【企業分析】豊田通商の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/5/31更新
はじめに
豊田通商は、日本の総合商社業界を代表する7大商社の一つです。
自動車関連事業を中心に、エネルギー、化学品、食品など多岐にわたる事業を展開しており、グローバルに事業を展開することで高い評価を得ています。
特に、再生可能エネルギーや循環型社会の実現に向けた取り組みなど、持続可能な社会の実現に貢献する活動が注目されています。
この記事では、豊田通商への就職を目指す就活生に向けて、企業研究のための基礎知識や社風、選考対策などを紹介します。
この記事は以下のような就活生を対象にしています。
- 豊田通商の就職偏差値や難易度はどのぐらいなの？
- 豊田通商で企業分析の参考になる情報を知りたい
- 豊田通商の選考フローや対策を教えてほしい
この記事が、豊田通商への就職活動を進める上でお役に立てれば嬉しいです。
また、総合商社以外の業界については下記の記事も参考にしてください。
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この記事の結論
豊田通商の就職難易度は非常に高いと考えられます。
総合商社は非常に多くの学生から人気があり、一流大学からの応募者も非常に多く競争が激しいです。
内定を獲得するためには、十分な準備と対策をして、自分の強みを最大限に活かして選考に臨む必要があります。
次の章からは、具体的な選考内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
豊田通商について
出典元：豊田通商株式会社
会社概要
豊田通商株式会社は、トヨタグループの総合商社として、広範な事業分野でグローバルに展開する企業です。
1948年の設立以来、国内外での事業拡大を続け、幅広い分野で価値を提供しています。
豊田通商の主要な事業は次の通りです。
- モビリティ：豊田通商は、自動車部品の調達・供給から販売までの幅広いサービスを提供しています。特に、トヨタグループの一員として、世界中の自動車メーカーや部品メーカーと強固なネットワークを築いています。
- 機械・エレクトロニクス：産業機械、建設機械、そしてエレクトロニクス分野における高度な技術とノウハウを活かし、各種機械の販売・サービスを行っています。
- エネルギー・化学品：化学品、石油製品、再生可能エネルギー分野において、多岐にわたる製品とサービスを提供。特に、環境に配慮したエネルギーソリューションの開発に注力しています。
- 食品・生活資材：食品の輸出入、流通から販売までを手掛け、生活関連商品の多様なニーズに応えています。食品安全性や品質管理に徹底的に取り組んでいます。
豊田通商の強みは、各事業分野における深い専門知識とグローバルなネットワーク、そしてトヨタグループの一員としての強固なバックグラウンドにあります。
これにより、顧客に対して信頼性の高いサービスとソリューションを提供できる点が大きな強みです。
各事業別の売上規模
豊田通商の2024年3月期通期実績は、収益10兆1,889億円（前年比 3%増）、税後利益3,314億円（前年比17%増）でした。
また、事業別の実績（税後利益）は次の通りです。
- アフリカ事業：691億円（前年比90.0％増）西アフリカ地域を中心に自動車販売会社の取扱台数が増加。
- 金属事業：607億円（前期比-21％）自動車生産関連の取り扱い増加に注力する一方で、市況の下落が影響。
- モビリティ事業：559億円（前年比22.3％増）欧州を中心に海外自動車販売会社の取扱台数が増加。
- 化学品・エレクトロニクス事業：550億円（前年比14.8％増）エレクトロニクス事業や自動車材料事業における自動車生産関連の取り扱い増加。
- グローバル部品・ロジスティクス事業： 455億円（前年比32.6％増）日本、北米を中心に自動車部品の取り扱い増加。
- 機械・エネルギー・プラントプロジェクト事業：279億円（前年比14.3％減）欧州電力価格の下落が影響。
- 食料・生活産業事業：118億円（前年比23.8％増）南米食料事業における輸送費負担の減少などが影響。
豊田通商は、各事業分野で堅実な成長を遂げています。特にグローバル部品・ロジスティクス、モビリティ、化学品・エレクトロニクスの分野で顕著な売上増加を達成し、持続的な成長を続けています。
各事業セグメントの解説
豊田通商の事業別セグメントは以下の通りです。
| 事業名 | 説明 |
| アフリカ事業 | 豊田通商はアフリカ市場において広範なビジネスを展開しています。自動車販売や部品供給に加え、インフラ整備、農業支援、ヘルスケアなど、多岐にわたる分野で活動しています。 |
| 金属事業 | 金属製品の製造、加工、販売を行い、主に自動車産業や建設産業に供給しています。 |
| モビリティ事業 | 自動車および関連サービスを提供する事業です。トヨタ自動車を中心に、自動車の生産、販売、アフターサービスを展開しています。 |
| 化学品・エレクトロニクス事業 | 化学品の製造・販売やエレクトロニクス製品の開発・供給を行っています。エネルギー、医薬品、IT関連製品など多岐にわたります。 |
| グローバル部品・ロジスティクス事業 | 自動車部品の供給チェーンを管理し、効率的な物流サービスを提供しています。 |
| 機械・エネルギー・プラントプロジェクト事業 | 産業機械の販売やエネルギープロジェクトの推進、プラント建設などを行っています。 |
| 食料・生活産業事業 | 食料品の生産・販売、消費財や医薬品の供給を行っています。生活の質を向上させる商品やサービスを提供しています。 |
豊田通商で働いている社員は？
平均勤続年数は？
豊田通商の平均勤続年数は17. 2年です。
総合商社業界の平均勤続年数は約18年になるため、同程度といえるでしょう。
平均年収は？
豊田通商の平均年収を有価証券報告書で調べたところ約1,180万円でした。
日本の平均給与は458万円になるため、大幅に上回っています。
ただ、大手総合商社の給与水準は高く約1,100〜1,500万円になるため、同程度といえるでしょう。
平均残業時間は？
豊田通商の月平均所定外労働時間は21.8時間です。
厚生労働省が公表している、「一般労働者の月平均残業時間」は13.8時間になるため、残業時間は多いといえます。
平均ボーナス額は？
豊田通商のボーナス額は公表されていませんでしたが、ボーナスは年2回、7月と12月に支給されます。
国税庁の民間給与実態統計調査によると、平均年収に占める賞与の割合が約16%でした。
あくまで参考程度になりますが、豊田通商の平均年収から考えると約189万円になります。
どんな文化なの？
豊田通商は「人・社会・地球との共存共栄を図り、豊かな社会づくりに貢献する価値創造企業」を目指しています。
この基本理念の下「Be the Right ONE」を掲げ、ステークホルダーに対して最適なサービスを提供し、持続可能な社会と未来を切り拓くことを追求しています。
また、豊田通商の行動指針は以下の通りです。
- オープンでフェアな企業活動：透明性の高い企業活動を通じて信頼を築きます。
- 社会的責任の遂行と地球環境の保全： 持続可能な社会の実現に向けた取り組みを重視します。
- 創造性の発揮と付加価値の提供：常に革新を追求し、高い付加価値を提供します。
- 人間尊重と働きがいのある職場づくり：多様性を尊重し、全従業員が活躍できる職場環境を整備します。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
豊田通商は、日本の7大商社の一つです。
豊田通商は幅広い事業分野でグローバルに展開しており、特に自動車関連事業で強みがあります。
豊田通商は、トヨタグループの一員として、自動車部品の調達・供給から販売まで幅広いサービスを提供しています。
参考に商社の競合7社の情報をまとめました。
| 会社名 | 売上高 | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 特徴 |
| 三菱商事 | 19,5兆円 | 1,500万円 | 67 | インフラ事業やエネルギー事業で存在感がある |
| 伊藤忠商事 | 14兆円 | 1,400万円 | 65 | 繊維業や食料品、ICT分野での多角的な事業展開 |
| 三井物産 | 13,3兆円 | 1,400万円 | 66 | 化学品やエネルギー、金属・機械事業での強み |
| 豊田通商 | 10,1兆円 | 1,180万円 | 60 | 自動車関連事業を中心に多様な事業分野で活動 |
| 丸紅 | 7,2兆円 | 1,300万円 | 64 | 電力・プラント事業や物流、ヘルスケア分野での広範な事業展開 |
| 住友商事 | 6,9兆円 | 1,300万円 | 65 | ICTやメディア、モバイル分野への参入 |
| 双日 | 2,4兆円 | 1,100万円 | 60 | 新興市場への積極的な参入と多岐にわたる事業分野 |
豊田通商の新卒募集要項について
豊田通商の募集内容を以下にまとめました。
豊田通商は世界中で事業を展開しており、海外赴任や海外研修の機会が豊富です。新卒社員にもグローバルな視点でのキャリア形成が期待されます。
さらに、新入社員向けの充実した研修プログラムがあり、特に、トヨタグループのネットワークを活かした専門的なトレーニングが受けられます。
| 各項目 | 詳細 |
|---|---|
| 職種 | グローバル職 |
| 給与 | 四年制大学卒：月給 285,000円（※2024年3月現在） 大学院・六年制学部卒：月給 305,000円（※2024年3月現在） |
| 賞与 | 年2回（7月・12月） |
| 研修制度 |
|
| 福利厚生 | 借上げ独身寮・社宅、保養宿泊施設、会員制リゾートクラブ、各種チケット割引、社内クラブ活動、WELBOX法人会員（会員制福利厚生サービス）、カフェテリアプラン制度 ほか |
求める人材
豊田通商では「豊田通商グループウェイを体現できる人材」を求めています。
豊田通商グループウェイは、豊田通商の全従業員が共有すべき価値観と行動原則を示したものです。
豊田通商の基本理念を実現し、ビジョンを達成するための指針となっています。
具体的には次の通りです。
- 不屈の精神：何が何でもやり遂げる気概と最後まで絶対に諦めない粘り強さ。目標達成に対する強い情熱。
- 進取の精神：高い志と自由な発想により、時流を先取りする。顧客を一歩先へと導く機能や事業づくりを目指す。
- 真のニーズの追究： 現地に足を運び、現物を見て、現実を直視することで、正しい判断を行う。
- PDCAの実践： 現実の本質を見極め、固定観念にとらわれず、常に問題を表面化させ、改善・改革・革新を行う。
- 個のパワー：自らの課題を設定し、自立・自律的に達成する。プロとしての自覚を持ち、自己の能力向上に努める。
- チームワーク： 対話を重視し、知恵を出し合い、共鳴・協働することで信頼関係を構築する。全体最適の視点で物事を実行する。
また、豊田通商が求める人材の特性とグループウェイの価値観・行動原則は密接に関連しています。
- グローバルな視点と語学力：進取の精神や現地・現物・現実の理念は、グローバルな視点を持ち、現地のニーズを理解するために必要な特性です。語学力を活かし、多様な文化に適応できる人材が求められます。
- チャレンジ精神と創造性：不屈の精神や進取の精神に基づき、常に新しいことに挑戦し、革新的なアイデアを生み出すことが期待されます。これらの精神が豊田通商の成長を支えています。
- 協調性とチームワーク：チームパワーの要素は、協調性とチームワークの重要性を強調しています。個々の力を最大限に発揮し、チーム全体で高い成果を生み出すことが求められます。
- 高い倫理観と社会貢献意識：真のニーズの追究や社会的責任の遂行といった要素は、高い倫理観と社会貢献意識を持つことの重要性を示しています。持続可能な社会の実現に向けて積極的に取り組む姿勢が求められます。
- 専門性とプロフェッショナリズム：個のパワーの強調は、専門的な知識とスキルを持ち、高いプロフェッショナルを発揮することを示唆しています。継続的な学びと自己研鑽が重要です。
新卒採用のフロー
豊田通商の選考フローは下記の通りです。
①新卒エントリー
豊田通商の公式サイトの新卒エントリーボタン、またはマイナビよりWEBエントリーをします。
②書類選考（エントリーシート）
書類選考としてエントリーシートの提出が必要です。
過去のエントリーシートの問題は次の通りです。
- あなたの将来の夢や目標は何ですか。そのうえで豊田通商を志望する理由は何ですか。
- あなたを一言で表してください。
エントリーシートの問題数は多くありません。
事前に自己分析と企業分析をしたうえで臨みましょう。
また、通過しやすいエントリーシートのポイントは次の通りです。
- PREP法を使う：
結論（Point）、理由（Reason）、具体例（Example）、再度結論（Point）の順番で文章を書くとまとまりやすいです。 - 企業研究を志望理由に反映させる：
豊田通商のビジョンや価値観を理解し、エントリーシートに反映させることが重要です。 - 自分の強みをどのように活かせるか説明する：
過去の経験や実績を具体的に示し、それがどのように豊田通商での業務に貢献できるかを説明します。 - 簡潔に要点をまとめる：
長々とした文章ではなく、要点を絞って簡潔にまとめることが重要です。
エントリーシート対策には以下の記事も参考にしてください。
③筆記試験
豊田通商の筆記試験はWEBで行われます。
試験科目は次の通りです。
- 言語
- 非言語
- 英語
- 構造把握
- 性格診断
内容は一般的なSPI試験になります。
対策としては、SPI試験の対策本を購入し、各科目の問題を解いて慣れることが重要です。
④面接※複数回実施
筆記試験を通過すると、面接試験になります。
面接回数は３次面接まで行われ、学生1人と役員複数人の個別面接のようです。
雰囲気も和やかに進むことが多いです。
以下に口コミで確認できた質問事項を紹介します。
- 志望動機
- ガクチカ
- なぜ総合商社を選ぶのか
- 部活＋アルバイト＋研究活動で行った事とその成果
- 就活の軸
- 現在の就活の状況
- 自分の強み
質問は基本的なものが多いため、あらかじめ対策をすれば答えるのは難しくないでしょう。
企業研究を徹底的にして、豊田通商のビジョンや事業内容、企業文化について具体的に理解し、自分の価値観やキャリアビジョンとどのように一致するかを考えておきましょう。
また、口コミを見ると答えに対して深掘りされる事が多いようです。
深掘り対策としては、自分の強み・弱み、価値観、これまでの経験を深く理解しておくことが重要です。
面接対策については、以下のページも参考にして対策をしてください！
⑤内定
複数の面接を突破すると内定です。
採用大学
豊田通商の採用大学は次の通りです。
難関大学からの採用実績もありますが、中堅大学や地方大学など幅広く採用していることから学歴フィルターはないといえます。
| ＜大学＞ 青山学院大学、大阪大学、大阪市立大学、大阪府立大学、岡山大学、金沢大学、関西大学、関西学院大学、九州大学、京都大学、近畿大学、慶應義塾大学、神戸大学、滋賀大学、上智大学、静岡大学、千葉大学、中央大学、筑波大学、津田塾大学、東京大学、名古屋大学、北海道大学、横浜国立大学、横浜市立大学、立教大学、立命館大学、早稲田大学 |
就職偏差値・難易度
ここまでの内容を踏まえて、豊田通商の就職偏差値・難易度は非常に高いといえます。
理由として以下の3点です。
- 7大商社の人気は高く、競争が激しい
- 一流大学からの採用実績も多く、応募者のレベルが高い
- 給与や福利厚生など待遇面が充実している
総合商社は幅広い事業分野を持ち、グローバルに展開しているため、非常に多くの学生から人気があります。
特に商社の中でも規模が大きく、給与や福利厚生も良いため応募者数が多く競争が激化します。
さらに、豊田通商は一流大学からの採用実績が多く、応募者のレベルが非常に高いことが特徴です。
東京大学、京都大学、一橋大学、早稲田大学、慶應義塾大学など、国内外のトップレベルの大学からの応募者が集まります。
選考プロセスにおいて高い基準での競争が予想できます。
就職偏差値・難易度についてもっと知りたい方は、以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
豊田通商は、業界内で高い評価と確固たる地位を築いている企業であり、その就職偏差値・難易度も非常に高いです。
豊田通商は「人・社会・地球との共存共栄を図り、豊かな社会づくりに貢献する価値創造企業」を基本理念として掲げ、さまざまな事業領域で活動しています。
自動車関連事業やエネルギー、化学品、食品など多岐にわたる事業分野を持ち、クライアントの成功を支援しながら、社会に対して積極的に貢献してきました。
特に、環境問題への取り組みや再生可能エネルギーの推進に注力しており、グローバルな視点で持続可能な社会の実現を目指しています。
豊田通商の内定を獲得するためには、企業研究を徹底し、自分自身の価値観や経験を明確に伝えることが重要です。
企業のビジョンや取り組みに共感し、具体的にどのように貢献できるかを示すことが選考を通過する鍵となります。
十分な準備と対策を行い、選考に臨んでください。
