【企業分析】電通の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2025年10月30日更新
はじめに
株式会社電通は、日本の広告業界を牽引する最大手の企業であり、グローバルに見てもトップクラスの規模を誇る「電通グループ」の中核を担っています。
テレビCMや新聞広告といった従来型の広告に加え、デジタルマーケティング、企業のDX支援、コンテンツ企画など、その事業領域は多岐にわたるのが特徴です。
今回は、そんな電通の企業研究に役立つ基礎知識や社風、選考対策について詳しく紹介します。この記事では、電通への就職に興味がある、以下のような就活生を対象に企業分析を進めていきます。ぜひ最後までご覧ください。
- 電通の仕事内容が気になる
- 電通の就職難易度を知りたい
- 電通の選考対策として何をすれば良いかわからない
上京を志す地方学生ならジョーカツ!
あなたのキャリアを加速させるチャンス!
無料で利用できる快適な個室シェアハウス、
東京までの交通費サポート付き
首都圏の注目企業への就活ならジョーカツ
首都圏の学生ならスタキャリ!
理想のキャリアを実現へと導く第一歩!
あなたにピッタリのキャリアアドバイザーを選び、
自分にマッチする優良企業をご紹介
首都圏企業のES添削から面接対策まで、就活ならスタキャリ
この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、電通の就職難易度は「最難関レベル」です。広告業界のガリバーとしての圧倒的な知名度とブランド力、そして世の中に大きな影響を与えるクリエイティブな仕事内容から、毎年、極めて多くの優秀な学生が応募します。採用人数に対して応募者が殺到するため、競争は熾烈を極めるでしょう。
採用大学は難関大学が中心ですが、選考では学歴以上に「アイデアで課題を解決する力」や「周囲を巻き込む力」が問われます。エントリーシートや複数回の面接、グループワークを通じて、いかに自分ならではの視点と熱意を伝えられるかが内定獲得の重要な鍵となります。
電通について

出典:電通 新卒採用サイト|DENTSU INC. RECRUITING
電通は、持株会社である株式会社電通グループ傘下で、主に日本事業を担う事業会社です。クライアント企業のマーケティング活動全般を支援しており、広告コミュニケーションの企画・実施だけでなく、事業戦略の立案、DX支援、PR、イベント企画など、幅広いソリューションを提供しています。
近年では、単なる広告代理店から、企業の成長を包括的に支援する「Integrated Growth Partner(統合グロースパートナー)」への進化を掲げ、事業領域の拡大を加速させています。
各事業別の売上規模
電通グループの2023年12月期連結決算における収益(売上高)は、1兆4,109億円でした。事業セグメント別の収益は以下の通りで、海外事業が全体の約6割を占めるグローバルな収益構造となっています。
| 事業セグメント | 収益(売上高) |
| 日本事業 | 5,726億円 |
| 米州事業 | 3,808億円 |
| EMEA事業(欧州・中東・アフリカ) | 3,200億円 |
| APAC事業(アジア太平洋) | 1,214億円 |
出典:有価証券報告書
各事業セグメントの解説
電通グループの事業は、クライアントの成長を支援するための多様なサービスで構成されています。
| 事業部門 | 活動内容 |
| AX (Advertising Transformation) | メディアプランニングや広告クリエイティブの制作など、従来型の広告領域です。テレビからデジタルまで、あらゆるメディアを駆使したコミュニケーションを設計します。 |
| BX (Business Transformation) | 企業の事業戦略や商品開発、組織変革などを支援するコンサルティング領域です。クライアントのビジネスそのものの成長に貢献します。 |
| CX (Customer Transformation) | CRM(顧客関係管理)やECサイトの構築・運用、データ分析などを通じて、顧客体験の向上を支援します。デジタル技術を活用したサービスが中心です。 |
| DX (Digital Transformation) | AIや最新テクノロジーを活用し、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援します。プラットフォームの導入やシステム開発などを手がけます。 |
電通で働いている社員は?
平均勤続年数は?
株式会社電通グループの2023年12月31日時点での有価証券報告書によると、ホールディングス本体の従業員の平均勤続年数は14.1年です。
日本の企業の平均勤続年数である12.3年(厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」)と比較して長く、長期的なキャリアを築きやすい環境であることがうかがえます。
平均年収は?
2023年12月31日時点の有価証券報告書によると、株式会社電通グループ(持株会社)の従業員の平均年間給与は1,507万円です。国税庁の調査による日本の平均給与458万円をはるかに上回る、国内最高水準の給与です。
平均残業時間は?
電通は、平均残業時間に関する公式なデータを公表していません。過去には長時間労働が社会的な課題となりましたが、その後、全社を挙げて働き方改革を徹底。
現在はPCの強制シャットダウンやインターバル制度の導入など、労働時間の適正化が進められています。
平均ボーナス額は?
平均ボーナス額に関する公式データはありません。しかし、前述の極めて高い平均年収から、業績に連動して非常に高水準の賞与が支給されると推測されます。賞与は年2回(6月、12月)支給されるのが一般的です。
どんな文化なの?
電通には、個のクリエイティビティを尊重し、チームで大きな課題解決に挑む文化があります。「鬼十則」に代表されるようなハードワークのイメージがかつてはありましたが、現在は働き方改革が進み、より多様な働き方が許容される風土へと変化しています。
若手でも積極的にアイデアを出すことが奨励され、情熱と実行力があれば大きな仕事を任されるチャンスが多い、ダイナミックな環境です。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
電通は、博報堂DYホールディングスと共に日本の広告業界を二分する圧倒的なトップ企業です。近年は事業構造の変革を進め、新たな成長を目指しています。
日本国内事業の成長
景気の回復やイベントの再開などを背景に、テレビ広告をはじめとするマス広告が復調。また、デジタル広告市場の拡大も追い風となり、国内事業は安定した成長を続けています。
コスト・制御組織改革
グローバルレベルで事業構造の簡素化やコスト削減を進めています。これにより経営の効率化を図り、成長領域への投資原資を生み出すことで、収益性の改善を目指しています。
新領域サービス(DX・BX)の拡大
企業の課題が複雑化する中で、広告領域にとどまらないDX(デジタルトランスフォーメーション)やBX(ビジネストランスフォーメーション)の支援に対する需要が高まっています。
電通は、専門人材の採用やM&Aを積極的に進めることで、これらの新領域でのサービス提供を拡大しており、新たな収益の柱となっています。
競合他社との比較
広告業界では、長年にわたり博報堂DYホールディングスが最大の競合相手です。
| 会社名 | 収益 | 平均年収 | 就職偏差値 | 社風・強み |
| 電通グループ | 1兆4,109億円 | 1,586万円 | 70 | 圧倒的な業界トップ。マス広告とグローバル展開に強み。 |
| 博報堂DY HD | 9,467億円 | 1,157万円 | 69 | 「粒ぞろいより粒ちがい」。クリエイティビティと生活者発想が強み。 |
電通の新卒募集要項について
電通の新卒採用は、複数のコースに分かれており、自身のキャリア志向に合わせて応募する形式です。
| 各項目 | 詳細 |
| 採用コース | ビジネスプロデュース、マーケティング、デジタル、クリエーティブ、データテクノロジー、プロモーションなど |
| 業務内容 | 各コースの専門領域における、クライアントの課題解決に向けた企画立案、実行、プロデュースなど。 |
| 給与 | 月給 27万5,600円 |
| 賞与 | 年4回 |
| 研修制度 | 新入社員研修、年次別研修、選択型研修、海外研修など |
| 福利厚生 | 各種社会保険完備、時間単位での休暇取得制度、育児・介護休業制度、独身寮、保養所など |
求める人材
電通の採用サイトでは、明確な求める人物像は定義されていませんが、選考を通じて以下のような資質を持つ人材が求められていると推測されます。
- 課題解決への強い意志:クライアントや社会が抱える課題を自分ごととして捉え、解決のために粘り強く思考できる。
- アイデアと実行力:常識にとらわれない新しいアイデアを発想し、それを周囲を巻き込みながら形にできる。
- 知的好奇心と学習意欲:変化の激しい世の中の動きや新しいテクノロジーに対して、常に関心を持ち学び続ける姿勢。
- チームワーク:多様な専門性を持つ仲間と協力し、一人では成し遂げられない大きな成果を生み出す力。
新卒採用のフロー
電通の選考は、書類選考から始まり、複数回の面接やグループワークを経て内定に至る、人物重視のプロセスです。
複数回面接
エントリーシートやWEBテストによる書類選考を通過すると、複数回の個人面接が行われます。学生時代に何に情熱を注いできたか、なぜ電通なのか、入社して何をしたいのかなどを深く問われます。
グループワーク
複数人の学生で与えられた課題に対してディスカッションや共同作業を行い、成果を発表する形式です。論理的思考力や協調性に加え、チームの中でどのような役割を果たせるかが評価されます。
最終面接
役員クラスの社員との個人面接です。学生の人間性や将来性、そして電通への強い入社意欲が最終的に確認されます。以下のページも確認してぜひ内定を勝ち取ってください。
内々定
全ての選考プロセスを通過すると、内々定となります。
採用大学
電通の採用大学は、慶應義塾大学、早稲田大学、東京大学といった最難関大学が上位を占めています。
| <大学> 慶應義塾大学、早稲田大学、東京大学、京都大学、明治大学、東京工業大学、一橋大学、大阪大学、青山学院大学、上智大学、武蔵野美術大学、立教大学、筑波大学、駒澤大学、法政大学、同志社大学、北海道大学、東北大学、千葉大学、横浜国立大学、神戸大学、東京都立大学、立命館大学、東京理科大学、日本女子大学、東京工芸大学、デジタルハリウッド大学、多摩美術大学、学習院大学、芝浦大学、長崎県立大学、神戸市外国語大学、金沢美術工芸大学、北海道教育大学 |
出典:【就職難易度は?】電通の採用大学ランキング|学歴フィルター,倍率,選考フローも | 就活の教科書
採用人数に対して応募者が極めて多いため、結果的に高学歴層が中心となる傾向が強いです。しかし、クリエイティブ職などでは美大出身者も多く、学歴だけが合否を決めるわけではありません。重要なのは、選考で自分ならではの強みや個性を発揮できるかどうかです。
就職偏差値・難易度
これまでの情報を総合すると、電通の就職偏差値・難易度は「最難関レベル」と結論付けられます。その理由は以下の3点です。
- 業界の盟主としての圧倒的な人気:広告業界を目指す学生にとって最も魅力的な企業の一つであり、毎年応募が殺到します。
- 採用人数の少なさと超高倍率:採用人数は例年100名程度と少なく、内定獲得は極めて狭き門です。
- 思考力と人間性が問われる選考:エントリーシートから最終面接まで、一貫して論理的思考力、創造性、そして人間的な魅力が厳しく評価されます。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
さいごに
電通は、広告という枠組みを超え、アイデアとテクノロジーで企業や社会の課題解決に挑む、ダイナミックでクリエイティブな企業です。
その仕事は、世の中に大きな影響を与え、新しい価値を創造するという大きなやりがいに満ちています。就職への道は極めて険しいですが、社会をより良くしたいという強い意志と、それを実現するためのアイデアと情熱を持つ人にとって、最高の挑戦の舞台と言えるでしょう。この記事が、電通を目指す皆さんの企業研究の羅針盤となれば幸いです。





