【企業研究】フィデリティ投信の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2023年8月30日更新
はじめに
本記事では、アセットマネジメント業界のリーディングカンパニーであるフィデリティ投信について解説します。
具体的には、事業内容や業界での立ち位置、そして選考フロー・難易度など、就活する学生に向けての情報をまとめています。
フィデリティ投信を志望している学生に加え、アセットマネジメント業界が気になっている学生に対しても役立つ情報をまとめてますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
アセットマネジメント業界
アセットマネジメントとは、aseet=資産・management=管理、という2つの英単語を組み合わせた言葉であり、投資家からお金や株などの金融資産、不動産などの実物資産を預かって運用や管理を行い、資産価値を上げる仕事をする業界です。
またアセットマネジメント業界は、主に運用会社と販売会社の2つに分けることができます。
運用会社とは、投資家に売る運用商品の企画や開発、また経済情勢を調査して投資判断を行う業務などを行います。一方販売会社は、運用会社が開発した商品を実際に販売する会社を指し、多くは銀行や証券会社で行われる業務です。
リーマンショック以降、業界として閉鎖的な姿勢が見られ採用方針も「即戦力」として考えられる中途採用者のみを採用する傾向にありましたが、近年は大規模な金融緩和が実施された事も相まって、マーケットが好転。
国内・外資系企業ともに採用に対してはオープンになってきています。
そのような背景もあり、アセマネ業界は特に優秀な学生の間で人気です。
今回は中でも世界を代表する会社である「フィデリティ・インターナショナル」の傘下であるフィデリティ投信株式会社について紹介していきます。
アセットマネジメント業界について興味を持っている就活生は、ぜひ最後まで読んでいってくださいね!
またアセットマネジメント業界以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!
会社概要
社名 | フィデリティ投信株式会社 FIL Investments (Japan) Limited |
本社所在地 | 東京都港区六本木7-7-7 TRI-SEVEN ROPPONGI |
設立 | 1986年11月17日 |
資本金 | 10億円 |
株主構成 | フィデリティ・ジャパン・ホールディングス株式会社 100% |
主な業務内容 | 投資運用業、投資助言・代理業 |
商号等 | フィデリティ投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第388号 |
加入業界 | 一般社団法人 投資信託協会 一般社団法人 日本投資顧問業協会 |
代表者 | 代表取締役社長 デレック・ヤング |
従業員数 | 234名(正社員数、2020年10月末現在) |
引用:会社案内 | フィデリティとは | 投資信託のフィデリティ投信 (fidelity.co.jp)
事業内容
フィデリティ投信の事業内容は、会社概要の事業内容欄に記載がある通り「投資運用業」「投資助言・代理業」です。
今回はその2つの事業について紹介していきます。
投資運用業
金融商品の価値について細かく分析し、その結果をもとにした投資判断に準じて有価証券またはデリバティブ取引の権利にかかる投資を行う業務です。
有価証券は株式や証券・小切手など財政的価値を有するものを指し、一方デリバティブ取引とは先物取引やオプション取引を指します。
フィデリティは50年以上の歴史の中で、世界25か国で数百万人のクライアントに貢献した実績があります。
世界中で約400名の投資専門家や調査スタッフを擁し、調査時には積極的に現場に訪問し顧客に加え競合他社やサプライヤーにも話を聞き、徹底的な市場調査を行う特徴があります。
投資助言・代理業
社内で分析した金融商品の価値について、また価値に基づいた投資判断についてアドバイスを行う業務です。
フィデリティは法人から個人に対し、市場調査はもちろんのこと、金融市場には織り込まれていない成長機会、そして資産を伸ばす機会を発見することを念頭に置いています。
そして投資助言の中で多くの付加価値を提供し、クライアントとの信頼関係を築いたことで結果的に多くの実績を収め、数々の賞を受賞するまでに至っています。
募集職種・待遇
世界でもトップクラスの実績を誇るフィデリティですが、日本で活動するフィデリティ投信の募集要項はどのようになっているのでしょうか。
募集職種
・ビジネス・アソシエイト職
希望や適正などに応じて内定後に具体的な配属先が決定します。
また入社後2年間はジョブローテーションの実施、国内・海外での研修を行い総合的な能力を高めていきます。
待遇
・非公表
給与については、外資系の新卒の平均は年俸制で600~700万円の企業が多いため、フィデリティ投信の場合も同様であると予想します。
新卒選考フロー
フィデリティ投信の新卒選考フローは以下になります。
1、書類選考
2、説明会
3、グループディスカッション
4、Webテスト
5、面接(3回)
1、書類選考
過去に出題されたエントリーシートの題目は以下になります。
・なぜフィデリティに興味をお持ちになりましたか?
・学生生活などでチームワークを発揮した経験、またその際に担った役割について教えてください。
2、説明会
2時間程度の時間を設け、その中で企業の概要説明、社員との座談会が行われます。
3、グループディスカッション・一次面接
・グループディスカッション
面接官が6~10名いる中で、学生数人でグループディスカッションが行われます。
年度によって1題のみのディスカッションを課される場合と、2題課される場合がありました。
実施時間も年度によって様々で、40~80分です。
過去に出題されたグループディスカッションの題目は以下になります。
・社会人として心得ておくことは何か
・日本をPRするとしたら
・格差社会をどう考えるか
・一次面接
グループディスカッション終了後、同日に英語で一次面接が実施されます。
時間は20~30分で、面接官は日本人です。
内容はGDの感想や、自己紹介、ガクチカ、志望動機などオーソドックスな内容です。
ESに沿った質問内容が大半である一方で、ESではなく「職務経歴書」を提出し、その記載内容をもとに面接が実施された年度もあるようです。
4、Webテスト
Webテストについても年度によって実施フローが異なり、GD・一次面接前に実施された年度もあります。
また内容についてもTGWEB形式の年度や、フィデリティ投信が独自で設けた試験を受けた年度もありました。
そのため、選考を受ける中でどんなタイミング・内容でテストが実施されるか必ず確認するようにしましょう。
5、二次面接・最終面接
二次面接は日本語での面接となります。
時間は30分~90分と年度によって大きく差があります。
内容はガクチカや志望動機から、アセマネ業界の今後について、日経新聞の内容など業界に対する知識についての質問もあるようです。
最終面接も日本語で実施されます。
時間は1人の面接官に対して20分の時間が割り当てられ、それを4セット実施するため計80分です。
内容についても面接を担当する社員の方によって様々で、業界に対する質問やフィデリティのビジネスモデルに対する感想を求められるケースもありました。
突飛な質問に対しては必ず的確な回答を求めている訳ではなく、「分からないことに対してどう対応するか」という点も評価ポイントになりうるため、分からないことは胡麻化さずに正直に伝え、対処していくことも選択肢の1つであると考えます。
参考
フィデリティ投信のES・体験記・企業研究 | 外資就活ドットコム (gaishishukatsu.com)
フィデリティ投信のインターンや面接など新卒の就職活動情報|就活サイト【ONE CAREER】
社風
フィデリティ投信の社風は、以下2点で表すことができます。
・多様性の尊重
・ワークライフバランスを大切にする
・多様性の尊重
フィデリティでは、性別やセクシャリティーを含め偏見を持たずに、多様性を尊重しあうことで全ての従業員が「自分らしく」働ける職場づくりを行っています。
そのような職場環境が新たな発見を生むことに繋がり、顧客に付加価値を提供できる要因になると考えているためです。
実際に社内では2023年12月に管理職の35%を女性社員で抜擢する目標を立てる等ジェンダーバランスの改善に積極的に取り組み、またLGBTの方々が自分らしく生きることを祝う「Pride Event」の参加を従業員に推奨。
世界27拠点・46のすべてのオフィスで、それぞれの地域の文化を受け入れ、現地社員や顧客が持つ信念を大切にしています。
・ワークライフバランスを大切にする
通常の有給休暇に加えて「Family care leave」という子供の世話や親の看病に当てることができる有給休暇も別途で付与されます。
また部署にもよりますが残業時間は調整しやすく、全体的に休みは取りやすいといった評判が多いです。
求める人材
フィデリティ投信では、以下6つの単語を掲げています。
1、Integrity(公正で正義感がある)
2、Trust(信頼)
3、Brave(勇敢さ)
4、Bold(大胆さ)
5、Curious(好奇心)
6、Compassion(思いやり)
引用:フィデリティでの生活 |キャリア (fidelityinternational.com)
積極的に現地に訪問し、他社では提供できない付加価値を金融市場内外から発見することで顧客と信頼関係を築く、という特徴があるフィデリティ投信で活躍するうえで、とても重要な思考・マインドセットになります。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
フィデリティと他のアセットマネジメント業界の主要企業とを比べ、どの立ち位置にいるのかを明らかにしていきます。
就職難易度や偏差値について詳しく知りたい方は、【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキングを参考にしてください。
会社名 | 運用額 | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
フィデリティ | $3,609,098 | 2,173万円 | 74 | 多様性 |
ゴールドマンサックス | $2,145,000 | 2,486万円 | 76 | 論理性・スピード重視 |
ブラックロック | $8,676,680 | 2,167万円 | 75 | アグレッシブ |
野村アセットマネジメント | $568,128 | 1,254万円 | 69 | 風通しがいい |
運用額で世界一を誇っているのはブラックロックです。
世界一達成の背景には、ブラックロック特有の「アグレッシブさ」があります。
仕事を第一に生活している社員が多いようで、全体的に残業時間は長め。
平均年収が一番高いのは、ゴールドマンサックスです。
社風としては「論理性・スピード重視」という特徴があり、採用情報にも「知性にあふれ、才能豊かな起業家精神と行動力を併せ持つ、洞察力の優れた人材を常に求めています。」「持てる才能を存分に発揮しながらスピード感と活力あふれるビジネス経験を積むことです。」などという記載があり、思考能力とスピードを重視していることが分かります。
日系企業で最も力のある野村アセットマネジメントは、世界で比べると大差をつけられていますが、平均年収は1,000万を超えるなど他の日系企業と数値を比べた場合、圧倒的です。
フィデリティの場合は先ほども述べたように多様性を重視し、また激務のイメージが強い外資系企業の中ではワークライフバランスを考慮した働き方ができる企業です。
参考
【2022年版】アセットマネジメント業界の平均年収ランキング |宅建Jobマガジン (takken-job.com)
アセマネ 就職偏差値(難易度)|アセマネブログ (note.com)
世界の運用資産規模トップ500社の運用会社ランキングの公表: 運用資産残高の総額は過去最高の119.5兆ドル – WTW (wtwco.com)
Goldman Sachs Japan | – 人材- 成長と柔軟性
採用大学
フィデリティ投信の採用大学は「非公開」です。
しかし、競合他社のゴールドマンサックスの場合は、旧帝大、早慶上智MARCH・関関同立より難易度が下と考えられる大学からの採用実績は確認ができなかったため、フィデリティ投信の場合も同様に学歴フィルターはあると考えられます。
また2024年度の採用人数は4名。内定をもらいたい学生は、徹底的に準備を行っていきましょう。
参考:ゴールドマン・サックスの出身大学・学歴について | Goodfind
ホットニュース
フィデリティ・インベストメンツが継続的に採用人数の拡大を図る
金融業界の競合他社が採用の縮小を図る中、フィデリティ・インベストメンツは2023年半ばまでに約4,000名を採用する方針を固めています。
2022年10月ごろには16,000名を採用する方針を発表しており、採用に対して積極的姿勢を貫いています。
今回は顧客サービスと技術部門をメインに採用予定。
一方、競合他社であるブラックロックは500名(全体の2.5%)を解雇する方針を発表し、またアライアンス・バーンスタインは100名程度の人員を削減したと報道されています。
フィデリティに対しての資金の流入額は昨年と比べ約20%下回っており、業績は決して順調ではない状態のため、採用を拡大したことで今後の業績にどのように影響が出るか注目です。
参考:フィデリティ、年央までに4000人採用へ-顧客サービスと技術部門中心 – Bloomberg
まとめ
本記事では、【企業研究】フィデリティ投信の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説というテーマで、フィデリティ投信の就活情報についてまとめました。
最大手で年収が良いうえ、ワークライフバランスも追求できる企業であるため人気であること間違いなしですね。
採用人数は少なく狭き門ですが、だからといって慎重になるのではなく「自分らしさ」をGDや面接で発揮することを意識し、自身の強みを存分にアピールしていきましょう!
この記事を参考にしてくれた学生の方々が、志望する企業から内定をもらえることを祈っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。