【企業研究】三菱化工機の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2023年10月24日更新
はじめに
三菱化工機(三菱化工機株式会社)は、三菱グループに属する企業の1つです。機械製造メーカーとして70年以上の歴史と実績を持つ老舗大手であり、質が高く有用な事業が高い評価を得ています。
今回は、そんな三菱化工機の企業研究記事です。業界の概要や企業の事業内容、業界内の他の大手企業との比較や立ち位置などを解説します。また、新卒選考フローや就職難易度、採用大学など、選考対策に役立つ情報も紹介します。
機械業界
三菱化工機が属する機械業界は、各種業界で使用する機械の製造を担う業界です。製造する機械の種類によって、主に「建設機械業界」「工作機械業界」「産業機械業界」「造船業界」の4つに区分されます。三菱化工機は産業機械業界に当てはまる企業です。
機械業界以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!
事業内容
三菱化工機は、製造する機械の種類ごとに、次のような事業を展開しています。
エンジニアリング事業
エンジニアリング事業の中でさらにプラント事業・環境事業の2つに分かれます。
プラント事業は、多様な産業・業界のプラント建設を行う事業です。主にエネルギー関連(都市ガス・石油・水素、硫黄回収など)・医薬・食品・一般化学工業などの分野において事業を行っています。事業範囲は国内外問わずで、海外でも150か所以上の建設に関わってきました。高い技術力を持って、高品質・低価格・短期間と魅力あふれるプラントを整えられることが特徴です。
環境事業は環境課題の解決に関する機械製造を行う事業です。三菱化工機では特に水質汚濁対策に注力しており、その歴史は1950年代からと長年にわたります。下水・産業排水・産業廃棄物などの処理・リサイクル施設建設などが盛んです。なお、三菱化工機は業界において水素発生装置のトップシェアを誇っています。
単体機械事業
単体機械を製作する事業です。中心的な製品は三菱油清浄機(三菱セルフジェクター)で、
100,000台以上の納入実績を持っています。ほかにも、遠心分離機、ろ過機、除塵装置、撹拌機、船舶機器などの高機能な各種単体機器を製造しています。
新卒選考フロー
三菱化工機では基本的に次のような流れで新卒選考が進みます。ただし、募集年度や職種、個別の選考状況などにより、フローは変更される可能性もあります。
エントリー
まずはWEBでのエントリーからスタートです。指定のリクルートサイトのページからエントリー手続きを行います。
会社説明会への参加
続いて会社説明会に参加します(任意ではなく必須のようです)。形式はWEB・対面です。説明会では、事業内容や採用情報、現役社員への質疑応答などが行われます。事業の中身がより詳しく理解できた、社員が自分達の言葉で質問に答えてくれてより具体的に職場のイメージができたなどの就活生の声も聞かれ、選考対策にも非常に有用なようです。
エントリーシートの提出
次はエントリーシートを作成します。エントリーシートでは志望動機のほか、趣味・特技、仕事を通じて自分が実現したいことなども問われるようです。
適性検査・書類選考・カジュアル面談
エントリーシートの提出後は適性検査を受検します(形式は不明ですが性格検査のようです)。また、書類選考が行われ、本面接に進む前に希望者はカジュアル面談を受けられます。カジュアル面談では面接よりも気さくな雰囲気で、会社に確認しておきたいことなどを質問できます。
面接
書類選考を通過したら、最後に面接です。面接は基本的に、課長級が対応する一次面接と役員が対応する二次面接の2回あります。過去の面接では、エントリーシートの内容のほか、自分の長所・短所、学生時代に力を入れていたこと、入社後は自分のどのような強みを仕事に活かそうと考えているかなどの質問がなされました。
社風
三菱化工機の主な社風を見ていきましょう。保守的で穏やかな空気があり、挑戦する機会は多くないものの、安定感のある仕事が叶う職場のようです。
保守的で安定感のある職場
保守的な部分があり、あまり大胆な挑戦などは行わない方向性のようです。働いた経験のある社員からは、挑戦の機会は少ないという感想が見られました。ただし、社内でさまざまな業務は担当できるため、幅広く多ジャンルの仕事をして経験を積むことはできるようです。また、穏やかな人が多く、働いている中で大きな波風が立つこともほとんどないようなので、安定した空気感の中仕事をしたい人に向いているかもしれません。
仕事とプライベートのバランスが取りやすい
なお、残業は基本的に少ない職場環境も特徴と言えます。ワークライフバランスは意識しやすく、有給や特別休暇なども取得しやすいようです。
求める人材
三菱化工機は新卒採用サイトにおいて、「柔軟性」「自主性」「行動力」を持って、新しい価値を創造できる人物を求めていると示しています。設立から70年以上の歴史と高い実績を誇り、化学機械メーカーとして確固たる立場を築く三菱化工機においても、社会の変化を無視することはできません。働く社員には世の中の流れや変化に柔軟に対応し、また変化を恐れず向かっていける姿勢が求められます。
指示されたことを淡々とこなすだけでなく、自らのアンテナで新しい情報を常にキャッチし自分で考えられる自主性、柔軟性や自主性を周りを巻き込みながら発揮する行動力なども同時に必要とされています。なお、社員と協力し合いながら仕事を進めていくには、コミュニケーションスキルも必要だと考え、選考時から重要視しているようです。
ただし、業務に不可欠な知識や専門性に関しては必ずしも選考時に備えてる必要はなく、入社後働きながら身に付けていくことで問題なしとしています。グローバルに事業を展開している企業では、入社後英語力を求められる場合もありますが、三菱化工機はアジア圏との取引が多く、英語にこだわらずその国の公用語を身に付ければ取引がよりスムーズになると述べています。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
ここからは、機械業界内の大手企業を比較しつつ、三菱化工機の業界における立ち位置や、就職偏差値など、選考突破の難易度についても見ていきます。
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
三菱化工機 | 445億9,000万円 | 724万円 | 54 | 保守的で穏やか |
小松製作所 | 3兆5,435億円 | 781万円 | 65 | 保守的だが挑戦も可能 |
クボタ | 2兆6,788億円 | 811万円 | 64 | 若い年代でも挑戦できる |
ジェイテクト | 1兆6,781億円 | 708万円 | 59 | 社員へのサポートが手厚い |
財務情報の比較(売上)
今回三菱化工機の比較対象としてピックアップした企業は、機械業界で売上高トップクラスを誇る大手です。取り扱っている機械は、建設・農畜産・自動車・インフラなど、分野は各社違えど、どの企業も国内外で幅広く事業を展開しています。売上高の大きさにも、事業規模がそのまま反映されていると考えて良いでしょう。
三菱化工機はこれらのランキング最上位の企業ほどではないものの、油清浄機や水素発生装置が業界トップシェアであるなど、高い実績と歴史を持つ大手企業で、売上も安定感があります。
社風の比較
業界トップ規模の企業に関しては、挑戦に寛容な傾向があります。社会情勢を読みながらでなければ事業を広げていくことはできません。まだ経験が多くない若い年代の社員であっても、挑戦する気概があれば後押ししてくれる会社が多いようです。
ただし、どの企業も保守的な空気感も大なり小なり残っています。保守的というと地味な印象を持つ人もいるかもしれませんが、高性能な機械を正確に安全に製造し続けるためには、目の前の仕事を忠実にこなす真面目さが必要でしょう。穏やかで堅実な社風は事業との相性が良いと言えそうです。
就職偏差値
就職偏差値は業界トップの大手が非常に高い状況です。小松製作所やクボタは特に知名度が高く、グローバルな事業展開を行う国内有数の大企業であるため、それも就活生からの人気の理由でしょう。新卒の採用人数は例年数百人規模でまとまった人数ながら、応募者も多いため倍率が高くなっています。
なお、三菱化工機の新卒採用は例年10~20人で、10人未満の年もあります。就職偏差値は平均より少し上くらいですが、採用人数がかなり少ないので、実際は簡単に採用獲得とはならない可能性があります。十分な選考対策は必須です。
比較に挙げた小松製作所やクボタについて企業研究を行いたい場合は、こちらの記事もチェックしてみてはいかがでしょうか?
【企業研究】 コマツの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
【企業研究】クボタの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
また、業界内の他の企業や別業界の就職偏差値・難易度について調べたい方は、こちらを参考にしてみてください。
採用大学
三菱化工機の採用実績のある大学の一例は次の通りです。
青山学院大学、神奈川大学、神奈川工科大学、関西大学、群馬大学、慶應義塾大学、工学院大学、神戸大学、駒澤大学、芝浦工業大学、成蹊大学、玉川大学、中央大学、東海大学、東京海洋大学、東京経済大学、東京工科大学、東京工業大学、東京都市大学、同志社大学、東北大学、東洋大学、長崎大学、名古屋大学、新潟大学、日本大学、広島大学、法政大学、防衛大学校、明治大学、早稲田大学 など(五十音順)
採用大学の例を見てみると、難関大学や有名私大の名前もありますが、偏差値の高い大学ばかりから採用しているわけではありません。事業と関連する工学系の大学などからの採用も複数見られます。また、このほかにも、大学院や短大・高専・専門学校などからも採用実績があります。これらの情報を踏まえると、三菱化工機には学歴フィルターは存在しないと考えられます。
課題解決に役立つ事業など社会貢献にも注力
三菱化工機は積極的にさまざまな事業に取り組んでいます。2023年6月には、トヨタ・豊田通商らとともに、農業・食品廃棄物などに由来するバイオガスから水素を製造する装置をタイに初導入すると発表されました。この事業では、水素製造装置の製作を三菱化工機が担当し、トヨタと豊田通商が製造された水素の物流などを一手に担います。
機械業界は世界の情勢を影響を受けやすい業界だと言われています。今後は国内での需要は徐々に減っていくという見方もあり、海外での需要を開拓していくことがますます重要になりそうです。
また、社会課題への企業の関わり方も注目されていますが、三菱化工機では、神奈川県と水源林の再生支援の覚書締結、世界の水問題に取り組むWOTAへの支援など、環境課題の解決に向けても多くのサポートをしています。今後も三菱化工機は、培ってきた長年のノウハウを活かしながら、時代のニーズや社会のこれからを汲み取り事業を展開していくでしょう。
参考:トヨタ、豊田通商と三菱化工機、バイオガスから水素を製造する装置をタイに初めて導入し年内に稼働開始、三菱化工機、神奈川県と水源林の再生支援の覚書を締結 4月より 「みんなで創る三菱化工機の森」を設置し、森林保全活動を開始、三菱化工機、世界の水問題解決に取り組むWOTAに出資(三菱化工機株式会社)
まとめ
三菱化工機は長い歴史と確かな実績を持つ老舗企業です。広い機械業界で時代を超えて常に大手として存在し、幅広い産業を支えています。社会の動きに影響を受けやすい業界ですが、変化の目まぐるしい世の中において三菱化工機はニーズを的確によみ、強く求められる機械を作り続けるでしょう。
就職難易度は特別高いわけではありませんが、採用を獲得するためには、十分な選考対策が欠かせません。三菱化工機に興味が湧いている方は、ぜひこの記事を参考により深く企業研究を進めてみてはいかがでしょうか。