【業界研究】電子部品(総合メーカー)業界について徹底解説!特徴や向き不向きは?
2023年10月29日更新
はじめに
就活を成功させるためには業界研究をしなければなりません。業界独自の業務や特徴を知っていないと入社後にギャップを感じて長く続かないかもしれません。また、長く続けるためには業界全体の将来も考えることが必要です。
そこで、ここでは電子部品(総合メーカー)業界について基本概要から業務内容、向いている人・向いていない人をご紹介します。電子部品(総合メーカー)業界に興味があり、業界研究があまり進んでいない方は、ぜひご確認ください。
電子部品(総合メーカー)業界とは?
電子部品(総合メーカー)業界とは電子部品の製造・販売を行う業界であり、日本の電子部品メーカーはグローバル的に活躍しています。ビジネスモデルはBtoBがほとんどであるため馴染みはあまりないかもしれませんが、実は日常生活に深く携わっています。
電子部品(総合メーカー)業界の市場規模は12.4兆円です。市場規模は現在でも増加傾向にあり成長している業界となっています。
電子部品(総合メーカー)業界全体の平均年収は682万円です。日本の平均年収は400万円程度であるため、200万円以上もの差があります。また、平均径族年数は16年であり、全体の平均径族年数である12. 1年よりも長くなっています。
電子部品(総合メーカー)業界の種類
一口に電子部品(総合メーカー)業界といっても複数の種類があります。ここで各種類の概要についても知っておき、選考に進む際にはどの種類の会社を志望していくべきであるのかを考えていきましょう。
種類①電子部品メーカー
電子部品メーカーは電子機器の元となる電子部品を製造しているメーカーです。電子部品には半導体やオーディオ機器全般の部品など種類は多岐に渡っています。電子部品メーカーの代表的な企業例は村田製作所、京セラなどです。
種類②電機メーカー
電機メーカーは電子部品を用いて製品の開発・製造をおこなっている企業が属します。実際の製品を作っている企業であるため、電子部品業界のなかでも馴染みが深い企業が多いです。具体的な企業にはソニーやパナソニックなどがあります。
種類③電子部品商社
電子部品商社は電子部品に特化した商社です。別名エレクトロニクス商社とも呼ばれます。電子部品商社は電子部品の調達をおこない、クライアントに最適なスケジュールで必要な部品を提供します。
電子部品(総合メーカー)業界の主な業務内容
電子部品(総合メーカー)業界の主な業務内容は下記のとおりです。
業務内容①営業・技術営業
営業職は自社製品を営業先に売り込むことが主な業務です。ただし、電子部品(メーカー業界)の営業は主にBtoB営業となります。また、電子部品は原理説明も必要になることが多いため、理系の営業である技術営業とされていることも多いです。
さらに、電子部品はグローバル的な取引が多いことから海外のクライアントと話すこともあります。とくに、グローバル展開を目指している企業であれば面接などでも英語力が見られる可能性が高いです。
業務内容②生産技術
生産技術職とは企業の工場や生産現場において生産ラインの設計や管理を行う仕事です。生産ラインとは原料や材料から目的となる製品を製造する一連の流れのことであり、自動車を作る生産ラインなら、鋳造、プレス、溶接、塗装、組み立て、といった一連の流れ全体を意味します。
生産技術には生産ライン自体を設計する業務や管理するなど具体的な業務は会社や配属職種によって異なります。
業務内容③研究開発
電子部品の開発を担当していく業務です。ただし、研究開発はすでに決まっている部品の開発を目指すのではなく、より効率的や小型化などさらなる高機能化を目指します。電子部品のなかでも半導体や集積回路は大学で学ぶ知識が必要になることがあり、専門的な知識が求められます。
電子部品(総合メーカー)業界のメリット・デメリット
電子部品(総合メーカー)業界のメリット・デメリットには下記のようなものがあります。メリット・デメリットがどのくらい大きいのかを考えていきましょう。
メリット①身近な製品に携わることができる
電子部品メーカーは家電製品やスマートフォン、自動車など、私たちの生活に身近な製品に携わることが可能です。そのため、自分の仕事が社会に貢献していることを実感でき、やりがいを感じている方が多くなっています。
メリット②安定した収入が期待できる
電子部品メーカーは多くの製品を製造しており、安定した経営をしている企業が多いです。市場規模を確認しても非常に好調に伸びています。そのため、就職後も安定した収入が期待できます。しかし、あくまで業界全体の話です。企業単体で見ると収入が安定していないこともあるため、ご注意ください。
メリット③技術革新の最先端に触れられる
電子部品は常に技術革新が進んでいます。そのため、電子部品メーカーで働くことで最新の技術を学び、仕事に活かすことができます。とくに、理系で研究内容が電子部品である方は大学時代の学びを活かすことが可能です。
デメリット①転勤の可能性がある
電子部品メーカーは全国に拠点を持っている企業が多いです。また、全国だけでなく世界に拠点を設けている企業も多く、海外転勤の可能性もあります。転勤が頻繁に起こっても良いのかどうかは人によって異なるため、事前にしっかりと把握しておきましょう。
デメリット②残業が多い
電子部品メーカーは納期や生産量の都合により、残業が多い傾向にあります。特に、開発職や製造技術職は納期に間に合わせるために残業が発生することが多いようです。
残業が多いと仕事とプライベートの両立が難しくなる可能性があります。しかし、近年ではワークライフバランスの向上を多くの企業が目指しており、改善されつつあるデメリットです。
電子部品(総合メーカー)業界に向いている人・求められるスキル
電子部品(総合メーカー)業界には以下のスキルが求められます。つまり、下記のようなスキルをすでに持っている、もしくは身に着ける意欲がある方が電子部品(総合メーカー)業界に向いています。
- 電気・電子工学、機械工学、化学などの専門知識
- 語学力
- 論理的思考力と問題解決能力
- モノづくりに対する興味
電子部品(総合メーカー)業界への就活に活かせる資格
電子部品(総合メーカー)業界において、就活に活かすことができる資格には以下のようなものがあります。
- 半導体製品製造技能士
- 半導体技術者検定
- ディジタル技術検定
- CAD利用技術者試験
- 機械保全技能検定
- 電子機器組立て技能士
時間に余裕があるのであれば取得を目指して勉強することをおすすめいたします。
電子部品(総合メーカー)業界の大手企業5選
電子部品(総合メーカー)業界の大手企業には下記のような企業があります。もちろん、これら以外にも多数の企業があるため、ぜひお調べください。
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 企業理念 | 社風 |
京セラ | 2,025,332 | 723 | 全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること。 | 一人ひとりが成長できるようにサポートする環境、挑戦を奨励する風土 |
村田製作所 | 1,686,796 | 803 | 技術を練磨し 科学的管理を実践し 独自の製品を供給して 文化の発展に貢献し 信用の蓄積につとめ 会社の発展と 協力者の共栄をはかり これをよろこび 感謝する人びとと ともに運営する | 常に新しい技術を追求する姿勢が求められる |
日本電産 (ニデック) | 2,242,824 | 686 | NIDECは、モータを始めとする製品の、一層の効率化追求により地球環境保全のために不可欠なソリューションを提供するとともに、人々のより良い生活の実現に貢献いたします。 | 常に高い目標を掲げ、それを達成するために全社一丸となって取り組む社風 |
TDK | 2,180,817 | 789 | 創造によって文化、産業に貢献する | 新しい製品や技術の開発に積極的であり、社会に貢献することを大切にする |
オムロン | 876,082 | 898 | われわれの働きで、われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう | 新しいことに挑戦する姿勢を大切にし、社員には誠実な仕事ぶりが求められる |
下記の会社については詳しい解説記事があるため、こちらもぜひご確認ください。
【企業研究】村田製作所の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
【企業研究】ニデック(旧:日本電産)の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
電子部品業界への就活を成功させるためには
まずは、就活に関する基本的なことは電子部品業界でも他の業界でもおこなうことが重要です。ESのブラッシュアップ、面接対策は必ず徹底的におこないましょう。そのうえで、電子部品業界への就活を成功させるためには下記のような書籍がおすすめです。
図解入門業界研究 最新電子部品産業の動向とカラクリがよ~くわかる本
また、電子部品業界に属する企業のインターンシップに積極的に参加することもおすすめいたします。実際の業務内容を知っておくことで面接やESで説得力を持たせることができます。
まとめ
今回は電子部品(総合メーカー)業界について解説しました。就活を成功させるためには業界研究が必須です。業務内容や大手企業について調べるだけではなく、本当に自分に向いているのかを確認しながら業界研究を進めていきましょう。