【企業研究】大日本印刷の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2023年7月28日更新
はじめに
大日本印刷は、印刷技術と情報技術を主軸に、エレクトロニクスや飲料関係と幅広く事業を展開している会社です。印刷業界のトップクラスであることから、就職難易度も高く、企業研究をしっかり行うことが大切です。
大日本印刷に就職することを考えている方は、求める人物像や社風など、本記事を参考に、企業研究を深めてください。
印刷業界について
印刷業界とは、書籍、雑誌、ポスター、名刺、チラシといったあらゆる印刷物を取り扱う業界のことです。出版業界や広告業界などと利害関係を大切にし、重要視されています。
近年では、印刷物以外にも、デジタル関係や飲料関係といったさまざまな分野を取り扱う企業が増えています。
印刷業界以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!
大日本印刷の会社概要
大日本印刷の企業理念や売上といった会社概要について説明します。
会社名 | 大日本印刷株式会社 |
設立年 | 1894(明治27)年1月19日 |
企業理念 | 人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する |
従業員数 | 36,246名(連結) 10,107名(単体) (2023年3月31日現在) |
売上 | 1兆3,732億900万円(連結) 9,280億8,400万円(単体) (2023年3月31日現在) |
福利厚生 | 企業年金、個人積立年金、提携住宅資金融資、従業員持株会、 共済会、財形貯蓄(補助制度あり)、 各種団体保険(生保・損保)制度、ジョブ・リターン制度 など |
引用元:大日本印刷
大日本印刷の事業内容
印刷・情報技術に長けている大日本印刷ですが、エレクトロニクスや飲料といった分野も取り扱っています。業務内容を理解し、自分にあった仕事か確認しましょう。
情報コミュニケーション部門
情報コミュニケーション事業は、「出版関連事業」、「情報イノベーション事業」、「イメージングコミュニケーション事業」の3つで構成されています。
デジタルマーケティングやBPO事業などの推進、キャッシュレス決済関連事業にも力をそそぎ拡大しています。
取り扱っている業務内容は以下の通りです。
分野名 | 業務内容 |
印刷・加工 | 150年の歴史で培われた印刷・加工技術と製造体制 |
認証・セキュリティ | 快適・安心をかなえる、人とモノの認証とセキュリティ対策 |
マーケティング セールスプロモーション | 従来型のマーケティングと、リアルとデジタルをつなぐ「感動体験」創造 |
BPO・業務効率化 | 企業の多様な業務課題に対応した、業務効率化を提供 |
決済・EC | 「販促・送客」「決済基盤」「顧客管理」の連動を実現 |
企業コミュニケーション | 様々なステークホルダーと円滑なコミュニケーションを支援 |
出版・電子出版・教育 | コンテンツの多メディアでの活用 |
XR | リアルとバーチャルの境界をなくし、自由で豊かなコミュニケーションを実現 |
フォト・イメージング | 画像に関わるあらゆる製品・サービスを提供 |
生活・産業部門
生活・産業部門は、「包装」、「産業資材」、「生活空間」の3つで構成され、身近な製品やサービスを国内外に提供しています。
食品、飲料などのパッケージの供給や、医療・自動車・鉄道車両などの内外装材、リチウムイオン電池、太陽電池などを提供しています。
こうした製品やサービスを、多くの人に利用し使いやすい「ユニバーサルデザイン」と「インクルーシブデザイン」に取り組み、開発・提供しているのが特徴です。取り扱っている業務内容は以下の通りです。
分野名 | 業務内容 |
食品・飲料向け包装材 | ヒト起点のパッケージイノベーションで、 食品向け包材に新たな価値を |
生活用品向け包装材 | ヒト起点のパッケージイノベーションで、 生活用品向け包材に新たな価値を |
生活空間 | 印刷技術を応用し、自由で心地よい空間づくりをお手伝い |
モビリティ | 進化し続けるこれからのモビリティを、技術とアイデアで支援 |
ヘルスケア ライフサイエンス | 質の高い生活を支え、健康寿命をサポートする製品・サービスを開発 |
エレクトロニクス部門
エレクトロニクス部門は、電子デバイスの事業やディスプレイ関連製品を国内外で展開する仕事です。企業や人々のニーズの変化を先取りして、機能性に優れた新たな製品・サービスを提供していきます。
取り扱っている業務内容は以下の通りです。
分野名 | 業務内容 |
機能性フィルム | さまざまな分野に機能性フィルムの新しい価値を提供 |
産業部材・資材 | 高機能産業部材を提供し、製造工程を環境配慮型、効率化へと転換 |
ディスプレイ部品・部材 | ディスプレイ機器に最先端技術の部品・部材を提供 |
精密機器部品・部材 | 半導体部材で培ったナノレベルの微細加工技術を様々な分野に展開 |
飲料部問
DNPグループの北海道コカ・コーラボトリング株式会社が、飲料事業を展開しています。コカ・コーラブランドを利用した、製品開発や自動販売機事業、量販店向けの販売促進活動なども業務の一つです。
大日本印刷の新卒採用について
大日本印刷の募集内容や選考フローなど採用に関わることについて説明します。
募集項目
募集職種と業務内容
・事務系総合職
【営業】製品やサービスの提案、プロデューサーを行う。
【企画】メディアの企画・制作、システムの構築、ソリューションの企画・実行を行う。
【コーポレートスタッフ】経理・財務・人材育成等を行う。
・技術系総合職
【研究開発】新製品、新技術、新事業の創出に携わるインベンター。
【製品・プロセス開発】製品の開発、機能やプロセス技術の改良・改善、運用に携わるプロダクトエンジニア。
【システム開発】課題解決に向けたシステムやサービスを提供するICTエンジニア。
・デザイン系総合職
【デザイン企画】企画を具現化するディレクターや、新しい価値を提供していくクリエイター。
待遇・労働諸条件
初任給 | 【大都市圏】 高専(本科)卒 209,000円/大卒・高専(専攻科)卒 235,000円/修士了 255,000円 (2023年実績、キャリア自律支援金5,000円含む) 【大都市圏以外】 高専(本科)卒 204,000円/大卒・高専(専攻科)卒 230,000円/修士了 250,000円 (2023年実績、キャリア自律支援金5,000円含む) |
昇給 | 年1回(4月) |
賞与 | 年2回(6月、12月) |
勤務地 | ・事務系総合職 東京、埼玉、大阪、北海道、宮城、愛知、福岡 ほか ・技術系総合職 東京、福島、茨城、埼玉、千葉、神奈川、京都、大阪、岡山、広島、福岡 ほか ・デザイン系総合職 東京、埼玉、大阪、北海道、宮城、愛知、岡山、福岡 ほか |
社会保険 | 健康、厚生、雇用、労災 |
勤務時間 | フレックス勤務制(コアタイムなし) |
休日 | 完全週休2日制(土・日)、祝祭日、社休日(5月1日、6月16日)、 夏期休暇、年末年始休暇 ほか(2022年度 休日数126日) |
引用元:大日本印刷
選考フロー
大日本印刷の選考フローは以下の通りです。
①エントリー
②Webテスト(玉手箱を採用しています)
③一次面接
④最終面接
ESの質問内容
過去に出題された大日本印刷のESを見ていきましょう。
(1)「大学または会社(現職もしくは前職)で最も力を入れて取り組んできたこと」にタイトルをつけてください(30文字以内) (2)具体的にどのような問題・課題に対して、どのように考え行動し、その結果どうなったかを教えてください(300文字以内)。 (3)DNPを志望する理由を教えてください(200文字以内) (4)「学生生活の中で、あなたがチャレンジしたことを教えてください。」(300字以内) |
大日本印刷の社風とは
大日本印刷の考え方として、「未来のあたりまえをつくる」ということを目指した組織作りを行っています。今よりもさらに高みを目指して「挑戦」していく姿勢を持っていることから、積極的に行動する人が多いです。
老舗の企業であるため、未だに年功序列、実力主義といった考え方はぬぐい切れません。近年では、ワークライフバランスの改善も行われてきたため、残業も少なくなり、有休も取得しやすい環境になってきています。
大日本印刷の求める人材
大日本印刷が求める人材は、高い志を持ってビジョンを描き、「未来のあたりまえ」を体現できる人です。目まぐるしい社会の変化に対応し、常に未来へ向けて挑戦し続けなくてはいけません。
社会の課題を解決する製品を提供し続けることは、大日本印刷の使命です。このような製品を身近になくてはならない存在にすることが大切です。
そのためには、社員一人一人が社会の変化に敏感になり、生活者が求めるニーズを的確に見つけ出し、ビジネスにしていくことが求められます。
あらゆるパートナーと協力し、「あたりまえ」に変えていける人材を求めているため、大日本印刷の思考を理解しておきましょう。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
印刷業界トップクラスの売上を誇る大日本印刷ですが、同じ業界内での立ち位置について他企業と比較しながら見ていきましょう。
就職難易度について詳しく知りたい方は、【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキングを参考にして下さい。
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 就職偏差値 | 難易度 |
大日本印刷 | 1兆3,732億円 | 767万円 | 59 | 4.4/5.0 |
凸版印刷 | 1兆5,475億円 | 700万円 | 59 | 4.2/5.0 |
NISSHA | 1,892億円 | 685万円 | 58 | 4.4/5.0 |
共同印刷 | 884億円 | 556万円 | 54 | 3.8/5.0 |
印刷業界は、「大日本印刷」と「凸版印刷」の2つが圧倒的に売り上げが高いです。就職難易度や偏差値から見ると、あまり大きな差がないためどの企業に就職するとしても、対策をしっかりしておく必要があります。
今回の比較を元に、大日本印刷の立ち位置を考察すると、売上は業界1位・2位を争う高さを誇り、それに伴い平均年収も高め、それ以外は特に大きな特徴は見当たりません。
大日本印刷の採用実績
大日本印刷の採用実績、採用大学、学歴フィルターなど採用に関することについて説明します。まずは、採用実績から見ていきましょう。
<採用実績>
入社年度 | 19年 | 20年 | 21年 | 22年 | 23年(予定) |
事務系総合職 | 90名 | 90名 | 80名 | 75名 | 75名 |
技術系総合職 | 90名 | 90名 | 100名 | 90名 | 110名 |
引用元:大日本印刷
<採用大学>
<大学院> 大阪大学、九州大学、九州工業大学、京都大学、慶應義塾大学、上智大学、千葉大学、 電気通信大学、東京工業大学、東京理科大学、東北大学、名古屋工業大学、 北海道大学、早稲田大学 <大学> 愛知大学、青山学院大学、大分大学、大阪大学、大阪市立大学、お茶の水女子大学、 金沢工業大学、関西大学、関西学院大学、学習院大学、京都外国語大学、京都産業大学、近畿大学、慶應義塾大学、神戸大学、国際基督教大学、埼玉大学、産業能率大学、 滋賀大学、昭和女子大学、上智大学、成蹊大学、成城大学、専修大学、創価大学、 千葉大学、中央大学、中京大学、筑波大学、東海大学、東京大学、東京外国語大学、 東京芸術大学、東京女子大学、工学院大学、群馬大学、九州工業大学、九州大学、 京都市立芸術大学、岡山理科大学、岡山県立大学、東京都立大学、東北大学、 東洋大学、同志社大学、長崎大学、名古屋大学、奈良女子大学、南山大学、日本大学、 日本女子大学、一橋大学、広島修道大学、法政大学、北星学園大学、武蔵大学、 武蔵野美術大学、明治大学、名城大学、横浜国立大学、立教大学、立命館大学、 龍谷大学、和歌山大学、早稲田大学、広島工業大学、山形大学、山口大学、 芝浦工業大学、多摩美術大学、津田塾大学、東京学芸大学、東京電機大学、 東京理科大学、東京農工大学、兵庫県立大学 |
大日本印刷の採用大学は、高学歴の大学から産近甲龍・日東駒専レベルの大学まで幅広く採用されています。そのため、学歴フィルターは存在しないと考えられます。
学歴フィルターがないとはいえ、就職することが難しい企業であるため、企業研究や自己分析など対策は必須です。
まとめ
印刷業界の売上が伸び悩む中、大日本印刷は印刷情報以外にも多様な業務内容によって売上を伸ばしています。これから就職を考えている方は、大日本印刷の求める人物像や、どの事業に力を入れているのかを把握しておく必要があります。
面接回数も少ないことから、いかに対策ができているかが肝です。本記事を参考にしながら、事業内容やWebテスト対策、求める人物像などをもとに大日本印刷への企業研究を深めてください。