【就活初心者必見!】製造業の業界研究には職種理解が必須!?
2023年5月12日更新
はじめに
就活を始めると、様々な業界の企業に触れることがあるのではないでしょうか。
しかし、全ての業界に対して均等に知識を持っている就活生はほとんどいません。
これまでの生活の中で、業務内容をイメージしやすい業界と、そうではない業界があって当然です。
中でも製造業は、具体的な業務内容をイメージしにくいことから、どのような職種があるのか分からないという就活生が少なくありません。
「職種が多いイメージがあるけど、実際はどうなの?」
「専門的な知識がないと働けないと思っているけれど…」
このように疑問や不安が多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、製造業の職種について詳しく解説しながら、製造業の職種の特徴についてもご紹介します。
現時点で製造業を志望している人はもちろん、様々な業界を研究中という人も、ぜひ最後までお読みくださいね。
製造業とは?
製造業では、原材料などを加工することで製品を開発・生産します。
一言に製造業といっても、業種は多岐に渡ります。
自動車などの長年使用する「耐久消費財」を扱う業種や、食品や医薬品といった「生活用品」を扱う業種、ほかにもOA機器や医療機器といった「機器・機械」を扱う業種などがあります。
このように、製造された段階でひとつの製品になっているものをつくる業種以外に、鉄鋼や繊維、電子部品や半導体といった「原料・部品」を扱う業種もあります。
製造業について理解を深めるためには、業界研究を行うのがおすすめです。
どのような業界があるのか、詳しくご紹介した記事があるので、ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。
https://jo-katsu.com/campus/4978/
業種によって職種は変わる?
製造業といっても、様々な業種があることはご理解いただけたかと思います。
このように業種の幅が広い点も、製造業ならではの特徴だと言えるでしょう。
業種によって異なる職種はあるものの、基本的な職種は変わりません。
本記事では、業種によって左右されることが少ない職種を中心にご紹介していきます。
製造現場の職種
では、製造業に関わる職種を具体的に見ていきましょう。
製造業では、業務の工程を大まかに以下のような形で分けることができます。
販売工程より前は「製造現場で業務が必要になる職種」、販売工程より後ろは「製造現場外で業務が必要になる職種」です。
まずは、「製造現場で業務が必要になる職種」を見ていきましょう。
加工
製造現場で重要なのは、材料となるものを加工する業務です。
加工業務では、以下のような職種があります。
- 鍛造・鋳造
- 旋盤
- 溶接
上記は加工業務の一部の職種にしか過ぎませんが、製造業ならではの要素が特に強い職種と言えるでしょう。
鍛造は、熱した金属をハンマーなどで叩き、製品の形をつくる業務を指します。
鋳造は、熱で溶かした金属を型に流し込み、製品の形をつくる業務を指します。
いずれも資格は不要で業務にあたることができます。
これらの業務を通じて、自動車用部品などの大きなものや、ペンチやドアノブなどの生活に必要な小さなものに変化します。
旋盤は、加工する金属を回転させ、そこに刃物を当てることで削っていく業務を指します。
一般的に鋳造・鍛造と比較すると専門的な技術が必要になるとされており、職人技のような側面を持った業務です。
旋盤と一言に言っても種類が多く、削りたい形によって対応する種類が異なります。
溶接は、材料を加熱し、溶かした部分をつなげる加工をする業務を指します。
溶接は、基本的に資格が必要な業務だと覚えておくのが良いでしょう。
いくつか種類があるものの、種類に応じて資格取得が必要となるため注意が必要です。
ただし一生使える資格となるため、一生モノの専門知識がほしい人は、入社後に溶接担当を目指してみるのも良いかもしれません。
仕上げ
加工した製品はそのまま出荷できるのではなく、仕上げ作業が必要になります。
仕上げ業務には以下のような職種があります。
- 研磨
- 塗装
上記は仕上げ業務の一部の職種にしか過ぎませんが、製造業ならではの要素が特に強い職種としてご紹介します。
研磨は、加工した製品の表面を滑らかにする業務を指します。
「研磨」という言葉は、表面を削る「研削」と、表面を磨く「琢磨」といった2つの工程が含まれています。
自らの手で研磨を行うのではなく、研磨用の様々な道具を用いて行います。
手作業で行う場合だけでなく、研磨用の機械を使用する場合があるものの、細かな作業が好きな人にとっては転職と言える業務でしょう。
塗装は、製品の表面に塗料や保護材を塗る業務を指します。
塗装といっても塗料だけが該当するのではなく、製品が長期にわたり良い状態を保てるように保護材などを塗装することが多い業務と言えます。
こちらも機械を用いて行う場合があるものの、自身の手で行わずとも専門的な知識を身に着けやすい職種だと言えるでしょう。
点検
点検は、文字通り製品を点検する業務を指します。
仕上がった製品は、そのまま出荷できることが望ましいものの、製造工程の中で何らかの不具合が生じている可能性はゼロではありません。
そのため、検査を専門とする人々が細かく検査を行い、問題がないことを確認した上で製品は出荷されてきます。
検査と一言に言っても、多様な種類があります。
目視で問題点を確認することはもちろん、専門的な機械を用いた点検も行います。
ただし、機械化が進む中でも最終確認は人の目を通じて行うことが多く、責任重大な職種だと言えるでしょう。
仕分け
製品が完成したら、伝票や指示書に従って仕分けを行います。
指定された製品を指定通りの数でピックアップし、分類を行っていきます。
大きな製品を扱う場合には、フォークリフトなどを使用することがあるものの、フォークリフト使用には専用の免許が必要です。
試験の難易度自体は低いものの、学科・実技ともに最低2日間の履修が必要となるため、免許取得が必要な際は会社と相談し、取得するのが一般的です。
フォークリフト免許を持つことで、業務幅を広げることができるでしょう。
梱包
梱包は、仕分けた製品を段ボールなどに詰めていく作業を指します。
単純作業ではあるものの、極めていくほどにスピード感を持ってできる業務だと言えるでしょう。
製品に傷がつかないよう注意が必要なため、早さだけではなく丁寧さが求められる仕事です。
生産管理
ここまでご紹介してきた業務を管理するのが、生産管理の業務内容です。
ここまでの職種を全て把握し、ゴールとなる製品の出荷日や出荷数に合わせて、製造現場全体をコントロールすることが求められる業務です。
一言に生産管理と言っても、以下のような工程に分けることができます。
- 受注管理
- 生産計画
- 生産指示
- 出庫指示
- 出荷管理
これらの工程を全て管理することで、必要な製品を期日に間に合うように出荷することが可能となります。
高いマネジメント力やコミュニケーション力を求められるため、製造業以外でも活用できる汎用的な能力が必要な職種だと言えます。
品質管理
一定の質を担保して製品を出荷するためには、品質管理の業務が必要不可欠です。
主な業務内容は以下です。
- 工程管理
- 品質検証
- 品質改善
品質を管理するためには、製品だけを見るのではなく、製品を製造する工程も見る必要があります。
適切なフローで製品が製造されているのか、管理するのは品質管理担当の業務です。
設備の維持・管理などの業務も必要になってくることから、製造に関する幅広い知識が必要な職種だと言えるでしょう。
製造現場外の職種
続いて、製造現場外の職種についてご紹介しましょう。
営業
製造業でも、営業は非常に重要な職種です。
良いクオリティで製造した製品は、販売できなければ意味がありません。
製品の販売を一手に担うのが、営業担当の業務です。
ただ販売するだけではなく、必要に応じて顧客のニーズを汲み取ることも、営業担当者の重要な業務です。
広報
良い製品の認知を広げるために、広報も重要な職種です。
製品の安全性や利便性などを広く広報することで、販売しやすくするといった効果を期待することが可能です。
製品によっては顧客へ直接届ける場合と、企業担当者へ販売する場合といった2パターンが想定できるため、BtoC、BtoBいずれの広報も経験できる可能性を秘めています。
製品企画
魅力的な製品を製造するために、製品の企画や構想を行う業務を指します。
顧客のクレームや営業担当者の意見をはじめ、市場調査などを行って製品を企画する場合もあります。
製品企画の能力を身に着けると、製造業以外でも活躍しやすい能力となるでしょう。
研究開発
最新技術の研究などを通じて、既存製品の品質改善はもちろん、新製品販売などにつなげる業務を指します。
研究は新たな技術を見つけることを目的としていますが、開発は新たな技術を新製品に落とし込むことを目的としているため、厳密には業務内容は異なります。
大学時代の専門領域を活かして、新たな製品につなげていくのも良いのではないでしょうか。
設計
どれだけ良い技術を発見できても、製品として安全に利用できるものにできなければ意味はありません。
設計業務では、製品を実際に設計し、図面化することが求められます。
製品をつくる際にはコストを指定されることも多いため、指定された予算内で安全な製品をつくる知識やアイディアが求められます。
製造業の職種の特徴とは?
ここまで、製造業における様々な職種をご紹介してきました。
では、改めて製造業の職種には、どのような特徴があるのかを見ていきましょう。
職種によっては資格が必要
全ての職種ではないものの、職種によっては資格が必要になります。
資格は数日で取得できるものが多い一方で、一度取得すると、一生使える武器となります。
また、業務で必要な場合は企業が資格取得代を負担することが多く、実質的な負担がなくとも資格取得が可能となる場合がほとんどです。
製造業で必要となりやすい資格は以下です。
- フォークリフト免許
- 溶接技術者
- 危険物取扱者
- 衛生管理者
資格によっては製造業以外でも役立つものも多く、取得できるチャンスがあれば、ぜひ取得をしておくのがおすすめです。
いずれの職種も専門色が強い
資格取得が必要ない職種についても、専門色が強くなっています。
未経験でできる職種がほとんどではあるものの、それぞれの職種に極め甲斐があり、技術を磨くほどに対応できる業務幅が広がっていくでしょう。
言い換えれば、同じ製造業の職種であっても、他の職種に転向する場合は新たに知識を身に着ける必要があります。
知識を身に着けることは無駄にはならないものの、各職種の専門性が高いゆえに、異なる職種に活かしにくいという点は製造業ならではの特徴だと言えるでしょう。
製造業界の有名企業とは?
ここまで、製造業に関する様々な特徴をご紹介してきました。
では、製造業界の中でも特に人気の業種について、どのような有名企業があるのかを見ていきましょう。
自動車を扱う業種
製造業の中でもイメージがつきやすい自動車を扱う業種では、以下のような有名企業が存在します。
- トヨタ
- 日産
- マツダ
- スバル
テレビCMなどが多数放映されていることから、耳にしたことがある企業が多いのではないでしょうか。
製薬系の業種
製薬関連企業も、業界としては製造業に該当します。
有名企業には、以下のような企業が該当します。
- 武田
- アステラス
- エーザイ
- 第一三共
「製薬」と聞くと病院や薬局のみが関連するように感じますが、こちらもテレビCMなどが多く放映されており、耳馴染みがあるのではないでしょうか。
化粧品関連の業種
製造業の中に該当するイメージがないかもしれませんが、化粧品関連も製造業に該当します。
有名企業には、以下のような企業が挙げられます。
- 資生堂
- 花王
- コーセー
- DHC
私たちの日常生活を支えている製品を多数つくっている化粧品関連企業は、製造業に該当するのです。
食品関連の業種
日常生活を支えるという観点では、「食」は外せません。
食品関連に該当する有名企業には、以下のような企業があります。
- 日本ハム
- ハウス食品
- 味の素
- 日清食品
日頃これらの企業の食品を食べている人は多いのではないでしょうか。
「食」に関わる内容も、製造業に該当するのです。
よくある質問
では、最後によくある質問を見てみましょう。
新卒はどうやって配属が決まるの?
新卒社員の配属の決まり方は、企業によって異なります。
ただし、まずは現場の業務を一通り覚えてほしいという思いから、期限を決めて現場配属を行う場合が一般的です。
現場以外の仕事を行うとしても、現場で行われている仕事が分からなければスムーズに業務を行うことができません。
専門性を養うというよりは、業務の全体感を把握するという観点で現場配属が行われる場合がほとんどでしょう。
ただし、技術職などで入社した場合は、現場配属なく現場以外の業務に従事する場合もあります。
その場合、日常のコミュニケーションなどから現場業務を把握する必要があり、難易度は非常に高くなるでしょう。
入社する企業はどのようなパターンかは、入社前に企業に確認しておくのがおすすめです。
興味がある職種を見つけて専門知識を磨こう!
いかがでしたか?
本記事では、製造業の職種について詳しく解説しながら、製造業の職種の特徴についてもご紹介してきました。
「製造業」という言葉は聞いたことがあっても、職種を見てみるとなかなかイメージが付きにくいものも多かったのではないでしょうか。
知らない職種が多いということは、自分に合う可能性をまだまだ秘めているということです。
製造業は専門知識を必要とする職種が多いため、職種を研究することはもちろん、実際に知識を深めていくことにも面白味があります。
この記事をきっかけに製造業について深く調べてみて、気になる企業はぜひ選考を受けてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。