【企業分析】株式会社アドバンテストの就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2024/3/31更新
はじめに
株式会社アドバンテストは、東京都千代田区に本社を置く、半導体デバイス測定機器などを開発生産する企業です。
半導体試験装置では世界トップクラスの実績を持つ企業で、海外にも進出しています。
富士通と共同して半導体製造装置の開発も行っており、日本の業界をケインする企業の一つとなりました。
現在は富士通との出資関係はなくなり、資本関係は解消されています。
メモリテスターなど自動テスト装置分野では、世界一位になるなどの実績を持つ企業です。
日経225である日経平均株価の構成銘柄になっています。
今回は、そんな株式会社アドバンテストの企業研究のためになる基礎知識などの情報をご紹介していきます。
株式会社アドバンテストへの就職に興味がある以下のような就活生を対象に企業分析を行っていますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 株式会社アドバンテストの仕事内容が気になる
- 株式会社アドバンテストの就職難易度を知りたい
- 株式会社アドバンテストの選考対策として何をすれば良いかわからない
また、電機機器以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひご覧ください。
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この記事の結論
先にこの記事の結論からお伝えすると、株式会社アドバンテストの就職難易度は平均的です。
以下の参照記事で詳しく解説している就職偏差値を参考にすると、標準的な難易度と言えるでしょう。
しかし、理系学生に人気があるものの文系学生も採用するなど、競争率の高さが伺えます。
採用大学はさまざまで、高専の採用もあるなど幅広い人材を採用している印象です。
そのため、しっかりと選考対策をすることで、内定まで進められる可能性は十分にあるでしょう。
半導体業界にはさまざまな会社がありますが、なぜ「株式会社アドバンテスト」を選んだのかを明確にして対策してください。
エントリーシートや面接でも軸になる部分ですので、はっきりした答えがなければなりません。
特に競争率が高い企業なので、差別化した内容を用意する必要があるでしょう。
次の章から各内容や、その他就活に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ最後まで読んでください。
株式会社アドバンテストについて
出典元:株式会社アドバンテスト
会社概要
株式会社アドバンテストは、1954年「タケダ理研工業株式会社」として設立されました。
創業当時は東京都板橋区に本社がありましたが、3年後の1957年には同じ板橋区内に移転し、1959年には練馬区に移っています。
1960年には現在のアドバンテストに社名変更していることから、かなり短期間の名称でした。
1970年代にはいると経営が悪化しはじめ、1976年には富士通の資本参加を受けて再建を果たします。
現JAXAとロケットの地上燃焼実験計測装置などを開発するなど、さまざまな分野にも開発方向が広がり、振動・騒音・音響といった信号解析分野にも進出しました。
拠点となる工場は群馬県邑楽郡に移転し、海外にも進出を果たしています。
海外企業のM&Aにも着手しながら業績を急激に伸ばし、拡大してきた企業です。
参照ページ
各事業別の売上規模
株式会社アドバンテストの2023年度の9月期の売上高は4,169億円で、純利益は873億円でした。
この売上は、全体の7割を占める「半導体・部品テストシステム事業」、テスト・システムの周辺機器などからなる「メカトロニクス関連事業」(11%)、顧客サポートとシステムレベルテストを主とする「サービス他」(17%)などによって構成されています。
売上構成比で見ると、半導体試験装置 83%、電子計測器 17%であり、いかに試験装置に比重を置いているかがわかるでしょう。
参照ページ
各事業セグメントの解説
株式会社アドバンテストの主な事業セグメントは以下の通りです。
事業部門 | 活動内容 |
半導体・部品テストシステム事業部門 | SoCテスト・システム、メモリ・テスト・システム |
メカトロニクス関連事業部門 | テスト・ハンドラ、デバイス・インタフェース、ナノテクノロジー |
サービス他部門 | 保守・サービス、システムレベルテスト |
株式会社アドバンテストのイメージとしては半導体検査機器がありますが、現在はほかの分野にも進出しています。
特に売り上げ構成比率を見ると、サービス分野が広がっていることがわかるでしょう。
海外の顧客サポートなども含め、機器を生産開発するだけでなく、利用者から見た利便性を重視していることがわかります。
以下の参照ページをご紹介いたしますので、是非確認してみてください。
参照ページ:
株式会社アドバンテストで働いている社員は?
平均勤続年数は?
株式会社アドバンテストの平均勤続年数は、22年3月末時点で21.0年です。
平均年齢も46.1歳と、非常に長く務めている人が多いといえます。
平均年収は?
2022年度の株式会社アドバンテストの平均年収は、1,019万円でした。
全国平均の年収が461万円であることを考えると、 全国平均よりも高い水準です。
また、同じ「電気機器」の平均年収は667万円でした。
平均残業時間は?
株式会社アドバンテストの従業員の平均残業時間は、1ヵ月あたり20.5時間でした。
電機機器業界で働く従業員の平均残業時間は15時間前後が多いため、業界内では少し多めといえます。
平均ボーナス額は?
株式会社アドバンテストの平均ボーナスは164万円でした。
電機機器の年間ボーナス平均額が107万円であることを考えると、かなり高い水準です。
また、株式会社アドバンテストは年に6月と12月の合計2回ボーナスが支給されます。
どんな文化なの?
株式会社アドバンテストは、「INTEGRITY」を掲げています。
これは真摯や誠実、高潔を表す言葉ですが、この言葉を使ってさらに掘り下げているのが特徴です。
その中で文化といえるのが、「垣根の低さ」でしょう。
開発系の企業に多く見られることですが、株式会社アドバンテストでも、上下や部署間の垣根が障害にならないように配慮しています。
開発にデメリットになることをできる限り排除する文化があり、無駄のない会議も特徴です。
常にリーダーを目指すというコア・バリューも掲げており、それぞれが起業精神を持ち、新たな顧客価値の創出を目指しています。
つまり、現状に満足せず、常にチャレンジしていく文化があると言えるでしょう。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
競争が激しい電機機器の中での株式会社アドバンテストの立ち位置をご紹介します。
電機機器メーカーの中でもアドバンテストは競争の激しい業界におり、トップ企業ともいえるのがアプライド・マテリアルズです。
リクルートホールディングスやパーソルホールディングス、パソナグループに含まれます。
ただし、株式会社アドバンテストは非上場企業であり、単純に比較できない部分もあります。
売上高を参照し、他社と比較すると、株式会社アドバンテストはかなり規模が劣っています。
ただし、経常利益を見ると業界3位に位置しています。
- 多角的な事業戦略:株式会社アドバンテストは、人材情報サービスだけにとどまらず、進学情報や転職情報、人材紹介事業などのほか、ウエディングや農業にまで事業展開を進めてきました。コロナ以降の市場変化にも対応し、多角化を推し進めながら新たな事業の拡大も目指しています。
- 地方活性への貢献:株式会社アドバンテストは、「株式会社アドバンテスト農業」や「株式会社アドバンテストウエディング」「株式会社アドバンテストウーマン」といった事業展開を進めています。ライフスタイルに寄り添いながらも、地方にまで総合的情報サービス展開を進めています。
- 日常生活の情報収集:株式会社アドバンテストはさまざまな情報を提供してきました。日常生活の中で必要とされる情報を提供できることで、ブランドイメージの定着を勧めています。
以上の要素により、株式会社アドバンテストは人材業界の中でも高い競争力を持つ企業に成長したといえます。
参考までに競合3社との情報もまとめました。
会社名 | 売上高(2022年) | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
株式会社アドバンテスト | 4,169億円 | 1,019万円 | 55 | 上下の垣根がない風通しのいい社風 |
アプライド・マテリアルズ・ジャパン | 230億円(21年 アプライド・マテリアルズ・ジャパン単独) | 350~1,300万円 | 68 | 徹底した実力主義の社風 |
東京エレクトロン | 2兆3,500億円 | 1,390万円 | 61 | 比較的オープンな社風 |
株式会社アドバンテストの新卒募集要項について
以下に、株式会社アドバンテストの新卒募集要項についてまとめました。
採用倍率は20倍前後であると予想され、男女比は31:6と圧倒的に男性が多く採用されています。
採用大学は多岐にわたり、高専からの採用もあるので学歴フィルターはないと考えられるでしょう。
研修制度についても、基本的なところは揃っています。
転勤については、全国転勤の可能性があります。
各項目 | 詳細 |
---|---|
職種 | ■募集職種(理系) 研究・開発
SE(システム・エンジニア) FSE(フィールド・サービス・エンジニア) 品質保証 ITエンジニア 営業 調達 生産技術 ■募集職種(文系) 営業部門:営業、販売支援 管理部門:人事、総務、法務、経理、ITエンジニア 他 生産部門:調達、生産管理 IT(情報システム) 他 |
給与 | (1)【正社員】理系(2)【正社員】文系 高専 卒業見込みの方 ※過去入社月実績を表記しています(2023年支給) 月給:219,000円 大学 卒業見込みの方 ※過去入社月実績を表記しています(2023年支給) 月給:245,000円 大学院 卒業見込みの方 ※過去入社月実績を表記しています(2023年支給) 月給:269,000円 |
賞与 | 年2回(6月、12月) |
研修制度 | 最大3ヶ月間の新人研修 アドバンテストアカデミー講師による技術セミナー ビジネス研修、テクニカル研修、e-learning、語学/TOEIC、外部セミナーなど |
福利厚生 | 社会保険完備(健康保険、厚生年金、雇用保険、労働災害補償保険(労災)) 福利厚生:健康保険組合、企業年金基金、確定拠出年金、従業員持株制度、財形貯蓄制度、 再雇用制度、育児休職制度、家賃補助制度、借上社宅制度、借上寮制度など |
求める人材
株式会社アドバンテストは、求める人材について以下のような内容を公表しています。
従業員に求める能力を明確にし、適切なサポート体制を整えることで、人材育成に取り組んでいるためです。
・努力を惜しまず困難を乗り越えるためにも、自分の役割を明確に把握すること。
新たな研究開発には常に困難が生じることからも、自らの役割を理解し、能力を高めるために努力すること。
・グローバルな視点で周りを巻き込みながらグループで力を発揮する
グローバルなビジネスの舞台で力を発揮するためには、個人よりグループの力の方が効率的。
・パッションをもって自律的にスキルを高められること
既存の壁や領域にとらわれず、仕事を生み出す力。失敗してもスピード感のある実行。
以上の3つは、株式会社アドバンテストの人財育成の取り組みの中に含まれていることです。
株式会社アドバンテストの掲げる目標として挙げられたこれらの内容は、望ましい人材像を示すものです。
株式会社アドバンテストが望む理想的な人材像を表しており、適切な能力や姿勢を持つ人材が求められていることを示しています。
エントリーシートや面接においても、これらの要素が重要視されるため、選考に臨む際はこれらを意識することが必要です。
新卒採用のフロー
株式会社アドバンテストの選考は、下記の通りの選考フローとなっています。
面接では、どこでも聞かれる志望動機の他、なぜ株式会社アドバンテストを選んだのかなど、より深い質問がされるでしょう。
特に、競合に対してアドバンテストの優位な部分、不利な部分を明確にしておくことが大切です。
理系と文系で違いはありますが、基本的な流れを見ていきましょう。
①新卒エントリー
株式会社アドバンテストの公式サイトにある「新卒エントリー」のボタンから、必要事項を入力して登録します。
Webエントリーシートの提出によってエントリーが確定するので注意が必要です。
②エントリーシート
エントリーシートはエントリー後に提出します。
アドバンテストの場合はWebエントリーシートです。
質問事項には下記が含まれます。
- ガクチカ
- 社会人になって取り組んでみたい仕事と理由
- 研究内容や卒論内容
- 今のあなた自身を形成した経験を時期など具体的に説明
株式会社アドバンテストの場合、少し特殊な質問が出てきます。
上記のような質問は、アドバンテストが必要とする人財像から逆算されています。
取り組んでみたいことはあなたのビジョンであり、自己の成長に関わることです。
過去の経験を具体的に説明することで、企業は就活生がどうして成長できたかが見えてきます。
研究や卒論の内容も詳しく説明できて当然ですが、論理的にまとめられるかも重要な評価ポイントです。
③会社説明会
株式会社アドバンテストを具体的に知るための会社説明会です。
随時行われ、エントリーすることで詳細が案内されます。
④適性検査・筆記テスト
株式会社アドバンテストでは、適性検査TALを実施しています。
これは自宅で受検でき、所要時間は1時間半程度です。
文章問題と図形配置問題の2つで構成され、メンタルやストレス耐性も測定されます。
性格検査には正解がないため、正直に答えることが基本です。
問題を冷静かつポジティブにとらえましょう。
CASECも実施されるケースがあり、対策が必要です。
本番で焦らないようにリスニングの練習を繰り返すとともに、タイピング能力も向上させなければいけません。
また、株式会社アドバンテストには筆記テストもあります。
時間に余裕のあるテストで、お題に対して400文字で回答する試験です。
ある程度自由な書き方ができますが、お題に沿って内容を練って作らなければなりません。
⑤複数回面接
株式会社アドバンテストでは、複数回面接が予定されています。
1次面接から2次面接、最終面接の3回あった年もありました。
面接では下記のことが聞かれるでしょう。
- 自己紹介
- 志望動機
- 組織のなかでやってきた役割
- 株式会社アドバンテストでやりたい仕事
- 希望の部署
- ガクチカ
- 入社後にどんな風に貢献できるか
- 逆質問
株式会社アドバンテストは理系の企業であり、無駄を嫌う傾向があります。
すべてを効率的な流れにするため、自己紹介から希望職種まで一気に問われることが基本です。
第二希望職種だった場合など、基本的なことも聞かれるでしょう。
深掘りするような質問も多いです。
特に、アドバンテストを含めた半導体という業界をどこまで知っているか、興味を持ったきっかけは何かといった部分も聞かれる可能性があるため、論理的に話せるようにしておきましょう。
最終面接では面接官の数が多いと言われています。
⑤内定
最終面接をクリアできれば内定が出ます。
以下のコンテンツも面接対策に役立ててみてください。
採用大学
株式会社アドバンテストの採用大学の実績を以下に掲載します。
最難関大学から標準的なレベルの大学まで幅広く採用しており、中途採用や専門学校も含まれているため、学歴フィルターはないと考えられるでしょう。
<大学> 東京大学、東京工業大学、東北大学、大阪大学、九州大学、早稲田大学、慶應義塾大学、群馬大学、首都大学東京、東京理科大学、中央大学、立教大学、法政大学、立命館大学、東京電機大学、電気通信大学など |
上記には偏差値が高い大学も含まれていますが、高専も含まれています。
多様な学生を積極的に採用する傾向があるため、学歴が理由で不採用になる可能性は低いでしょう。
エントリーシートや面接対策をしっかりして臨むことが大事です。
就職偏差値・難易度
それでは、ここまでの内容を踏まえて、株式会社アドバンテストの就職偏差値・難易度を見てみましょう。
結論としては、偏差値・難易度は標準的なレベルですが、競争率は高いと言えます。
その理由として以下の3点が挙げられます。
- 大学院から高専まで、さまざまな人材を雇用しているから
- 競争率はかなり高いから
- 経営が上昇傾向にあるから
基本的な事項の対策は必須ですが、株式会社アドバンテストの持つ「人財に対する考え方」にも理解が必要です。
アドバンテストは独自の視点を持ち、新しい技術を追求する人材を求めています。
これが、内定を獲得するための差別化ポイントの一つとなるでしょう。
内定を獲得するためには、対策を怠らずしっかりと準備することが重要です。
また、就職偏差値や難易度については以下の記事も参考にしてみてください。
参照ページ
まとめ
株式会社アドバンテストは、電機機器業界の中でもハイレベルの検査機器を作り出してきた企業です。
現在は非常に経営が好調で、採用人数も増加傾向にあります。
飛びぬけてレベルが高い企業ではないものの、給料水準が高く、競争倍率は高まっています。
理系企業として無駄を嫌う傾向があり、非常に論理的な考え方を持ちます。
女性比率は低いですが、まったく雇用されていないわけではないので、女性もぜひチャレンジしてみましょう。
ぜひこの記事を参考にして励んでくださいね。