内定辞退は可能なの?正しいマナーと例文による徹底ガイド
2024/9/6更新
はじめに
就活生にとって、内定をいただくことは一つの大きな達成ですが、ときには複数の内定を得て、どちらにするか選択を迫られます。
そのようなとき、避けて通れないのが「内定辞退」です。
しかし、内定辞退をどう伝えるべきか、どのタイミングで、どのような表現を使えば良いのか不安に思うでしょう。
内定辞退は違反になるのではないか、そんな心配をする方も少なくありません。
このような悩みを抱えている就活生のために、この記事では内定辞退は可能なのかや、内定辞退の正しいマナーを徹底解説します。
また、内定辞退で気をつけるべきポイントや、メール・電話における具体的な例文もご紹介。
このガイドを読むことで、失礼のない形で内定辞退を行い、今後のキャリアにも良い影響を残すための準備が整えられます。
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内定辞退は可能なのか?
内定承諾後の辞退は可能なのか?不安に思われる方もいるでしょう。
結論からいうと、法的には内定承諾後の辞退は可能です。
ただし、信義則上の問題が残りますので、法的な側面と信義則の側面に分けて解説していきます。
正しい方法で内定辞退を行い、企業との関係を円満に保ち、将来のチャンスを守れるでしょう。
法的な側面
法的な側面でいうと、2つの法律に守られていて、内定承諾後の辞退は違法にはなりません。
1つ目は憲法です。
憲法の中で「職業選択の自由」が謳われています。
何人も公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
憲法第22条
この条文により職業選択の自由があり、企業が出した内定承諾書に学生がサインしても法的拘束力はありません。
つまり、内定承諾後に辞退しても違法にはなりません。
次に「民法」です。
民法第627条に以下の記載があります。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者はいつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は解約の申し入れから二週間を経過することによって終了する。
民法627条
民法627条では期間の定めがない雇用の場合、いつでも解約の申し入れができるとしています。
解約の申し入れから2週間経つと契約が終了します。
この取り扱いは基本的に入社後の社員を想定していますが、内定者にも類推適用されます。
つまり、入社日の2週間より以前に連絡すれば、いつでも内定を辞退することが可能です。
したがって、遅くとも入社日の2週間以上前までには、辞退の旨を相手企業へ通告してください。
以上、2つの法的根拠により内定承諾後も辞退は可能となります。
信義則の側面
次に「信義則の側面」から考えていきます。
信義則とは何かというと、社会は人々の「信頼」に基づいて成り立っており、当事者たちは、相手方のもつ「信頼」を裏切らないように行動しなければならないという精神です。
要は企業とあなたで内定承諾書を交わしたのだから、その信頼を裏切らない=約束したとおりに入社するということが原則になります。
企業側も採用に人件費や広告費を含め多大な経費をかけています。
内定承諾書を交わしたあとも、あなたが入社してくることを信頼して、研修や配属などの準備に多大な労力をかけています。
くわえて、あなたに内定を出したために、ほかの学生が不合格になっています。
企業側もあなたが内定を辞退したあとに改めて採用活動を行うとなると、すでに就活が終盤に差し掛かり、求める学生が取れないという状況も否めません。
あなたの内定辞退という行為により、それだけ企業側に迷惑をかけているという認識を持つ必要があります。
「法的に守られてるからいいじゃん!」という態度ではなく、あくまでも相手の信頼を損ねたわけですから、辞退する際は心から謝罪するというスタンスで臨んでください。
あなたの行動ひとつで後輩の選考に影響が出るかもしれませんし、学校推薦などの撤廃にもなりかねません。
そのような事態も勘案して、内定承諾後の辞退を正しいマナーに基づき行ってほしいと思います。
内定辞退の正しいマナーとは?
内定辞退は正しいマナーを守ることが重要です。
内定辞退は企業にとって予期しない事態であり、選考を進めてきた企業側の期待に反する行為でもあります。
そのため、慎重かつ丁寧に対応する必要があるのです。
以下、内定辞退のマナーについて詳しく解説します。
できるだけ早く連絡する
内定辞退の連絡は、できる限り早めに行うことが基本です。
企業は採用活動に多くの時間とコストをかけており、内定辞退が遅れると、企業のスケジュールや次の採用活動に支障をきたす可能性があります。
特に、少数精鋭の企業や中小企業の場合、早めの連絡が採用担当者の負担を軽減することにもつながります。
辞退の決断が固まったら、ためらわずに連絡することが大切です。
企業にとっては、次の候補者への内定連絡や採用戦略の見直しなど、迅速な対応が求められるからです。
連絡が遅れることで、企業側に無駄な労力をかけないよう、素早い対応が礼儀として求められます。
電話で直接伝えるのが基本
内定辞退の連絡は、基本的には電話で行うのがマナーです。
電話での連絡は、直接的に相手の声を聞くことができるため、相手に対する誠意が伝わりやすい手段です。
企業の担当者も、電話での連絡を受けることで、辞退理由や状況についてより理解を深められます。
また、電話での連絡により、相手の反応を直接確認することができるため、誤解や不安を解消する手助けとなります。
ただし、どうしても電話が難しい場合は、メールでの連絡も可能です。
その際には、冒頭でお礼とお詫びの言葉を述べ、辞退の意思をはっきりと伝えましょう。
また、メールだけで済ませるのではなく、後日改めて電話でフォローするのも良い判断です。
お礼とお詫びの言葉を忘れずに
内定をいただいたことへの感謝と、辞退するお詫びをきちんと伝えるのは、ビジネスマナーとして非常に重要です。
企業は、多くの候補者の中から選考を重ねて内定を出しています。
そのため、内定をもらったこと自体に感謝し、それに対して誠実にお礼を述べるのが正しいマナーです。
具体的には、「この度は内定のご通知をいただき、誠にありがとうございます」や「ご期待に添えず申し訳ありませんが、今回は辞退させていただくことにいたしました」といった言葉を使い、感謝の気持ちと謝意を明確に伝えましょう。
このような丁寧な言葉遣いは、相手に対する敬意を示すだけでなく、自分の社会人としての評価を高めることにもつながります。
辞退理由は簡潔で構わない
辞退の理由を述べる際には、具体的な詳細を述べる必要はありません。
「検討の結果、今回の内定を辞退させていただきます」といった簡潔な表現で十分です。
理由を深掘りすることは不要であり、かえって相手に不快な思いをさせる可能性もあるため、簡潔に伝えるのが望ましいでしょう。
他の企業の内定を理由に辞退する場合でも、「他社の内定を受けることにしました」というような表現にとどめ、具体的な社名や条件について触れないでいましょう。
企業側も、このような理由を受け入れることが一般的ですので、無理に詳細を伝える必要はありません。
記録に残る形で確認を
電話で内定辞退を伝えたあとには、メールや手紙で再度確認を行うことをおすすめします。
これにより、相手側に確実に意思が伝わっていることを確認できるだけでなく、あとから何かしらの確認が必要になった場合に証拠として役立つからです。
正式な辞退の意思を再確認し、企業側への配慮を示せます。
手紙の場合も同様に、丁寧な文面で感謝と謝意を伝え、記録に残る形でのフォローを忘れないようにしましょう。
内定辞退は、就職活動における重要なステップのひとつです。
適切な方法で対応することで、企業に対して誠実な印象を与え、将来の可能性を広げられます。
自分の選択に責任を持ち、社会人としてのマナーをしっかり守るようにしましょう。
内定辞退を電話で伝える場合のポイントと例文
先ほども解説しましたが、内定辞退を電話で伝えるのは、最も誠意を示せる方法です。
メールでは相手に意図が伝わりにくく、確認が遅れる可能性があります。
電話であれば直接対話ができ、より迅速に辞退の意志を伝えることが可能です。
就活の一環として、企業への内定辞退もマナーを守った対応が求められます。
以下、電話で内定辞退を伝える際のポイントについて解説します。
適切なタイミングで連絡する
電話で内定辞退を伝える際には、タイミングが重要です。
基本的には、企業の営業時間内、特に10時~12時、または14時~17時の間が理想的でしょう。
始業直後や終業間際は担当者が忙しい場合が多いため、避けるべきです。
また、昼休みの時間帯(12時〜14時)も控えます。
担当者に直接電話をするのが適切ですが、連絡先が不明な場合は、企業の代表番号に電話をし、担当者に取り次いでもらうようにしましょう。
明確かつ簡潔に辞退の意思を伝える
内定辞退の電話では、明確で簡潔な伝え方が大切です。
まずは自分の名前と所属を名乗り、担当者が話せるか確認します。
その後、内定をいただいた感謝を述べ、辞退の意思をはっきりと伝えましょう。
辞退の理由はできるだけポジティブな表現を用い、簡潔にまとめます。
例えば、「希望する職種の内定を他社からいただき、そちらに進むことに決めました」といった具合に、前向きな理由を伝えましょう。
「給与が希望に合わなかった」「職場の雰囲気が合わなかった」などのネガティブな理由は避けたほうが良いでしょう。
感謝と謝罪をしっかり伝える
内定辞退を伝える際は、感謝と謝罪の言葉を忘れずに伝えましょう。
企業はあなたに対して、選考の時間と労力をかけてくれたわけですから、そのことに対する感謝の意をしっかりと伝えるのが大切です。
同時に、辞退することに対して申し訳ない気持ちも伝えるようにしましょう。
具体的には、「お世話になったにも関わらず、このような形になり大変申し訳ございません」といった謝罪の表現を添えると、相手に誠意が伝わりやすくなります。
事前準備で緊張を和らげる
電話をかける前に、話す内容をメモにまとめておくと安心です。
話すべきポイントや辞退の理由を簡潔に書き出しておけば、緊張して言葉が詰まる心配が減り、スムーズに伝えられます。
また、敬語の使い方にも気をつけましょう。
正しい敬語を使うことで、よりプロフェッショナルな印象を与えられます。
上記のポイントを守って、誠実な対応を心がけることで、内定辞退の連絡も円滑に進められるでしょう。
電話での内定辞退は気が引けることもありますが、誠実な対応が好印象を与え、今後のキャリアにとってもプラスになります。
内定辞退の電話例文
以下、内定辞退の電話をする際の具体的な例文です。
参考にしてください。
自分:「お世話になっております。〇〇大学〇〇学科の〇〇と申します。人事部(採用担当)の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか?」
企業:「少々お待ちください。」
採用担当者:「お電話変わりました。人事部の〇〇です。」
自分:「お世話になっております。〇〇大学〇〇学科の〇〇と申します。
お時間いただきありがとうございます。
先日は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
慎重に検討いたしました結果、他社の内定をお受けすることに決めましたため、御社の内定を辞退させていただきたくお電話いたしました。
貴重なお時間をいただき、誠に申し訳ございません。」
採用担当者:「わかりました。辞退理由を教えていただけますか?」
自分:「実は、希望していた職種の内定を他社からいただき、そちらに進むことを決めました。
御社には大変魅力を感じておりましたが、将来の目標により適した道を選ぶ決断をいたしました。」
採用担当者:「そうですか。理解しました。」
自分:「お忙しい中、ご対応いただき、ありがとうございました。
このような形でご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。
それでは、失礼いたします。」
以下、3つのポイントに注意して話すことが大切です。
明確な自己紹介
初めに自分の名前、学校名、学部名を名乗り、相手が確実に分かるようにします。
相手が迅速に対応できるようになります。
感謝と謝罪の伝達
内定をいただいたことに対する感謝と、辞退する謝罪の言葉を丁寧に伝えます。
相手に対する礼儀を示し、良い印象を与えます。
簡潔かつポジティブな理由説明
辞退理由は簡潔で前向きな表現を使い、相手への配慮を示します。
無用なトラブルを避けるため、詳細な説明は求められた場合のみ行うようにします。
これらのポイントを押さえれば、内定辞退の意志を誠実かつ効果的に伝えられます。
また、折り返し電話に関する詳しい記事は下記をご参照ください。
内定辞退をメールで伝える場合のポイントと例文
企業への内定辞退は、通常電話での連絡が望ましいとされています。
けれども、状況によってはメールでの連絡も選択肢の一つです。
その場合、相手企業に失礼のないように、いくつかの重要なポイントを押さえた上でメールを作成することが大切になります。
以下、内定辞退をメールで伝える際の、具体的なポイントと例文を紹介します。
明確でわかりやすいメールのタイトルを設定する
メールのタイトルは、その内容が一目で伝わるように、簡潔で明確なものにすることが求められます。
受信者がメールを開く前にその意図を理解できるよう、「内定辞退のご連絡」や「内定辞退について」といった具体的なタイトルを使用しましょう。
このようなタイトルは、受信者が重要な連絡であることを即座に認識し、迅速に対応を促します。
本文は感謝の言葉から始める
メールの本文では、まず最初に内定をいただいたことに対する感謝の意を表すのが大切です。
企業側にとって内定を出すことは大きな決断であり、その努力や時間を尊重する姿勢を見せる必要があります。
例えば、「この度は貴社から内定のご連絡を賜り、心より感謝申し上げます」といった表現で感謝の気持ちを伝えましょう。
その上で、辞退の意思を明確にし、簡潔かつ誠実な理由を添えます。
内定辞退の理由を前向きに伝える
内定辞退の理由を述べる際は、相手企業に対して礼儀を尽くしつつ、自分の意思を正直に伝えることが求められます。
理由はあくまでポジティブなものとし、「他社でより成長できると感じたため」や「自分のやりたい分野に専念することを決めたため」といった形で説明しましょう。
企業に対して否定的な印象を与えないよう、誠実さと前向きな姿勢を示すことが重要です。
メールの送信後は相手からの返信を確認する
メールを送信しただけで安心せず、必ず企業からの返信を確認することが大切です。
返信がなかった場合、相手がメールを見逃している可能性も考えられるため、電話で確認をするなどの対応をとると良いでしょう。
これにより、重要な連絡が適切に伝わっていないというリスクを回避できます。
メールでの内定辞退は、電話に比べて相手に割り込みをしない利点がありますが、メールが相手に届いていない場合も考慮し、フォローアップの連絡を怠らないことが重要です。
ビジネスマナーを守り、誠実な態度を示す
ビジネスの場では、常に礼儀正しい態度で対応することが求められます。
内定辞退のメールも例外ではなく、簡潔でありながらも敬意を示す表現を心掛けましょう。
SNSとは異なり、フォーマルな言葉遣いや構成を意識し、適切な敬語を使用することで、相手に誠実な印象を与えられます。
内定辞退のメール例文
以下、内定辞退をメールで伝える際の例文を示します。
これを参考に、自分自身の状況や企業の特徴に合わせてカスタマイズしてください。
件名:内定辞退のご連絡
〇〇(担当者の名前)様
お世話になっております。
〇〇大学の〇〇(あなたの名前)です。
この度は、貴社より内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
貴社で働く機会をいただけることは非常に光栄であり、大変感謝しております。
しかし、慎重に検討を重ねた結果、他の企業で新たな挑戦をすることを決断いたしました。
誠に申し訳ございませんが、今回の内定を辞退させていただきたく存じます。
貴社に対する敬意は変わらず、このような結果となり非常に心苦しい限りです。
貴社の今後のご発展と、益々のご成功を心よりお祈り申し上げます。
何卒ご理解賜りますよう、お願い申し上げます。
〇〇(あなたの名前)
〇〇(連絡先)
以下、3つのポイントに注意してメールすることが大切です。
感謝の気持ちを明確に伝える
メールの冒頭では、まず内定をいただいたことに対する感謝の意を述べるのが大切です。
相手企業が時間と労力をかけて自分を選んでくれたことへの敬意を示せます。
例文では「貴社より内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました」と感謝の気持ちを明確に表現しています。
内定辞退の意思を明確に伝える
感謝の意を示したあと、辞退の意思をはっきりと伝えることが重要です。
曖昧な表現ではなく、具体的に「今回の内定を辞退させていただきたく存じます」といった直接的な言い回しで、辞退する意思を示すことで、相手に誤解を与えないようにしましょう。
前向きな理由を簡潔に説明する
辞退の理由を伝える際には、ポジティブで前向きな表現を使うことがポイントです。
「他の企業で新たな挑戦を決断いたしました」といったように、あくまでも自身のキャリア形成や成長のための判断であることを強調します。
相手企業に対するネガティブな印象を避けるよう心掛けましょう。
メールを送ったあとも相手の反応をしっかり確認し、必要に応じてフォローアップの連絡を行うことが大切です。
また、メールに関する詳しい記事は下記をご参照下さい。
さいごに
この記事では、内定辞退の正しい方法とマナーについて詳しく解説しました。
まず、内定承諾後でも辞退は可能で、法律的には職業選択の自由と民法により守られているのです。
ただし、信義則の観点から企業に対する配慮が必要で、迅速かつ誠実な対応が求められます。
内定辞退の連絡方法としては、電話で直接伝えるのが基本ですが、どうしても難しい場合にはメールでの連絡も許されます。
その際、感謝と謝罪の言葉をしっかりと述べ、辞退理由は簡潔でポジティブにまとめることが大切です。
また、電話での辞退の際にはタイミングを見計らい、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
メールで伝える場合も、タイトルや本文の構成を工夫し、失礼のないように注意します。
内定辞退は就活生にとって避けられない場合がありますが、この記事で紹介したマナーや例文を参考にすることで、企業との関係を良好に保ちながら、安心して辞退の意思を伝えられるでしょう。
失礼のない対応を心がけ、今後のキャリアにも良い影響を与えることが期待されます。