【企業研究】ダイセルの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説

2023年10月4日更新

はじめに

ダイセル(株式会社ダイセル)は、化学製品の開発・製造・販売などを行う化学メーカー企業です。時代やニーズの変化などに対応しながら、多様な業界に向け高品質・高機能な製品を多数供給しています。今回はそんなダイセルの企業研究記事です。事業内容や業界での立ち位置など企業に関する情報の他、新卒選考フローや求める人材、採用大学など、選考対策に役立つ内容も解説します。

化学業界

ダイセルは化学メーカーに分類されます。化学メーカーが属する化学業界は、化学反応を利用した製品の開発・製造・販売などを担う業界です。化学製品は幅広い業種で使用されており、化学業界は製品を通じて幅広い業界を支える存在と言えます。

 

化学業界以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!

【業界研究ガイド】業界一覧

事業内容

それでは、ダイセルの主な事業内容を見ていきましょう。ダイセルでは製品を提供する領域ごとに次のように事業を区別しています。

メディカル・ヘルスケア事業

 

生活のクオリティ向上を、医療や健康の観点からサポートする製品を製造・販売する事業です。具体的には、認知症予防研究や腸内フローラを利用した素材開発などを推し進めています。また、医薬品開発のソリューション提供もこちらの事業で担っています。

 

スマート事業

 

よりスマートで便利な社会をつくるための機器製品を製造・販売する事業です。具体的には、スマートフォンやPCといったモバイルデバイス・TV・車載ディスプレイなどのフィルム、半導体製造用のポリマー・溶剤、VR・スマートフォンなどのレンズ、多様な機器に関わりがあります。

 

セイフティ事業

 

さまざまな機器・機械を安全・安心に利用するための製品を製造する事業です。例えば車両用エアバッグをふくらませるガス発生装置、再生可能エネルギーの蓄電送電システム、電流遮断機などが挙げられます。

 

マテリアル事業

 

ダイセルは日本で唯一の酢酸メーカーです。マテリアル事業では酢酸そのものはもちろん、酢酸を原料としたさまざまな製品を製造・販売しています。なお、製品の1つである酢酸セルロースは、天然素材から製造する環境に優しい素材として、近年特に注目が高まっています。

 

エンジニアリングプラスチック事業

 

従来のプラスチックよりも、耐熱性や強度などに優れたより高機能なエンジニアリングプラスチックを製造する事業です。現在も研究開発が進められている領域であり、今後軽量化や小型化、金属製品の代替など、さまざまな活用の可能性が期待されています。

 

その他事業

 

分離膜技術を活用した、水の再利用に関する事業です。水不足など世界的な課題の解決策として、環境保全や資源対策にに寄与しています。

 

参考:事業製品 株式会社ダイセル

新卒選考フロー

ダイセルの新卒選考フローは基本的に次のような流れで行われます。募集職種は事務系・技術系がありますが、どちらもフローにそれほど違いはありません。なお、文系だから事務職、理系だから技術職などの学部による応募職種の縛りはなく、どの学部でも自由に職種を希望できます。

書類審査

 

ダイセルの採用情報ページからエントリーを行い、完了後にエントリーシートを入力・提出します。志望動機や自己PR、ダイセルに入社後叶えたいことなど、ベーシックな内容が問われるようです。

筆記試験・面接

 

書類を提出した後は、筆記試験(形式はSPI)の受検があります。面接は、1次・2次・最終と複数回行うのが基本ですが、職種や選考状況によって、個別に回数が変動することもあり得ます。面接では志望している業務になぜ携わりたいのか、今まで頑張ったこととなぜ頑張ろうと思ったのか、大学時代の研究で苦労したこと、ダイセルの社風の感想など、エントリーシートをベースに幅広い内容を質問されるようです。

 

参考:採用データ DAICEL 株式会社ダイセル Recruiting Site

社風

昔ながらの上意下達の仕組みが残っているようです。基本的には上からの指示で下が動く、という体制であまり下からの意見が採用される場面は多くないと考えられます。年功序列や

現状維持を望む雰囲気も、日系企業によく見られるもので珍しくはありません。アグレッシブな実力主義の職場を望む人には向かない環境でしょう。しかし、手元の業務をコツコツこなしていきたいタイプの人なら、希望に近い働き方できそうです。

 

新しい分野に挑戦するスタンスがないわけではありませんが、社内に良くも悪くも保守的な体質が根付いているため、なかなか派手なチャレンジは実現しにくい現状があるようです。なお、老舗の大手企業ならではの安定感は抜群で、福利厚生の充実など、働きやすい条件・待遇は揃っています。

求める人材

ダイセルは、採用情報サイトにおいて、求める人材を「多様なパートナーとの共感、共鳴を通じて、サステナブルな社会の実現に向けて行動できる人」と明確に示しています。

 

ダイセルは自社の理念として「価値共創によって人々を幸せにする会社」を掲げており、求める人材はこの理念にリンクしています。事業内容の項目でも紹介した通り、ダイセルは業界の枠組みを超えて幅広い領域に製品を提供し、人々の生活や産業に深く関わっています。このように、多様なパートナーがいる社会で、事業を通じて必要な価値を共感し合い、より充実した世の中をつくっていきたいと表しています。

 

この企業のスタンスを十分理解し、同じ方向を向きながら社会と企業をつなぐ存在として働いていくことが、ダイセルの社員に求められることでしょう。

 

参考:求める人物像 DAICEL 株式会社ダイセル Recruiting Site

就職偏差値・難易度および業界での立ち位置

会社名 売上高 平均年収 就職偏差値・難易度 社風
ダイセル 5,380億円 739万円 61 真面目で慎重派
三菱ケミカルグループ 4兆6,345億円 1,045万円 72 年功序列・人柄が良い
住友化学 2兆8,952億円 911万円 70 若手が挑戦しやすい
富士フィルム 2兆8,594億円 1,033万円 70 幅広いスキルが求められる

 

財務情報の比較(売上)

 

ダイセルとの比較対象としてピックアップした3社は、化学業界のトップ3とも言える最大手企業です。事業規模もシェアも大きく、売上高も他の業界大手より1歩2歩抜きんでた数字です。ダイセルも化学業界では知名度が高い大手企業ですが、業界最大手の企業と比較するとどうしてもコンパクトなイメージになってしまうかもしれません。

 

なお、物価高騰など近年の社会情勢の影響を受け、売上高に関しては4社とも前年よりアップしていますが、営業利益に関してアップしたのは4社の中で三菱ケミカルグループのみです。世界経済が安定しない状況で、化学製品の需要が停滞しがちだったことも利益が伸び悩んだ原因と見られています。

 

社風の比較

 

事業規模が大きい企業ほど、社員の挑戦に対する意欲が高く、また挑戦に対する企業のサポート体制も整えられているようです。年功序列や保守的な部分は大なり小なりどのような企業にも見られますが、住友化学や富士フィルムのように、それを上回るほどチャレンジに積極的な人材が多い企業もあるようです。ただし、このようなチャレンジ好きの社風が全ての人に適しているとは限りません。また、昔ながらの体制がマッチするという企業もあるでしょう。例えば三菱ケミカルグループはやや古めかしい社風ながら、社内の雰囲気は良好で事業も好調です。

 

就職偏差値

 

化学業界の就職偏差値は基本的に高めの傾向にあります。中でも業界トップクラスの企業の就職偏差値は特に水準が高く、学歴もスキルも熱意もすべてが揃った人材でなければ採用を狙うのが難しい状況でもあります。

 

なお、ダイセルは業界の中では中堅あたりの大手企業ですが、事業規模や売上に対して平均年収が高水準です。また、例年採用人数は30~50名ほどとそう多くありません。このような要因から、採用倍率が非常に高く200倍以上にもあるという情報もあります。

 

【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング

採用大学

ダイセルで採用実績のある大学の例は次の通りです。

 

青山学院大学、愛媛大学、大阪教育大学、大阪経済大学、大阪工業大学、大阪市立大学、大阪大学、大阪電気通信大学、大阪府立大学、岡山大学、香川大学、鹿児島大学、金沢大学、金沢工業大学、関西大学、関西学院大学、学習院大学、北里大学、九州工業大学、九州大学、京都大学、近畿大学、岐阜大学、熊本大学、群馬大学、慶應義塾大学、神戸大学、国際教養大学、滋賀県立大学、静岡大学、信州大学、上智大学、摂南大学、中央大学、東京工業大学、東京大学、東京農工大学、東京理科大学、東北大学、徳島大学、鳥取大学、富山大学、同志社大学、長崎大学、名古屋工業大学、名古屋大学、奈良女子大学、新潟大学、兵庫県立大学、広島大学、北海道大学、三重大学、明治薬科大学、山形大学、山口大学、横浜国立大学、立教大学、立命館大学、龍谷大学、和歌山大学、早稲田大学 など(五十音順)

 

国内有数の難関大学や有名私大など偏差値の高い大学が見られますが、中堅大学やローカル大学からに採用も複数人いるようです。また、地域の偏りはなく、全国のさまざまなエリアから学生を採用しています。なお、こちらに挙げた大学の他、全国各地の高専や工業系の専門学校からも多くの採用があります。

 

これらのことから考えると、ダイセルに学歴フィルターがある可能性は低いと考えられます。大学の有名さや偏差値の高さより、これまで学んできたことや、それを仕事にどのように活かせるかが重要視される可能性があります。

男性育休取得や健康経営など職場環境整備にも注力

ダイセルは2023年から、セキスイハイム株式会社の取り組みである「男性育休を考えるプロジェクト『IKUKYU.PJT』」に賛同を表明しています。育児休業取得に関する社内周知や取得体制・支援制度の整備などを行っており、社内の男性育休取得率は97.9%に上っています。

 

また、4年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門「ホワイト500」)」にも選定されています。経済産業省と日本健康会議が共同で行う顕彰制度であり、優良な健康経営を行っている法人の中でも特に上位の法人がホワイト500の選定を受けます。

 

就活生から人気を集めているダイセルですが、このようなニュースを見ると、従業員が快適に働ける職場環境の整備に関しても意識が高いと言えそうです。

 

参考:男性育休を考えるプロジェクト「IKUKYU.PJT」に賛同しています(株式会社ダイセル)「健康経営優良法人 2023(大規模法人部門「ホワイト500」)」に認定(株式会社ダイセル)

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まとめ

ダイセルは、化学製品の製造・開発で私たちの社会をさまざまな角度から支えている、非常に重要性の高い企業です。化学製品は今後も幅広い業界で必要とされ続けるものであり、社会情勢や市場の状況によって変動はありますが、常に一定の需要は見込まれるため、安定した業界と言えるでしょう。ダイセルも安定した事業活動や高水準の給与など、就活生にとって魅力的な要素が多々あります。ぜひ今回の企業研究記事を参考にしながら、ダイセルについてより深く調べ、採用を目指すか検討してみてください。

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