【企業分析】荒川化学工業株式会社の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/4/17更新
はじめに
荒川化学工業株式会社は明治9年に創業した天然樹脂ロジン(松やに)を主原料とする中間素材を製造している化学メーカーです。
製紙用薬品、印刷インキ用樹脂、粘着・接着剤用樹脂、電子材料といった中間素材を製造しており、東証プライム市場にも上場しています。
今回は、そんな荒川化学工業株式会社の企業研究を行うための基礎知識や社風、選考対策などをご紹介していきます。
荒川化学工業株式会社への就職に興味がある以下のような就活生を対象に、企業分析を行っていますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 荒川化学工業株式会社の仕事内容が気になる
- 荒川化学工業株式会社の就職難易度を知りたい
- 荒川化学工業株式会社の選考対策として何をすれば良いかわからない
また、機械業界以外の業界については以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、荒川化学工業株式会社の就職難易度は低いと言えます。
荒川化学工業株式会社は、各社が発表している企業入社難易度ランキングには企業名が入っていませんでした。
また同社はさまざまな偏差値帯の大学から採用実績があるため、学歴フィルターはなくどの学生でも平等にチャンスがあると考えられます。
新卒の場合は入社してすぐに新入社員研修を行い、社会人の一般常識やビジネスマナーを学んだ後、各配属先で職場内研修・ 実習を実施するのが通例です。
理系大学院卒は総合職で、初期配属は研究開発職・生産技術職、文系・理系学部生は総合職で、初期配属は営業職・スタッフ職を担当することになります。
研究開発職は業界最高の技術力を学びながら新製品の開発や基礎研究を行い、生産技術では生産性向上を狙って新たな生産プロセスの開発や、新規プラントの立上げなどを実践します。
次の章からは、各内容やその他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。
荒川化学工業株式会社について
出典元 公式サイト
会社概要
荒川化学工業株式会社は、荒川化学天然樹脂ロジン(松やに)を中心とした中間素材を製造している化学メーカーです。
製紙用薬品、印刷インキ用樹脂、粘着・接着剤用樹脂、電子材料の中間素材の提供を通じて、人々の暮らしを支えています。
同社の特徴は、常に新しい技術や製品の開発に注力しており、研究開発への投資を重視していることです。
積極的な開発への投資で、日本だけでなく世界で通用する製品を作り出すため、日々研究に勤しんでいます。
紙の強度を上げる紙力増強剤やインキのにじみを防ぐサイズ剤においては国内トップクラスのシェアを誇り、同業界の中でも圧倒的なポジションを築いている企業です。
参照ページ 荒川化学工業株式会社
各事業セグメントの解説
荒川化学工業株式会社の主な事業セグメントは以下の通りです。
事業部門 | 活動内容 |
機能性コーティング事業 | 光硬化型樹脂「ビームセット」・書籍などのオフセット印刷・出版・レトルト食品などの包装に用いる印刷インキ用樹脂・塗料やフィルムコーティングに用いる樹脂・剥がれやすくする剥離紙用離型剤の製造 |
製紙・環境事業 | 紙力増強剤・インキのにじみを抑えるサイズ剤の製造 |
粘接着・バイオマス事業 | 重合用乳化剤・チューインガムの噛み心地を良くするエステルガム・水素化石油樹脂「アルコン」・超淡色ロジン「パインクリスタル」の製造 |
ファイン・エレクトロニクス事業 | 機能部品洗浄剤「パインアルファ」・ポリイミド樹脂「PIAD」の製造 |
全従業員中の研究職の割合は37.5%と、約5人に2人が研究職であることも同社の特徴のひとつ。
研究開発企業として成長を続けるために人材投資にも注力しており、さまざまな分野で研究成果を出しています。
参照ページ 荒川化学工業株式会社|採用サイト
荒川化学工業株式会社で働いている社員は?
平均勤続年数は?
荒川化学工業株式会社の平均勤続年数は、2022年度で17.5年です。
2021年3月時点の大手化学メーカーの平均勤続年数は、三菱ケミカルが17.6年、富士フィルムが18.1年、積水化学工業が14.3年、住友化学が15.5年のため、業界の中では平均的な年数です。
また日本人の平均勤続年数は12.1年なので、ほかの業界と比較すると長いと言えるでしょう。
平均年収は?
荒川化学工業株式会社の平均年収は、2023年時点で約694万円です。
これは国内の上場企業の平均年収(614万円)や、化学メーカーの平均年収(475万円)を上回っています。
平均残業時間は?
荒川化学工業株式会社の従業員の平均残業時間は、1ヵ月あたり14.3時間程度です。
化学メーカーの平均残業時間は14.8時間なので、平均よりも残業時間が短くなっています。
同社では毎週指定日をノー残業デーとし、ワークライフバランスの充実を目指しているなど柔軟な働き方への環境整備を行っています。
平均ボーナス額は?
荒川化学工業株式会社の平均ボーナス額は115万円です。
化学メーカーの平均ボーナス額は104万円であることから、11万円ほど高い金額です。
どんな文化なの?
荒川化学工業株式会社で働く社員の口コミによると、社員同士の交流が活発で若手の部門をまたいでの交流もあるようです。
そのため、風通しが良い企業でのびのびと働きたい人にもおすすめの企業と言えるでしょう。
なお、荒川化学工業株式会社のような化学メーカーでは、中間素材を製造する際にはプロジェクトごとにチーム単位で研究・開発することが多いです。
技術職の他にも部署を超えた連携をする機会も多いため、他部署の社員と円滑に話せるコミュニケーションスキルも必須と言えるでしょう。
エントリーシートや面接では、これらの特徴を持つことを、自分の経験からアピールできると良いです。
参照ページ ライトハウス
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
化学メーカーの中での荒川化学工業株式会社の立ち位置をご紹介します。
他社との売上高を比較してみても、荒川化学工業株式会社は入社はさほど難しくない企業と言えるでしょう。
とはいえ荒川化学工業株式会社は同業界の中でも、強みが多い企業です。
ここでは、荒川化学工業株式会社ならではの大きなポイントを解説します。
- 常に新しい技術と製品の開発に注力し、研究開発への投資を重視しており、売上高に占める研究開発費用の比率は3.8%
- 海外事業の拡大に伴い海外勤務している社員の割合は年々増加中で、海外勤務している社員の割合は4.1%
- アジア市場への進出に力を入れており、現在海外売上高比率は43.9%
以上の要素により、荒川化学工業株式会社は化学メーカーの中では中堅かその少し下のクラスだと考えられます。
参考までに競合との比較情報もまとめてみたので、ご紹介します。
会社名 | 売上高(2023年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
荒川化学工業株式会社 | 299億円 | 694万円 | 55 | 家族的な社風による「働きやすさ」がある |
クラレ株式会社 | 8,300億円 | 727万円 | 57 | 社員間でのコミュニケーションが活発 |
株式会社ダイセル | 2,380億 | 796万円 | 56 | 平社員と上層部の距離が近い |
東ソー株式会社 | 1兆644億円 | 762万円 | 59 | 加点主義を徹底した「挑戦的風土」 |
売上や平均年収を競合と比較してみると、荒川化学工業株式会社の就職偏差値は中堅かやや低いことが推測できます。
参照ページ 就活ハンドブック
荒川化学工業株式会社の新卒募集要項について
以下に、荒川化学工業株式会社の新卒募集要項についてまとめました。
中小を含めた化学メーカーの平均年収が約475万円のため、同業界の中では平均値よりかなり高い年収です。
福利厚生などは一通り整っており、オン・オフをしっかり分けて休める環境があるのもポイントです。
荒川化学工業株式会社は海外事業の拡大に伴い海外勤務している社員の割合は年々増加しているため、将来的に海外勤務となる可能性もあります。
入社後はOJTを通じて業務の流れを一つひとつレクチャーしてくれるため、徐々に担当を引き継ぐことになるでしょう。
研究開発職は茨城県・大阪府、事務系総合職は北海道・福島県 ・東京都 ・静岡県 ・愛知県 ・大阪府 ・岡山県 ・大分県のいずれかでの勤務となります。
各項目 | 詳細 |
---|---|
職種 | 総合職 |
給与 | 2023年4月初任給実績 修士了/月給制250,000円 大学卒/月給制232,000円 |
賞与 | 年2回(6月、12月) |
研修制度 | <入社1年目> 新入社員研修(入社1か月間:ビジネスマナーや工場研修などを実施) OJT・メンター制度(配属後) 1年目フォロー研修 ↓ <入社2年目> 2年目ステップアップ研修 ↓ <入社3年目> 2年目フォロー研修 <その他研修> 海外研修制度(海外拠点(中国・ドイツ・アメリカ)にて語学および実務研修) 資格取得補助、通信教育制度(語学、専門資格取得、自己啓発等:修了すれば受講料の5~8割補助)、階層別各種研修、各種研修 |
福利厚生 | 企業年金、財形、住宅融資、持株会、共済会、給食、独身寮、社宅、テニスコート、選択型福利厚生制度他 |
参照ページ
求める人材
ここでは荒川化学工業株式会社のコーポレートサイトで紹介されている、求める人材像や企業理念について紹介します。
“つなぐを化学する” 未来を見つめ、環境に配慮した素材を用いた製品開発で社会に貢献します 私たちの強みである、素材と素材を「つなぐ」技術。 その可能性を広げる挑戦に終わりはありません。 社会に貢献するSPECIALITY CHEMICAL PARTNERを目指し、 より暮らしの利便性、快適性を高める製品を生み出します。 |
以上のことから、荒川化学工業株式会社では常に先を見据えて失敗を恐れずに挑戦していける人材を求めていることが考えられます。
また、消費者の目線に立ってどのような製品がニーズがあるのかを考えられるスキルも重要になるでしょう。
製品開発は常に失敗と苦悩の繰り返しなので、たくさんの苦難や失敗を乗り越えていける粘り強さも必要となります。
新卒採用のフロー
荒川化学工業株式会社の選考は、下記の通りの選考フローとなっています。
面接では志望動機などのスタンダードな質問のほかにも、人柄をチェックする質問も多いのが特徴です。
選考対策として、入社意欲や将来のプランが明確であるかどうかが重視されます。
今後のキャリアを形成していく上で必須事項なので、しっかり対策をしておきましょう。
①新卒エントリー
荒川化学工業株式会社公式サイトの新卒エントリーボタンから必要事項を入力し、登録します。
②エントリーシート提出
エントリーが完了したら、次はエントリーシートの記入に移ります。
荒川化学工業株式会社のエントリーシートでは、以下のような設問が問われるでしょう。
- (同業種の中で)志望理由
- 研究課題及び得意科目等
- 自己PR
- 学生時代に最も打ち込んだこと
- 就職活動の軸
ここでの内容が面接でも用いられるので、すべての質問で整合性と一貫性を保って記入する必要があります。
また、文字の見やすさや結論ファーストの論理性がある書き方ができているかも合わせてチェックしておきましょう。
一読して分かるような文章にするため、エントリーシートを友人に読んでもらったり、ゼミの先輩に添削をしてもらったりと、第三者からのアドバイスをもらうのがおすすめです。
③筆記試験
筆記試験では化学工学や物理化学などの専門科目が出題されます。
2科目選択制で1時間の試験時間となるため、時間配分を考えて解く必要があります。
また、学部時代の講義を全体的に復習しておくなど対策を徹底しておきましょう。
④面接
筆記試験の後は、人事・技術系社員各1人による1次面接が行われます。
1次面接では以下のような内容が問われやすい傾向にあります。
- 志望動機
- 学生時代に力を入れたこと
- 自己PR
- 他社選考状況
- エントリーシートに書いた内容について深堀り
- 臨床開発職の社員に必要なものは何だと思うか
- 説明会で印象に残ったことはあるか、説明会を経て生化学工業への印象はどう変化したか
- 逆質問
面接自体は和やかな雰囲気で進みますが、1分で伝わる自己紹介をするように指示されることもあるため、決められた時間内で簡潔に話しましょう。
最終面接は社長、人事、技術者(2名)の合計4名で行われます。
「入社の意欲がどれくらいあるか」「チャレンジ精神が抱負で失敗を恐れずに挑戦できるか」「業務内容に関する理解度があるか」といった回答が重視されるでしょう。
以下は、荒川化学工業株式会社の最終面接で実際に問われたことのある質問事項です。
- 自己紹介や自己アピール
- 研究概要
- どんなキャリアを歩みたいか
最終面接では、技術職に必要な素質である「柔軟な発想力」「何事にもチャレンジする好奇心」「マルチタスク能力」「高い集中力」などを示せるエピソードを用意しておくといいでしょう。
以下のページも確認しておき、ぜひ内定を勝ち取ってください。
⑤内定
2回の面接を突破して内定が決まります。
荒川化学工業株式会社の過去3年間の新卒採用者数は10名前後です。
参照ページ
採用大学
荒川化学工業株式会社の採用大学の実績は以下の通りです。
青山学院大学、大分大学、大阪大学、岡山理科大学、鹿児島大学、神奈川工科大学、金沢大学、関西大学、関西学院大学、九州大学、九州工業大学、京都大学、近畿大学、岐阜大学、鳥取大学、富山大学、同志社大学、長崎大学、名古屋大学、奈良先端科学技術大学院大学、日本大学、日本工業大学、兵庫県立大学、広島大学、福井大学、法政大学、北陸先端科学技術大学院大学、北海道大学、三重大学、明治大学、山形大学、山口大学、山梨大学、横浜国立大学、横浜市立大学、立命館大学、和歌山大学、早稲田大学 |
上記の実績を見れば分かるように、荒川化学工業株式会社では学歴に関係なくさまざまな大学から採用しています。
そのため、荒川化学工業株式会社には学歴フィルターはないと考えられます。
ただし荒川化学工業株式会社の新卒採用では、開発職は理系のみの応募と限定されています。
数多くの理系学部出身の学生が応募することが予想されるので、ライバルと差をつけられるエントリーシートを作成しましょう。
しっかりとエントリーシート・面接対策をして内定を獲得できるように準備してください。
参照ページ マイナビ
就職偏差値・難易度
それではここまでの内容を踏まえて、荒川化学工業株式会社の就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度はそこまで高くないと言えます。
その理由として以下の2点が挙げられます。
- 一般的な採用フローとなっているから
- 学歴に関係なく幅広い大学からの採用実績があるから
頻出質問である「ガクチカ」や「志望動機」など基本的な事項をしっかりと対策をして、万全に備える必要があるでしょう。
就職偏差値・難易度については、以下の記事も参考にしてみてください。
まとめ
荒川化学工業株式会社は、明治9年に創業した天然樹脂ロジン(松やに)を主原料とする中間素材を製造している化学メーカーです。
製紙用薬品、印刷インキ用樹脂、粘着・接着剤用樹脂、電子材料といった中間素材を製造しており、東証プライム市場にも上場しています。
化学メーカーの中でも就職難易度はそこまで高くないので、企業研究や自己分析を徹底すれば内定獲得も十分狙えるでしょう。
ただし多くの学生がエントリーすることが予想されるため、オリジナリティーがある面接官の記憶に残りやすい印象的なエントリーシートを作成する必要があります。
本記事を参考にして、ぜひ企業研究の一環として役立ててください。