【業界研究】日用品・消費財メーカー業界とは?志望動機・ビジネスモデル・職種を徹底解説
2023年7月26日更新
はじめに
本記事は、日用品・消費財メーカー業界に関しての業界研究を行っていきます。
日用品や消費財とは、私達の生活に欠かせないものです。
業界が提供している製品には、日常生活で利用している洗剤やティッシュなどを始め、一定期間利用ができるフライパンやタオルなどが該当します。
こうして考えると、私達が生活する上で、欠かせない物を提供している業界であることが分かりますね。
日常生活で親しんだ物には、親近感があり、将来働く場面として考える方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は日用品・消費財メーカーとは、どんな業界かを理解することにしましょう!
日用品・消費財メーカー業界とは?
日用品・消費財メーカー業界とは、どんな業界なのでしょうか。
一言で言えば、私達の生活に欠かせない「消耗品」を企画・製造・販売している業界です。
家庭生活における「消耗品」に該当するものの範囲は広く、数多く存在しています。
提供している商品を、大まかに分類するなら以下のように整理することができます。
・日用品
ティッシュペーパー、トイレットペーパーを始め、シャンプーや洗剤など、日々の生活に欠かせないものを指します。
それ以外にも、化粧品など含む場合があります。
・消費財
消費財とは、例底やテレビなどの家庭で利用する電化製品を始め、食品などを含みます。
ただし、日用品と消耗品の区分等については、明確な線引きがある訳ではありません。
また、消費財についても同様です。
フライパンや包丁など、一定期間利用できるものを日用品に含める場合とそうでない場合があります。
こうしたことを踏まえて、業界研究を行う必要があります。
業界のビジネスモデル
業界のビジネスモデルについても、理解しておく必要があります。
ビジネスモデルとは、企業が利益を出す仕組みのことです。
日用品・消費財メーカー業界では、基本的に次のような流れで業務を行っています。
①商品の企画
市場者や消費者のニーズを把握し、新しい商品の企画を立案していきます。
ここでは、既に市場にある商品のマーケティングを行い、価格帯などについても検討を行うことになります。
マーケティングを行う部署は、今後の商品開発において企業の利益を左右する重要な役割があります。
②商品の開発
実際に、商品の開発を行います。
商品の開発には、最適な材料とは何か、どう製造するのが良いかなどを決めていきます。
採用する材料については、様々なものを使い、最も顧客ニーズにあった材料を採用することになります。
③商品の製造
材料などが決まれば、商品の製造を開始します。
如何に低価格の材料を確保し、効率的に製造できるかは、将来の価格設定に大きく影響するため十分な検討と準備が必要です。
④販売
ブランド戦略などを用い、商品の販売を行います。
この商品販売が、企業での収入源となります。
如何に、多くの方に購入して貰えるかが企業収支の分かれ道となります。
商品の販売先は、卸店、小売店の本部などになります。
当該業界の職種
業界研究と同時に行いたいのが、自分が希望する職種の選択です。
業界別での職種分析を行っても、職種から業界を絞る方法のどちらでも可能ですが、どんな場所で、どういった仕事をしていきたいか。
これは、就活を行う際には、とても重要な事項です。
業界によっては、自分の希望する職種、実際にしたいことがない可能性もあります。
選考を進める中で、それが分かるというのではなく、あらかじめ希望職種があるかどうか、ポジションの募集があるかもチェックしておきましょう。
ここでは、日用品・消費財メーカー業界で一般的に存在している職種について、ご紹介していきますので、参考にしてください!
【事務系】
事務系の職種は、技術職と比較して、エントリーを行う際には専門性を問われにくいとされています。
そのため、文系、理系を問わずエントリーできるため人気があります。
①営業職
日用品・消費財メーカー業界での花形職種と言われているのが、営業職です。
さまざまな顧客先に出向き、いろいろな方と話をすることが好きな人に向いています。
営業職における業務の範囲は広く、商品を購入してくれる企業や店舗への営業、材料などを仕入れる先への営業などがあります。
販売先への営業の場合には、商品の陳列などについてもサポートする場合もあり、実際に利用する消費者との関わりも発生するため、広い知識が必要になります。
配属後は、先輩社員への同行を通じて、折衝の仕方、提案の仕方などを学び、徐々に顧客や現場を任せられるようになるのが一般的です。
②マーケティング・企画職
マーケティング・企画職は、消費者のニーズや市場ニーズ、動向などを分析し、商品の企画や販売の戦略を立案する役割を担います。
それだけではなく、商品コンセプトの立案などによるブランド作りも行うなど、商品の売れ行きに大きく影響する戦略を立案することになります。
消費者のニーズなどを分析することは、商品開発の基盤となる情報を整理し、商品化を決める重要な役割を担うため、情報の分析力が必要となります。
③購買職
商品を作るには、原材料や設備(機材)が必要です。
購買職は、こうした原材料の仕入れから機材の確保を行う役割を担います。
どんなに良い商品であっても、価格が高いと売れない可能性が高くなります。
よい製品を作り提供するには、安定した原材料の確保などに購買職の力が必要です。
④コーポレート職
いわゆる、企業運営に必要なバックオフィスに該当する職種です。
具体的には、経営企画、経理、財務、人事、総務、法務などがあり、企業運営や従業員が働く上で必要な役割を担います。
従業員にとって、会社が働きやすいか、給料が正しく支給されるかは、重要な確認項目です。
それ以外にも、経理職がいるからこそ、取引先との支払いなどがスムーズに行われます。
バックオフィスは、縁の下の力持ち的な存在として、広い知識と正確性を求められる部署です。
【技術系】
日用品・消費財メーカー業界における技術職では、専門的な知識を求められることが多く、大学の専攻内容によってエントリー可能かが決まる場合もあります。
技術職を希望する場合には、自分の専攻でエントリー可能であるかを確認しておくことを理解しておきましょう。
①研究職
研究職とは、消費者へ届ける商品化、量産化に向けた対応を行う職種です。
日用品・消費財メーカー業界では、新しい商品を作り続ける必要があります。
変化する消費者ニーズを把握し、競合に劣らない商品の製造に向けた研究を行う必要があります。
また、量産可能な体制を作ることで、多くの消費者に利用される仕組み作りも重要です。
②生産技術職
生産力を上げ、低コストで高品質な製品製造を行うことは、日用品・消費財メーカーにとって会社の利益を上げるために必要不可欠な業務です。
それを行っているのが生産技術職です。
常に、設備を円滑に動かし、より効率的な稼働ができるような仕組み作りや運営を担います。
大手企業紹介
続いて、日用品・消費財メーカー業界において大手と呼ばれる企業の比較を行っていきましょう。
会社名 | 売上高 (百万) | 平均年収 (円) | 就職偏差値 難易度 | 社風 |
花王 | 1,551,059 | 7,872,000 | 60 | 常に業界のトップクラスに存在する花王。その原動力は、新規事業への取り組みです。 新しい商品を作り続けられるのは、従業員による活発なアイデア創出。 現状ではなく、よりよい製品とは何かを意識する意識力の高さにも定評があります。 こうした花王では、年功序列ではなく新入社員の意見にも、耳を傾け、一緒に議論し製品化を行う風土があります。 人の意見を否定せず、どうすれば具体化できるかのアイデアを、それぞれが持つ得意分野から提案する環境が、多くの流行を生みだす原動力となっています。 |
ユニ・チャーム | 898,022 | 8,433,000 | 62 | 従業員一人一人の熱量が、武器だといわれているユニ・チャーム。 常に自分を成長させ、仕事をより効果的に進める姿勢は、他の企業と比較しても圧倒的といえます。 少数精鋭型を重視し、出る杭を伸ばす風土があるため、若手の間から、さまざまなチャレンジが可能です。 アイデアを出すことや、具体化についても年齢や社歴は関係なく、よりよい意見を採用する環境は、刺激があり自分を試したい、成長したいと思う人にはピッタリです。 |
ライオン | 389,869 | 6,799,584 | ― | 常に、消費者志向を重要視するライオン。 ライオンでは、消費者がどう感じるか、考えるかが商品化にとって最も重要だと考えています。 そのため、利便性やニーズに対する分析にも力をいれ、消費者の立場での意見が尊重される風土があります。 また、選ばれる商品作りのためには、今までの概念に縛られない自由な発想が大事と考え、社歴に関係なく自由な意見交換ができる風土が整っています。 |
ホーユー | 427,000 | 5,740,000 | ― | お客様、従業員と共に朋友でありたいと考えるホーユー。 そのためには、活発な意見交換や個々人のパフォーマンスの発揮が重要だと考えています。 実際に、個々人の個性や意見を尊重し合える環境は、働きやすい環境として人気があります。 |
上記以外の企業についての、就職偏差値については、以下の記事を参考にしてください。
【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング
当該業界の動向
私達の生活には欠かせない製品を提供している日用品・消費財メーカー業界。
この業界が無くなっては、私達は生活をすることができません。
そのため、日用品・消費財メーカー業界が無くなるということは、考えにくいといえます。
常に消費される製品を作っている業界だからこそ、安定した企業運営も可能です。
しかし、消費者のニーズは、絶えず変化しています。
そのため、同じ製品だけを提供し続けることは、難しい業界でもあります。
また、より安い商品を求めるニーズが高まる中、高級品と低価格商品と、商品の分類も大きく二極化してきている傾向があります。
ただ、単純に高額、低額ということではなく、他の商品と比較した際に特徴がある商品であることも重要です。
現在では、材料原価の高騰もあり、商品の提供価格が見直される傾向にありますが、大きく値上がりをしてしまうと、消費者に選ばれなくなります。
こうした環境の中、日用品・消費財メーカー業界は、価格を抑える工夫を今まで以上に行う必要性が出ています。
また、市場規模は91年には約10兆円あったが、2004年には約5兆円に半減しているなど、国内のみでは、現状を維持できなくなる傾向にあります。
こうした背景から、多くの企業が海外への商品販売を踏み出しており、その市場は、今後、拡大する傾向にあるとされています。
志望動機
日用品・消費財メーカー業界を志望する人は、どのような志望動機を持っているのでしょうか。
ここでは、その事例をご紹介しています。
①企業理念への共感
企業の進むべき方向を示す「経営理念」。
この経営理念に共感できるというのは、志望動機の1つとなります。
企業理念に共感できるかどうかは、入社後の働き方にも大きく影響します。
基本的に、会社で働く従業員は、この企業理念を念頭におき、同じ目標に向かって業務を進めていきます。
そのため、企業理念への共感は、とても重要な意味合いを持つと考えましょう。
選考の際には、企業理念の何に共感し、それをどう行動に移していきたいと考えているかを伝えることがポイントです。
②身近な商品への愛着
普段使っている商品が、好き。
これも、大きな志望動機になります。
ただし、ただ好きということではなく、具体的に他の商品との違いや選んだポイントなどを説明できる必要があります。
③震災などで感じた必要性
ここ数年の間に、大きな震災が国内でも複数生じております。
この震災の体験を通じて、日用品の大事さなどを痛感したことも、志望動機になります。
実際に、震災のことを思い出すことが、嫌な方もいます。
しかし、こうした実体験に勝るものはありません。
どのような不便さがあったのか、どういった商品があればいいかのアイデアとして、エントリーシートや面接で伝えることも方法の1つです。
ホットニュース
日用品・消費財メーカーは、各社で、さまざまな取り組みを実施しています。
その活動は、各社のHPなどにも掲載されています。
その中で、今回、参考となる2社の記事をご紹介します。
多くの企業が、以前は、株主向けに発信されていた活動レポートをステークホルダー向けに編集し、公開をしています。
花王でも、「花王統合レポート2023」の公開をHP上に公開し、自社の取り組みなどをステークホルダーに理解してもらうよう発信しています。
また、英語版も発刊し、世界のステークホルダーへの理解を促しています。
就活の場面では、こうした企業ごとのレポートを読み込むことで、各社の取り組みや今後の未来像について理解を深めることができます。
~「使用済み紙おむつの水平リサイクル」が持続可能な社会に貢献することが評価され~
子どもだけではなく、大人も利用する紙おむつ。
その利用数の増加により、以前より課題となっていたのがごみ問題です。
それを解決するため、ユニ・チャームでは「使用済み紙おむつの水平リサイクル」に取り組んでいます。
「SDGsの達成に貢献する」のテーマで取り組んでいる取組みについては、第50回「環境賞」を受賞し、同業界における先進的な取り組みとして評価されています。
まとめ
今回は、就活の最初に行う業界研究として「日用品・消費財メーカー業界」について、ご紹介しています。
業界研究と企業研究は、実際に志望する企業を決める上で、最初に行うタスクです。
就活開始時期のスタートダッシュが遅れないように、3年生の時期から積極的に行っていくのも得策です。