大学、東京工業大学、東京電機大学、東京都市大学、東京農工大学、東京理科大学、東北大学、東北福祉大学、徳島大学、同志社大学、豊田工業大学、長岡技術科学大学、長崎大学、名古屋大学、新潟医療福祉大学、新潟大学、日本大学、一橋大学、広島大学、白鴎大学、法政大学、北海道大学、明治大学、山形大学、山口大学、横浜国立大学、横浜商科大学、立教大学、早稲田大学など(五十音順)

 

このラインナップを見てみると、かなり幅広い大学から学生を採用していることがわかります。国内有数の難関大学や有名私大の名前も多々見受けられますが、高学歴ばかりに偏っているわけではありません。ローカルな大学も含め、全国各地からまんべんなく採用者が出ている印象です。日野自動車の新卒選考では、学歴フィルターは存在しないと考えられます。

2024年中に三菱ふそうトラック・バスと経営統合予定

2023年5月、日野自動車と三菱ふそうトラック・バスが経営統合する旨が発表されました。これは、日野自動車の親会社であるトヨタと、三菱ふそうトラック・バスの親会社であるダイムラー・トラックがCASE技術で協働することなどによるものです。統合後は新会社が設立されます。日野自動車と三菱ふそうトラック・バスは、共に国内で特に大手の商用車メーカーなので、このニュースは大きな話題を呼びました。

 

昨年発覚したエンジン不正問題により、日野自動車はネガティブな見方も余儀なくされています。昨年度急落した業績は今年度上向きが見込まれていたものの、認証不正による海外での訴訟にかかる和解金などが巨額になる予想がされており、今期の決算見込みは一転赤字の下方修正がなされました。

 

今後の展開によって、経営統合に影響が出るのではと懸念する声もあるようですが、日野自動車としては訴訟が決着すれば不確定要素が減ったという前向きな捉え方もできるのではと考えているようです。同じく業界大手の三菱ふそうとの統合で事業規模は一気に拡大、あるいはイメージの回復につながるかもしれません。経営統合の最終契約は2024年3月に予定されていますが、これからの動きにも注目しておきたいところです。

 

参考:三菱ふそうと日野が統合し新会社設立 ダイムラートラック、三菱ふそう、日野、トヨタが基本合意書締結(株式会社インプレイス)エンジン不正の訴訟で業績悪化…日野自動車の通期予想、赤字220億円に転落(ニュースイッチ by 日刊工業新聞社)

まとめ

日本の商用車メーカーのリーディングカンパニーとして、長年第一線を走っている日野自動車。2024年に予定されている三菱ふそうトラック・バスとの経営統合で、また新たなステージへと踏み出していきます。日系企業独自のカラーを持つ日野自動車が外資系になりどのような企業へと変化していくのか、今後の動向から目が離せません。

 

選考対策をする上では、このような日野自動車の変革も踏まえながら、丁寧に自分のキャリアビジョンを描きたいものです。ぜひこの記事を参考に、より深く日野自動車の企業研究を進めてみてください。

上京を志す地方学生ならジョーカツ

首都圏の学生ならスタキャリ