面接の逆質問はしないとNG?
2021年5月31日更新
はじめに
「最後に何か質問はありませんか?」面接で必ずと言っていいほど聞かれるこの質問。
「どんな質問をすれば良いのか分からない。」と頭を悩ませている方や、「そもそもただの質問だし、絶対に何か聞かないといけないわけではない。」と考えている方も多いのではないでしょうか。しかし逆質問は、他の応募者と差別化するための絶好のチャンスであり、印象を左右する重要な場面です。
そこでこの記事では、
・企業が逆質問を設ける3つの理由
・逆質問で好印象を与えるためのポイント
・好印象を与える逆質問の例文
・NGな逆質問
・逆質問で使える裏技
・結局、面接の逆質問はしないとNG?
について解説します。
逆質問も面接も事前の準備が大切です。
逆質問や面接について不安がある人は、是非参考にしてください。
1.企業が逆質問を設ける3つの理由
そもそも、なぜ企業は逆質問の時間を設けるのでしょうか。大きく分けて3つの理由が考えられます。
①志望度を知りたい
②コミュニケーション力を測りたい
③ミスマッチを減らしたい
それぞれ簡単に解説していきます。
①志望度を知りたい
まず、就活生の志望度を知りたいという意図があります。
企業側からすれば、逆質問を全くしない人に対しては「本当に自分たちの会社に興味を持っているのかな?」「自分たちの会社について事前に調べてきているのかな?」と感じてしまします。
また、どの会社でも使いまわせるような質問や、コーポレートサイトを見れば分かるような質問をしてしまうと「志望度がそこまで高くはないのかな、あまりウチの会社について調べてきていないな」と考えられてしまうでしょう。
そこで、本当に行きたい会社なのであれば、志望度の高さをアピールできるような質問を心がけるべきです。
②コミュニケーション力を測りたい
次に、就活生のコミュニケーション能力を測りたい場合があります。
面接官からの質問への回答という一方的な会話とは違う側面からコミュニケーション能力を図る意図があります。「これを聞いて欲しかったんだよな」と企業側が思うような質問を、要点を抑えて論理的に、仮説を持って聞くことができれば良い評価に繋がるでしょう。
③ミスマッチを減らしたい
就活生は基本的に、説明会やコーポレートサイトを中心に企業の情報を集めます。最近では、SNSでリアルな現場の情報を開示する企業や、OB訪問などを利用して現場の声を聞く就活生も多くなっています。しかし、実際に働いている人の声を聞くことはまだまだ難しく、情報の非対称性が生まれています。そこで、逆質問のような場を設けることで採用のミスマッチを防ぎ、望まない早期退職を防ぐ狙いがあります。
2.逆質問で好印象を与えるためのポイント
企業が逆質問を設ける3つの理由から逆算して、面接官に好印象を残せる逆質問のポイントを考えましょう。
①企業との相性をチェックする質問
②事前に立てた仮説を確認する質問
基本的にはこの2つのポイントを抑えておけば、問題はないと言えます。
①企業との相性をチェックする質問
企業と自分自身の相性を確認するような質問は好印象になるケースが多いです。自分の成し遂げたいことと企業の方向性が一致しているか。企業の社風や風土が自分にマッチしているか。企業側も相性は気にしているので、積極的にこのような質問をしていきましょう。
②事前に立てた仮説を確認する質問
事前の準備が感じられるような質問は印象が良いです。自分で調べて考えることのできるリサーチ力、思考力が感じられるからです。また、時間をかけて調べているという事実は、志望度の高さのアピールにもなります。
3.好印象を与える逆質問の例文
それでは今まで学んできたことを踏まえ、具体的な逆質問の例文を把握しておきましょう。
以下の5つのジャンル別、
・経営戦略
・仕事内容
・求める人物像・キャリアパス
・企業風土
・面接官個人に対するもの
に分けて、例文を見ていきましょう。
①経営戦略
・「御社の強み、弱みを教えてください」
・「御社の5年後、10年後のビジョンを教えてください」
・「御社が今、不足していると思っていることや、課題に感じていることは何ですか?」
・「御社が今後注力していきたい事業は何ですか?」
②仕事内容
・「1日の仕事の流れを教えてください」
・「仕事でやりがいを感じるのはどのような時ですか?」
・「御社における、クライアントに対する姿勢はどのようなものでしょうか?」
・「達成感を感じたエピソードがあれば教えてください」
③求める人物像・キャリアパス
・「御社ではどのような人が活躍され、評価されていますか?」
・「〇〇という事業に興味あるのですが、配属はどのように決まりますか?」
・「御社で仕事をする上で、最も大切にすべきことは何ですか?」
・「新入社員の間にやっておくべきことはありますか?」
・「〇〇について学ぼうと思っているのですが、このスキルは御社の役に立ちますでしょうか?」
・「御社で大きく成長するタイプの人は、どのような特徴がありますか?」
・「御社に入社することになった場合の心構えを教えてください」
・「〇〇という役職に憧れているのですが、通常何年ぐらいかかりますか?」
・「働きぶりが認められれば、◯◯ポジションにチャレンジさせていただけるのでしょうか?」
④企業風土
・「社員はどのような人が多いですか?」
・「社員同士での飲み会やランチ会はありますか?その場合、頻度はどれぐらいでしょうか?」
・「疑問点があれば上司の方や先輩方に、遠慮なく質問させていただける環境はありますか?」
・「社内では、上司をどのように呼んでいますか?」
・「他部門との交流はありますか?」
・「休日も仕事仲間と過ごすことはありますか?」
⑤面接官個人に対するもの
・「御社への入社理由を教えてください」
・「入社前後で感じるギャップはありますか?」
・「今の目標と、それを達成するために頑張っていることは何ですか?」
・「仕事上でのこだわりを教えてください」
・「〇〇社長が若手の時にぶつかった壁を教えてください」
・「創業以来、1番苦労したことは何ですか?」
・「これまでで最もやりがいを感じられた瞬間はどのような時でしょうか?」
具体的な逆質問例を紹介しました。ここで 押さえておくべきポイントとして、
・1次面接(人事):活躍している人や、足りないスキルなど
・2次面接(現場):一緒に働きたいと思う人、現場の雰囲気、勉強しておいた方が良いスキルなど
・最終面接(役員):今後の事業展開、社員に求めることなど
これらを意識し、相手の答えやすい質問を心がけましょう。
4.NGな逆質問
どんな質問をすれば良いかが分かったところで、続いて「これを聞いてしまってはNG」という、NG質問例を紹介します。最後まで良い印象を残すためにも、以下の点には気をつけるようにしましょう。
①給料や福利厚生に関する細かい質問
学生であれば、給与や福利厚生といった待遇の実情は非常に気になるところですが、「逆質問」という場面は、OB・OG訪問でもなければ、座談会とも違います。合格・不合格の分かれ道ともなり得ますので、このような待遇について聞くことは相応しくありません。残業等についても同様です。というのも、企業側としては、学生が最も知りたい疑問を解消できるよう、わざわざ逆質問の時間を設けているわけです。それが、蓋を開けて見たら、待遇面ばかりであればどうでしょうか。「この学生は仕事より福利厚生の方が気になるのかな」「うちへの志望度は、あまり高くないのだろうか」と取られてしまっても、仕方ありませんよね。逆質問という場面で聞くことは避けておいたほうが無難でしょう。
③事前に調べればすぐにわかるような質問
「企業理念」や「設立年数」、「社員数」や「求める人物像」などの「事前に調べればわかること」について聞くことは絶対に避けましょう。志望度が高ければ、上記のような「コーポレートサイト」に掲載されている事項は、事前に確認できるはずです。それを、逆質問という場面でわざわざ聞くということは、「自分で調べていない」ことの証明であり、「あなたの企業にそこまで興味がありませんでした」と自ら述べているようなものです。当然、企業からすれば良い気分はしませんよね。「この学生はウチに興味がないのかな」このように呆れられても不思議ではありません。
④既に説明された内容に関する質問
説明会や面接中、既に説明されたことを再度聞くことも、NGといえます。「話を聞いていなかったのかな」と、志望度を疑われても仕方ないです。説明会などで聞いた内容はしっかりとメモを残しておくなどし、内容を頭に入れておくようにしましょう。
5.逆質問で使える裏
残業の有無について遠回しに聞く方法
残業や待遇、福利厚生などについて聞くことは、あまり宜しくないとされています。しかし、就活生にとって、ワークライフバランスというのも非常に重要。ブラックな会社に入ってしまえば、体調を崩してしまったり、場合によっては1年や2年での早期離職に追い込まれてしまう可能性もあります。そのような事態を避けるためにも、実際の現場の流れを知るという意味合いで「1日の流れを教えてください」と聞いてみるのも、ありかもしれません。
6.逆質問をしないとやっぱり落ちるのか?
逆質問をした方がいい、という事実は明白ですが「しなければ落ちるのか?」と、気になる方もいるのではないでしょうか?結論から言うと、しなかったからといって必ずしも落ちることはありません。 しかし、自己アピールのチャンスであることも間違いありません。 また、複数の応募者を同時に面接するグループ面接では、最終的な判断材料として志望度を図るため、逆質問が決定打となるケースも少なくありません。逆質問の機会を上手く活用し、面接官に好印象を残せる回答ができれば合格率もアップするはずです。