【業界研究】日本製紙の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2023年8月17日更新
はじめに
デジタル化が普及してきている現状と、それに伴う環境下によりネット通販の利用者も増加しています。
上記2つの要因で製紙産業には、どのような影響を及ぼしていると考えられるでしょうか。
製紙産業では、生産体制を見直して新たな取り組みを行っている企業もあります。
今回取り上げる「日本製紙」はどのような企業なのか気になりますね。
これから製紙業界について大枠を理解したのちに、日本製紙の事業内容、新卒選考フロー、社風、求められる人材、就職難易度や採用大学、そしてどのようなホットニュースがあるのかについて、以下で順を追って一緒に見ていきましょう。
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製紙業界
日本製紙が属している製紙業界は、「紙・パルプ産業」とも呼ばれ、紙の製造のほか、洋服や自動車内装などに用いられる線素材を顧客であるメーカーや企業に提案または販売することを行っています。
近年では、ペーパーレス化や人口減少の影響で、国内紙需が減少傾向にあるため、「用紙」から「段ボール原紙」へ方針を変更した事業が展開されています。
さらに、新素材である「セルロースファイバー(CNF)」という天然素材の断熱材の注目度が高騰し、それらにも取り組んでいます。
製紙業界以外にも関心がある方がいらっしゃいましたら、以下の記事で概観することができます。
ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
事業内容
前章で製紙業界がどのようなことを行っているのか確認したところ、私たち人間が生活するうえで必要になるモノを取り扱い、時代の変遷に伴なってビジネスを変容し続けていることが分かりました。
では、日本製紙では具体的にどのような事業が行われているのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
木から広がる自然を余ることなく、環境に優しい事業を6つ主に展開しています。
持続可能の社会の構築を目指し、世界中の人々の暮らしと文化の発展に貢献しています。
主要なビジネスを1つずつ紹介します。
紙事業
紙事業では、これまで培ってきた製紙技術や知見を活かした、「伝える・拭く・包む」のそれぞれの用途における生活の快適性を高める製品を提供しています。
こちらの紙事業は、国内シェアNo.1の用紙を始めとし、板紙などの各製品は生産や販売量、そして品質の面でも国内事業を牽引している実績があります。
高品質な紙を安定提供し、時代の変化とともにニーズの変化に対して、分化・産業・人々の暮らしの3観点を根底から支えるために紙事業の更なる発展を目指しています。
人の生活を支えている紙事業は、これからも国内シェア率を占め、重要かつ注目されていく事業と言えるでしょう。
パッケージ事業
パッケージ事業では、紙パックと呼ばれている「液体用紙容器」を「カートン」、「充填機」、「メンテナンス」の三位一体で提供しています。
高い品質や衛生機能を保ちつつ、デザイン性にも長けたパッケージ製品を生産・開発しています。
その代表的な例として、牛乳パックや紙コップなどがあります。
バリア性のみならず、さまざまな機能性がある新製品にも取り組んでいます。
昨今では、海洋プラスチックごみ問題が社会問題として取り上げられることが多々あり、パッケージ製品は環境配慮型の素材も求められます。
これまで再生可能な紙製のパッケージ製品を提供してきた日本製紙は、環境問題解決に貢献するため、当該事業の関心は寄せられることでしょう。
ケミカル事業
ケミカル事業は、木質資源を多様な素材へと活かす技術、紙づくりでのノウハウを活かした塗工技術を活用して、化製品を製造・販売しています。
それの顕著な例として、天然原料由来の再生繊維であるレーヨン、ビルのコンクリート、食品、車の塗装、液晶ディスプレイ用フィルムといった身近な製品の原料として使用され、日常的な生活を支えています。
木の主要成分などの木質資源を無駄なく利用できるような事業を展開しています。
環境に考慮しつつ、生活も多くの分野で支えているため、欠かせない事業であると言えるでしょう。
新素材事業
新素材事業では、木の繊維をナノレベルまで細かくしたセルロースナノファイバーのような新素材の研究と開発しているほか、サンプリングや技術営業も行っています。
こちらの新素材事業でも、地球にやさしいことを考慮した木質資源の新たな可能性、高性能で環境負荷の小さい素材を実用化することで、人々のより豊かな暮らし実現に貢献しています。
エネルギー事業
エネルギー事業は、既存発電設備を利用し、木質バイオマスを活用した電力を提供しています。
工場内では太陽光発電を実施し、CO2発生の低減に有効な新規固形バイオマス燃料の開発も行っています。
長年、製紙課程で生じる副産物を燃料として活用する自家発電設備を保有し、工場内で使用する電力を賄っています。
国内電力環境の変化あるいは再生可能エネルギー導入への関心の高まりが背景となり、2010年あたりからエネルギー事業を本格的に展開しています。
これから、注目される事業となるでしょう。
アグリ事業
アグリ事業では、植林技術を応用し、苗木の増殖・販売を行っています。
日本製紙の技術による高品質で均一な苗の安定供給に寄与し、生物多様性や人々の健康増進に貢献しています。
長年にわたる植林研究によって植物バイオ技術などの独自ノウハウが蓄積されているため、これからも環境と人に大きな役割を担い、期待されるでしょう。
このように、6つの事業で持続可能な社会の構築と、人々の暮らしと文化の発展に貢献しています。
いま紹介した事業以外にも、日本製紙は「家庭紙・ヘルスケア事業」、「レジャー事業」、「木材・建材」、「特殊紙」といった事業も展開しています。
新卒選考フロー
日本製紙は、事業幅が広く、いかに規模の大きい企業であるかが前章にて分かりましたね。
そこで、日本製紙に興味を抱いた方がいらっしゃるかもしれません。
新卒の選考フローがどのようになっているのか気になっていることでしょう。
そちらに関しても、しっかりと把握しておきましょう。
日本製紙の採用ホームページ上にて、エントリーします。
東京、札幌、仙台、大阪、福岡と国内各エリアで参加必須の会社説明会に参加したのちに、webテストとエントリーシートの提出をして、面接を2~3回行い、それらのステップを通過できたら内々定となります。
上記の流れは、事務・林材系および研究・生産系系のエントリーであり、機械系および電気電子系は、任意の工場見学会が開催されます。
工場見学会に参加できない方は、会社説明会に参加することが推奨されています。
工場見学会のあとは、事務系・林材系および研究・生産系とどうように、webテスト、エントリーシートの提出、面接が2~3回あります。
Webテストの形式は一般的な玉手箱と同様です。
言語、図表、適性検査が出題内容であり、制限時間は80分です。
市販の問題集で演習するかwebサイトにて玉手箱の対策することをおすすめします。
エントリーシートについては、以下の質問が挙げられます。
・企業研究で行ったことを教えてください。
・志望する理由を教えてください。
・チームで取り組んだ経験はありますか。
・希望職種と仕事上での長所と短所
・あなたの強みと弱みをそれぞれ教えてください。また、弱みをどのようにして乗り越えたのか。
・あなたが当社で取り組みたいことを具体的に説明してください。
・これまでで最も難しかったことを教えてください。
・研究内容・興味のある職種、事業領域・入社後にチャレンジしてみたいことを教えてください。
・5年後、10年後にやりたいことについて教えてください。
・あなたを表すキャッチコピーを1つあげてください。
エントリーシートで変わった質問は無さそうですね。
学生時代に何をしてきたのか、ご自身がどのような人間で、これから先どのように生きていきたいのかなどの観点にて客観視できる力が求められると考えられます。
また、入社する際には、どのような職種を担いたいのかなど明確にしておくために、ご自身の考えとともに、企業研究も忘れずに行いましょう。
以上のことを整理しておくことがエントリーシート対策になると言えるでしょう。
面接の際にも、似たようなことが聞かれる可能性があります。
希望していた職種とは違う配属になることがあると面接時に聞かれたという体験談があります。
エントリーシート提出後もしっかりと考えを整理しておきましょう。
社風
日本製紙は、長い歴史があることから保守的です。
従業員の多くは人柄がよく温和な雰囲気で、和気あいあいとしていて、個人的な繋がりがあります。
競争的な意識が意識を持つ方が多いわけではないことから、積極的な方は評価されやすいです。
先述したように、古い会社であるため、分化が根強くあり、スピード感のある変化は好まない人が多いでしょう。
アナログな面が目立ちますが、徐々にデジタル化され、そこに関しては社員の中でも個人差があります。
求められる人材
どのような人材が日本精神で求められるのでしょうか。
日本製紙で採用を担当している方は、求める人物像について以下のように述べています。
会社が大きな転換期を迎えている今、私たちが求める人材は「未来を拓く人」です。
当社の根幹である製紙事業のおいては、これまでの印刷物として紙が主流でしたが、電子媒体の台頭やインターネットの普及などIT化の進展によって、先進国においては情報媒体としての紙の需要は減少傾向にあります。この構造的な転換期にあって、今後、どのように企業を発展させていくかを考えた時、改めて着目したのが、紙は「木」からできているということ。木という原材料は再生可能な資源であり、自ら木を植え、育成し、使用できるという点で、石油資源とはまったく異なる特性を持っています。地球環境を考慮しながら、木の持つあらゆる恵みを生かして、紙以外の分野にどう進んでいくのか、その変革の時を迎えており、だからこそ、今までとは違う視点で新たなチャレンジをしていく人材を求めています。
引用:日本製紙求める人材
未来と拓く人の素養として、以下4つの事柄がベースになっています。
・アタラシイことに挑戦し続ける力
・公正に判断し実行できる力
・周囲を巻き込むチームワーク力
・困難を乗り越えられる強い精神力
顧客に選ばれる日本製紙を目指し、既存の考え方にとらわれずに新たな発想で成長の可能性をどん欲に追求し、様々な価値や事業を創出していけることを目標に掲げているため、以上の事柄が日本製紙に求めている人材であると考えられます。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
日本製紙は、製紙業界の中でどのあたりの立ち位置になっているのでしょうか。
他社と比較しているため、以下の表を参考にしてみてはいかがでしょうか。
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 就職偏差値 | 社風 |
日本製紙株式会社 | 1.0兆円 | 約530万円 | 55 | 保守的であり、積極性次第で評価される |
王子ホールディングス株式会社 | 1.4兆円 | 約858万円 | 61 | 保守的で、若手でも挑戦できる風土 |
レンゴー | 8.5億円 | 約726万円 | – | 人を大切にする社風 |
日本製紙は製紙業界の中でも、売上高は高く、企業の規模が大きく業界中でも上位に属していると言えるでしょう。
紙のシェア率は国内でNo.1という実績があるほどです。
採用大学
日本製紙に採用されている大学院・大学・専門学校の一覧については以下の表をご覧になってください。
大学院 | 秋田大学、秋田県立大学、茨城大学、愛媛大学、大分大学、大阪大学、鹿児島大学、北九州市立大学、北見工業大学、九州大学、京都大学、群馬大学、神戸大学、静岡大学、芝浦工業大学、信州大学、成蹊大学、東京大学、東京海洋大学、東京工業大学、東京電機大学、東京都市大学、東京農業大学、東京農工大学、東京理科大学、東北大学、鳥取大学、富山県立大学、豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学、名古屋大学、奈良先端科学技術大学院大学、新潟大学、日本女子大学、広島大学、広島工業大学、福岡大学、法政大学、北海道大学、三重大学、宮崎大学、室蘭工業大学、明治大学、山形大学、山口大学、横浜国立大学 |
大学 | 愛知大学、青山学院大学、秋田県立大学、宇都宮大学、大阪大学、学習院大学、鹿児島大学、関西大学、関西学院大学、北九州市立大学、共立女子大学、近畿大学、慶應義塾大学、県立広島大学、埼玉工業大学、静岡県立大学、芝浦工業大学、上智大学、信州大学、聖心女子大学、千葉工業大学、東京大学、東京外国語大学、東京学芸大学、東京都市大学、東京農工大学、同志社大学、東北学院大学、長崎大学、新潟薬科大学、日本大学、一橋大学、弘前大学、広島大学、広島工業大学、法政大学、宮崎大学、明治大学、山梨大学、立教大学、立正大学、立命館大学、早稲田大学 |
専門学校 | 仙台高等専門学校 |
出典:マイナビ2024
上記の表を確認すると、採用されている大学は高学歴のところが目立ちますが、学歴が全てではないと言えます。
日本製紙が求められるような人材、志望意欲が重要であるでしょう。
日本製紙に興味ある就職活動生がいましたら、エントリーしてみてはいかがでしょうか。
ホットニュース
日本製紙は、大王製紙と海上共同輸送を開始しました。
工場で生産する用紙を関西圏の供給に関して、これまでトラックでの長距離輸送をしていましたが、モーダルシフトによるCO2排出量の削減と、物流2024年問題、特に長距離運転においてトラックによる安定的な輸送が困難になることから、輸送手段の複線化を行いました。
これにより、従来の輸送に比べて、CO2排出量を年間46.7%、トラックドライバーの総総距時間を78.7%削減することに成功しました。
このように、同業者間による定期便ラウンド輸送にて持続可能な社会構築に貢献しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
これまで、製紙業界に属している日本製紙の概要、選考フローや求められる人材、就職偏差値・採用大学、それからホットニュースについて見てきました。
日本製紙は、持続可能な社会を考慮しつつ人の生活に欠かせない事業を展開していることが分かりました。
業界内でも上位に君臨し、企業規模の大きさについても知れたことでしょう。
そのような日本製紙ですが、明確な学歴フィルターは見受けられません。
同社が求めている人材で、新しいことを挑戦したいと考えている方や、周りの人を巻き込む能力に自信がある方、困難を乗り越えられる強い精神力がある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
本記事を参考にしていただけたら幸いです。