【4つの壁を乗り越えろ!】商社に刺さるオリジナルな志望動機の方程式プラス例文
2022年9月26日更新
はじめに
「商社の志望動機は、他の業界と同じような形でいいんですか?」
「商社の志望動機って、何を書けばいいんですか?」
「商社で評価される志望動機の書き方を知りたいです」
といった答えを知りたいのなら、この記事を読む価値があります。
商社業界はステータスや年収が高く、海外を股にかけて働けるといった華やかなイメージが先行し、就活生から人気の業界であり、志望動機1つとっても、ありきたりな型にハマった志望動機では、かなり苦戦を強いられます。
そんな就職偏差値の高い商社で確実に通過・合格するためには、刺さる志望動機の方程式を知って、面接官がぐうの音も出なくなる秘孔を突くことが大切です。
本記事では、その4つの秘孔を公開したうえで、効果的に打撃を与えていく志望動機の作り方をステップ・バイ・ステップで解説していきます。
このテクニックを使うと、ありきたりで無味乾燥な薄っぺらい志望動機が作れなくなりますので、10分くらいでサクッと最後までお読みくださいね。
1.人事が求めている4つの確証
志望動機に限らず、自己PRやガクチカなども全てそうですが、人事が知りたいことは概ね下記の4つです。
①求める人物像とマッチしているか?
➁会社に貢献してくれそうか?
③長く勤めてくれそうか?(=すぐに辞めないか?)
➃内定を出したら他社に浮気せずに来てくれるか?
この4つの疑問の妥当性を確かめるために面接官はアレコレ多角的に質問を繰り出しているわけです。
逆に言えば、この4つの壁さえクリアできれば、いとも簡単に面接を攻略できます。
この4つの壁について少し解説を加えます。
1つ目の壁が、
①求める人物像とマッチしているか?
でしたね。
人事は面接前に、面接官同士で採用スペックを共有するのが通例です。
面接官の採用イメージがバラバラだと、「船頭多くして船山に上る」状態になって、採否検討のときに収拾がつかなくなるので、人事は予め基準を明確にしておきたいのです。
「こういう学生が欲しい」「こういう学生なら採用したい」というイメージが明文化されている企業もありますし、ない場合も事前に内輪(うちわ)ですり合わせを行い、思いを一致させたうえで面接に臨んでいます。
つまり、まずは求める人物像にマッチしているかどうかの確証が欲しいわけです。
それがクリアされたら、次に出てくる壁が、
➁会社に貢献してくれそうか?
です。
ゴーイングコンサーンという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、会社は未来永劫、
継続的に事業運営する前提で動いています。
次の日に潰れるという会社ならば、敢えて採用なんてかけないですよね。
つまり、将来の会社を担ってくれる基幹人材を今のうちから育てておいて、会社を脈々と繁栄させてほしいという思いがそこにあるわけです。
したがって、将来的に活躍して会社に利益をもたらしてくれる学生を雇い入れたいので、貢献してくれそうな確証が欲しいわけですね。
そして、その壁を乗り越えると、次に現れる壁が、
③長く勤めてくれそうか?(=すぐに辞めないか?)
です。
人事は採用のために広告費や人件費を含め、多大な採用経費を突っ込んでいます。
そんな中、やっとの思いで採用した学生が入社3カ月目で辞められると、会社としてはリターンがプラスどころか、マイナスになるわけです。
なので、入社してもすぐに辞めないという確証が欲しいわけですね。
そして、その壁をクリアしたら、最後に現れる壁が、
➃内定を出したら他社に浮気せずに来てくれるか?
です。
会社側はたくさんの応募者の中から、あなたを選んで内定を出すわけです。
それが内定を出した途端、他社に浮気して逃げられたら採用計画も満たせませんし、補充のために、また1から採用選考を行わないといけないわけです。
その学生を引き止められなかった人事の顔も丸つぶれです。
また、あなたに内定を出すために、その他の学生にお祈りしているわけなので、そのセカンドベストな学生はもう取り戻せませんよね。
そういう意味で、取り返しがつかなくなるので、めちゃくちゃダメージが大きいわけです。
なので、内定を出したら確実に入社してくれるという確証が欲しいわけですね。
要は、志望動機の中でこの4つの壁さえクリアできれば、会社側は満足して合格を出すわけです。
あなたの志望動機は、この4つの壁を意識した志望動機になっていますか?
もし、答えが「NO」なのであれば、次のチャプターを読む必要があります。
2.刺さる志望動機の方程式
刺さる志望動機を作ろうと思えば、先ほどの4つの壁に対する答えを志望動機の中に散りばめなければいけません。
つまり、
①求める人物像とマッチしているか?
⇒「はい、私は御社の求める人物像に合致する学生ですよ」⇒求める人物像との整合性
➁会社に貢献してくれそうか?
⇒「はい、過去の経験から貢献する可能性がかなり高いですよ」⇒貢献できる理由
③長く勤めてくれそうか?(=すぐに辞めないか?)
⇒「はい、入社したら、長く安定的に働きますよ」⇒入りたい理由(=辞めない理由)
➃内定を出したら他社に浮気せずに来てくれるか?
⇒「はい、脇目も振らずに入社しますよ」⇒入りたい理由(=辞めない理由)
といった答えを会社側は求めているわけです。
したがって、ここから導き出される「刺さる志望動機の方程式」はこうです。
刺さる志望動機=(入りたい理由+貢献できる理由)×求める人物像との整合性
ここで、「求める人物像との整合性」がなぜ掛け算になっているかというと、いくら入りたい理由や貢献できる理由が良くても、その理由が求める人物像と真逆だった場合は「ゼロ点」になるからです。
わかりますか?
たとえば、求める人物像が「チャレンジ精神旺盛な人」である企業に対して、「物事に慎重で、石橋を叩いてから動き出すタイプなので、御社の業務にマッチすると考えているからです」とアピールされても、面接官は咄嗟に引きますよね。
したがって、志望動機を考える場合は、「自分がこうしたいから、ああしたいから」という前に、その会社が求める人物像と整合性があるのかを必ずチェックする必要があるわけです。
逆に言うと、求める人物像から逆算した原体験やエピソードを入れて志望動機を組み立てれば、確実に刺さります。
ただ、これだけでは、まだイメージがボンヤリしていると思うので、次のチャプターで方程式を分解して解像度を上げながら解説していきます。
3.刺さる志望動機の方程式・分解解説
それでは刺さる志望動機の方程式を各パーツに分解して解説していきます。
入りたい理由
入りたい理由は、すなわち「御社じゃなければダメな理由」です。
この説明が抜きになると、「それはウチじゃなくてもできるよね」とか、「それは他社でもできるよね」といった反論を招きます。
また、商社の場合、ハイレベルのライバルが集まりますので、型にハマった平凡な志望動機では戦えません。
特に商社は、「なぜ、商社業界なのか?」「なぜ総合商社(or 専門商社)なのか?」「なぜ、当社なのか?」といった理由に対する関心がかなり高いです。
そこで、「御社でなければならない理由」を原体験やエピソードを引用して、ピンポイントで攻め込む必要があります。
「御社でなければならない理由」さえ説明できれば、その御社は商社業界に属していますし、御社自体が総合商社か、専門商社のどちらかなので、一足飛びにすべてを説明することができるわけです。
要は、ミクロはマクロに包含されているので、ミクロを説明できれば、自然にマクロも説明しているというわけですね。
論法としては、
①私は過去にこういう体験をして、こういう思いに至った
↓
➁なので、将来的にはこういうことをしてみたい
↓
➂御社は、それが唯一実現できる会社である
という3段構えで説けば、事足ります。
たとえば、
①私は父の転勤でアフリカに3年間住み、現地のインフラの脆弱さを目の当たりにしました。
↓
➁なので、アフリカに標準的なインフラを構築し、アフリカの生活を豊かにしたいんです
↓
➂御社の中期5か年計画の中で、アフリカの経済成長を見込んで、開発を進めようとするプロジェクトを拝見しました。なので、私の夢が御社で実現できるので入りたいんです。
といったラフな感じですが、このような論法で「入りたい理由」を説けば、原体験から発しているので、オリジナル性もあるし、御社でなければダメな理由も入り込んでいますので、「入りたい理由」に説得力が増すわけです。
他に「御社じゃなければダメな理由」の候補としては、
- 経営理念
- 行動指針
- 社風
- 事業特性
- 扱っている商品やサービス
- 地理的条件
- 仕事内容
- 教育体制
- 会社説明会の担当者やOB/OGの言った一言
などに紐づけて、原体験やエピソードとかけ合わせると最強になってきます。
貢献できる理由
次に「貢献できる理由」ですが、これも原体験や過去のエピソードからイメージさせて、「それならできるよね」と面接官に思い込ませることが大切です。
たとえば、先ほどの例だと、
「私はアフリカに3年間居住していたため、アフリカの文化や風習にも詳しく、言葉も日常会話ならコミュニケートできますし、現地の人と親しくなるコツもつかんでいます。なので、今からでもアフリカに行って、プロジェクトの立ち上げに貢献できます」
といった言い回しです。
なかなか、ここまで貢献理由を話せる人はいないのかもしれませんが、この段階では雰囲気を感じ取っていただければ、OKです。
求める人物像との整合性
先述のとおり、これまで話した内容も、求める人物像とマッチングしているからこそ響きます。
したがって、その会社の求める人物像を把握して、逆算して志望動機を組み立てる必要があるわけですね。
求める人物像は、就活サイトの求人募集に記載されていますので確認してみてください。
記載されていない場合は、その会社のホームページや書籍に飛んで、経営理念や行動指針、社長メッセージなどから拾って、類推適用させてください。
それもない場合は、会社説明会やOB/OG訪問で直接ヒアリングするという手段をとってください。
いずれにしても、シッカリと「御社の求める人物像」を掴んでから志望動機を作るようにしましょう。
いかがだったでしょうか?
これで志望動機が作れそうな感じがしますか?
まだイメージが湧かないかもしれませんので、実際に例文を交えて次のチャプターで解説していきましょう。
4.刺さる志望動機の例文
まずは読んでみてください。そのあと、解説を加えます。
なお、この例文は「当社の志望動機を教えてください」という面接官の質問に答えるイメージで作成しています。
【刺さる志望動機の例文】
はい。志望動機は、私が育ったアフリカなどの新興国の経済成長に貢献するには、御社が最適だと考えたからです。 父の転勤に伴い、私はケニア、アメリカ、ドイツといった海外3か国に渡り、異国の文化や風習に肌身で触れてきました。 特にケニアは生活基盤がまだまだ脆弱で、唯一の井戸も壊れている、ガスも電気も数キロ先まで行かないと手に入らないといった明日をも生きる保障のない生活ぶりを目の当たりにし、かなりの不便さと衝撃を受けました。 そこで私は「既に実現できている日本の標準的な生活水準を何とかアフリカに持ち込めないか」という問題意識を抱くようになりました。 また、アフリカは生活基盤さえ整えば、若い力を原動力とした経済発展により、自走できる国になれるとも確信しています。 そんな中、御社の中期5か年計画の中でアフリカを中心とした新興国に対して不動産開発の事業投資を積極的に行うというスキームを拝見し、深く感銘を受けてしまいました。 この計画を見た瞬間に、この事業がまさしく私のやりたいことだと直感しましたので、アフリカの生活インフラを整備する事業の一員として、異国の地で培った経験やスキルを駆使して全力で貢献したいという強い思いに至り、御社を志望致しました。 以上です。 |
いかがだったでしょうか?
少し説明を加えます。
まず冒頭の1行目ですが、
この1行で全体的なイメージがスッポリ頭に入るように、端的に強い言葉を入れ込んで話す
ことがポイントです。
例文では「私が育ったアフリカ」「御社が最適」という興味性のある強い言葉を使って、「次を聞きたい」という”引き”を入れています。
以降で、最初の1行を下支えする理由を入れていきますが、ポイントは「原体験や過去のエピソードに絡める」ということです。
ここが抜けると、信憑性が薄れますし、オリジナル性がなくなるので差別化をはかれなくなります。
例文では、「ケニア、アメリカ、ドイツ」という固有名詞を入れ込むことで具体性を増し、
ケニアでの原体験を通じて将来的にアフリカの生活基盤を整えたいという強い思いに至った根の部分が見事に映像化できていますね。
また、「異国の文化や風習に肌身で触れてきました」や「異国の地で培った経験やスキルを駆使して」というフレーズが、「現地でもすぐにやれる」という即戦力イメージ(=貢献理由)をインダイレクトに匂わせています。
とどめとして、御社の中期5か年計画のアフリカ事業投資を引き合いに出して、「御社じゃなければダメな理由」を連結させたうえで、自分のライフプランを実現するための手段として御社が最適なんだという立ち位置を説明しているわけです。
原体験や過去のエピソードから直接志望動機に結び付けている例文を散見しますが、それだけだと弱いです。
その延長線上にある将来的なあなたなりの目標がまずあって、それを叶えるための手段として御社が最適なんだという図式にすると、強い志望動機が生成できます。
これでかなりイメージが湧いたと思いますので、今回の方程式や例文を参考にしながら、自分なりの刺さる志望動機を今すぐ作ってみてください。