【企業分析】竹本油脂の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/4/18更新
はじめに
竹本油脂株式会社とは、1725年(享保10年)より愛知県蒲郡市にて創業された日本最古の製油業者です。
約300年もの長い歴史の中で、ごま油を中心に製造販売をしてきました。
その製造過程にて培われたノウハウを活かしながら、現在では、界面活性剤なども生産し、繊維用の化学品の分野でも認知されています。
紡糸用油剤では世界シェア50%を誇る企業です。
本記事は、竹本油脂への就職を志望する就活生に向けた企業分析です。
竹本油脂の主な事業内容、新卒選考フロー、就職難易度・偏差値などを中心とした、選考対策ポイントについて解説していきます。
スペシャルケミカルの研究開発型企業とされる、竹本油脂の選考対策の参考としてご覧いただくとよいでしょう。
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この記事の結論
竹本油脂株式会社は、Aランクに位置する難易度高めな企業です。
採用大学は、国公立、六大学や地方の大学など、幅広い採用実績があります。
学歴フィルターはありませんが、理系学部および大学院卒を採用する傾向です。
創業はかなり古く、約300年経過しています。
そのため、伝統を誇示する部分が強いです。
地方の有数のホワイト企業としてもランキングされています。
選考対策としては、自己分析をしながら学生時代の研究テーマについて明確なアピールをすることが大切です。
新卒の応募枠は化学品研究開発総合職、化学品研究開発補助職、一般事務職の2種類です。
採用情報は公式ホームページのマイページ、マイナビ、リクナビを閲覧してチェックしながらエントリーしてみましょう。
竹本油脂について
出典元
会社概要
竹本油脂株式会社は、1725年創業の食品および化学品総合メーカーです。
創業より300年の長い間、菜種、綿実油の搾油業として食用ごま油の製造を続けている老舗ともいえます。
長い歴史と文化の変革に合わせながら、今では化学品業界にも進出し始めました。
ごま油の製造過程で生じる油脂から界面活性剤の製造方法を見出し、今ではスペシャリティ・ケミカルの研究開発型企業として、TAKEMOTOブランドの化学製品は、世界中でも認められています。
拠点は東京、大阪、福岡といった国内に限らず、中国、インド、台湾、アメリカにも及んでいる企業です。
各種界面活性剤の製造から応用された化学繊維のための繊維処理剤が高い評価をされ、現在では世界シェアの50%を占めるほど成長を遂げています。
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各事業別の売上規模
年度 | 総売上高 |
2018年 | 738億円(前年より+43億円) |
2019年 | 746億円(前年より+8億円) |
2020年 | 711億円(前年より-35億円) |
2021年 | 934億円(前年より+223億円) |
2022年 | 1,021億円(前年より+87億円) |
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竹本油脂の2022年度の総売上は、1,021億円で前期比の+87億円となりました。
非上場企業のため、各セグメントごとの細かな情報は非公開となっています。
そのため、各事業セグメントに関する業績などのデータ詳細は不明です。
セグメントは大きく2つの事業に区分されていると考えられるでしょう。
ごま油関連事業は、300年続く企業の顔ともいえる製品「マルホン胡麻油」「太白胡麻油」の製造販売を中心に展開しています。
現在、マルホン胡麻油は年間約5万トンもの胡麻を原材料に、生産を続けるベストセラーです。
一方、近年の動きとして特徴的なのがもう一つの事業セグメントで、著しい成長を遂げています。
化学品事業はさらに細分化され「繊維工業用化学品」「土木建築用化学品」「電子・情報材料用化学品」「農業用化学品」「合成樹脂・フィルム用化学品」の5つの項目で展開中です。
中でもトップクラスのシェアを誇り、世界の繊維産業を支えているのが繊維工業用化学品の分野で、常に新しい機能を持った合成繊維の開発に携わっています。
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各事業セグメントの解説
竹本油脂の主な事業セグメントは以下のような内容です。
事業名 | 活動内容 |
ごま油関連事業 | 伝統的な菜種、綿実の搾油による食用油の製造販売 |
化学品事業(繊維工業用) | 合成繊維の安定供給や新機能合成繊維の開発用コーティングケミカルの製造開発 |
化学品事業(土木建築用) | 国産第1号のコンクリート用化学混和剤の製造および、土木・建築業界全体のサポート |
化学品事業(電子・情報材料用) | 電解メッキ用改質剤、写真印刷用薬剤などの最先端の技術の提供 |
化学品事業(農業用) | タブレットによる田んぼの害虫駆除用化学品を中心に、各種農業用化学加工品の製造開発 |
化学品事業(合成樹脂・フィルム用) | 自動車、家電など日用品、食品梱包材で使用する樹脂部品の製造開発 |
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竹本油脂は、以下の2つのセグメントで事業展開しています。
さらに、化学品事業については、5つの分野にて広く事業展開中です。
ごま油関連事業では、初代の製法を守り抜いて300年経過しています。
圧搾製法にこだわった国内有数の胡麻油を製造する部門です。
年間約5万トンの胡麻を使用する商品「マルホン胡麻油」や、天ぷら用の揚げ油として人気がある「太白胡麻油」などを製造販売しています。
繊維工業用化学品の分野では、ごま油製造の過程にて産出される油脂を利用し、繊維用処理剤を独自に開発しました。
現在では、竹本油脂の売上を支える重要なポジションとなっています。
世界の繊維メーカーからの大きな信頼を得ている部門です。
土木建築用化学品の分野では、国産で初となるコンクリート用化学混和剤の開発に成功し、時代のニーズとともに新製品を登場させる技術力を誇ります。
今では従来のコンクリートの約10倍を超える耐久性のある製品も作っている部門です。
電子・情報材料用化学品では、近年急激に需要が高まっている情報機器用の素材のために、導電性高分子材料、半導体関連薬剤、液晶ディスプレイ用薬剤、写真・印刷用薬剤などを製造しています。
農業用化学品では、安全と観光保護の名の下に、害虫駆除剤や除草剤などの新商品の製造をする部門です。
合成樹脂・フィルム用化学品の分野は、日用品やテレビ・スマホの画面に欠かせない合成樹脂、フィルムなどの新開発のための事業として展開しています。
以上のように、竹本油脂で作られる製品は、現代人にとって必要性の高い商品・サービスに関連した素材で、縁の下から支えるような役目を果たすものばかりです。
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竹本油脂で働いている社員は?
ここでは、竹本油脂で働いている社員の実態について詳細を紹介します。
平均年収、平均勤続年数、賞与、社風などの文化的側面といった、就活生が気にする社内の様子を解説していきましょう。
平均勤続年数
竹本油脂の平均勤続年数は15. 1年と公表されています。
一般的な化学メーカー業界の平均勤続年数は15. 4年となっているため、竹本油脂の定着率は、ほぼ標準的であることがわかるでしょう。
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平均年収
竹本油脂の平均年収は663万円とされています。
「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収が443万円とされ 、dodaによる平均年収ランキングでの化学メーカー業界の平均年収が、475万円という結果になりました。
これらのデータからでも、平均値より高い水準にあることが分かります。
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平均残業時間
竹本油脂のホームページによれば、平均残業時間は月12. 5時間程度です。
化学メーカーの平均残業時間は14.8時間とされているので、平均よりやや少ないことになります。
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平均ボーナス額は?
竹本油脂のボーナス平均金額は130万円とされています。
業界平均では104万円なので、26万円程高い金額です。
竹本油脂の収入面は、かなり充実した設定にしていると考えられます。
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どんな文化なの?
竹本油脂は、創業より300年の歴史を誇る地方の老舗企業です。
そのため、組織運営はかなり古風で年功序列型企業といえます。
ペースはゆっくりで、比較的安定した日課をこなすような社風です。
近年では、若い社員の意見を導入することや、産休制度の充実など女性の働きやすい職場を目指して実現させています。
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就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
竹本油脂の就職偏差値・難易度および業界での立ち位置は、以下のようになります。
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
竹本油脂株式会社 | 1,021億円 | 約663万円 | 65 Aランク | 老舗の伝統的な企業体制。福利厚生の充実を目指している |
株式会社フジミインコーポレーテッド | 583億円 | 約1,086万円 | 58 Bランク | 給与面の待遇が良い |
日油株式会社 | 1,726億円 | 約745万円 | 58 Bランク | 経済産業省「健康経営優良法人2019~ホワイト500~」に認定 |
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竹本油脂の就職偏差値および難易度は、化学メーカー業界全体では偏差値65のAクラスと判断できるでしょう。
同業他社中にて、平均よりも上と考えられます。
ほぼ同じ位置に属するのがフジミインコーポレーテッドと日油の2社です。
偏差値の数値上では、どちらも60以下でBクラスではありますが、竹本油脂とほぼ同位置に準じた条件であると思われます。
大きな変動もなく毎年ぶれない採用をする企業
竹本油脂の新卒採用の特徴は、採用人数も含めて全く変動を見せない点です。
数値的には公表されていませんが、採用倍率はかなり高くなる予想ができます。
ここ数年の採用人数も、11名という数値を崩していません。
当面は人事的にも安定している企業なので、大きな革新をすることはないといえます。
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竹本油脂の新卒募集要項について
竹本油脂の新卒応募は、ホームページにて採用専用ページを設けています。
新卒採用の志望をする場合は、事前にチェックしてマイページ登録を忘れずにおこないましょう。
スペシャリティケミカルの各事業分野で活躍できる人材を広く求めています。
竹本油脂株式会社での新卒募集要項は、以下の2通りで実施される予定です。
化学品 研究開発総合職
職種 | スペシャリティケミカルの各事業分野での技術開発、製品開発。 顧客の多種多様な課題解決に向け、研究開発、試作提案、試験、評価、製品化まで幅広く関わる業務。 |
給与 | 院了/275,000円 |
賞与 | 年2回(6月・12月) |
勤務形態・福利厚生 | 休日休暇: 完全週休2日(土/日)、祝日※年1〜2回土曜出社あり 夏季、年末年始、GW、年次有給、慶弔休暇、特別休暇(結婚) ※年間休日122日 諸手当: 特殊勤務手当(会社が認めた職務)、家族手当、資格職責手当(会社が認めた資格)、残業手当、交通費全額支給(車通勤可) 社会保険完備(雇用・健康・労災・厚生年金)、退職金、確定拠出年金、財形貯蓄、資格取得(全額負担/会社が認めた資格のみ)、産休・育児休暇(取得実績あり)、育児・介護時短勤務制度、社宅、制服貸与、クラブ活動、旅行費用補助金(使用用途は旅行に限定していない)、有給休暇積立制度、永年勤続表彰 ※職種、勤務地によって若干異なる |
化学品 研究開発補助職、一般事務職
職種 | スペシャリティケミカルの各事業分野での研究開発補助、試作品や製品の検査分析・評価業務。 化学品の販売に関する仕様書や資料作成のサポート、商品の受発注、請求書・伝票などの作成。 |
給与 | 四大卒/209,700円 |
賞与 | 年2回(6月・12月) |
勤務形態・福利厚生 | 休日休暇: 完全週休2日(土/日)、祝日※年1〜2回土曜出社あり 夏季、年末年始、GW、年次有給、慶弔休暇、特別休暇(結婚) 諸手当: 特殊勤務手当(会社が認めた職務)、家族手当、資格職責手当(会社が認めた資格)、残業手当、交通費全額支給(車通勤可) 社会保険完備(雇用・健康・労災・厚生年金)、退職金、確定拠出年金、財形貯蓄、資格取得(全額負担/会社が認めた資格のみ)、産休・育児休暇(取得実績あり)、育児・介護時短勤務制度、社宅、制服貸与、クラブ活動、旅行費用補助金(使用用途は旅行に限定していない)、有給休暇積立制度、永年勤続表彰 ※職種、勤務地によって若干異なる |
参照ページ
求める人材
竹本油脂が求める人材像は、公式ホームページ採用欄のFAQに掲載されています。そこには、「何事にも興味と好奇心を持って自ら取り組む方、ご自身の自由度の高さを保ちながらも関係する方々と協力し尊重し協力し合う方を求めています。」と書かれて公開中です。
自分から新しいアイデアを出しながら、試そうとする姿勢がまず大切です。
ただし、300年の歴史がある老舗企業でもあるため、完全にイメージから外れるような斬新さは難しいかもしれません。
そこで、尊重し協力しあえる協調性も備えた人物である必要があります。
募集要項でも書かれていますが、採用枠はほぼ9割近くが理数学部出身者以上です。
技術や研究などに従事するため、大学院卒、理数系学部を数名採用し、文系学部生は、採用してもせいぜい1名程度でしょう。
採用枠が毎年10人に満たないため、競争倍率がかなり高くなっていきます。
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新卒採用のフロー
マイナビ2025に掲載されている内容によれば、竹本油脂の新卒採用のフローは、概ねで以下のような流れになるでしょう。
- エントリー
- 適性検査
- 複数回面接
- 内々定
①エントリー
竹本油脂への採用応募は、まずエントリーから始まって、書類選考へと移ります。
プレエントリーの際は公式ページのエントリーフォームよりマイページへの登録、もしくは、マイナビ2025などからおこないましょう。
日頃からホームページ、マイナビ、リクナビなど各サイトをこまめにチェックしておく必要があります。
エントリーシートにて聞かれる質問は、いかにも理数系学部生向けの内容で、学生時代の研究テーマなどは頻繁に質問しています。
他にも、一定のキーワード(「挑戦」「変化」「努力」「成長」の4つ)を用いて、過去の印象的なエピソードを語るよう指示する場合もあります。
企業研究や自己分析をしておくことは当然ながら、自分らしい考え方を論理的思考に基づいて説明できるようにしておきましょう。
②適性検査
筆記試験もしくはSPIなどのWeb試験が実施される予定です。
➂複数回面接
詳細は公開されていませんが、一次面接は集団面接になる可能性があります。
二次選考についても詳細は不明ですが、部長面接をおこなったという口コミが特徴的です。
最終の三次面接で、役員面接をおこないます。
④内々定
複数回の面接を通過して内々定が決まります。
内訳は非公開です。
属性としては全学部・全学科の学生を対象としていますが、あくまでも表向きだと思ったほうが良いでしょう。
毎年の採用者は、技術へ直結できる即戦力を見込んで、理数系学部以上、もしくは理系大学院卒に注目しています。
それでも採用枠が10名弱なので、かなり厳しい選考倍率が予測できます。
参照ページ
採用大学
竹本油脂の採用大学実績校の細かい情報は、ホームページにて公開されています。以下のような大学から採用しているようです。
愛知大学、愛知教育大学、愛知県立大学、愛知淑徳大学、石川県立大学、京都大学、岐阜大学、静岡大学、信州大学、中京大学、中部大学、東京農工大学、東京理科大学、東北大学、豊橋技術科学大学、名古屋大学、名古屋工業大学、名古屋市立大学、南山大学、北海道大学、三重大学、名城大学、山形大学、山口大学 |
国公立・早慶上智レベルの大学を中心に、全国のあらゆる大学からの採用実績を持っています。
学歴フィルター自体は存在しないようですが、あきらかに一定レベル以上の偏差値の大学、しかも理数系学部卒以上の採用が中心です。
採用大学のランクに関しては以下の記事を参考にしてください。
【徹底解説】学歴フィルターはどこから?実態(エピソード)と突破方法
参照ページ
就職偏差値・難易度
竹本油脂の就職偏差値や難易度は、かなり高いものだと考えられるでしょう。
偏差値としてもAランクに属し、60以上は確実にあると考えられます。
非上場企業であることで、正確な情報が公開されていないのがデメリットですが、難関企業の一つとして受け取ってもよいでしょう。
竹本油脂の新卒採用の特徴としては、以下の3点が考えられます。
- 大学院卒から採用していく傾向
- 毎年の募集枠は10名前後
- 地方のホワイト企業として認識
創立300年を越える経験値があるので、厳しい時代を乗り越えた強さと、古い気質も残っています。
新しいチャレンジを求めつつも、伝統に基づいた考え方を堅実に守っている企業です。
採用を志望する場合は、企業の社風を理解した上で、どのようなところで個性を発揮し改革できるのかなどを、エントリーシートでアピールしてみましょう。
参照ページ
まとめ
胡麻油の製油業からスタートし、現在では界面活性剤の製造を中心に化学メーカーとしても成長を遂げている竹本油脂の、新卒採用に向けた選考対策について紹介してきました。
採用基準についても詳しい情報が公開されていませんが、学歴フィルター自体は存在しないと思われます。
ただし、研究職や技術職としての業務が期待されることから、大学院卒や理数系学部卒からの採用をメインにしているのが特徴です。
当初から採用条件として、理系学部以上と考えています。
竹本油脂への採用を志す就活生は、企業分析・自己分析をしながらチャレンジしてみてはいかがでしょうか。